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18.アノンが手に入れたいもの
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「……お前どうして」
「客が店に来てはいけないのか?」
落ちてしまった本をアノンが拾い上げる。それはアノンのために取り寄せたあの本だった。
「この本は私が読んでいたものか?」
エミリオが驚いていることなど気にせず、アノンは手にした本をパラパラとめくった。タイトルが同じなので気がついたのだろう。
「そうだよ、続編」
「そうか。じゃあこれをいただこう」
「……うん」
「それとプレートのこと、改めてお礼を言いたくて。本当にありがとう」
深々と頭を下げるアノンに、エミリオはなんとも言えない気持ちになる。なんだ、礼を言うためだけに来たのか、とガッカリしたのだ。
「もう何度も二人からお礼言われたから充分だよ。それよりお前が来ると思っていなかったから驚いた」
「何故、私が来ないと思った」
「だってあのプレートは手に入ったし……アンティークだってお前はさほど興味無いだろ? だから」
「私はまだ手に入れてない」
「は?」
「エミリオを手に入れてないから、これからも通う」
ポカンとしたエミリオの後ろで、何かが落ちる音がして振り向くとお盆が地面に落ちていた。そしてそれを持っていたであろうトトが固まって立っている。どうやらアノンの言葉を聞いたらしい。
「うわあ、やるなあ! 安心しろ、エミリオはお前が来なくて寂しがっていたぜ! その本だってお前が気に入ってたからって俺に取り寄せてくれって言ってきたし」
嬉々として話すトトの口をエミリオは慌てて自分の手で塞いだ。もがもが、とトトが抵抗するが手を離さない。
「トトは黙ってて!」
やがてアノンはトトがいることもお構いなしに、独白のように続きを話す。
「初めは数年かけてようやく見つけたプレートをどうしても手に入れたかったんだ。剣を交わしてでも手に入れてやるとさえ思った。腕には自信があったし、お前になら勝てそうだなと」
「なんだって」
「驚いたよ。まさか負けるなんて思わなかったからな。そこでエミリオに興味が湧いたんだ。私が来るたびに嫌な顔はしていたが、結局は色々教えてくれたからな」
ウッとエミリオがトトの口から手を思わず離すと『仲良いじゃん』と揶揄う。
「それに前にも言っただろう? 私は同性でも構わないと。それにエミリオは可愛い」
「かっ、可愛いって」
どんどんエミリオの顔が赤くなってきている。そんな二人のただならぬ空気にトトは『これ、以上俺聞いたらまずいやつだ』と呟きながらソロリとその場を離れた。
「客が店に来てはいけないのか?」
落ちてしまった本をアノンが拾い上げる。それはアノンのために取り寄せたあの本だった。
「この本は私が読んでいたものか?」
エミリオが驚いていることなど気にせず、アノンは手にした本をパラパラとめくった。タイトルが同じなので気がついたのだろう。
「そうだよ、続編」
「そうか。じゃあこれをいただこう」
「……うん」
「それとプレートのこと、改めてお礼を言いたくて。本当にありがとう」
深々と頭を下げるアノンに、エミリオはなんとも言えない気持ちになる。なんだ、礼を言うためだけに来たのか、とガッカリしたのだ。
「もう何度も二人からお礼言われたから充分だよ。それよりお前が来ると思っていなかったから驚いた」
「何故、私が来ないと思った」
「だってあのプレートは手に入ったし……アンティークだってお前はさほど興味無いだろ? だから」
「私はまだ手に入れてない」
「は?」
「エミリオを手に入れてないから、これからも通う」
ポカンとしたエミリオの後ろで、何かが落ちる音がして振り向くとお盆が地面に落ちていた。そしてそれを持っていたであろうトトが固まって立っている。どうやらアノンの言葉を聞いたらしい。
「うわあ、やるなあ! 安心しろ、エミリオはお前が来なくて寂しがっていたぜ! その本だってお前が気に入ってたからって俺に取り寄せてくれって言ってきたし」
嬉々として話すトトの口をエミリオは慌てて自分の手で塞いだ。もがもが、とトトが抵抗するが手を離さない。
「トトは黙ってて!」
やがてアノンはトトがいることもお構いなしに、独白のように続きを話す。
「初めは数年かけてようやく見つけたプレートをどうしても手に入れたかったんだ。剣を交わしてでも手に入れてやるとさえ思った。腕には自信があったし、お前になら勝てそうだなと」
「なんだって」
「驚いたよ。まさか負けるなんて思わなかったからな。そこでエミリオに興味が湧いたんだ。私が来るたびに嫌な顔はしていたが、結局は色々教えてくれたからな」
ウッとエミリオがトトの口から手を思わず離すと『仲良いじゃん』と揶揄う。
「それに前にも言っただろう? 私は同性でも構わないと。それにエミリオは可愛い」
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