ココロハコブ

江上蒼羽

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ココロハコブ【2】

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ーー週末


仕事が終わり、同僚からの飲みの誘いを断って会社から真っ直ぐに帰宅した。

メールフォルダには、数件の彼女からのメール。

内容はどれもたわいもないものばかり。


「淋しいとか、言ってくれればいいのに…」


ブツクサと不満を溢しながらも


“会いたい”


携帯の画面に4つの文字を入力してみる。


「だあぁ!!ダメだダメだっ!!」


キャラじゃない!と削除しては、また打ち込んで。

ボタンの上を行ったり来たりと忙しなく動く指先。

送信ボタンを押せばいいだけなのに、押せずに携帯を閉じた。


携帯を放り投げて、布団を被った。

真っ暗な中でギュッと目を瞑れば、今メールを送り損ねた相手の顔が浮かぶ。



会いたいーーー…



ただそれだけを伝えればいいだけなのに。

ほんの少し、素直になればいいだけなのに。

簡単なようで、かなり難しい…


堪らず、布団から手だけを出して、手探りで携帯を探し出す。

携帯を開いて彼女の番号を画面上に表示したものの、発信ボタンを前に指先が震えてしまう。


チキンな自分がマジでウザい。
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