ココロハコブ

江上蒼羽

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ココロハコブ【3】

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休日は朝からやることがなくて、だらだらと布団の中で丸まりながら携帯の画面とお見合いしてる。

携帯からは彼女に設定している着信音は鳴らず、代わりに友人からの見当違いな着信音が派手に鳴り響く。


『よっ、今日ヒマ?』

「あー?暇じゃねーよ」

『何だよ、せっかく遊びに誘ってやろうかと思ったのに』

「わり、また今度誘ってくれよ」


次から次へとかかってくる電話をテキトーにあしらって、本命からの連絡をじっと待つ。


「アイツ…今何してるのかな?」


大人しくなった携帯に向かって問い掛けてみたって、答えを返してくれるわけじゃない。


恋しくて…会いたくて…

虚しさが増して、想いは募る一方。




結局、一日何もないまま夜になった。

テレビを見ながら飯を食う俺の傍らには携帯。

いつ着信が来ても、すぐに出れるように。

風呂に入るにもトイレに行くにも、携帯を肌身離さず持ち運ぶ。


「……アホらし」


そんな風に自分を嘲ってみたって、何も状況は変わらない。

つまらない駆け引きなんかやめて、素直に“会いたい”と言えればどんなにいいことか。

本当は今すぐ彼女の所へ飛んで行きたいくらい会いたくて堪らない。


凄く、凄く……会いたい…

でも自分から言うのは、照れ臭いってゆーか…

何だか“負け”な気がするってゆーか…


なかなか口にしにくいものなんだよ。

そんなだから、逆にどんどんと素直になることから遠ざかっていって、もう引くに引けない状態。
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