7 / 7
ココロハコブ【7】
しおりを挟む我が物顔で部屋に上がり込む俺の背後から、彼女が問い掛けてくる。
「途中で電話切れちゃったから、どうしたのかと思ったよ。何かあったの?」
俺は、ポリポリと頭を掻いて
「あぁ、急ぎの用事を思い出したんだよ」
なんて、すっとぼけてみせる。
振り向くと、彼女が不思議そうに目をパチクリさせていて。
そのちょっとした仕草に結構やられる。
「急ぎの用事……?」
一呼吸置いてから、首を傾げる彼女の目を真っ直ぐに見据えて言う。
「そっ、何か急に会いたくなったから」
………というか、ずっと会いたかった。
思い切って照れながら言った言葉に、彼女は頬を染めて、ふにゃりと表情を崩した。
そうそう、その顔。
表情をくるくると変えるかわいい彼女に会いたくて、俺はここまで駆け付けた。
でもーーー…
「………でも、それだけじゃない」
「えっ?」
俺がここに来たのは、ただ会いたかったからってだけじゃない。
「きゃっ……な、何?」
油断しきっている彼女の体を強引に引き寄せ、赤面ついでに赤くなった耳に唇を寄せた。
俺がここに来た理由、それは……
「好きだよ」
この想いを君に伝えたくなったから。
*おしまい*
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる