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ココロハコブ【6】
しおりを挟む本当は会いたいくせに。
痩せ我慢をして、いつまでも駆け引きなんかしていたって現状は変わらない。
状況が変わらない事には先へは進めない。
むしろ、先へ進む道すら現れやしないんじゃないか?
相手の気持ちを試している内に、彼女との距離が近付くどころか、逆に離れていってしまいそうだ。
その事に俺はようやく気付く事が出来た。
いつだって先だって浮かんでくるのは、彼女の笑顔。
自分でも知らない内に、心の中は彼女でいっぱいになってた。
溢れんばかりの想いを抱えながら願うのは
早く彼女に会いたいという事だけ。
逸る気持ちを持て余し、ハンドルに余計な力が籠もる。
きらびやかな夜の街中を、やや速度オーバー気味に走り抜け、彼女の元へと急いだ。
車を停めて、ロックの確認。
駐車場内を全力疾走で突っ切る。
彼女のアパートの階段を一段抜かしで駆け上がった。
乱れた呼吸を軽く整えてから、インターホンを押す。
―――ピンポーーーン…
厚いドアの向こう側から「はーい」と元気な声が聞こえてきた。
「あ、れ…?」
ドアを開けた彼女は、俺を見て酷く驚いた様子で目を見開く。
「お疲れ。何だよ、その間抜け面は」
「えっと………ちょっとビックリしちゃって…」
エヘヘ、と笑う彼女の頭をポンポンと2度叩き
「上がってもいいだろ?」
返事を待たずに靴を脱いだ。
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