恋は媚薬が連れてくる

月咲やまな

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本編

【第2話】異変

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 宗太の部屋で二人。
 六畳程の広さのあるテンプレ的男子高生の部屋の中にあるちょっと子供っぽい勉強机の前の椅子に、宗太が座っている。バスケットボール部に入っているからなのか、壁には彼が推す選手のポスターが数枚貼ってあり、ボールと鞄が床に置いてはあるが、全体的に片付けは行き届いていて乱雑な感じは無い。小さなテレビに据え置きタイプのゲーム機がつながっていて、コントローラー何個も乱雑に転がっていたのが唯一残念な点だった。

「さて、宿題はやってくれた?」
「大丈夫、大丈夫。こっから、ここまでバッチリだから。あ、この間のテストの結果はこれね」
 みどりの問いに対し、宿題とテスト用紙を鞄から出して、それらを見せるため宗太が机の上に並べてみせる。どのテスト用紙を見ても九十点以下は無い。何故家庭教師が必要なのかさっぱり解らないくらい宗太の成績には文句がなく、自分は本当に必要なんだろうか?と、みどりは思った。
「惜しいねーこれだったら、満点だって取れただろうに」
 みどりがテスト用紙を手に取り、全ての点数と間違えた箇所を確認する。
「そしたら、センセ来なくなるじゃん」
 サラッとこういう発言をする宗太に困りながら「君はもう……」とみどりが呟く。まさか、わざと間違えたとか?いやいや流石にそれは…… と考えながら、みどりが軽く頭を振った。
「それよりさ、アニキと何話してたの?」
 宗太が眉間にシワをよせながら机に頬杖をつき、みどりを見る。
「ん?たいした話はしてないよー。苺は好き?とか実家から通ってるの?とかくらいなもんかな」
 天井を軽く仰ぎながら、思い出し思い出しそう教える。
「ふーん?ならいいけど……うちのアニキには油断しない方がいいよ。何考えてるか俺でもわかんないから」
 あからさまに不機嫌丸出しな宗太の声。
「そう?優しくて真面目そうな人だったけど」
 みどりのその反応に対し、宗太が益々嫌そうな顔になった。
 どうやらあまり兄弟の仲は良くはなさそうだ。気まずい雰囲気に気後れしつつ、みどりはずっと気になっていた事を訊いて、話題を変える事にした。
「そういえばさ、宗太君はこんなに成績いいのに何で家庭教師なんて必要なの?自力で十分いい成績取れると思うんだけど」
「センセ、それ自分の首絞めてる」
 宗太が口元に手を当てて、クスクスと笑う。
「え?そう?」
「わかんないならいいんだけどさ。センセのいいとこだと思うよ、うん」
 悪戯っ子のような顔で笑うと、宗太が両手を天井に向けて広げた。
「部活入りたいったらさ、勉強どうすんだって親に言われて」
 バスケットのシュートをする時のポースを取り、宗太がシュッと投げるような仕草をした。
「交換条件で家庭教師つく事になったのさ。そうでもしないと自分から机に向わないだろうからって」
「そうだったんだ」
「今まで気にしてなかったのに、何で急に?」
 好奇心いっぱいの目を、宗太がみどりに向ける。
「ん?別に急じゃ無いよ。気になってたけど訊く機会がなかっただけ」
 鞄を膝に置き、中からプリント用紙を出しながらみどりがそう言うと、ちょっと残念そうに宗太が再び机に頬杖をついた。
「なんだぁ。俺に興味持ってくれたのかと思ったのに」
 呟くように、でも確実にみどりに聞こえる声で言う。
(またこの子はもう……)
 そうは思うも口には出さず、黙って聞き流す。
 子ども扱いされるのを嫌がるので、こういう場合は聞き流すのが一番だと、ここ半年の経験でわかっているからだ。
 十枚のプリントを机に置き、みどりが宗太の前に並べた。
「これが今日の宿題ね」
「えええ⁈多くね?」
「文章問題が長いだけで、問題数は少ないよ。こっちが数学で、こっちのは国語ね。物理も一枚入れておいたから」
 契約では教えるのは数学と国語だけとなっているのだが、宗太の必死の頼みでたまに別の教科も訊かれれば教えている。
 二教科以外はあまり得意ではないのでいつも四苦八苦しながらのみどりだが、それでも何とか高校レベルくらいは教えられないと沽券に関ると毎回必死だ。
 あまり今日の範囲は訊かれませんようにっと、願いながら指導する事も少なくない。
「今日はもうやめない?」
「何言ってるの、まだ五分もたってないのに。宿題の提出と、テスト結果の確認しかしないで終わりとか無いから」
「点数はよかったし、宿題も済んだ。お腹も減ってるしさぁ……部活で疲れたし、やる気しないんだよねぇ」
 机に突っ伏しながら宗太が言う。
「私だってお腹空いてます。だからパッとやっちゃおう?今日は宗太君のお兄さんからも三十分でって言われてるし、もう全然時間無いよー」
「マジで?アニキにしては気がきくなぁ……裏がありそうだけど」
 手に持つプリントを軽く丸め、宗太の頭を叩きながら「兄の親切は素直に受け取りなさい」とみどりが怒った。
「絶対俺に対しての親切じゃないよ。センセがお腹空かせてるから早く終われってだけだって」
「私に嫉妬しないのー。さ、やっちゃおう、やっちゃおう。時間は有限だからね!」
 教科書を開き「今日は学校でどこまでやった?」と訊くと「センセは何もわかってないなぁ……」と宗太がぼやくので、再びみどりが彼の頭を叩いた。
「今は何の時間かな?私のお仕事の邪魔しない!」
「はぁーい」
 渋々とはいった感じではあるが、宗太がシャープペンを持って、やっと勉強をする気になってくれた。


「……んで?こっちは何で?」
「これはこっちの式を使ってね、代入すると……」
 数式をいらない雑紙に書きながらみどりが宗太に数学を教えていると、コンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。それと同時に、返事を待たずにドアが開き、宗一郎が顔を出す。
「時間」と短く言いながら腕時計を指差すので、みどりが顔を上げて宗太の部屋の時計を見た。
 宗太の部屋に入ってから、きっかり三十分が経過している。
「すみません、あと少しなんで」
「いや、そこまででいいよ。後は宗太も自分で出来るから。それよりご飯食べさせたいんだよね」
 空腹が限界まできていた宗太は、『ご飯』の言葉に敏感に反応し「今日何⁈」と大声で訊く。
「カレイの煮付けと、から揚げ。大根の味噌汁にサラダだ」
「おっしゃ!肉あり!」
 勉強中何度もお腹を鳴らしていた宗太が嬉しそうに叫んだ。
「感謝しろよ、から揚げは俺が追加してやったんだ」
「……マジで?神じゃん。……あ、後で何かしろってもきかないぞ」
 ガクンッと不自然な程にテンションが下がる。勘繰るような目付きで、宗太が宗一郎を見た。

 ……ドクンッ

「勘繰るな、そんな事はしない。お前は晩御飯を食べてろ。俺はみどりさん家まで送ってくるから」

 ………ドクンッドクンッ

 急に、みどりの心臓が騒がしく跳ね出した。
「は⁈何言ってんだよ、アニキが送るくらいなら俺が送る」
「まだ高校生のガキが何言ってるんだ。それにお前はまず晩御飯だろ?」
「食べ終わるの待っててもらえばいいだろう?もしくは、俺と一緒に食べてから送るとかでもいいし」
 みどりが心臓の鼓動の早さに戸惑いを感じながら、二人の会話に加わること無く、鞄に荷物を詰め込んでいく。
「アホかお前は。大食漢のお前の分をわけたら今度はお前が足りなくなるに決まってるだろ。みどりさんだって空腹を我慢して今まで勉強を教えてたんだぞ?それにこんな時間だ、女性は一刻も早く帰すべきじゃないか」
 二人の会話が耳に入るも、口を挟む余裕がないくらいに、みどりの心臓は落ち着かず、呼吸も少し雑になってきた。
「このくらいの時間、まだ早い方だって!」
「みどりさんをそこいらの女と一緒にするな。とにかく俺が車で送る。お前はとっとと食事でもしてろ」
 そう言いながら宗一郎がみどりの鞄を持ち「行こう」と彼女に声をかけた。
 頬が軽く朱に染まり、みどりの肌が汗ばむ。
 普段の彼女ならば、『兄弟でしょ?喧嘩しないの!』くらい言ってきそうなのに、何も言わずに黙ったままのみどりを不信に思った宗太が、彼女の顔を覗き込み「どうしたの?センセ、どうかした?」と訊いた。
 ビクッと肩を震わせながらみどりが首を横に振る。
「具合がよくなさそうだ。車で俺が送るで確定だな」
 勝ち誇った顔で宗一郎が言った。
 宗太はとても不満そうな顔をしたが、それでもみどりを心配する気持ちが勝ち、「わかったよ」と渋々了承した。
「立てるか?」
 気遣う声で、宗一郎がみどりに尋ねた。
 宗一郎が背中を撫でながらみどりを立たせてくれたが、彼女は変な声が出そうになり手を口にあてた。
(何……これ……)
 感じた事のない衝動が体を支配し、背中を撫でられただけで全身にゾクッとした痺れが走る。肌に触れる服すらにもいいえぬものを感じ、みどりはだんだん泣きそうな気分になってきた。
 その様子が宗太には吐きそうに見えたらしく、「なんかヤバそうだね。急いで送ってあげて、アニキ」と心配そうに声をかける。
「あぁ」
 頷きながら力強く宗太にそう言い、声も出せないでいるみどりを連れ、宗一郎は宗太の部屋を出たのだった。


 半分宗一郎に抱えられるような状態になりながら階段を降り、靴を履かせてもらって、みどりが玄関を出る。
 その間も雑な呼吸をし、頬を染め、みどりは高揚状態のままだ。何故体がいうことをきかないのか、何が起きてるのかさっぱり把握出来ない。経験のない体調の変化に戸惑い、答えを探そうとするも、宗一郎のスーツの生地が自らの半袖の服から出ている素肌部分に当たり、歩くたびに擦れ、変な声をあげてしまわないよう堪えるだけで精一杯だった。
「大丈夫かい?」
 耳の側で声をかけられ、ゾクッっとした快楽を感じるも、返事が出来ない。
(駄目……今声を出したら、変な奴だと思われちゃう)
 コクコクと力なく頷くだけで答えを済ませ。みどりはただただ彼に導かれるまま車の側へと歩いて行く。黒いセダンタイプの車の助手席側に連れてこられ、宗一郎がドアを開けた。
 彼に助けてもらいながら、みどりはどうにか助手席に座ったが、だんだん意識が朦朧としてきた。呼吸が整う気配はなく、困った事に下着までも濡れてきたような感じがする。
 脚を少しもじもじと動かしながら、全身に走る衝動に抗おうと、消えかけている理性にみどりがすがりつく。
 助手席のドアを閉め、窓越しにみどりの姿を、ガラスに軽く手をあてながら冷めた目で見詰める宗一郎。口の端をクッと上にあげ、満足気な表情を浮かべた。
(これは予想以上だ。即効性ではないのがまた、怪しまれなくていい。……素晴らしいよ。……何よりも、とても淫靡だ……)
 車の後ろ側を通りながら、運転席まで行くと、ドアを開けて宗一郎も車の中へと乗り込む。狭い車内の中、薄っすら香る女性の甘い香りと……雌の匂い。
 宗一郎が恍惚とした表情を顔に浮かべながら、運転席に体を預け、みどりの方へ視線をやる。瞳を潤ませ、宗一郎の様子を知る余裕もないといった感じだった。
「すごく、辛そうだね。大丈夫?」
(大丈夫な訳がないよな、規定量よりも多く盛ったんだから……)
 宗一郎の問いに対し、みどりが力なく頷く。
「早く帰りたいよね?帰ったらすぐ休むのかい?ご飯はいいの?」
 みどりには答える余裕など無いと知っているのにあえて訊く。何とか自分の状態を他人には知られまいと、必死になっているみどりが、可愛くてしょうがないからだ。
「……いらなぃ、です」
 ボソッとか細い声でみどりが呟いた。
「そう、じゃあ家まで送るから道教えてもらえる?」
 みどりは震えながら、ゆっくり腕を動かし真っ直ぐ前を指差した。もう視線もどこを見ているのか定かではないくらいに、みどりは意識が飛びそうな状態だ。
「そう、ありがとう。よく頑張ってるね」
 くすっと笑いながら宗一郎がそう言うと、エンジンをかけ、車を出発させた。
 わざわざ訊かなくても、みどりの家の住所はわかっている。先程彼女の簡単な履歴の書かれたメモを居間で見てきたので覚えているのだ。だが、宗一郎は今の状態のみどりをいじめるのが楽しくてしょうがない。
(でもまぁ、意地悪はこれくらいにして、流石にちゃんと家まで送ってやるか)
 そうは思っても、誘惑にはなかなか勝てない。
 赤信号で停まった時、宗一郎が不意にみどりの頬に触れた。その瞬間、みどりは「んあっ」と嬌声に似た声をあげた。全身が震え、意識が飛んだのか、みどりの体から力が抜けていく。座席に全身を預け、シートベルトのおかげで座れているといった状態になってしまった。
 さすがに宗一郎も、その様子には少し驚いた。
 信号が青に変わり、走り始めると、今度は笑いが堪えられなくなってきた。
「あははっこれはすごいな!」
(嬉しくてしょうがない、何て可愛いんだ!)
「無防備だねぇ……襲っちゃうよ?」
 ぼそっと言うも、みどりには聞こえていない。
(でも……それでいい。じっくり時間をかけて……心までも支配してあげるからね)

       ◇

 みどりの住む小さめなマンションの前に着き、邪魔にならなそうな位置に車を停める。
「着いたよ」
 宗一郎はみどりに声をかけたが、反応はなかった。
 頬を赤く染めたまま、眠っているというよりは気を失っていると言った方が正しい状態だ。彼女の鞄の中を、少し悪いと思いながらも宗一郎は鍵を探す為に開けた。
 中に入っているのは、大量の教科書と数冊の小説、無色のリップクリームとスマートフォン。
「こっちか?」
 あちこち開けたが華やかさの少ない中身に、宗一郎が軽く笑みを浮かべながら「真面目だなぁ」と呟いた。
 鞄の中の小さなポケットの中にやっと部屋の鍵を見つけ、それをスーツのポケットに入れると、みどりを降ろす為に助手席の方へとまわる。
 みどりを抱え、鞄を持ち、彼女の借りている部屋へと歩いて行く。
 重いドアの前に着き、鍵を開け中へと入った。
 相変わらず目を開ける様子のないみどりを玄関に寝かせ、靴を脱がせる。自分の靴を脱いで、再び彼女を抱えると、部屋をきょろきょろ見渡しながらベットの方へ運び、ゆっくりと寝かせた。
「性格が手に取るようにわかる部屋をしてるな」
 周囲を見渡し、宗一郎はクスッと笑うと、優しくみどりの頬を撫でる。目が開かぬ事を確認し、彼はゆっくりと唇を重ねた。
 反応が返ってくる事のない口付けだったのだが、宗一郎は嬉しそうに微笑みながらゆっくりと唇を離した。
「柔かいな」
 長く綺麗な指先で、少し濡れて光るみどりの唇をつつっとなぞる。
「今日はこのくらいで許してあげるけどね、次はそうはいかないよ。欲しいモノは放置出来ない主義なんでね。でも……時間だけはかけてあげるよ、真綿で首を絞めるみたいにさ」
 眼鏡の奥の瞳に、ほの暗い感情を隠しながら宗一郎がみどりから離れた。
「おやすみ、みどりさん」
 体の上に布団ををかけて、宗一郎は彼女の部屋を出て行った。


 数時間後。
 みどりが意識を取り戻し、目を開けたのは自分のお腹の音が聞こえたせいだった。
「は、恥ずかしいぃ……」
 一人呟きながら上半身を起こして周囲を見る。
「あれ、いつ帰ったんだろう?」
 宗太の部屋辺りからあまり記憶がない。呼吸が急に苦しくなって、二人が送ってくだなんだでもめて……それからどうしたんだろう?
 どっちが送ってくれたのか、どうやってここまで帰ってきたのか気になり、確認しようと決めスマートフォンを探す。
「ってか、鞄どこ?」
 部屋に見当たらず、困ったまま玄関にまで行くと、鞄は靴箱の側に置いてあった。鍵はポストから入れてくれたのか、靴の側へと落ちていた。
 中に入っているスマートフォンを出し、時間を見ると十二時が過ぎている。
 流石にこんな時間では電話をするのはマズイと諦め鞄を持つと、みどりは部屋の中に戻り、お腹が鳴らない程度に腹ごしらえをしてから、今日はもう寝ることにしたのだった。
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