恋は媚薬が連れてくる

本編

【第20話】部屋での一夜②

　触れる手を慣れた手付きで上へ上へと這わせ、ふくらはぎから内腿へ宗一郎が優しく撫で上げていく。その動きを感じ、みどりがビクッと体を震わせた。
「はあはあ…… 」
　媚薬の効果は切れていないのか、過剰に体は反応し、快楽がみどりの全身を包む。もう片方の手を上へと伸ばし、丹念に肌を撫で上げながら胸の方へと彼が手を移した。
　そっと包み込むように掌でみどりの白く柔かい胸にふれ、宗一郎が割れ物でも扱うかのようにそっと手を動かす。
「あ…… ぁっ」
　目隠しのせいで、宗一郎の全ての動きに対して心構えも出来ぬまま受け入れる。予測する事も出来ぬ状態というのはとても不安で、でも…… 何とも言い難い緊張感がある。
「宗一郎…… さぁ…… 」
　内腿を撫でていた手でショーツに宗一郎が触れる。
「…… 何？」
「……こわい、ですぅ」

「怖がる事なんかないよ…… 僕達はもう付き合っているんだ、自然な流れだろう？」

　宗一郎が優しく、囁くような声で言った。
　指がちょっとショーツに触れただけでわかる程にもうみどりのショーツは濡れており、クッと陰部を指で擦り上げるだけでグチュッと卑猥な音をたてた。
「いやぁぁっ」
　目が使えない分、耳に神経をやっているせいか、陰部からたつ音がやけに大きく聞こえる。
「こんなにしていて、まだ『怖い』って言うの？『どうにかして欲しい』の間違いじゃないのかい？」
　くすくすと笑いながらそう言われ、みどりの頰がカッと熱くなった。
　指で軽くショーツを避け、直接宗一郎の指がみどりの陰裂に触れる。奥から流れ出る蜜が指に絡まり、彼の心をくすぐった。
「僕といるから、こんなになっているんだよね？」
　中指を軽く動かしながら訊く。
　くちゃ、ぬちゅり…… と、ちょっと動かすだけで卑猥に水音が響く。そのせいで、みどりが口をキュッと結びながら、恥ずかしそうに頷いた。
「よかった…… 嬉しいよ、みどり」
　胸に触れる手に少し力を入れ、感触を楽しむように揉む。胸と陰部の柔かい感触に宗一郎は興奮を感じ、高揚してきた。
「みどり…… みどり…… 」
　名を囁きながら、みどりのとうに固くなっている胸の尖りを口に含む。舌で舐め、軽く吸いったかと思うと、そっと離した。
「んくっ」
　胸のふくらみを舐め、陰部に触れる指を、既に溢れかえっている蜜を絡めながら徐々にみどりの中へと沈めていく。
「んあああっ！」
　体の中に入る異物感みどりが声をあげた。
「はは、隣の部屋に聞こえちゃうよ？」
　口を手でとっさに覆い、みどりが洩れ出る声を堪える。
「でも、僕は…… もっと声が聞きたいな」と言いながら、宗一郎が膣の中でゆっくりと指で動かした。
「んぅっ…… ぁぁぁっ」
　眉を寄せ、よがる声を堪えながら宗一郎の指の動きに合わせるように勝手に腰が動いてしまう。
「いいんだ？もっと欲しいの？」
　入れる指を二本に増やし、膣の中を弄ぶ。
　胸から手を離すと、姿勢を変えてみどりの陰部へと顔を近づけた。
　宗一郎の行動の変化を雰囲気で察し、みどりが「ダメ！待ってくださ…… あぁっいあっ」と声をあげる。だがそんな事を言われても宗一郎が止まるはずが無く、興奮した顔でみどりの蜜で濡れそぼる陰部を彼が丹念に舌で舐めた。
「だっ…… やぁ…… んあっ」
　上半身を少し起こし、宗一郎の頭に手をやってみどりが押す。だが、気持ち良過ぎて腕に力が入らず、抵抗が無意味なものになっている。
　突起をペロッと舐め、膣中に入る指の動きをちょっと早めると、みどりは完全に抵抗出来なくなり、ベットの上へ勢いよく上半身を倒した。
「ああっだめっそ…… アアッ！」
　膣の中がギュッときつく絞まり、ドロッとした蜜が奥から溢れ出る。全身をビクッと震わせながら布団のシーツをギュッと掴んだみどりの手から、一気に力が抜けた。

「…… よかった、気持ちよかったんだね」

　達したみどりに満足した顔で、宗一郎が指を抜き取る。その時、指につく赤い純潔の血が目に入り、一瞬宗一郎の目が大きく開かれた。
「…… え、みどりって——」
　はあはあと、みどりが肩で息をするが返事をする余裕は無い。
「…… 今のが初めて？」
「ぁ…… イヤ、ですよね…… 初めてなんて。重くてすみません…… 」
　消え入るような声で、すまなそうにみどりが言う。媚薬の効果で痛みは全く感じず、自分でもコレが初めてだという事をすっかり忘れていた。
「…… いや、嬉しいよ。みどりの過去に嫉妬しなくていいんだからね」
　宗一郎は嬉しそうにそう言うと、みどりのぐっしょりと濡れる陰部を再び舐め始めた。
「やぁっダメ！」
　宗一郎の頭があるであろう方へ手を伸ばし、みどりが声をあげた。
「何故？今のは痛かっただろう？もっとほぐしてあげないと。初めてだって知っていたら、さっきももっと丁寧に時間をかけたんだけど…… ごめんね？」
　舌を中に入れ、大量に溢れ出る蜜を舐め取る。指で突起を摘み、もう片方の手で胸を揉みだした。
「そんあっ…… んんんっ」
「…… それとも、もう——欲しかったりする？」
　舌に替わり、指を膣の中へと入れ、奥の方を撫でるように指を動かす。陰部がヒクヒクと動き、宗一郎の指の動きに呼応するように再び蜜が流れ出てきた。

「指なんかじゃ足りない？もっと…… 気持ちよくなりたい？」

　指を陰部に沈めたまま、宗一郎がみどりの体に軽く覆い被さり、耳元で囁く。
「俺の指なんかじゃ、火照った体は鎮まらなかったかい？」
　軽く耳たぶを咬み、ふぅっと息をかけると、みどりが背を反らせ「あぁっ」と喘いだ。
「俺なら…… 鎮めてあげられるよ。俺ならば…… この快楽を、延々にあげられる」
　首筋を舐めながら言う。
「だから…… みどりも俺へ…… 堕ちてしまえばいいんだ——」