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第4話
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夜勤についてもう数時間が経過した。いつもなら緊急の呼び出しがあったりするんだが……今日はやけに静かだ。看護師達もちょっと暇そうにしている。容態の悪化する患者もおらず、俺達はなんの為にここにいるんだ?と感じるくらい平和だった。
そういえば、半年位前から急に容体が悪化する患者が減ったような気がする。末期なはずの患者の中にも、死亡者は出ていない。命を助ける場であるのでとてもいいことなのだが、これはいったいなんなんだろうか。
結局、多少の仕事はありはしたものの、仮眠中起こされる事もなく、暇な時間が多かった。
「お疲れ様です」
朝になり、交代の医師にそう言って病院を出ようとすると、玄関の付近でまた看護師の草壁に声をかけられた。
『またか』と思いながら「何だ?」と、素っ気なく返事をする。
「あ、あの、よかったら駅までご一緒にと思って」
葛葉まで利用したのに、あの程度では全然懲りてないのか。
「悪い、今日も迎えがあるから」
「え?……昨日の方ですか?」
少し声が辛そうだ。医者狙いで声をかけてるというよりは、まさか本気で俺狙いか?
「いや、違うけど、もう随分待たせてるから。じゃあ、お疲れ様」
そう言って俺は、草壁の方は全く見ずに外へ出て行った。
尻尾を振り、病院のすぐ側にある木の下で、はくおうが大人しくお座りをして待っていた。
「偉いな、誰にも見付からなかったか?」
何度も頷く頭を優しく撫でてやると、「大きいですねぇ」と草壁の声が後ろから聞こえた。
気分のよくなっていた俺は「だろう?」と笑いながら草壁の方を向いて返事をした。すると、はくおうが低い声で唸りだしてしまった。
草壁の体がビクッと震える。これだけ大きい獣に唸られれば、怖いに違いない。
しかし、いったいどうしたというのだろう?コイツが怒るのを初めて見た。
「悪い、普段こんなにはならないんだが」
「いえいえ、大丈夫ですよ。じゃあ、私はこれで」
そそくさと草壁が小走りし出すと、唸るのを止めた。
「……嫌いなのか?」
頷くはくおうの目が、ひどく真剣だ。
「あんまり邪険にするな。仕事は雑だが、たぶん悪い奴じゃないぞ」
プルプルと顔を横に振り、聞きたくないとでも言いたげな顔をする。まぁ、俺もたいして草壁を知っている訳でもないし、弁護する必要もないよな。
「わかったよ。んじゃまぁ帰るか——って」
そういえば、どうやって帰ろうか。こんな大きな犬を連れていては、JRやバス、タクシー等の交通機関は全て選択肢から除外しなければならない。かといって、今からレンタカーか?親に迎えに来てもらうのが一番現実的だが、両親も今時期は年末が近いから暇ではない。
口元に手をあてて、どうするかと悩んでいると、はくおうが這いつくばる様な姿勢になって俺の脚の間に入ってきた。
「んなっ!」
ビックリし、変な声が出た。そんな俺を気にする事無く、はくおうが脚を伸ばしたせいで、俺はコイツの背にまたがるような状態になった。
「おいおい、何してるんだ?」
そう言いながら降りようとした時だ——はくおうが、ダッと俺を背中に乗せたまま家の方向へと走り出した。
「ちょっと待て!止まれって‼︎」
大声で言うも、はくおうは止まる様子がない。仕方なく、俺は落ちないようにガシッと体にしがみ付いた。すると、はくおうはそれを待っていたかのようにスピードを上げ、周囲にある家の塀に飛び乗り、屋根に移動し始めた。
「ひぃっ」
流石に恐怖を感じ、短い悲鳴が出た。デカイとはいえ、こんな細い体でなんで大人の俺を乗せてこんな場所を走るんだ⁈俺だって決して小さい方じゃない!一七五センチと平均並にはあるんだ。なのに……なんでコイツは!
はくおうは軽々と屋根を飛ぶように移動し、どんどんスピードを上げ続ける。俺は必死にしがみ付き、邪魔にならぬように足を下に着けないにするだけで精一杯だった。
一直線に、はくおうが家のある神社の方を目指す。
確かにこれならすぐ着くかもしれないが、誰かに見られでもしたらどうする気なんだ!
——神社の境内にある柏の木のしたへスタッと着地し、地面に座って俺を降ろす。全身の力が抜け、俺はその場にへたり込むように座ってしまった。
……な、なんなんだ一体!コイツは何者なんだ⁈
絶対に普通の生き物じゃない!
「お前……妖怪とかの類なのか?」
俺の言葉に、キョトンとした顔ではくおうが首を傾げる。
「あーくそ!お前が話せれば早いんだが」
さて、どうしたものか。コイツの正体が知りたい、気になって仕方がない。知っていそうな奴は……一人しかいないよな。
はくおうを見るなり表情を変えた、弟の仁。何も知らないなら、両親のような反応をしたはずだ。
スマートフォンを鞄から出し、電源を入れる。連絡先を開いて、仁に電話をかけた。
「——もしもし」
「昴だ、今いいか?」
「あー……うん。何?今どこ?」
「境内の柏の木の下だ」
「なんだ、兄さんも家か。今そっちに行くよ。切るね」
スマートフォンを鞄に戻し、その場に座って木に寄りかかる。
はくおうが側に寄って来ると、俺の膝の上に上半身を乗せてくつろぎだした。
「お前は甘えん坊だな」
はにかんだ笑顔を向け、はくおうの頭を撫でる。さっきの恐怖はもう、コイツのデカイくせに可愛らしい態度のせいでどうでもよくなってしまった。『可愛いは正義』だなんて言葉を始めてどこかで聞いた時はふざけた言葉だと思ったが、まんざら嘘でも無いな。
コイツといると、昔のまだ素直だった頃の自分を思い出す。ちょっと人とは違うモノが見えるだけの、普通の子供だった頃を。
仁が玄関から出て、こっちへ向って走ってきた。運動が得意じゃないせいか、やたらに鈍い。
ここまで何分かける気だよ、まったく。
「ごめん……に、にいさん」
ハアハアと、仁が息を切らす。
「お前、呆れる程体力無いな」
「仕方ないだろう?僕は兄さんと違って、体力使うような仕事してないんだし」
「たった数メートル走っただけで息が切れるのは、人間としてマズイレベルだ。少しは鍛えないと将来後悔するぞ」
「わ、わかったよ。少しは運動するから」
そう言いながら俺の前に座り、仁がはくおうの尻尾で手遊びを始めた。
「お前に訊きたい事がある」
俺が早速本題に入ろうとすると、仁の体がビクッと跳ねた。
はくおうも少し頭を上げて、こっちを見てくる。
「コイツは何者だ?お前、何か知っているんだろう?」
「……し、知ってるというか」
頬をかき、仁が煮え切らない態度をする。
「はっきり言え」
「……知らない」
「嘘言え」
「ほ、本当にわからないんだ。はくおうがいったい何なのか。僕が知ってるのは……」
「なんだ?」
「……この子が、昔うちに居たはくおうと同じモノだって事だけ」
「同じ?馬鹿言うな、はくおうは死んでた。俺が埋めたんだから間違いない」
「そこらへんの事情は僕も全然わからないよ。でも、同じ存在なのは確かだから……只の狐じゃないんだろうね」
「そんな事はわかってるんだ、それ以上の事を俺は知りたいんだよ」
「葛葉には訊かないのかい?」
「アイツに訊いてどうするんだよ。関係無いだろうが」
「いいや、彼女が全て知ってるよ。だからこっちに連れてきたんだもん」
ニコッと笑い、仁が「そうだよなぁ?」と言いながら、はくおうの背中を撫でる。俺は頭を撫でてやると、はくおうが嬉しそうに目を瞑った。
「はくおうと、あの女にどういう関係があるんだ?」
「カンのいい兄さんなら何か感じないかい?葛葉の違和感に」
……感じてる。仁に言われずとも、最初から、コイツは何かがおかしいって。白とも銀とも言える不思議な髪の色。深い藍色に見える瞳。そういった見た目のせいとかじゃない、もっと違う根底に関する違和感だ。
もしかして——まさか……いいや、違う。そんな訳がない。認めたくない。
自分の中で答えを見つけそうになるも、俺は自らそれを否定した。
俺はあの女が嫌いなんだ。あの女は、仁の彼女だし……。そんな奴がはくおうに関連があるなどとは思いたくなかった。
仁がスクッと立ち上がる。それに続いて、はくおうも立ち上がった。
「ちょっと葛葉を呼んで来るよ」
一緒に行こうとするはくおうの尻尾をギュッと掴み「お前はここに居ろよ」と言うも、スルッと尻尾を動かして俺の手から離れた。
「……はくおう?」
今まであんなに一緒に居たがったのに何故?昔のはくおうと同じ存在なのかもしれないとしたら、余計に理解が出来ない。あんなに、ずっと一緒に居たのに……何故なんだ。
「はくおうは連れて行くよ。その方がきっと、葛葉も話しやすいだろうし」
そう言い、二人が立ち去って行く。
こんな些細な事だけで、自分の中に大きな喪失感を感じる。この数十年居なかったんだ、その状態に戻るだけじゃないか。しかも、それも一時の事。なのに……それでも、はくおうと一緒に居たくてしょうがなかった。
一番辛い時に、最も俺を癒してくれたはくおう。俺達とは何か別の存在なのだとしても、それでもいいんだ。
ただ一緒に居たい。
アイツと離れて、また一人になるのはもうイヤだ……。
目を閉じて、木に寄りかかったまま、右手で顔を覆う。風の音と、それにより揺れる木の葉の音がやたらと寂しげな音に聴こえた。
そういえば、半年位前から急に容体が悪化する患者が減ったような気がする。末期なはずの患者の中にも、死亡者は出ていない。命を助ける場であるのでとてもいいことなのだが、これはいったいなんなんだろうか。
結局、多少の仕事はありはしたものの、仮眠中起こされる事もなく、暇な時間が多かった。
「お疲れ様です」
朝になり、交代の医師にそう言って病院を出ようとすると、玄関の付近でまた看護師の草壁に声をかけられた。
『またか』と思いながら「何だ?」と、素っ気なく返事をする。
「あ、あの、よかったら駅までご一緒にと思って」
葛葉まで利用したのに、あの程度では全然懲りてないのか。
「悪い、今日も迎えがあるから」
「え?……昨日の方ですか?」
少し声が辛そうだ。医者狙いで声をかけてるというよりは、まさか本気で俺狙いか?
「いや、違うけど、もう随分待たせてるから。じゃあ、お疲れ様」
そう言って俺は、草壁の方は全く見ずに外へ出て行った。
尻尾を振り、病院のすぐ側にある木の下で、はくおうが大人しくお座りをして待っていた。
「偉いな、誰にも見付からなかったか?」
何度も頷く頭を優しく撫でてやると、「大きいですねぇ」と草壁の声が後ろから聞こえた。
気分のよくなっていた俺は「だろう?」と笑いながら草壁の方を向いて返事をした。すると、はくおうが低い声で唸りだしてしまった。
草壁の体がビクッと震える。これだけ大きい獣に唸られれば、怖いに違いない。
しかし、いったいどうしたというのだろう?コイツが怒るのを初めて見た。
「悪い、普段こんなにはならないんだが」
「いえいえ、大丈夫ですよ。じゃあ、私はこれで」
そそくさと草壁が小走りし出すと、唸るのを止めた。
「……嫌いなのか?」
頷くはくおうの目が、ひどく真剣だ。
「あんまり邪険にするな。仕事は雑だが、たぶん悪い奴じゃないぞ」
プルプルと顔を横に振り、聞きたくないとでも言いたげな顔をする。まぁ、俺もたいして草壁を知っている訳でもないし、弁護する必要もないよな。
「わかったよ。んじゃまぁ帰るか——って」
そういえば、どうやって帰ろうか。こんな大きな犬を連れていては、JRやバス、タクシー等の交通機関は全て選択肢から除外しなければならない。かといって、今からレンタカーか?親に迎えに来てもらうのが一番現実的だが、両親も今時期は年末が近いから暇ではない。
口元に手をあてて、どうするかと悩んでいると、はくおうが這いつくばる様な姿勢になって俺の脚の間に入ってきた。
「んなっ!」
ビックリし、変な声が出た。そんな俺を気にする事無く、はくおうが脚を伸ばしたせいで、俺はコイツの背にまたがるような状態になった。
「おいおい、何してるんだ?」
そう言いながら降りようとした時だ——はくおうが、ダッと俺を背中に乗せたまま家の方向へと走り出した。
「ちょっと待て!止まれって‼︎」
大声で言うも、はくおうは止まる様子がない。仕方なく、俺は落ちないようにガシッと体にしがみ付いた。すると、はくおうはそれを待っていたかのようにスピードを上げ、周囲にある家の塀に飛び乗り、屋根に移動し始めた。
「ひぃっ」
流石に恐怖を感じ、短い悲鳴が出た。デカイとはいえ、こんな細い体でなんで大人の俺を乗せてこんな場所を走るんだ⁈俺だって決して小さい方じゃない!一七五センチと平均並にはあるんだ。なのに……なんでコイツは!
はくおうは軽々と屋根を飛ぶように移動し、どんどんスピードを上げ続ける。俺は必死にしがみ付き、邪魔にならぬように足を下に着けないにするだけで精一杯だった。
一直線に、はくおうが家のある神社の方を目指す。
確かにこれならすぐ着くかもしれないが、誰かに見られでもしたらどうする気なんだ!
——神社の境内にある柏の木のしたへスタッと着地し、地面に座って俺を降ろす。全身の力が抜け、俺はその場にへたり込むように座ってしまった。
……な、なんなんだ一体!コイツは何者なんだ⁈
絶対に普通の生き物じゃない!
「お前……妖怪とかの類なのか?」
俺の言葉に、キョトンとした顔ではくおうが首を傾げる。
「あーくそ!お前が話せれば早いんだが」
さて、どうしたものか。コイツの正体が知りたい、気になって仕方がない。知っていそうな奴は……一人しかいないよな。
はくおうを見るなり表情を変えた、弟の仁。何も知らないなら、両親のような反応をしたはずだ。
スマートフォンを鞄から出し、電源を入れる。連絡先を開いて、仁に電話をかけた。
「——もしもし」
「昴だ、今いいか?」
「あー……うん。何?今どこ?」
「境内の柏の木の下だ」
「なんだ、兄さんも家か。今そっちに行くよ。切るね」
スマートフォンを鞄に戻し、その場に座って木に寄りかかる。
はくおうが側に寄って来ると、俺の膝の上に上半身を乗せてくつろぎだした。
「お前は甘えん坊だな」
はにかんだ笑顔を向け、はくおうの頭を撫でる。さっきの恐怖はもう、コイツのデカイくせに可愛らしい態度のせいでどうでもよくなってしまった。『可愛いは正義』だなんて言葉を始めてどこかで聞いた時はふざけた言葉だと思ったが、まんざら嘘でも無いな。
コイツといると、昔のまだ素直だった頃の自分を思い出す。ちょっと人とは違うモノが見えるだけの、普通の子供だった頃を。
仁が玄関から出て、こっちへ向って走ってきた。運動が得意じゃないせいか、やたらに鈍い。
ここまで何分かける気だよ、まったく。
「ごめん……に、にいさん」
ハアハアと、仁が息を切らす。
「お前、呆れる程体力無いな」
「仕方ないだろう?僕は兄さんと違って、体力使うような仕事してないんだし」
「たった数メートル走っただけで息が切れるのは、人間としてマズイレベルだ。少しは鍛えないと将来後悔するぞ」
「わ、わかったよ。少しは運動するから」
そう言いながら俺の前に座り、仁がはくおうの尻尾で手遊びを始めた。
「お前に訊きたい事がある」
俺が早速本題に入ろうとすると、仁の体がビクッと跳ねた。
はくおうも少し頭を上げて、こっちを見てくる。
「コイツは何者だ?お前、何か知っているんだろう?」
「……し、知ってるというか」
頬をかき、仁が煮え切らない態度をする。
「はっきり言え」
「……知らない」
「嘘言え」
「ほ、本当にわからないんだ。はくおうがいったい何なのか。僕が知ってるのは……」
「なんだ?」
「……この子が、昔うちに居たはくおうと同じモノだって事だけ」
「同じ?馬鹿言うな、はくおうは死んでた。俺が埋めたんだから間違いない」
「そこらへんの事情は僕も全然わからないよ。でも、同じ存在なのは確かだから……只の狐じゃないんだろうね」
「そんな事はわかってるんだ、それ以上の事を俺は知りたいんだよ」
「葛葉には訊かないのかい?」
「アイツに訊いてどうするんだよ。関係無いだろうが」
「いいや、彼女が全て知ってるよ。だからこっちに連れてきたんだもん」
ニコッと笑い、仁が「そうだよなぁ?」と言いながら、はくおうの背中を撫でる。俺は頭を撫でてやると、はくおうが嬉しそうに目を瞑った。
「はくおうと、あの女にどういう関係があるんだ?」
「カンのいい兄さんなら何か感じないかい?葛葉の違和感に」
……感じてる。仁に言われずとも、最初から、コイツは何かがおかしいって。白とも銀とも言える不思議な髪の色。深い藍色に見える瞳。そういった見た目のせいとかじゃない、もっと違う根底に関する違和感だ。
もしかして——まさか……いいや、違う。そんな訳がない。認めたくない。
自分の中で答えを見つけそうになるも、俺は自らそれを否定した。
俺はあの女が嫌いなんだ。あの女は、仁の彼女だし……。そんな奴がはくおうに関連があるなどとは思いたくなかった。
仁がスクッと立ち上がる。それに続いて、はくおうも立ち上がった。
「ちょっと葛葉を呼んで来るよ」
一緒に行こうとするはくおうの尻尾をギュッと掴み「お前はここに居ろよ」と言うも、スルッと尻尾を動かして俺の手から離れた。
「……はくおう?」
今まであんなに一緒に居たがったのに何故?昔のはくおうと同じ存在なのかもしれないとしたら、余計に理解が出来ない。あんなに、ずっと一緒に居たのに……何故なんだ。
「はくおうは連れて行くよ。その方がきっと、葛葉も話しやすいだろうし」
そう言い、二人が立ち去って行く。
こんな些細な事だけで、自分の中に大きな喪失感を感じる。この数十年居なかったんだ、その状態に戻るだけじゃないか。しかも、それも一時の事。なのに……それでも、はくおうと一緒に居たくてしょうがなかった。
一番辛い時に、最も俺を癒してくれたはくおう。俺達とは何か別の存在なのだとしても、それでもいいんだ。
ただ一緒に居たい。
アイツと離れて、また一人になるのはもうイヤだ……。
目を閉じて、木に寄りかかったまま、右手で顔を覆う。風の音と、それにより揺れる木の葉の音がやたらと寂しげな音に聴こえた。
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