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終章 余寒、運命の後期
九
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日が沈む頃、ラルジュとレルヒがやって来て、三人並んで帰路へ着く。道中、ネージュに遭遇した。
「リュエル、ちょうどよかった。マフィンを焼いたんだ。君たちも、おやつにでもお食べ」
「ありがとうございます」
「ネージュさん、料理なさるんですね」
「テオの影響だ」
もしかしたら、保健室でのことを気にしているのかもしれない。おれもぺこりとお辞儀して、今度ネージュのところへ息抜きに行こうと決めた。
まだ温かいマフィンに、心もポカポカ。けれども一歩学び舎の外へ出ると、吹き抜けた風の冷たさに背中が丸まる。
「少しは暖かくなってきたと思っていたけれど、日が落ちると凍える寒さだ」
「ええ。それでも少しは、日が伸びた気がします」
まだまだマントが手放せない。
「部屋に戻りましたら、温かいレモンティを淹れましょう」
レルヒから微笑を向けられ、おれはこくりと頷いた。
そうして寮部屋へ戻ったら、細やかなティータイムにホッと一息。その後、いつもの家庭教師が始まった。ウタを紡げないこと以外、なんら代わり映えのない時が過ぎてゆく。
「前期の復習のテストもいい出来でしたからね。どんどん進めますよ」
スパルタ度の増したレルヒはニコリと笑む。思わず頬がヒクリと動いた。向けられる視線が変わらないよう、細心の注意を払って手を動かすおれだった。
「今日はこの辺にしておきましょう」
レルヒが言って、本日の家庭教師が終了する。
今日もよく頭を使った。うんと伸びをする。労るようにラルジュから頭を撫でられた。
「さて、おいとましようか」
いつものように、二人を見送りに玄関まで行く。
「おやすみ、リュエル」
温かな紫の瞳に、おれを映して。玄関口でラルジュに肩を抱かれたと思ったら、流れるように髪にキスされた。
「おやすみなさい」
キョトンとしている内に、今度はレルヒにハグされる。宣言通り、頬へのおやすみのキスも忘れない。
おれは目を見開いた。レルヒからこうしてハグをされることはままあった。これまでは、友人へするような軽やかさを感じていたのに――。
ラルジュもレルヒも、なんだか雰囲気が違う。二人の挨拶のやり方はそう、
(まるで恋人にするような…)
妙な考えに行き着いてしまい、耳が熱くなる。
“……おやすみ”
かすかに眉根が寄ってしまったが、声にはならない声で返した。すると二人は満足げに微笑み、おれの髪をさらりと撫でて帰っていったのである。
(心臓にわるい)
おれは顔に集まった熱を逃がすようにほぅっと息を吐く。ラルジュとレルヒはいつも側にいて、一緒にいることに慣れている。そんな二人に、こんなふうにドキドキしたのは初めてだ。思い出すと、じわじわと胸が温かくなる。二人は先輩なのだと改めて感じた。頼もしく、温かで優しい…。そんな二人が側にいてくれる幸いを思うと、胸が苦しいほどである。
(早く声を取り戻して、ウタを紡ごう)
レルヒとラルジュに紡ぎたい。ありがとうの気持ちをこめて。
おれはシャツの胸元を握りしめる。どうしようもなく溢れる気持ちに耐えるように目蓋を閉じた。
濡れ髪をすっかり乾かした頃、グランが帰ってきた。
「ただいま」
いつもはおれがウタを紡いでいるため、何も言わずに入ってくるグラン。静かな部屋で、そっと息を吐いている。
「今日もアルシャさんのところに行かないんだな」
おれは顔も向けずにコクリと頷いた。アルシャは忙しい身だ。毎日のように会うことはできない。
「同じ学び舎の生徒なのに。カムナギは大変だ」
グランは肩をすくめて自分の席に座っている。チラリと目をやれば、「ああ、」と口を開いた。
「安心しろよ。誰にも言わん」
メルにも話していないとグランは言う。
おれは眉根を寄せた。何も言っていないのに、グランが思ったことに返答してくれたからだ。
「そんな顔するなよ。おまえはわかりやすいんだから、仕方ないだろ」
グランは苦笑している。
「でもま、早く声が出るようになるといいな。おまえのウタがないと、この部屋はなんだか素っ気ない」
静けさの中、おれを捉えた藍色の瞳はひどく穏やかだ。
「焦る必要はないが、おまえのウタを心待ちにしている人間がいること、ちゃんと覚えてろよ」
おもむろに立ち上がったグランに、さらりと髪を撫でられる。そうしてグランは、シャワールームへ消えた。
おれはそちらを向いたまま、しばらくボンヤリしてしまった。
「おやすみ」
寝るときには、背中にかかった声に頷いてベッドに沈んだ。言葉が交わせなくてもあまり不自由を感じない。それを喜んでいいものか。ウタを紡げないことだけが重く心にのしかかる。試しに紡ごうとしても、吐息が漏れるだけだった。
(試験が間近になくてよかった)
それだけが救いである。おれは深く息を吐き、眠りに落ちた。
「ぱっぽう」
「ハッ」
その日の朝は、パッと意識が覚醒した。近距離に穏やかな紫色の瞳がある。
「おはよう、リュエル」
直後、額に落とされるキス。彼らの有言実行具合に、おれは言葉もない。
「べつの場所にご所望かい?」
“いらねえから!”
呆れていたらいい声で囁かれ、思わず口パクで叫んでいた。ラルジュはベッドに腰掛け、長い足を組むと事もなげに言う。
「俺は、君が望むならなんでも応えるよ」
頬がヒクリとしてしまう。いつかの風呂で見た逞しい肉体が頭を過り、振り払うようにブンブン首を振った。
その日、一年聖音科の壇上に立ったのは、図書館奥に引きこもっているはずのシュネーだった。なんだか様子がおかしいおれのことは、すでに噂になっているとブリランテが言っていた。
「ダリヌ先生に代わり、今日から私が一年聖音科の担任を務めることになりました。正式な担当者が決まるまで、ですが」
おれは目を瞬く。教室にシュネーがいる。なんとも妙な気分だ。
「あんな先生いた?」
「披露会で見た……かも」
「もしかして、会えたらラッキーっていうあの先生か!?」
コソコソとした囁きが教室内に満ちる。そんな中、好奇心旺盛な生徒が挙手をした。
「ダリヌ先生はどうされたんですか?」
途端に静まり返る教室。生徒たちの視線を一身に受け、シュネーは息を吐く。
「ダリヌ先生は退職されました」
「こんな時期にですか?」
「ええ、そうです」
チラチラとこちらを窺うクラスメイトたち。シュネーもチラリとおれに目をやる。
リュエルはどこかぼんやりした様子だった。それがなんとも痛ましく、シュネーはそっと視線を外す。
「ダリヌ先生はある生徒に乱暴を働きました。それだけでなく、呪言まで発したのです」
――その話を聞いたとき、シュネーはにわかに信じられなかった。それから、リュエルの身を案じた。カムナギにとって声は命だ。それを一時的であれ奪われて、どんなにかショックなことだろう。
リュエルの声が出ないことは、すぐに周りに知られてしまう。シュネーは隠すより、状況を話してしまった方がいいと判断した。
「理由がなんであれ、教鞭をとる者として、あるまじき行為です」
「呪言て…」
ざわめく教室。シュネーは静けさが戻るのを黙って待った。そうして、憂いのこもった眼差しで続ける。
「その生徒は声を奪われました。一時的なものですが、心中は察するところでしょう」
やっぱりリュエルだ。練習のしすぎで喉を痛めたんじゃないんだと、誰かが囁いた。
シュネーはゆっくりと息を吐き、生徒たちに視線を巡らす。真摯な眼差しと静かな雰囲気が、静粛な空気をもたらした。
「音には力があります。そのことを忘れないように」
言葉は、そこにこめる心念によって呪いにも “ことほぎ” にもなる。それは一音一音が心身に染み入るような深い声だった。
「はい、先生」
誰もが神妙な顔で応える。
――さすがはカムナギだ。おれもカムナギを目指す身として、背筋が伸びる思いがした。
「リュエル、ちょうどよかった。マフィンを焼いたんだ。君たちも、おやつにでもお食べ」
「ありがとうございます」
「ネージュさん、料理なさるんですね」
「テオの影響だ」
もしかしたら、保健室でのことを気にしているのかもしれない。おれもぺこりとお辞儀して、今度ネージュのところへ息抜きに行こうと決めた。
まだ温かいマフィンに、心もポカポカ。けれども一歩学び舎の外へ出ると、吹き抜けた風の冷たさに背中が丸まる。
「少しは暖かくなってきたと思っていたけれど、日が落ちると凍える寒さだ」
「ええ。それでも少しは、日が伸びた気がします」
まだまだマントが手放せない。
「部屋に戻りましたら、温かいレモンティを淹れましょう」
レルヒから微笑を向けられ、おれはこくりと頷いた。
そうして寮部屋へ戻ったら、細やかなティータイムにホッと一息。その後、いつもの家庭教師が始まった。ウタを紡げないこと以外、なんら代わり映えのない時が過ぎてゆく。
「前期の復習のテストもいい出来でしたからね。どんどん進めますよ」
スパルタ度の増したレルヒはニコリと笑む。思わず頬がヒクリと動いた。向けられる視線が変わらないよう、細心の注意を払って手を動かすおれだった。
「今日はこの辺にしておきましょう」
レルヒが言って、本日の家庭教師が終了する。
今日もよく頭を使った。うんと伸びをする。労るようにラルジュから頭を撫でられた。
「さて、おいとましようか」
いつものように、二人を見送りに玄関まで行く。
「おやすみ、リュエル」
温かな紫の瞳に、おれを映して。玄関口でラルジュに肩を抱かれたと思ったら、流れるように髪にキスされた。
「おやすみなさい」
キョトンとしている内に、今度はレルヒにハグされる。宣言通り、頬へのおやすみのキスも忘れない。
おれは目を見開いた。レルヒからこうしてハグをされることはままあった。これまでは、友人へするような軽やかさを感じていたのに――。
ラルジュもレルヒも、なんだか雰囲気が違う。二人の挨拶のやり方はそう、
(まるで恋人にするような…)
妙な考えに行き着いてしまい、耳が熱くなる。
“……おやすみ”
かすかに眉根が寄ってしまったが、声にはならない声で返した。すると二人は満足げに微笑み、おれの髪をさらりと撫でて帰っていったのである。
(心臓にわるい)
おれは顔に集まった熱を逃がすようにほぅっと息を吐く。ラルジュとレルヒはいつも側にいて、一緒にいることに慣れている。そんな二人に、こんなふうにドキドキしたのは初めてだ。思い出すと、じわじわと胸が温かくなる。二人は先輩なのだと改めて感じた。頼もしく、温かで優しい…。そんな二人が側にいてくれる幸いを思うと、胸が苦しいほどである。
(早く声を取り戻して、ウタを紡ごう)
レルヒとラルジュに紡ぎたい。ありがとうの気持ちをこめて。
おれはシャツの胸元を握りしめる。どうしようもなく溢れる気持ちに耐えるように目蓋を閉じた。
濡れ髪をすっかり乾かした頃、グランが帰ってきた。
「ただいま」
いつもはおれがウタを紡いでいるため、何も言わずに入ってくるグラン。静かな部屋で、そっと息を吐いている。
「今日もアルシャさんのところに行かないんだな」
おれは顔も向けずにコクリと頷いた。アルシャは忙しい身だ。毎日のように会うことはできない。
「同じ学び舎の生徒なのに。カムナギは大変だ」
グランは肩をすくめて自分の席に座っている。チラリと目をやれば、「ああ、」と口を開いた。
「安心しろよ。誰にも言わん」
メルにも話していないとグランは言う。
おれは眉根を寄せた。何も言っていないのに、グランが思ったことに返答してくれたからだ。
「そんな顔するなよ。おまえはわかりやすいんだから、仕方ないだろ」
グランは苦笑している。
「でもま、早く声が出るようになるといいな。おまえのウタがないと、この部屋はなんだか素っ気ない」
静けさの中、おれを捉えた藍色の瞳はひどく穏やかだ。
「焦る必要はないが、おまえのウタを心待ちにしている人間がいること、ちゃんと覚えてろよ」
おもむろに立ち上がったグランに、さらりと髪を撫でられる。そうしてグランは、シャワールームへ消えた。
おれはそちらを向いたまま、しばらくボンヤリしてしまった。
「おやすみ」
寝るときには、背中にかかった声に頷いてベッドに沈んだ。言葉が交わせなくてもあまり不自由を感じない。それを喜んでいいものか。ウタを紡げないことだけが重く心にのしかかる。試しに紡ごうとしても、吐息が漏れるだけだった。
(試験が間近になくてよかった)
それだけが救いである。おれは深く息を吐き、眠りに落ちた。
「ぱっぽう」
「ハッ」
その日の朝は、パッと意識が覚醒した。近距離に穏やかな紫色の瞳がある。
「おはよう、リュエル」
直後、額に落とされるキス。彼らの有言実行具合に、おれは言葉もない。
「べつの場所にご所望かい?」
“いらねえから!”
呆れていたらいい声で囁かれ、思わず口パクで叫んでいた。ラルジュはベッドに腰掛け、長い足を組むと事もなげに言う。
「俺は、君が望むならなんでも応えるよ」
頬がヒクリとしてしまう。いつかの風呂で見た逞しい肉体が頭を過り、振り払うようにブンブン首を振った。
その日、一年聖音科の壇上に立ったのは、図書館奥に引きこもっているはずのシュネーだった。なんだか様子がおかしいおれのことは、すでに噂になっているとブリランテが言っていた。
「ダリヌ先生に代わり、今日から私が一年聖音科の担任を務めることになりました。正式な担当者が決まるまで、ですが」
おれは目を瞬く。教室にシュネーがいる。なんとも妙な気分だ。
「あんな先生いた?」
「披露会で見た……かも」
「もしかして、会えたらラッキーっていうあの先生か!?」
コソコソとした囁きが教室内に満ちる。そんな中、好奇心旺盛な生徒が挙手をした。
「ダリヌ先生はどうされたんですか?」
途端に静まり返る教室。生徒たちの視線を一身に受け、シュネーは息を吐く。
「ダリヌ先生は退職されました」
「こんな時期にですか?」
「ええ、そうです」
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リュエルはどこかぼんやりした様子だった。それがなんとも痛ましく、シュネーはそっと視線を外す。
「ダリヌ先生はある生徒に乱暴を働きました。それだけでなく、呪言まで発したのです」
――その話を聞いたとき、シュネーはにわかに信じられなかった。それから、リュエルの身を案じた。カムナギにとって声は命だ。それを一時的であれ奪われて、どんなにかショックなことだろう。
リュエルの声が出ないことは、すぐに周りに知られてしまう。シュネーは隠すより、状況を話してしまった方がいいと判断した。
「理由がなんであれ、教鞭をとる者として、あるまじき行為です」
「呪言て…」
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「その生徒は声を奪われました。一時的なものですが、心中は察するところでしょう」
やっぱりリュエルだ。練習のしすぎで喉を痛めたんじゃないんだと、誰かが囁いた。
シュネーはゆっくりと息を吐き、生徒たちに視線を巡らす。真摯な眼差しと静かな雰囲気が、静粛な空気をもたらした。
「音には力があります。そのことを忘れないように」
言葉は、そこにこめる心念によって呪いにも “ことほぎ” にもなる。それは一音一音が心身に染み入るような深い声だった。
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