魔道暗殺者と救国の騎士

空月 瞭明

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第21話 本当のこと(2) ※

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 グレアムは深い息を吐きながら、一筋の涙を流す。

「サギト……」

 グレアムはサギトの額に、そっとキスをした。恐る恐る。
 サギトの顔が朱に染まる。
 恥ずかしそうにうつむくサギトを見つめ、グレアムはぐっと下唇を噛む。
 いきなり片手でサギトの腰をぐっとひきつけた。

「!?」

 グレアムは苦しげにサギトを見つめ、吐露するように言う。

「愛してる……。どうしようもないくらい、お前のこと愛してる」

 咄嗟すぎて反応できないサギトの頭を、もう片方の手で支え、サギトの唇に食らいつく。

 そして舌が入り込んだ。いきなりのディープキス。無防備だったサギトの舌はあっさりと絡めとられる。グレアムの舌がサギトの味覚を侵した。

 生まれて初めてのディープキスに、サギトの脳がじんじんと痺れた。口の中で二つの舌が絡まり合って一つになっている。それだけで腰が砕けそうだった。

 腹のあたりに、グレアムの固いものがあたった。
 グレアムの欲望の塊。それがサギトを求めていた。

 グレアムが唇を離し、サギトを見る。余裕をなくした切なげな瞳で。

 サギトは腹に当たるグレアムの固いものに、つい、視線を彷徨わせてしまった。

 グレアムがハッとする。我に返ったように、慌ててサギトから離れた。

「っ、すまない!最低だ俺は、けだものだ。こんな状況でお前のこと抱きたくなってるなんて」

 赤面するサギトに、グレアムは焦った様子で、

「だ、大丈夫だ、襲ったりしないから!」

 だが彼の猛りはおさまることなく、騎士服の白いズボンはテントを張ったままだ。
 グレアムは髪をかき上げ、傷ついたような顔で目を伏せた。

「ごめん。本当にごめん、気にしないでくれ」

「っ……」

「クソッ、何考えてるんだ俺は、けだものだ!お前を十年苦しめた俺に、お前を愛する資格なんてないのに」

 恥じ入り、自分を責めるグレアム。
 サギトの心臓が、ずくりと締め上げられた。

「抱いて……いい……」

 グレアムが目を丸くした。

「え……?」

 サギトは真っ赤になっている顔の下半分を手で隠す。

「に、二度も言わせるな。……抱いていい」

「い、意味は分かっているのか?」

 まさかの質問にサギトはちょっとムッとする。

「分かってる」

 いくら夢精を知らなかったサギトだって。

「抱くというのはつまり」

「分かってるって」

 グレアムは口をぱくぱくさせている。サギトは照れ隠しに視線を横に流しながら言う。

「……もう謝罪はいいから、十年の、お前の『想い』が知りたいんだ。お前のけだものを……見せてくれ」

 そのけだものに食い尽くされたい。
 この胸に巣食ってきた真っ黒い闇を。

 グレアムは雷撃でも受けたように固まって、サギトを凝視する。
 つと、サギトを抱き上げた。そのまま寝具へと連れて行く。
 サギトはほこりを被ったマットの上に投げ出された。
 グレアムが、息を荒くしてサギトにのしかかる。

「愛して……いいのか」

 サギトは一つ、まばたきをする。

「聞くな」

 食らいつくように、唇を重ねられた。

「愛してる、サギト愛してる」

 グレアムは唇を押しつける合間に愛を吐露しながら、もどかしい様子でサギトの服のボタンを外していく。
 サギトはあっという間に己の全てを晒してしまう。

 グレアムは熱い息をはき、裸のサギトを穴の空くほど見つめた。
 感嘆の息をもらす。

「綺麗だ……」

 サギトは顔から火を噴きそうだった。男らしさの欠片もない、細く情けない身体なのに。

「触れて……いいのか?」

 だから、聞くな。と思いながらサギトはうなずく。
 グレアムの指先が、サギトの首筋から下へとそっとたどっていく。大事な骨董でも扱うかのように。

「本当にいいのか、こんな綺麗な体、俺に……」

 サギトは頭がどうにかなってしまいそうだった。俺の体なんか、何故ほめる。

 グレアムは息を整えるように深く呼吸しながら、サギトに触れた。
 片方の手で腹に円を描き、片方の手で胸を撫でた。片方の手は太ももを上下し、片方の手はわき腹をさする。
 肌で感じるグレアムの手に、サギトは思わず声を漏らす。

「んっ……」

 サギトの声に、グレアムがぐっと唾を飲み込んだ。
 両腕がサギトの体をきつく搔き抱いた。荒い息を吐きながら、サギトの首筋に舌を這わせた。手で乱暴にサギトの胸を撫で回すと、そこにある突起をつまむ。突然の妙な刺激にサギトの体はピクリとする。
 舌が肌の上を這い回りながら下にたどっていく。鎖骨から胸に、そこにある突起に。

「んっ、ぁっ」

 サギトは身を震わせた。グレアムは胸の桃色の先端を強く舐めあげた。幾度も幾度も、肉食獣が獲物を舐めるように。

 グレアムにこんな貪るように求められている事実に、サギトの魂が揺さぶられる。

(お前は俺に、これ程の獣欲を抱えていたのか)

(俺はお前に、これ程、ほっされていたのか)

 グレアムはサギトの下半身に手を伸ばした。既に立ち上がってるサギトの分身をきゅっと握る。
 体をずり下げると、グレアムは薄い茂みへと顔を沈めた。その屹立に唇を落とす。

「えっ、ちょっ!」

 まさかのことにサギトは上体を持ち上げてしまった。
 グレアムはサギトの分身を愛しそうに見つめている。

「成長したな……。十年前も本当はしゃぶりたかった」

 突然のそんなカミングアウトにどう反応したらいいのやら。
 グレアムはぱくりと咥え込んだ。

「っ!」

 サギトの分身を、生まれて初めての感触が包み込む。そのぬめりと温もり。なんて感触だろう。

「だ、だめっ、あっ」

 座った状態のサギトの股間に食らいつくグレアム。その口の中でむくむくと、サギトの性器は大きく張り詰めていく。
 ペニスでグレアムの口内を感じている、そんな状態が信じられなかった。
 先端を咥えこみ、先走りに濡れる小さな穴を吸われた。

「んく、あっ、あ」

 口をすぼめ、全体を搾り取られる。サギトの竿は脈打ち高く硬く屹立する。

「やっ、あぁぁっ」

 たまらずサギトはグレアムの頭をかきまぜた。
 反り返るそれを、グレアムの口が上下する。くわえ込む唇が、蠢く舌が、たまらない刺激を巧妙に与えてくる。

 まるでサギトの好きなところを、全部知っているような動き。
 そうだこの男は、サギトよりもサギトを知っている。
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