渋谷カフェの人生哲学、お好き? ~一杯で変わる日常の味~

月下花音

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第35話「二人で作る、特別なレシピってこんな感じです」

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「今日は特別な日~♪」

 美咲は朝からそわそわ。

 昨日、智也くんが「今度は二人で一緒にブレンドを作りませんか?」って言ってくれたから。

「二人で作るブレンドって、どんな香りになるのかな~?」

 ドキドキしながらコーヒーを準備してると...

「あ、今日は間違えないようにしなきゃ~」

 でも緊張してるせいか、手がプルプル震えてる。

「落ち着いて、落ち着いて~」

 深呼吸してると、窓の外に智也くんの姿が。

「きゃ~、もう来ちゃった~」

 美咲の心臓がドキドキ。

 今日は特別な一日になりそう♪

 ☕☕☕

「美咲さん、おはようございます」

 智也が今日もやってきた。

 でも今日はいつもより早くて、まだ開店前。

「あ、智也くん♪」

 美咲がドアを開ける。

「今日は早いですね~」

「今日は特別な日だから...」

 智也がちょっと照れてる。

「早く来ちゃいました」

「特別な日~♪」

 美咲も嬉しそう。

「二人でブレンド作り、楽しみです~」

「僕も楽しみです」

 智也がカウンターに座ると、美咲がコーヒーを淹れる。

「今日はどんなブレンドにしましょうか~?」

「そうですね...」

 智也が考え込む。

「美咲さんと僕の、それぞれの良いところを活かしたブレンドはどうでしょう?」

「わあ~、素敵♪」

 美咲が手をぱちぱち。

「でも、私の良いところって何ですか~?」

「えーっと...」

 智也の頰がほんのり赤く。

「優しくて、温かくて」

 間。

「人の心に寄り添えるところです」

「え~、そんな~」

 美咲も真っ赤。

「じゃあ、智也くんの良いところは~?」

「僕の?」

「はい♪」

 美咲が真剣な顔。

「論理的で、でも優しくて、すごく真面目なところです~」

 智也も照れ照れ。

「ありがとうございます」

「じゃあ、そんな二人の良いところが混ざったブレンドを作りましょう~♪」

 美咲がアロマボトルを並べる。

「まず、美咲さんの温かさを表す香りは?」

「えーっと...バニラかな~?」

「いいですね」

 智也がうなずく。

「じゃあ、僕の論理的な部分は...ユーカリでしょうか?」

「ユーカリ♪頭がスッキリしますもんね~」

「でも、それだけだと...」

 智也が考える。

「二人の共通点も入れたいですね」

「共通点?」

「人を大切に思う気持ちです」

 智也の言葉に、美咲の胸がきゅん。

「それなら...ローズかな~?」

「ローズ、いいですね」

 二人で顔を見合わせて、にっこり。

 ☕☕☕

「じゃあ、作ってみましょう~♪」

 美咲が小さなボトルを用意。

「最初は智也くんから~」

「僕から?」

「はい♪ユーカリを入れてください~」

 智也が慎重にピペットを取る。

「どのくらい入れればいいですか?」

「えーっと...」

 美咲が首をかしげる。

「心の声に従って~♪」

「心の声?」

 智也が困った顔。

「大丈夫ですよ~♪智也くんの感覚を信じて~」

 美咲の言葉に、智也がほっと安心。

「わかりました」

 智也が2滴入れる。

「次は私の番~♪」

 美咲がバニラのボトルを取る。

 でも手が震えて、3滴も入っちゃった。

「あ~、入れすぎちゃった~」

「大丈夫ですよ」

 智也が優しく微笑む。

「美咲さんらしくて、いいと思います」

「本当ですか~?」

「はい」

 智也がうなずく。

「温かさが伝わってきます」

 美咲の頰がほんのり赤く。

「最後はローズですね~♪」

「一緒に入れませんか?」

 智也が提案。

「一緒に?」

「はい」

 智也が真剣な顔。

「二人の気持ちを込めて」

 智也が美咲の手に自分の手を重ねる。

「きゃ~」

 美咲の心臓がドキドキ。

「せーの」

 二人で一緒にピペットを押す。

 ローズが1滴、ぽとん。

「できました~♪」

 美咲が嬉しそう。

「軽く振って、馴染ませましょう」

 智也が瓶を振る。

「はい、完成です」

 二人で一緒に嗅いでみる。

「わあ~」

 美咲が感動。

「すごくいい香り♪」

「本当ですね」

 智也も笑顔。

「なんか...温かくて、でもスッキリしてて」

「二人の良いところが混ざってますね~♪」

 美咲がうっとり。

「この香り、なんて名前にしましょうか?」

 智也が考える。

「『ハーモニーブレンド』はどうでしょう?」

「ハーモニー♪素敵~」

 美咲が手を叩く。

「二人の心が調和してる感じですね~」

「そうですね」

 智也の頰がほんのり赤く。

「美咲さんと一緒だと、いつも心が調和します」

「え~、私も~♪」

 美咲も真っ赤。

「智也くんと一緒だと、すごく安心するんです~」

 二人の距離がちょっと近づく。

「美咲さん...」

「智也くん...」

 その時。
 カフェのドアがガラガラ。

「あ、お客様~」

 美咲が慌てて立ち上がる。

 でも智也は嬉しそう。

(美咲さんと作ったブレンド、大切にしよう)

 ☕☕☕

 お客様が帰った後。
 智也が言う。

「今日は楽しかったです」

「私も~♪」

 美咲がにっこり。

「二人で作ったブレンド、特別ですね~」

「はい」

 智也が真剣な顔。

「僕の宝物になりました」

 智也の言葉に、美咲の胸がきゅん。

「宝物...」

「美咲さんとの思い出が詰まってますから」

「私も、智也くんとの思い出、大切にします~♪」

 二人で顔を見合わせて、にっこり。

「また一緒に、ブレンド作りましょうね~♪」

「はい」

 智也がうなずく。

「今度はどんな香りにしましょうか?」

「えーっと...」

 美咲が考える。

「『恋の香り』とか~♪」

「恋の香り?」

 智也の顔が真っ赤。

「あ、えーっと...」

 美咲も慌てる。

「べ、別に深い意味は~」

「そ、そうですよね」

 二人でもじもじ。

 でも心の奥では、お互いを意識してる。

「じゃあ、また明日~♪」

「はい。また明日」

 ☕☕☕

 智也が帰った後。
 美咲は一人でにやにや。

「ハーモニーブレンド~♪」

 瓶を大切に抱きしめる。

「智也くんとの特別なレシピ~」

 美咲の心も、甘い香りでいっぱい。

 二人で作った特別なブレンドは、二人の関係も特別なものに変えていく。

 そんな予感がする、甘~い午後だった。

(第35話完 次話へ続く)

 次回予告:
 カップルの香りって、愛の温度差なんです

 #渋谷クロスカフェ #特別編 #ハーモニーブレンド #手を重ねる #宝物 #恋の予感
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