渋谷カフェの人生哲学、お好き? ~一杯で変わる日常の味~

月下花音

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第37話「インスタ映えする、恋のブレンドってこんな感じ」

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「今日はインスタ映えの日~♪」

 美咲は日曜日の昼下がり、店内を見回しながらウキウキ。

 若い女の子たちがラテアートを撮影してる姿を見て、なんだか嬉しくなっちゃう。

「みんな楽しそう~♪」

 でも美咲の心は、昨日の智也くんからの映画デートの誘いでふわふわ。

「映画デート~♪何を着ていこうかな~」

 一人でにやにやしてると、またボトルを間違える。

「あれ?これピンクペッパー?」

 でも今日は不思議と、華やかな香りが店内に。

「なんか今日はキラキラした日になりそう~♪」

 ☕☕☕

「きゃー!このカフェ、超おしゃれ」

 派手なファッションに身を包んだ二人の女性が、カフェに入ってきた。

 ミキはピンクのワンピースに大きなイヤリング。
 サキはカジュアルなデニムに華やかなバッグ。

 二人ともスマホを構えて、店内をパシャパシャ。

「ミキちゃん、ここがアロマのお店なの?」

「そうそう!インスタで見つけたの♪」

「絶対映えるよね~」

 美咲が苦笑いしながら迎える。

「いらっしゃいませ~♪」

「わあ~、店員さんも可愛い~♪」

 ミキがスマホを向ける。

「一緒に写真撮らせてください~」

「え~、私なんて~」

 美咲が照れ照れ。

 その時。
 智也がやってきた。

「美咲さん、おはようございます」

「あ、智也くん♪」

 美咲の顔がぱあっと明るくなる。

「この人、彼氏?」

 ミキがにやにや。

「え~、そんな~」

 美咲と智也が同時に真っ赤。

「でも雰囲気いいじゃん~」

 サキも加わって、二人をからかう。

 ☕☕☕

「あの、アロマ作れるって本当ですか?」

 ミキが期待に満ちた目で尋ねる。

「私、恋の香り作って、インスタにアップしたいんです」

「恋の香り~♪」

 美咲が目をキラキラ。

「はい♪オリジナルブレンドをお作りできますよ~」

 智也も説明を加える。

「香りには、気持ちを表現する効果があるんです」

「やばい」

 ミキが興奮気味。

「絶対インスタに載せる」

「ハッシュタグ#恋の魔法ブレンド でバズりそう」

「ミキちゃん、これで彼氏もメロメロになるよ」

 サキが嬉しそうに手を叩く。

「でしょ?」

 ミキがうなずく。

「香水より自然で、でもちゃんと印象に残るやつが欲しいの」

「どんな印象を与えたいですか~?」

 美咲が興味深そうに尋ねる。

「可愛くて、でもちょっとミステリアスで」

 ミキが指を折りながら説明。

「あと上品な感じ?」

「インスタ映えする私だけど、内面もちゃんと伝わるやつ」

「複雑ですね~」

 智也が困った顔。

「でも大丈夫♪香りで表現してみましょう~」

 美咲がサンプルを並べる。

「まずは、ミキちゃんの好みを知るために~」

 ミキが最初にローズを嗅ぐ。

「あ、これ好き」

 間。

「甘くて可愛いけど、ちょっと普通かな?」

 次にジャスミンを試す。

「うわ、これ濃い」

「でも...なんか大人っぽい」

 イランイランを嗅いで顔をしかめる。

「これはちょっと...重すぎる」

 最後にネロリを試した瞬間。
 表情が変わった。

「これ!これすごくいい」

「わあ~、ミキちゃんにぴったり♪」

 美咲が嬉しそう。

「ネロリは上品で優しい香りなんです~」

 智也が説明する。

「オレンジの花の香りで」

 間。

「清楚だけど親しみやすさもあるんです」

「でも、これだけだとミステリアスさが足りないかも」

 美咲が考える。

「少しサンダルウッドを加えてみましょうか~?」

「サンダルウッド?」

「深みと神秘性を与えてくれます♪」

 智也が慎重にブレンドを始める。

「ネロリ4滴、サンダルウッド1滴...」

「あ、でも可愛らしさも欲しいから~」

 美咲がベルガモットを少し加える。

「明るさと親しみやすさをプラス♪」

 完成したブレンドをミキが嗅いだ瞬間。
 目を輝かせた。

「やばい!これ完璧」

「上品で可愛くて、ちょっと謎めいてる~」

 サキも感動。

「ミキちゃんの魅力、全部詰まってるよ」

「これ、絶対写真撮らせてください」

 ミキがスマホを取り出す。

「あ、でも~」

 美咲が特別なボトルを取り出す。

「インスタ映えするボトルにしましょう♪」

 薄いピンク色のガラスボトルに、金色のキャップ。
 リボンを巻いて、ベリーの飾りをプラス。

「きゃー!可愛い」

 ミキが大興奮。

「これならストーリー映え確定」

 智也と美咲も一緒に写真に写る。

「ありがとう~、超ほっこりした♪」

 ☕☕☕

「でも...」

 ミキが少し真剣な表情になる。

「香りって、本当に人の印象を変えるんですか?」

「映えだけじゃなくて、心から好きになってもらえるかな...」

 智也が優しく答える。

「香りは、その人の内面を引き出してくれるんです」

「ミキさんの中にある上品さや可愛らしさを」

 間。

「香りが表現してくれるんですよ~♪」

 美咲が付け加える。

「大切なのは、香りに頼るのではなく」

 美咲が真剣な顔。

「香りと一緒に自分らしさを表現することです♪」

 ミキが深くうなずく。

「なるほど...」

「香りは魔法じゃなくて、自分を表現するツールなんですね」

「そうそう♪」

 美咲がにっこり。

「そして、自分らしい香りを身につけることで、自信も生まれます~」

 智也の言葉に、ミキの表情が明るくなった。

「ありがとうございます」

 間。

「これで自信を持って彼に会えます」

「私も今度、自分だけのブレンド作ってもらいたいです」

 サキも嬉しそう。

「ぜひ♪お待ちしてます~」

 美咲が笑顔で答える。

 二人が帰る時、ミキが振り返って言った。

「インスタにアップしたら、絶対友達も来ると思います」

「楽しみにしてます~♪」

 智也と美咲が手を振って見送る。

 ☕☕☕

 二人を見送った後。
 智也が言う。

「最初は見た目重視だと思ったけど」

 間。

「ちゃんと香りの本質を理解してくれましたね」

「そうですね~♪みんな心の奥は優しいんです」

 美咲がにっこり。

「智也くんの説明も、すごくわかりやすかったです~」

「美咲さんの実践的なアドバイスがあったからですよ」

 二人でにこにこしてると...

「あ、そうそう」

 美咲が思い出したように言う。

「映画デート、楽しみです~♪」

「僕も楽しみです」

 智也の頰がほんのり赤く。

「何の映画にしましょうか?」

「えーっと...」

 美咲が考える。

「恋愛映画がいいかな~♪」

「恋愛映画?」

 智也の顔が真っ赤。

「あ、でも智也くんが嫌だったら~」

「いえ」

 智也が慌てて答える。

「恋愛映画、いいですね」

「じゃあ、今度の日曜日~♪」

「はい。楽しみにしてます」

 ☕☕☕

 二人の距離がまた少し縮まった。

 インスタ映えする恋のブレンドを作ってたら、自分たちの恋も映えてきた?

 そんな甘い予感がする、キラキラした午後だった。

(第37話完 次話へ続く)

 次回予告:
 仕事デキる男の、秘密の香りってあるんです

 #渋谷クロスカフェ #特別編 #インスタ映え #ネロリブレンド #映画デートの約束 #恋の進展
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