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5話 朝の褥 リアン
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窓の隙間から差し込む朝の光が、私のまぶたを優しく撫でた。
ゆっくりと目を開けると、まず視界に飛び込んできたのは、穏やかな寝息を立てるリアンの顔だった。
陽光を浴びてキラキラと輝く金の髪。
閉じられたまぶたの下にあるのは、あの熱っぽい碧い瞳と昨夜私を狂わせた、カサつきひとつない形の良い唇。
「……」
この状況が昨夜の出来事が夢ではなかったことを表していた。
シーツの下の裸の身体、そして身体の節々が訴える、甘い倦怠感。
そのすべてが、私たちがどれほど激しく求め合ったかを物語っていた。
人間だった頃の私なら、きっと羞恥と罪悪感で顔も上げられなかっただろう。
でもこの世界に来てサキュバスになった私には今の状況はいっそ誇らしかった。
狩りを成功させた獣のような気分でもある。
そんな私に喰われてしまった哀れな彼の寝顔を愛おしく感じ、その唇にそっと自分のそれを重ねようとしたその時、私の気配で、リアンがゆっくりと目を開けた。
まだ少し眠たげな碧い瞳が、私を捉え、そして、蕩けるように優しく細められる。
「……おはよう、リリア」
その声は、昨夜の情熱が嘘のように、穏やかで甘かった。
「おはようございます。リアンさん」
自然に、微笑みとそんな言葉が口からこぼれたことに、自分でも少し驚く。
もう、彼の前で萎縮したり、怯えたりする私はいなかった。
「呼び捨てでいい。夜は可愛く私のことをリアンと呼んでくれただろう?」
「……リアン」
名前を呼ぶと、彼は満足そうに頷き、私の頬を優しく撫でた。
「ああ。それでいい。昨夜は……すまなかった。少し……我を忘れてしまったようだ」
「いえ……」
彼の謝罪に、私は小さく首を振る。
嫌だったわけじゃない。むしろ、その逆だと、喉まで出かかったその言葉を、私はかろうじて飲み込んだ。
さすがに、まだそこまで明け透けにはなれない。
「身体は……痛むか?」
「……少しだけ。でも、大丈夫です。それより……お腹が、空きました」
私がそう言うと、リアンは一瞬きょとんとした後、嬉しそうに破顔した。
「そうか!君が食事を望むなんて、初めてだな。すぐに、何か用意させよう」
彼がベッドから起き上がろうとするのを、私は慌てて引き留めた。
彼の逞しい裸の背中に、思わずしがみついてしまう。
「リリア?」
「あの……私が欲しいのは、そういう食事じゃなくて……」
自分でも、なんてことを言っているのだろうと思う。
でも、サキュバスの本能が、そう言わせるのだ。
昨夜、あれだけ貪ったというのに、朝の光を浴びた彼の身体は、また新たな生命力に満ち溢れ、私を強く惹きつけていた。
私の言葉の意味を悟ったリアンは、ゆっくりと振り返った。
その瞳には、再び、あの熱い独占欲の炎が揺らめいている。
「……君は本当に、欲張りだな」
「……だめ、ですか?」
上目遣いに、精一杯の甘えた声で問いかける。
もう、私には羞恥心よりも、欲望を満たすための術が身につき始めていた。
リアンはたまらないといった様子で大きな溜息をつくと、私の身体を再びベッドに押し倒した。
「だめなわけがないだろう?」
彼の唇が、耳元に寄せられる。
「君が私を求める限り、いくらでも与えてやる。君のその身体も、心も、すべてが私で満たされるまで、何度でも」
その声は、愛の囁きであり、同時に、甘い呪いの言葉でもあった。
私を、彼だけのものにしようとする、独占欲に満ちた呪縛。
「ただし」
リアンは私の顎を持ち上げ、真っ直ぐに瞳を覗き込む。
「君が糧としていいのは、私だけだ。他の男に、二度とあのような真似はするな。分かったな?」
その言葉には彼の独占欲と執着が滲み出ていた。
それでも私は彼だけのものでいられないとサキュバスとしての本能が告げていた。
彼にそのことを言えばどうなるのだろう。
私を閉じ込めるのだろうか?それとも泣き縋るのだろうか?
そのことに密かな興奮を覚え、人間であればクズといっても差し支えない考えが私の頭を巡っていた。
それでも今はまだ彼の夢が目覚めるときではない。
だから私は最高の笑顔を作ってこう答えるのだ。
「……はい、リアン。私は貴方だけのものですよ」
そう嘘をついた。けれど、罪悪感はもうどこにもなかった。
ただ、目の前の極上の餌を、今は心ゆくまで味わいたいその一心で嘘を吐く。
そんな私の返事に満足したリアンが、再び私に覆いかぶさってくる。
「ああ。リリア愛してる」
こうして、私たちは朝日が差し込んだ部屋で、昨日の夜を思い出すかのように甘く激しい交わりが始まったのだった。
ゆっくりと目を開けると、まず視界に飛び込んできたのは、穏やかな寝息を立てるリアンの顔だった。
陽光を浴びてキラキラと輝く金の髪。
閉じられたまぶたの下にあるのは、あの熱っぽい碧い瞳と昨夜私を狂わせた、カサつきひとつない形の良い唇。
「……」
この状況が昨夜の出来事が夢ではなかったことを表していた。
シーツの下の裸の身体、そして身体の節々が訴える、甘い倦怠感。
そのすべてが、私たちがどれほど激しく求め合ったかを物語っていた。
人間だった頃の私なら、きっと羞恥と罪悪感で顔も上げられなかっただろう。
でもこの世界に来てサキュバスになった私には今の状況はいっそ誇らしかった。
狩りを成功させた獣のような気分でもある。
そんな私に喰われてしまった哀れな彼の寝顔を愛おしく感じ、その唇にそっと自分のそれを重ねようとしたその時、私の気配で、リアンがゆっくりと目を開けた。
まだ少し眠たげな碧い瞳が、私を捉え、そして、蕩けるように優しく細められる。
「……おはよう、リリア」
その声は、昨夜の情熱が嘘のように、穏やかで甘かった。
「おはようございます。リアンさん」
自然に、微笑みとそんな言葉が口からこぼれたことに、自分でも少し驚く。
もう、彼の前で萎縮したり、怯えたりする私はいなかった。
「呼び捨てでいい。夜は可愛く私のことをリアンと呼んでくれただろう?」
「……リアン」
名前を呼ぶと、彼は満足そうに頷き、私の頬を優しく撫でた。
「ああ。それでいい。昨夜は……すまなかった。少し……我を忘れてしまったようだ」
「いえ……」
彼の謝罪に、私は小さく首を振る。
嫌だったわけじゃない。むしろ、その逆だと、喉まで出かかったその言葉を、私はかろうじて飲み込んだ。
さすがに、まだそこまで明け透けにはなれない。
「身体は……痛むか?」
「……少しだけ。でも、大丈夫です。それより……お腹が、空きました」
私がそう言うと、リアンは一瞬きょとんとした後、嬉しそうに破顔した。
「そうか!君が食事を望むなんて、初めてだな。すぐに、何か用意させよう」
彼がベッドから起き上がろうとするのを、私は慌てて引き留めた。
彼の逞しい裸の背中に、思わずしがみついてしまう。
「リリア?」
「あの……私が欲しいのは、そういう食事じゃなくて……」
自分でも、なんてことを言っているのだろうと思う。
でも、サキュバスの本能が、そう言わせるのだ。
昨夜、あれだけ貪ったというのに、朝の光を浴びた彼の身体は、また新たな生命力に満ち溢れ、私を強く惹きつけていた。
私の言葉の意味を悟ったリアンは、ゆっくりと振り返った。
その瞳には、再び、あの熱い独占欲の炎が揺らめいている。
「……君は本当に、欲張りだな」
「……だめ、ですか?」
上目遣いに、精一杯の甘えた声で問いかける。
もう、私には羞恥心よりも、欲望を満たすための術が身につき始めていた。
リアンはたまらないといった様子で大きな溜息をつくと、私の身体を再びベッドに押し倒した。
「だめなわけがないだろう?」
彼の唇が、耳元に寄せられる。
「君が私を求める限り、いくらでも与えてやる。君のその身体も、心も、すべてが私で満たされるまで、何度でも」
その声は、愛の囁きであり、同時に、甘い呪いの言葉でもあった。
私を、彼だけのものにしようとする、独占欲に満ちた呪縛。
「ただし」
リアンは私の顎を持ち上げ、真っ直ぐに瞳を覗き込む。
「君が糧としていいのは、私だけだ。他の男に、二度とあのような真似はするな。分かったな?」
その言葉には彼の独占欲と執着が滲み出ていた。
それでも私は彼だけのものでいられないとサキュバスとしての本能が告げていた。
彼にそのことを言えばどうなるのだろう。
私を閉じ込めるのだろうか?それとも泣き縋るのだろうか?
そのことに密かな興奮を覚え、人間であればクズといっても差し支えない考えが私の頭を巡っていた。
それでも今はまだ彼の夢が目覚めるときではない。
だから私は最高の笑顔を作ってこう答えるのだ。
「……はい、リアン。私は貴方だけのものですよ」
そう嘘をついた。けれど、罪悪感はもうどこにもなかった。
ただ、目の前の極上の餌を、今は心ゆくまで味わいたいその一心で嘘を吐く。
そんな私の返事に満足したリアンが、再び私に覆いかぶさってくる。
「ああ。リリア愛してる」
こうして、私たちは朝日が差し込んだ部屋で、昨日の夜を思い出すかのように甘く激しい交わりが始まったのだった。
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