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二年目の秋の話

一 新しいマンション(※)

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「あっ、んあ、は」

 レンはベッドの上で嬌声をあげていた。
 ルイスのネクタイで目隠しをされ、四つん這いになり、後背位で挿入されている。
 ルイスはレンの腰に手を添えて、焦らすようにゆっくりと揺らし、時々、背中にキスをしたり、耳を甘噛みする。
 そのたびにレンにとって気持ちの良い位置を刺激される。

「レン、こうされるの好きですねえ」

 ルイスは吐息にのせて、レンの耳元で囁く。その濡れた声にレンはぞくぞくする。

「好き、好きです、あっ、ルイスさん、あっ、好き」

 ルイスはレンの痩せた背中を撫でる。レンがたまらなさそうにシーツに額を押しつけたり、顔をあげたりするのを見るのがルイスは好きだ。
 目隠しをすると、レンはいつもより感じやすくなるらしい。
 汚したくないといって困っていたが、レンが快感に溺れている様子を見て、やって正解だったとルイスは思う。

「そんなに好き? レン、自分から動いてますよ。かわいい」
「だめ、あっ、ああ、ん」

 レンは枕にしがみつく。逃げるように腰を引くと、逃がさないとばかりに突かれて、その反動で身体がさがる。その拍子に奥まで入る。
 ルイスがレンの前に手を回して、レンを扱こうとする。指先が触れた瞬間に、レンは達した。

「っ……、イく、あっ」
「いいですよ」

 レンは動きを止める。ルイスがレンを陰茎に手を添えて促したあと、絞るようにする。びくびくしているレンの身体を後ろから抱きしめる。

「んん、はあ……すみません」
「僕も出してもいい?」
「は、はい」

 ルイスはいつも同時に終えるか、レンが果てたあとにする。身体の力が抜けてしまったレンを起こして、激しくする。ほどよくていいと思っている。

「あああっ、ああ、あっ」
「ん、レン」
「あっ、っ」

 ルイスはレンから引き抜き、ティッシュを当てる。しばらく息を整えたあとに、ルイスはレンの目隠しをやっと解いた。
 レンは顔が真っ赤だ。瞳を潤ませている。すごく言いたいことがあるらしい。目隠しプレイのこととか。
 だがルイスは聞かずにベッドをおりる。

「あ、新しいお風呂場、見ますか?」
「…………はい」

 二人でシャワーを浴びるべく、寝室を出て、脱衣所へ向かった。
 新しいマンションに引っ越して、当日の夜だ。以前よりも狭くて部屋数は少ないものの、まだ間取りに慣れない。
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