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3 ある長期休暇の頃
十三 思い出してはいない(※)
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午後十時。
ベッドの上。
けっきょく寝室を分けたり別の寝床を導入したりする話はちっとも進まず、俺たちはダブルサイズのマットレスで一緒に寝ることにして、寝る前にストレッチをするうちにまた勃ってきて、そういう雰囲気になっていった。
暗くした部屋。
俺は仰向けになって両足を抱え上げて、カズ先輩に、奥深くまで容赦なく貫かれる。
「ああっ、か、カズ先輩、やっ、あああっ」
カズ先輩とセックスしてる。
カズ先輩と繋がってる。カズ先輩が体の中に入ってる。
得も言われぬ背徳感。
高校生の頃の、何も知らなかった純粋な自分たちを裏切っているみたい。
カズ先輩が突いてくるたびに、かき混ぜるような、にちゃにちゃといやらしい、ねっとりした音が起こる。
「ここ好きなの知ってるよ」
カズ先輩は俺の性感帯を熟知してる。
触れられると、どこもかしこも気持ちいい。
「カズ先輩、あっ、あ、そんな、そんなされたら、ああっ」
「好きだね、多紀くん、体が覚えてるね。俺のちんぽ好きで、エッチ大好きなんだね」
卑猥な言葉を囁かれて、くすくす笑われて、覆いかぶさってきて、絡みつくみたい。
キスが落ちてくる。
カズ先輩の舌が入ってくる。上も下も犯される。とろけそう。
頬を撫でられたり、首筋に口づけられたり、大きな手のひらで体のあちこちを撫でてきて、力強く抱き寄せられたりという、大切にするみたいな仕草。
似つかわしくないような、露骨で意地悪な言葉。
カズ先輩、そういうこと口にするんだ……ってちょっとショックだったけど。
ふつうにひとりの男だったら、興奮と勢いに任せて下品なこと言ったりもするか。
カズ先輩はそういうこと言わないっていうほうが無理があるよね。
実際やることやってるんだし。
俺も俺で、いったいどこで習得したんだろっていうような、なまめかしい声と言葉、反応。性欲。何もかも衝動的。
お互いに獣みたいに貪りあってる。
汗だくになって、みだらで、いかがわしい、生々しいセックスしてる。
「んっ、んあっ、ああっ、これ、こんな、あっあっ」
「気持ちいいね。男同士でエッチするの」
「や、こんな、声、やっ、きもちい、い、っ、こんなの」
「好き?」
「や、やめ……」
「俺は好き。多紀くんとしたい。多紀くんをやりたい。多紀くんを犯すの、最高に気持ちいい。俺にやられてる多紀くん、犬みたいにさかっててそそる」
「せんぱい、あんまり、言わないで……! あっあっ、あああっ」
「言われて感じてるのに? こすりつけてくるの、多紀くんだよ? 多紀くんのよがり声、可愛い。お尻をナマでやられて感じちゃうの、とっても可愛い。多紀くん可愛いよ。気持ちいいね? もっとごりごりしてあげよっか。なかで感じてね」
「あっあっ、ああっあっ、あっ、あうう……」
「素直になって。ね、多紀くん」
気持ち良すぎだって。なにこれ。
体が強張って、熱くて疼いて高まってくる。
喘ぎ声が我慢できなくて、口は開けっ放し。
「あっ、カズ先輩っ、俺、あっ……気持ちい、きもちい、なかが、あああっ、や、なに、気持ちい、あっ、いい」
「イっていいよ。俺もそろそろ」
カズ先輩も限界の様子。
俺をがっちり閉じ込めるみたいに、覆いかぶさって体を潰してきて、両手を掴んで、指をつないで、動けないように拘束してくる。
深く、抉るみたいに激しくされる。
「カズ先輩っ、せんぱい、ああっ、先輩の、奥まで、ああっ、うそ、こんなの」
唇を奪われて、唾液が流れ込んでくる。
こんなことするものなの。
生理的に抵抗感があるのに、受け入れざるをえなくて飲んでしまう。
喉を通る。
「ん、んう」
飲み下すと、口の中や喉まで支配されてしまった気分。
「多紀くんのもちょうだい。飲ませて」
がんばって舌を使って下のほうを押して唾液を溜めてみる。カズ先輩が口づけてくるのに合わせて送り込んでみる。
カズ先輩は興奮して、口の中を舌で荒々しく探ってくる。
真っ赤な顔。とろんとした瞳。熱い息。
美味しそうに唾液を飲んで、俺の舌を吸ってる。漏れて垂れて、口の周りがべたべたになる。それも舌先で舐めてる。
激しい口づけ。深いところで抽挿。
発情してる。カズ先輩も、俺も。
「あー、多紀くん……多紀くんの体、全部ちょうだい」
「そんな、そんな奥、やっ、俺、あっ、せんぱい、そんな奥までしちゃ……」
カズ先輩は、俺の耳元で熱く囁いた。
「奥をするよ。一番奥まで入れるよ。わかってるでしょ。多紀くんのここは、男同士なのにこんなにいやらしいエッチされて、とっても悦んでる、俺のちんぽが大好物の、俺専用のケツマンコだよ。だから当然、俺のちんぽで奥までやっちゃうよ。今から何されるか、もうわかってるよね」
体の奥で、ぐぽ、という音がした。
もう一段階、貫かれたみたいな。
「ひっ」
その瞬間、頭が真っ白になる。
震える。涙がこぼれてくる。
体が覚えているとしか言いようがない快感。
「ここ、たっぷりしてあげようね」
激しいピストンに、されるがまま。
「ひ、いっ……ふ、ぅう、だめ」
「いいよ、すごい締まる。ここで出すよ。俺の精液。多紀くん、俺、多紀くんの奥で射精する」
「せんぱい、カズせんぱい、そこ、入れちゃ、だめ……出さないで……お願い、あぅ、あっ」
熱い。なにがどうなってんの、これ。
「多紀くんは、ここにぶち込まれて、種付けされながらイくのが、好きで好きでたまらないんだよ? ここでどれだけイったのか、体に訊けばわかるよ。ほら、ふたりで確かめようね。あー、イきそー……」
「だめ、ぐりぐりしないで……! イく、イく……い、かず、せんぱい、おれ、そこ、され、あっ、やめ、おかしくなる、せんぱい、せんぱい……!」
「やめようか?」
カズ先輩は浅くで止まって、口づけてくる。
めっちゃくちゃ意地悪。
「あっああっ、やめないで、して、そこ、そこがいい、いい、いっぱいして、先輩、イくっ、イっちゃう」
「あー、気持ちいい、ちんぽ締めてくる……わかったんだ? 多紀くん。ここが好きだね?」
「わか、わかり、ました、せんぱいの、ちんぽきもちい……! 好き、好き……!」
「多紀くんは、こんなところを男にやられてイくんだね」
「せんぱい、せんぱいだけ、あっ、イっちゃう」
「イっていいよ、多紀くん」
「せんぱいも、イって、出して、俺の中に、あっ、きもちい、イっちゃう、きもちいい、あ、ああああああっ…………! イっちゃう、イくっ……!」
「俺もイくよ。多紀くん、多紀くん……!」
「っ……! はあ……はあ……あ」
声がかすれる。痙攣。
興奮が最高潮に達して、果てて、汗でびっしょり。頭がくらくらしてる。
カズ先輩もイったみたいで、圧し掛かってきて、耳元で呻く。
「多紀くん……」
「カズ先輩……」
ふたりとも、ゆっくりと息を整える。
はあ。
なんだかすごいな……。
自分がこんなことするなんて思いもよらなかった。最中はもう必死。自分が自分でないような感覚。
けど、ひとたび始まると、怒涛の勢いでことが進んでいって、気づいたら全部済んでる。
カズ先輩は身を起こして、ゆっくりと引き抜く。そこから垂れてくる液体。
枕元のティッシュやウェットティッシュをとって拭いた後、仰向けになってくたくたで動けない俺の隣に横たわった。
俺の二の腕を枕にするみたいにうつ伏せて、額をすりつけてくる。
猫みたい。
「激しくしてごめん……」
「激しいというか……」
とんでもないよ。体の動きの激しさもさることながら、喋りが過激。
征服欲っていうの?
長い腕で引き寄せようとしてくる。
「多紀くんが……可愛いのが……悪い……我慢できない……」
肌にかかってくる髪の毛がくすぐったい。
俺はもう片方の腕を回すように、カズ先輩のほうに向く形で横向きになって、指先で前髪を耳にかけてみる。
「多紀くん、すごい可愛い。可愛すぎ……」
「カズ先輩のほうが顔可愛いですけど……」
明らかにね。顔も仕草も。きれいで可愛い。
濡れた瞳で上目遣いをされると、俺のほうが悪いことしてる気分。やられてるのは俺なのに。
ひとたび繋がったら、可愛さなんて微塵もなくなって、雄のけだものなのに。人が変わったみたいに激しいのに。
あらわになった額が近くて、俺は顔を近づけて、カズ先輩の額に口づけた。
すると、カズ先輩は驚いたように目を見開いて、頭をがばっとあげて、俺を見つめる。
「思い出したの?」
「何をですか?」
ああ、思い出してないのか、と言って、カズ先輩は再び、俺の二の腕を枕にした。
「……俺が多紀くんにそうされるの好きってこと」
「いえ……、ただ、ちゅーしやすそうなデコだなって……。体が覚えてるんですかね?」
カズ先輩は、ふふと笑った。
「いっぱいしてくれてもいいよ」
「これ好きなんですね」
「うん。好き。すごく好き……」
幸せそうな笑顔。
実は甘えん坊なんだな、この人。そして俺はこの人を甘やかしてたのかも。
ベッドの上。
けっきょく寝室を分けたり別の寝床を導入したりする話はちっとも進まず、俺たちはダブルサイズのマットレスで一緒に寝ることにして、寝る前にストレッチをするうちにまた勃ってきて、そういう雰囲気になっていった。
暗くした部屋。
俺は仰向けになって両足を抱え上げて、カズ先輩に、奥深くまで容赦なく貫かれる。
「ああっ、か、カズ先輩、やっ、あああっ」
カズ先輩とセックスしてる。
カズ先輩と繋がってる。カズ先輩が体の中に入ってる。
得も言われぬ背徳感。
高校生の頃の、何も知らなかった純粋な自分たちを裏切っているみたい。
カズ先輩が突いてくるたびに、かき混ぜるような、にちゃにちゃといやらしい、ねっとりした音が起こる。
「ここ好きなの知ってるよ」
カズ先輩は俺の性感帯を熟知してる。
触れられると、どこもかしこも気持ちいい。
「カズ先輩、あっ、あ、そんな、そんなされたら、ああっ」
「好きだね、多紀くん、体が覚えてるね。俺のちんぽ好きで、エッチ大好きなんだね」
卑猥な言葉を囁かれて、くすくす笑われて、覆いかぶさってきて、絡みつくみたい。
キスが落ちてくる。
カズ先輩の舌が入ってくる。上も下も犯される。とろけそう。
頬を撫でられたり、首筋に口づけられたり、大きな手のひらで体のあちこちを撫でてきて、力強く抱き寄せられたりという、大切にするみたいな仕草。
似つかわしくないような、露骨で意地悪な言葉。
カズ先輩、そういうこと口にするんだ……ってちょっとショックだったけど。
ふつうにひとりの男だったら、興奮と勢いに任せて下品なこと言ったりもするか。
カズ先輩はそういうこと言わないっていうほうが無理があるよね。
実際やることやってるんだし。
俺も俺で、いったいどこで習得したんだろっていうような、なまめかしい声と言葉、反応。性欲。何もかも衝動的。
お互いに獣みたいに貪りあってる。
汗だくになって、みだらで、いかがわしい、生々しいセックスしてる。
「んっ、んあっ、ああっ、これ、こんな、あっあっ」
「気持ちいいね。男同士でエッチするの」
「や、こんな、声、やっ、きもちい、い、っ、こんなの」
「好き?」
「や、やめ……」
「俺は好き。多紀くんとしたい。多紀くんをやりたい。多紀くんを犯すの、最高に気持ちいい。俺にやられてる多紀くん、犬みたいにさかっててそそる」
「せんぱい、あんまり、言わないで……! あっあっ、あああっ」
「言われて感じてるのに? こすりつけてくるの、多紀くんだよ? 多紀くんのよがり声、可愛い。お尻をナマでやられて感じちゃうの、とっても可愛い。多紀くん可愛いよ。気持ちいいね? もっとごりごりしてあげよっか。なかで感じてね」
「あっあっ、ああっあっ、あっ、あうう……」
「素直になって。ね、多紀くん」
気持ち良すぎだって。なにこれ。
体が強張って、熱くて疼いて高まってくる。
喘ぎ声が我慢できなくて、口は開けっ放し。
「あっ、カズ先輩っ、俺、あっ……気持ちい、きもちい、なかが、あああっ、や、なに、気持ちい、あっ、いい」
「イっていいよ。俺もそろそろ」
カズ先輩も限界の様子。
俺をがっちり閉じ込めるみたいに、覆いかぶさって体を潰してきて、両手を掴んで、指をつないで、動けないように拘束してくる。
深く、抉るみたいに激しくされる。
「カズ先輩っ、せんぱい、ああっ、先輩の、奥まで、ああっ、うそ、こんなの」
唇を奪われて、唾液が流れ込んでくる。
こんなことするものなの。
生理的に抵抗感があるのに、受け入れざるをえなくて飲んでしまう。
喉を通る。
「ん、んう」
飲み下すと、口の中や喉まで支配されてしまった気分。
「多紀くんのもちょうだい。飲ませて」
がんばって舌を使って下のほうを押して唾液を溜めてみる。カズ先輩が口づけてくるのに合わせて送り込んでみる。
カズ先輩は興奮して、口の中を舌で荒々しく探ってくる。
真っ赤な顔。とろんとした瞳。熱い息。
美味しそうに唾液を飲んで、俺の舌を吸ってる。漏れて垂れて、口の周りがべたべたになる。それも舌先で舐めてる。
激しい口づけ。深いところで抽挿。
発情してる。カズ先輩も、俺も。
「あー、多紀くん……多紀くんの体、全部ちょうだい」
「そんな、そんな奥、やっ、俺、あっ、せんぱい、そんな奥までしちゃ……」
カズ先輩は、俺の耳元で熱く囁いた。
「奥をするよ。一番奥まで入れるよ。わかってるでしょ。多紀くんのここは、男同士なのにこんなにいやらしいエッチされて、とっても悦んでる、俺のちんぽが大好物の、俺専用のケツマンコだよ。だから当然、俺のちんぽで奥までやっちゃうよ。今から何されるか、もうわかってるよね」
体の奥で、ぐぽ、という音がした。
もう一段階、貫かれたみたいな。
「ひっ」
その瞬間、頭が真っ白になる。
震える。涙がこぼれてくる。
体が覚えているとしか言いようがない快感。
「ここ、たっぷりしてあげようね」
激しいピストンに、されるがまま。
「ひ、いっ……ふ、ぅう、だめ」
「いいよ、すごい締まる。ここで出すよ。俺の精液。多紀くん、俺、多紀くんの奥で射精する」
「せんぱい、カズせんぱい、そこ、入れちゃ、だめ……出さないで……お願い、あぅ、あっ」
熱い。なにがどうなってんの、これ。
「多紀くんは、ここにぶち込まれて、種付けされながらイくのが、好きで好きでたまらないんだよ? ここでどれだけイったのか、体に訊けばわかるよ。ほら、ふたりで確かめようね。あー、イきそー……」
「だめ、ぐりぐりしないで……! イく、イく……い、かず、せんぱい、おれ、そこ、され、あっ、やめ、おかしくなる、せんぱい、せんぱい……!」
「やめようか?」
カズ先輩は浅くで止まって、口づけてくる。
めっちゃくちゃ意地悪。
「あっああっ、やめないで、して、そこ、そこがいい、いい、いっぱいして、先輩、イくっ、イっちゃう」
「あー、気持ちいい、ちんぽ締めてくる……わかったんだ? 多紀くん。ここが好きだね?」
「わか、わかり、ました、せんぱいの、ちんぽきもちい……! 好き、好き……!」
「多紀くんは、こんなところを男にやられてイくんだね」
「せんぱい、せんぱいだけ、あっ、イっちゃう」
「イっていいよ、多紀くん」
「せんぱいも、イって、出して、俺の中に、あっ、きもちい、イっちゃう、きもちいい、あ、ああああああっ…………! イっちゃう、イくっ……!」
「俺もイくよ。多紀くん、多紀くん……!」
「っ……! はあ……はあ……あ」
声がかすれる。痙攣。
興奮が最高潮に達して、果てて、汗でびっしょり。頭がくらくらしてる。
カズ先輩もイったみたいで、圧し掛かってきて、耳元で呻く。
「多紀くん……」
「カズ先輩……」
ふたりとも、ゆっくりと息を整える。
はあ。
なんだかすごいな……。
自分がこんなことするなんて思いもよらなかった。最中はもう必死。自分が自分でないような感覚。
けど、ひとたび始まると、怒涛の勢いでことが進んでいって、気づいたら全部済んでる。
カズ先輩は身を起こして、ゆっくりと引き抜く。そこから垂れてくる液体。
枕元のティッシュやウェットティッシュをとって拭いた後、仰向けになってくたくたで動けない俺の隣に横たわった。
俺の二の腕を枕にするみたいにうつ伏せて、額をすりつけてくる。
猫みたい。
「激しくしてごめん……」
「激しいというか……」
とんでもないよ。体の動きの激しさもさることながら、喋りが過激。
征服欲っていうの?
長い腕で引き寄せようとしてくる。
「多紀くんが……可愛いのが……悪い……我慢できない……」
肌にかかってくる髪の毛がくすぐったい。
俺はもう片方の腕を回すように、カズ先輩のほうに向く形で横向きになって、指先で前髪を耳にかけてみる。
「多紀くん、すごい可愛い。可愛すぎ……」
「カズ先輩のほうが顔可愛いですけど……」
明らかにね。顔も仕草も。きれいで可愛い。
濡れた瞳で上目遣いをされると、俺のほうが悪いことしてる気分。やられてるのは俺なのに。
ひとたび繋がったら、可愛さなんて微塵もなくなって、雄のけだものなのに。人が変わったみたいに激しいのに。
あらわになった額が近くて、俺は顔を近づけて、カズ先輩の額に口づけた。
すると、カズ先輩は驚いたように目を見開いて、頭をがばっとあげて、俺を見つめる。
「思い出したの?」
「何をですか?」
ああ、思い出してないのか、と言って、カズ先輩は再び、俺の二の腕を枕にした。
「……俺が多紀くんにそうされるの好きってこと」
「いえ……、ただ、ちゅーしやすそうなデコだなって……。体が覚えてるんですかね?」
カズ先輩は、ふふと笑った。
「いっぱいしてくれてもいいよ」
「これ好きなんですね」
「うん。好き。すごく好き……」
幸せそうな笑顔。
実は甘えん坊なんだな、この人。そして俺はこの人を甘やかしてたのかも。
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