完璧なお見合い結婚〈完全完結〉9/12完全完結しました！

第２章 凰雅side 8

別れ　といっても付き合っていた訳ではない。
ただ近くに居るだけ。
それだけの関係が
それがどれだけ尊いことか
思い知る。


「お前には関係ない」


結は俺の乱れた男女関係を自称取り巻きの女に聴いて直接説明を俺に求めた。

余計なことを耳に入れやがって。

今はまだ二人の関係が確固たるものになっていない。
結はまだまだ男女関係には疎い。
知らなくていい事は聴かなくていい。

知らなくていいんだ。

結　お前は俺が守る。

「本当にそう思っている？」

「ああ　お前はそんなこと気にしなくていいから。他の女とはもうしないって言ったろ。それより　誰に聞いた？何かされたのか？」

核心をつかない俺の話は結の耳には届かない。


「凰雅さん　あなたの事　もうちょっとまともなのかと思ってました。私とは考え方が違い過ぎます。もう私に関わらないでください」

...

「話し合いも出来ない人と一緒にいるのは時間の無駄です」

....何て言った ..？

何て言った ...？今


すり抜けていく恐ろしい感覚にも体が動かない。

いつもと違う予感と　それを打ち消して　明日の方が冷静になれる　と言い聞かせ思い込ませた。　
ーーーーでも違った。


結は俺には守るべき対象で不要な事は耳に入れたくなかったが
結は男女関係には疎くてもまだ親に養ってもらってても　しっかり物事に向き合える立派な一人の人間で。


話し合いもしない俺を切り捨てた。

ーーいとも簡単に。

結と最後に会った後　竜一から結にきかれた事を聞いた。
竜一が悪かった訳じゃない。でも許せなくて。
竜一が知っていた事も　結以外の女と関係を持った事も　結に説明しなかった事も。
...一番許せないのは俺。　俺が
こんなにも思い続けたお前を気持ちを考えを持った一人の人として扱わなかった事。
結局　浮かれすぎてたんだ。


翌日何を思ったのか　殺気立ってる俺に自称取り巻きの女が俺に声をかけてきた。頭が冷えてきて冷酷な気持ちになっていく。

「...誰だ？」
「えっな何？凰雅」
「誰だ？結に会いに行ったのは」

ただならぬ俺の気配に女達は後ずさった。

「お　凰雅？」
「...お前らに文句言う権利があるのか？結を傷つける権利があるのか？
結は俺が好きな女だ..。お前らは合意でヤっただけ。あいつに文句いうのはお門違いだろ」
「.嘘でしょう..？」

女達の悲鳴があがっていた。泣き声も聞こえる。知ったことじゃない。冷たい笑みが浮かぶ。