You Could Be Mine 【改訂版】

You Could Be Mine

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「うわあっ、聞いてますっ！」

みのりさんのびっくりした声で眼が覚めた。

「はいっ」

誰としゃべってんだろ。

興奮気味の声。

ああ。

しゃべり方からして松本さんかな。

「…どうしたの、みのりさん」

電話切ったみのりさんに声かけた。

俺の頭はまだぼんやりしてる。

みのりさんの背中。

触りたくなって手伸ばす。

「尊うっ」

振り向いたみのりさんは。

凄く嬉しそうな顔。

可愛いな。

「あたし、賞もらったあ！」

「なんの？」

「篁文芸賞っ」 

なんかよくわかんねえ。

でもみのりさんがすげえ興奮してて。

嬉しそうだから。

きっとすげえんだろうな。

みのりさんがあんまり喜んでるから。

それ見て俺もすんげえ嬉しくなって。

「凄いねっ！みのりさんっ」

思っきし抱き締めた。

みのりさんの嬉しい事は俺も嬉しい。

みのりさんの仕事の事はよくわかんねえけど。

こんなに喜んでんだから。

すげえ賞もらったんだろな。

「お祝いしなきゃね！みのりさんっ」

みのりさん抱き締めながら。

なにあげよっかな。

服とかはどうせ母さんがプレゼントするだろうし。

なにがいいかな。

みのりさんが喜んでくれそうなもの。

ふと頭に浮かぶ。

クローゼットの引き出しにしまってるもの。

もうずっと前から用意してるもの。

俺は最初からそのつもりで付き合ってっけど。

みのりさんはわかんねえから。

いつかみのりさんが。

この先もずっと俺と一緒にいてもいいって思ってくれる様になったら。

そうなったら渡そう。

そう考えて買ったリング。

お祝いに渡しちゃおうかな。

みのりさん、喜んでくれるかな。

喜んでくれたら。

嬉しいな。