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第五十五話 女子寮
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寮は当然男子と女子に別れていて、同じ女子寮でも等級によって分かれている。
等級は、成績と家柄によって決まっている。
貴族と庶民は一緒にならないように配慮されているのだ。
僕は特二等級という寮に案内された。
「ノノコちゃん、一階が食堂とお風呂です。二階の八号室がノノコちゃんのお部屋です」
ローズはノノコというのが気に行ったのか、やたら挟んでくる。
「ノノコちゃん着きました。この部屋です」
ノックをして中に入ると、一人の女の子がいた。
可愛い笑顔の、赤毛ロリ少女だった。
「一年C組メグです。よろしくお願いします」
えーーっ、どう見ても小学生にしか見えないんだけど、これで高校生なのかー。
「一年F組ノノコです。よろしくお願いします」
「では、ノノコちゃん、先生は帰ります。後はノノコちゃん、メグさんに教えてもらってくださいね。じゃっ」
ローズが嫌な笑顔を浮かべて出て行った。
そういえば、この世界へ来てローズ無しの生活は初めてだ。
少し、緊張してきた。
「うふふ、今のがエリサ先生かー。知っていますか、あの先生すごいのですってよ」
扉を閉めると、いきなりメグさんが話し出した。
「どこがすごいのですか」
「うふふ、あのね、中途採用試験を受けたとき、全試験満点だったのですって」
「へーーっ」
まあ、ローズならその位当たり前でしょう。
「あまり驚かないのですね、でもすごいのはここからです」
メグさんは自分のベッドにストンと座った。
僕は空いているベッドに腰を下ろした。
「実技試験で、対戦相手がホベルト様だったの、ホベルト様はこの国で二番目に強い騎士様なのですよ。そのホベルト様に圧勝してしまわれたのです」
僕は、またローズに吹っ飛ばされるホベルトさんを想像して気の毒に思った。
「うわーー、すごいです」
僕は、少し驚いて見せた。
「でしょーー!」
メグさんの目はキラキラ輝き、とても嬉しそうになった。
「エリサ先生はきっと有名なのでしょうね」
「うふふ、学校中に知れ渡っています」
はー、そんなに目立ってどうするんだ。
まてよ、エリサ先生が目立てば、ノノコの存在がかすみます。
そこを狙っての行動でしょうか。
「でも、よかったわ。ノノコさんのような方で」
「えっ」
「だって、鬼の様な恐い方だったら嫌でしょ」
「そうですね。僕もメグさんみたいな可愛い方でよかったです」
「…………僕?」
し、しまったー。お、男ってばれてしまったー。
「ぎゃーあはっはっはー、ノ、ノノコさんは、僕ッ子だったのですかー。ちょーうけるー」
メグさんは爆笑していますが、これはまだ男とは、ばれていないのでしょうか。
その後、メグさんに食事の説明を受けながら、おいしく無い食事を済ませました。
部屋に戻ると、恐怖の時間がやってきました。
「じゃあ、次はお風呂を案内します」
ど、どうしよう。一緒に入れば絶対にばれます。
それどころか、もはや犯罪者です。
僕の背中には冷たい汗が滝の様に流れ出しました。
等級は、成績と家柄によって決まっている。
貴族と庶民は一緒にならないように配慮されているのだ。
僕は特二等級という寮に案内された。
「ノノコちゃん、一階が食堂とお風呂です。二階の八号室がノノコちゃんのお部屋です」
ローズはノノコというのが気に行ったのか、やたら挟んでくる。
「ノノコちゃん着きました。この部屋です」
ノックをして中に入ると、一人の女の子がいた。
可愛い笑顔の、赤毛ロリ少女だった。
「一年C組メグです。よろしくお願いします」
えーーっ、どう見ても小学生にしか見えないんだけど、これで高校生なのかー。
「一年F組ノノコです。よろしくお願いします」
「では、ノノコちゃん、先生は帰ります。後はノノコちゃん、メグさんに教えてもらってくださいね。じゃっ」
ローズが嫌な笑顔を浮かべて出て行った。
そういえば、この世界へ来てローズ無しの生活は初めてだ。
少し、緊張してきた。
「うふふ、今のがエリサ先生かー。知っていますか、あの先生すごいのですってよ」
扉を閉めると、いきなりメグさんが話し出した。
「どこがすごいのですか」
「うふふ、あのね、中途採用試験を受けたとき、全試験満点だったのですって」
「へーーっ」
まあ、ローズならその位当たり前でしょう。
「あまり驚かないのですね、でもすごいのはここからです」
メグさんは自分のベッドにストンと座った。
僕は空いているベッドに腰を下ろした。
「実技試験で、対戦相手がホベルト様だったの、ホベルト様はこの国で二番目に強い騎士様なのですよ。そのホベルト様に圧勝してしまわれたのです」
僕は、またローズに吹っ飛ばされるホベルトさんを想像して気の毒に思った。
「うわーー、すごいです」
僕は、少し驚いて見せた。
「でしょーー!」
メグさんの目はキラキラ輝き、とても嬉しそうになった。
「エリサ先生はきっと有名なのでしょうね」
「うふふ、学校中に知れ渡っています」
はー、そんなに目立ってどうするんだ。
まてよ、エリサ先生が目立てば、ノノコの存在がかすみます。
そこを狙っての行動でしょうか。
「でも、よかったわ。ノノコさんのような方で」
「えっ」
「だって、鬼の様な恐い方だったら嫌でしょ」
「そうですね。僕もメグさんみたいな可愛い方でよかったです」
「…………僕?」
し、しまったー。お、男ってばれてしまったー。
「ぎゃーあはっはっはー、ノ、ノノコさんは、僕ッ子だったのですかー。ちょーうけるー」
メグさんは爆笑していますが、これはまだ男とは、ばれていないのでしょうか。
その後、メグさんに食事の説明を受けながら、おいしく無い食事を済ませました。
部屋に戻ると、恐怖の時間がやってきました。
「じゃあ、次はお風呂を案内します」
ど、どうしよう。一緒に入れば絶対にばれます。
それどころか、もはや犯罪者です。
僕の背中には冷たい汗が滝の様に流れ出しました。
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