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5ー3:星の線を結んで
◇182 星座と絆
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歪みの中に突入した。
頭がグワングワンなるし、視界がグネグネする。
気持ち悪い感じはしないけど、変な感じはして、凄く不安になった。
「ううっ……おっ!?」
けれどそれも一瞬の話だった。
しばらくすると歪みは消え、私は頭も視界もハッキリする。
平坦な地面を理解すると、スッと瞼を開く。
「ここは……えっ!?」
私は驚いてしまった。気が付くと、私は登山道には居なかった。
明らかに空気が薄い。おまけに景色も違う。
完全に開けており、私は首をキョロキョロさせた。
「ここって……」
「どうやら頂上のようだな」
隣から声が聞こえて来た。
私は安心すると、視線を向けた。
そこに立っていたのはNightだ。
「Night!?」
「アキラ、どうやら私達は、無事に辿り着いたらしいぞ」
「辿り着いたって?」
一体何処に辿り着いたのかな?
私はNightの言葉にハッとなる。
ここは星見山の頂上。つまり目的地って訳だ。
「あの歪みは所謂近道だったらしい」
「近道?」
「そうだ。条件は恐らく、シャドーウルフが関係しているんだろうな……とは言え、明確な理由にはならないか」
あの歪みは近道だったらしい。
原因はシャドーウルフが関係している。
だけどそれ以上のことは分からなくて、とりあえず言えるのは、私達は日の出までに頂上に辿り着けたってことだ。
「ってことは……うわぁぁぁぁぁ!?」
「凄い光景だな」
私はつい叫んでしまった。頭上を見上げれば、そこにあるのは満天の星空。
真っ暗闇を明るく照らす、幾つもの星達。
凄まじい光量で輝きを見せる一等星を中心に、赤や黄色・白と幾つもの点が浮かんでいる。
「凄いね、綺麗な星空だね」
「感想が薄いな」
「それしかでないよ。ロマンチックなこと、期待しないで」
誰もがロマンチックな詩的な表現ができる訳ない。
大抵は「うわぁ」とか「おお」くらいだと思う。
人間、本当に感動した時は言葉が出なくなる。まさにそれで、私はゲームの世界の星空に酔っていた。
「だがしかし、これだけハッキリと見えるとな」
「うん」
「周りにネオンの灯りが無いからだな。おまけに山の頂上だ。空気が澄んでいる証拠だ」
現実世界、都会の空はこんなに綺麗じゃない。
ネオンの灯りや多少の煙が邪魔をしている。
だから感動できるんだ。これだけハッキリとした星空、美しいって思える。
「ねぇ、Night。この世界にも星座ってあるの?」
「もちろんあるぞ。例えばあの星とあの星を繋げてみろ」
私は星座の話題を出した。天体図のこともあるけれど、少しだけ興味があった。
すると調べておいてくれたのか、Nightは得意気に話し出す。
「あの白いのと青いの?」
「そうだ。それから周囲の星を束ねれば……なにに見える?」
なにに見えるって言われても全然分からない。
私はポカンとしてしまい、とりあえず頭の中で形を作る。
すると鳥っぽい嘴が頭の中に浮かんだ。もしかしてって思い、口に出す。
「鳥座?」
「欲しいな。正解はコカトリス座だ」
「……はっ?」
私は本気でポカンとしてしまった。
全くと言っていい程理解ができない。
コカトリスってあのコカトリス? 創作上の生物のことだ。
確かにここはゲームの中だけど、知らないモンスターの名前を出されても伝わらなかった。
「他にはどんなのがあるの?」
「そうだな。あっちを見てみろ」
「あっち?」
指で差した方向を目で追い掛ける。
赤く輝いている星がある。
それから周りの星を繋げると、ある星座の名前を出した。
「アレは棍棒座だ」
「こ、んぼう、座?」
「そうだ。その下にあるのがサイクロプス座だな」
その下にある星達を繋ぎ合わせた。
一際大きな星座を作ると、Nightはそう答える。
「えっと、揶揄ってないよね?」
「そんなつまらないことするか」
「それじゃあ本当なんだ……」
私は表情が渋くなった。
眉根を寄せてしまうと、話を変えようと思う。
こうしている間にも星空は動いている。
だから早めに本題に入る必要があった。
「そういえば、本命は?」
「分かっている。今探しているんだが……アレか?」
私達は天体図に描かれていた星を探していた。
だけどなかなか見つからないから、目も首も痛くなる。
途中首を休めたりした私達は再度挑戦した。
すると顔色を歪めると、Nightはようやく見つけた。
私も目で追って、ようやく見つけられる。
とんでもなく視認性の悪い星だった。
「アレっぽいね。ってことは、反対側の壁にあった天体図は……うん、アレみたいだね!」
「そうだな。特徴的な黒い星が浮かんでいるか」
太陽の古代遺跡。中央の部屋の左右の部屋。そこには黒いシミが壁にあった。
わざとの様に付いていて、カビでさえなかった。
つまり意味があるってことで、天体図にはしたけど、まさか本当に黒で表現してるとは思わなかった。だって、星空の中、薄っすらとだけど黒い星が浮いている。
「黒い星って、なんだか不気味だね」
「ここはゲームの中だぞ。気にするな」
「それ言ったらお終いだけど……そうだね」
“黒い星”なんてちょっと不気味だ。
何かあるんじゃないかなって思っちゃう。
だけどここはゲームの中。そう妥協すると、それでお終いだ。
「とは言えこれで見つけたぞ。あの星形……それから月の位置」
問題は月の位置関係だ。
ジッと月の位置を把握すると、Nightは頭の中で記憶する。
「覚えたな」と言い、私にも目配せするけど、そんなの無理だった。
「綺麗な半月だね」
「そうだな。……アキラ、フェルノはいつ合宿から戻るんだ?」
「えっと、三日くらいかな?」
「そうか。三日月でも足りるだろうか?」
遠くの月は、今は半月。数日後にフェルノがログインできるから、その時には三日月。
Nightは危惧していた。顔色が悪くなるので、私は一応励ます?
「多分大丈夫だよ。ねっ」
「はぁ、そうだな。信じてみるしかないか」
Nightにしては珍しい。お祈り時間に入っていた。
だけど太陽の古代遺跡は現実にリンクしてる。
月明かりが光源なら、三日月で足りるか心配になるのも分かる。
「ねぇNight。時間がないなら、フェルノは置いて……」
「そんなことしたら、後でなに言われるか分からないだろ」
「まぁ、そうだけど」
試しにフェルノを放置することを提案してみた。
時間がないならそれも仕方が無いこと。
きっとフェルノも受け入れてくれると思った。
もちろん私は嫌だけど、Nightも同意するから意外になった。
「それに、ここまでやったんだ。全員で勝つぞ」
「Night……珍しいね」
「珍しいだと? パーティー戦は利点と欠点がハッキリしている。だが私達は継ぎ接ぎだ。一つが欠けると大きな損失になる。だから数をできるだけ増やす。それが力になる。それだけの話だ」
Nightが凄い熱い話をしていた。
何だか嬉しい。つまり、私達のことを信じてくれている証だ。
にこやかな笑みを浮かべると、私は嬉しくなった。
「Night……」
「なんだ。文句でもあるのか?」
「文句なんか無いよ」
文句なんかある訳なかった。
寧ろ嬉しいくらいで、絆を感じられた気がする。
私は勝手に喜んでしまうと、Nightにもの凄い顔をされた。
それでも気持ちは高揚していて、私達は星空を見ていた。
頭がグワングワンなるし、視界がグネグネする。
気持ち悪い感じはしないけど、変な感じはして、凄く不安になった。
「ううっ……おっ!?」
けれどそれも一瞬の話だった。
しばらくすると歪みは消え、私は頭も視界もハッキリする。
平坦な地面を理解すると、スッと瞼を開く。
「ここは……えっ!?」
私は驚いてしまった。気が付くと、私は登山道には居なかった。
明らかに空気が薄い。おまけに景色も違う。
完全に開けており、私は首をキョロキョロさせた。
「ここって……」
「どうやら頂上のようだな」
隣から声が聞こえて来た。
私は安心すると、視線を向けた。
そこに立っていたのはNightだ。
「Night!?」
「アキラ、どうやら私達は、無事に辿り着いたらしいぞ」
「辿り着いたって?」
一体何処に辿り着いたのかな?
私はNightの言葉にハッとなる。
ここは星見山の頂上。つまり目的地って訳だ。
「あの歪みは所謂近道だったらしい」
「近道?」
「そうだ。条件は恐らく、シャドーウルフが関係しているんだろうな……とは言え、明確な理由にはならないか」
あの歪みは近道だったらしい。
原因はシャドーウルフが関係している。
だけどそれ以上のことは分からなくて、とりあえず言えるのは、私達は日の出までに頂上に辿り着けたってことだ。
「ってことは……うわぁぁぁぁぁ!?」
「凄い光景だな」
私はつい叫んでしまった。頭上を見上げれば、そこにあるのは満天の星空。
真っ暗闇を明るく照らす、幾つもの星達。
凄まじい光量で輝きを見せる一等星を中心に、赤や黄色・白と幾つもの点が浮かんでいる。
「凄いね、綺麗な星空だね」
「感想が薄いな」
「それしかでないよ。ロマンチックなこと、期待しないで」
誰もがロマンチックな詩的な表現ができる訳ない。
大抵は「うわぁ」とか「おお」くらいだと思う。
人間、本当に感動した時は言葉が出なくなる。まさにそれで、私はゲームの世界の星空に酔っていた。
「だがしかし、これだけハッキリと見えるとな」
「うん」
「周りにネオンの灯りが無いからだな。おまけに山の頂上だ。空気が澄んでいる証拠だ」
現実世界、都会の空はこんなに綺麗じゃない。
ネオンの灯りや多少の煙が邪魔をしている。
だから感動できるんだ。これだけハッキリとした星空、美しいって思える。
「ねぇ、Night。この世界にも星座ってあるの?」
「もちろんあるぞ。例えばあの星とあの星を繋げてみろ」
私は星座の話題を出した。天体図のこともあるけれど、少しだけ興味があった。
すると調べておいてくれたのか、Nightは得意気に話し出す。
「あの白いのと青いの?」
「そうだ。それから周囲の星を束ねれば……なにに見える?」
なにに見えるって言われても全然分からない。
私はポカンとしてしまい、とりあえず頭の中で形を作る。
すると鳥っぽい嘴が頭の中に浮かんだ。もしかしてって思い、口に出す。
「鳥座?」
「欲しいな。正解はコカトリス座だ」
「……はっ?」
私は本気でポカンとしてしまった。
全くと言っていい程理解ができない。
コカトリスってあのコカトリス? 創作上の生物のことだ。
確かにここはゲームの中だけど、知らないモンスターの名前を出されても伝わらなかった。
「他にはどんなのがあるの?」
「そうだな。あっちを見てみろ」
「あっち?」
指で差した方向を目で追い掛ける。
赤く輝いている星がある。
それから周りの星を繋げると、ある星座の名前を出した。
「アレは棍棒座だ」
「こ、んぼう、座?」
「そうだ。その下にあるのがサイクロプス座だな」
その下にある星達を繋ぎ合わせた。
一際大きな星座を作ると、Nightはそう答える。
「えっと、揶揄ってないよね?」
「そんなつまらないことするか」
「それじゃあ本当なんだ……」
私は表情が渋くなった。
眉根を寄せてしまうと、話を変えようと思う。
こうしている間にも星空は動いている。
だから早めに本題に入る必要があった。
「そういえば、本命は?」
「分かっている。今探しているんだが……アレか?」
私達は天体図に描かれていた星を探していた。
だけどなかなか見つからないから、目も首も痛くなる。
途中首を休めたりした私達は再度挑戦した。
すると顔色を歪めると、Nightはようやく見つけた。
私も目で追って、ようやく見つけられる。
とんでもなく視認性の悪い星だった。
「アレっぽいね。ってことは、反対側の壁にあった天体図は……うん、アレみたいだね!」
「そうだな。特徴的な黒い星が浮かんでいるか」
太陽の古代遺跡。中央の部屋の左右の部屋。そこには黒いシミが壁にあった。
わざとの様に付いていて、カビでさえなかった。
つまり意味があるってことで、天体図にはしたけど、まさか本当に黒で表現してるとは思わなかった。だって、星空の中、薄っすらとだけど黒い星が浮いている。
「黒い星って、なんだか不気味だね」
「ここはゲームの中だぞ。気にするな」
「それ言ったらお終いだけど……そうだね」
“黒い星”なんてちょっと不気味だ。
何かあるんじゃないかなって思っちゃう。
だけどここはゲームの中。そう妥協すると、それでお終いだ。
「とは言えこれで見つけたぞ。あの星形……それから月の位置」
問題は月の位置関係だ。
ジッと月の位置を把握すると、Nightは頭の中で記憶する。
「覚えたな」と言い、私にも目配せするけど、そんなの無理だった。
「綺麗な半月だね」
「そうだな。……アキラ、フェルノはいつ合宿から戻るんだ?」
「えっと、三日くらいかな?」
「そうか。三日月でも足りるだろうか?」
遠くの月は、今は半月。数日後にフェルノがログインできるから、その時には三日月。
Nightは危惧していた。顔色が悪くなるので、私は一応励ます?
「多分大丈夫だよ。ねっ」
「はぁ、そうだな。信じてみるしかないか」
Nightにしては珍しい。お祈り時間に入っていた。
だけど太陽の古代遺跡は現実にリンクしてる。
月明かりが光源なら、三日月で足りるか心配になるのも分かる。
「ねぇNight。時間がないなら、フェルノは置いて……」
「そんなことしたら、後でなに言われるか分からないだろ」
「まぁ、そうだけど」
試しにフェルノを放置することを提案してみた。
時間がないならそれも仕方が無いこと。
きっとフェルノも受け入れてくれると思った。
もちろん私は嫌だけど、Nightも同意するから意外になった。
「それに、ここまでやったんだ。全員で勝つぞ」
「Night……珍しいね」
「珍しいだと? パーティー戦は利点と欠点がハッキリしている。だが私達は継ぎ接ぎだ。一つが欠けると大きな損失になる。だから数をできるだけ増やす。それが力になる。それだけの話だ」
Nightが凄い熱い話をしていた。
何だか嬉しい。つまり、私達のことを信じてくれている証だ。
にこやかな笑みを浮かべると、私は嬉しくなった。
「Night……」
「なんだ。文句でもあるのか?」
「文句なんか無いよ」
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