VRMMOのキメラさん~〜モンスターのスキルを奪える私は、いつの間にか《キメラ》とネットで噂になってました!? 【リメイク版】

水定ゆう

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1ー2:幽幻の居城の冒険

◇16 アイテム屋:Deep Sky

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 私は寝付けなかった。
 いくらベッドに入っていてもちっとも眠くない。
 スマホを時間は深夜れい時を回っている。
 なんでこんなに眠れないんだろう。私は布団を頭まで被るけど、全く以って意味が無かった。

「ううっ、眠れない……」

 私は困り果ててしまった。
 だって、ベッドに入ってから丸一時間。
 私は一切の睡魔にも襲われずに、今もこうして眠れない地獄に落ちていた。

「どうしよう。このままじゃ眠れない……しょうがない。CUにでも行ってみよう」

 私は絶対にやっちゃダメなことをした。
 VRドライブを起動し、CUにログインする。
 この二日間。夜にログインしたことは無かったし、丁度ソウラさんに納品しに行こうと思っていた。
 こういうのは早くても良い気がする。ログインしているかは分からないけれど、私は早速ソウラさんを捜しに向かった。


「まずはソウラさんがいるのかだけど……ログインしているみたい」

 私はメニューを開くと、早速フレンド欄を確認した。
 すると唯一のフレンド、ソウラさんの名前がある。
 おまけに名前の隣の灰色の丸が赤色に点灯している。確か、この灰色の丸が点灯していると、ログインしている証拠になるらしい。

「でも何処に行ったら会えるのかな?」

 正直、ソウラさんが何処にいるのか知らない。
 ここは一回、メッセージを送ってみよう。
 私はソウラさんの名前をタッチすると、そのままメッセージを送信することにした。

「えーっと、えっと、[今晩はソウラさん。灰色の爪を手に入れたんですけど、何処に持って行けばいいですか]っと。気が付いてくれるかな……速っ!?」

 私がメッセージを送ると、即座に返信が返ってきた。
 まさかの三秒。あまりの速さに私は開いた口が塞がらない。
 むしろ恐怖さえ感じてしまうも、返信を確認する。


〔ありがとうアキラ〕
[灰色の爪を入手してくれたのね。それじゃあ私の居る場所まで持って来てくれるかな? 場所は添付してあるマップを見て来てね]


「凄すぎるよ、ソウラさん。どうしてこんなメッセージをたったの三秒で? しかも添付してある地図って……うわぁ!?」

 私は添付してある地図を見た。
 それはスタットの街を上から見た地図で、赤い矢印と円で目的地が記されていた。
 如何やら今私が居る噴水広場からの地図みたいで、私はとりあえず見ながら行ってみることにした。

「えーっと、とりあえず大通りの方に出るみたいで……あれ? こっちのほうが近いけど……うーんと、考えても仕方ないよね。とりあえず行ってみよう!」

 考えるのは一回止めてみた。
 ここは意識を切り替えて、足を動かすことにする。
 リアルだと夜の筈なのに明るいCUの世界で、私はベンチから立ち上がり、スタスタ目的地を目指した。

「えーっと、この矢印道理だと、多分こっちで……」

 私は早速大通りを通るコースを外れた。
 というのも単純で、大通りは人通りが多い。
 だから細い路地を通ってショートカット。
 私は人目を気にしながら、短い路地をすり抜ける。

「ふぅ、とりあえずショートカットは成功……あれ?」

 しかしショートカットした私を待っていたのは、頭を悩ませる事態だった。
 まさか目の前に広がっているのは大通り? 反対側の通路と全く同じような景色が広がっていた。

「ちょっと待ってよ。あれ? 私、もしかして瞬間移動した……んじゃないの?」

 一回振り返って確認してみた。
 しかし反対側にも同じような大通りが広がっている。
 これはおかしい。どうしてこんなに多様な道がと思ったのも束の間。
 ここは日本っぽい大陸だけど、全然日本っぽく無い街が広がっていることを思い出す。

「ま・さ・か……やっぱりだ。この街、真ん中に大きな円があって、そこから大通りが何本も伸びてるんだ。本当にヨーロッパみたい」

 私は地図を改めて確認すると、ヨーロッパ風感がより一層強まった。
 だけどそのせいで余計に分からなくなる。
 私は頭を掻き毟ると、地図を一度確認し直し、矢印の方向に歩く。

「ってことは、こっちってこと? うーん、ん?」

 私は歩き出して早々、足を止めて地図を睨む。
 この矢印の方向、それから目的地の円。
 如何やらスタットの端の方。商業区画の中に合った。

「こっちなんだよね? えーっと、突き当りを曲がって、更に曲がって、真っ直ぐ、真っ直ぐ、曲がって、ここ?」

 私は地図通り歩いて進んだ。
 すると現れた建物はかなり特徴的でした。

「なにこれ? ここじゃないよね?」

 目の前に現れた建物。それは“木”そのものだった。
 カフェとカフェの間に挟まれた大きな木。
 太い木の幹には扉と窓が備え付けられていて、手作り感の強い横長看板が掛けられている。

「えーっと、アイテム屋:Deep Sky?」

 英語表記でDeep Skyって書いてある。
 とりあえずここが目的地らしい。
 私は一瞬だけ躊躇ってしまい、周囲を確認して回った。
 というのも、両サイドのカフェは流行っているのに、異様に立ち尽くすこの店だけ、誰一人として見向きもしていないのだ。

「なんだか怖いな。でも、ソウラさんもDeep Skyとかなんとか言ってたから間違いないだろうし……行ってみよう」

 ここは勇気を出して入ってみるしかない。いや、入るしか選択肢が無い。
 私はDeep Skyの重くもない木の扉を開ける。
 だけど気持ちだけは何故か重く緊張してしまい、私は無駄なことを考えながら店に入った。
 全く、ここまで時間が掛かっちゃった。バカみたいなことをしたなと思いつつも、街の散策は結局楽しかった。
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