VRMMOのキメラさん~〜モンスターのスキルを奪える私は、いつの間にか《キメラ》とネットで噂になってました!? 【リメイク版】

水定ゆう

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2ー2:継ぎ接ぎの始動

◇48 ギルド会館へLet‘s Go

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「うーん、で、何処に行けばいいの?」
「そんなことだと思ったぞ」

 私はNightとフェルノを連れて歩いていた。
 だけど何処に行ったらいいのか分からない。
 当てもなく彷徨うこと五分。
 ついに正直になると、私はNightにバカにされた。

「分からないなら、さっさと分からないと言え」
「だってあの流れでそんなこと言えないよ」
「流れなんて気にするな。それよりギルドを作るにはどうしたらいいのか分かっているのか?」
「えっと……」
「分かんないよー」

 私もフェルノも分かってない。
 そのせいだろうか、Nightは顔に手を当てた。
 溜息を押し殺すと、「分かった」と呆れた。

「それじゃあまずはギルド会館に行くぞ」
「「ギルド会館?」」

 なんだか無性にそれっぽい。
 私とフェルノは興奮して、Nightに詰め寄った。
 若干引かれつつ、私達はNightを先頭に、ギルド会館って場所を目指した。

「所でNight、ギルド会館って?」
「そのままだ。ギルド会館はギルドを統括する施設で、各街々に点々としている」
「へぇー。なーんか、それっぽいよね。異世界アニメとかでよく出て来る設定」
「まぁ、分かりやすい上にありきたりだからな。理解もしやすくて一つの目的にも繋がる設定だ。使いやすいんだろ」

 Nightの辛辣な感想を交えながら、私達はスタットの中を歩き回る。
 そんな中、少しだけ中央から外れて行くと、太い別の道に出た。
 整備がかなり行き届いていて、若干建物も変化する。

「でもNightがOKを出してくれるなんて思わなかったよねー」
「ん?」
「うん。Nightなら面倒がって、渋ると思ってた」
「おい、私をなんだと思っているんだ」

 Nightは険しい表情をした。
 だけど私とフェルノ言い分も合ってる。
 Nightは大抵のことで面倒そうな顔色をする。
 だけど今日のNightはいつもと違って素直なのだ。

「お前達が提案しないのなら、私から提案するつもりだったぞ」
「えっ、そうなの?」
「当り前だ。私にとっても、ギルドは好都合だ」

 好都合。なんだかソウラさんみたいなことを言う。
 私とフェルノは互いに顔を見合わせて首を捻るけど、Nightは更に続けた。

「ギルドを持つことによって、より経験値の稼ぎやすいダンジョンへ行くことができたり、ギルド会館の機能を効率的に使えるらしい。更に、今後のイベントのこともあるからな。このCUと言うゲームは、ソロで戦い続けることに適していない」
「そうなの?」
「当り前だ。CUのUはUnion、つまりは共闘と言う意味だ。繋がりを大事にするオープンオンラインゲームだと考えれば、理解ができるだろ」

 Nightの喋り方は、何処か業務的だった。
 だけど確かに理解はしやすい。
 一人だとこのゲームはシビアだ。それを痛いくらいに感じるのは、モンスターの強さ。
 それを踏まえれば、ギルドの方が都合がいいに決まっていた。

「それじゃあギルドを作った方がいいんだね。よかった」
「どうしてお前が安堵するんだ?」
「だって……」

 私はそこで噤んだ。
 これ以上言うと、繰り返しになるかもしれない。
 私の想いは全員に伝わったと信じ、ここは少し変える。

「ギルドって面白そうだもんね」

 私はもう一つの本心を伝えた。
 するとフェルノの腕が私の肩に乗る。
 にこやかな笑みと共に、溢れ出るパッションが私のことを射抜いた。

「そうそう。面白いのが一番だよねー」
「そう言うことじゃないだろ」
「えー、でも本当でしょ? うぉっ、なんか見えて来たよ?」

 フェルノの視線の先を追う。
 すると木々が植え込まれた街路樹を抜け、舗装された道の先を見る。
 すると一際目立つ、と言うよりも、それしかない建物があった。

「あれ、なに?」
「アレが目的の場所だ」

 Nightは私の質問に素早く答えた。
 ってことは、あの洋風のお屋敷みたいな建物が私達の目指していた施設。
 

「「ギルド会館」」
「そうだ。証拠にギルド会館のシンボルが掲げられているだろ」

 確かにギルド会館の表にはシンボル=ロゴマークが貼り出されていた。
 丁度丸い時計に被るように、盾と二本の剣が交差している。
 如何にもな雰囲気を漂わせてくれると、建物の中から人の出入りが幾つもあった。

「よしっ、依頼を達成するぞ」
「グレープディアよね。確かに隣村の先にある森に生息している筈よ」
「うんどりゃぁ、燃えて来たぞ!」

「早くギルドランク上げたいよな」
「そうね。そのためにはもっと稼がないとな」
「イベントが来てくれないかな。そうしたらボーナスでポイントが入るのに」

「このゲームのNPC可愛くね?」
「そうか?」
「いやいや可愛いだろ。さっきの受付嬢、俺、めっちゃタイプだわ」
「そうか。それはよかったな」
「あーあ、これが現実だったらな」
「ドンマイ」

 たくさんのプレイヤーの独り言が聞こえて来る。
 そうこうしていると、私達はギルド会館の前までやって来ていた。
 近くで見ると一際大きい。本当にお屋敷みたいで緊張した。

「よし、行くぞ」

 そんな中でもNightは堂々としている。
 先導して先にギルド会館に入ると、私達も後を続いた。
 と言うより、Nightが入っちゃったから私達も入らないとダメ。
 そんな気に背中を押されると、ギルド会館の中は凄い。

「「うわぁぁぁぁぁ!!」」
「まぁ、こんなものだろうな」

 ギルド会館の中は、なんって言えばいいのかな?
 ファンタジー色が強くて、とても賑わっている。
 それこそ武装したプレイヤーに、チラホラ混じるNPC。
 たくさんの職員が働いていて、受付嬢と呼ばれる人までいる。

「異世界ファンタジーの中みたい」
「冒険者ギルドだな」
「えっと、後、アレにも似てるよね」
「「あれ?」」

 Nightとフェルノの言う通り、そこはアニメで観る冒険者ギルドみたい。
 だけど私にはもう少しだけリアリティがあって見える。
 そう、これはあれだ。冬の時期、お母さんの代わりに見に行った景色だ。

「確定申告時の市役所みたいだね」

 私がそう答えると、Nightとフェルノの顔色が青ざめる。
 なんだろう、もしかして変なこと言っちゃったかな?
 私は真面目に返したつもりだけど、Nightから「リアルすぎるだろ」とツッコまれてしまう。そうなのかな? と私は思いつつも、何となくそう見えてしまった。
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