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3ー2:謎が未知満る島
◇112 ツルツルのテカテカ
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私達は意を決して謎の人工物の建物に、足を踏み入れた。
そこで私達を待っていたのは、思いもよらない光景だった。
「こ、これは……」
私は言葉を失った。失っちゃった。
目の前の景色、それこそ“無”が広がっている。
そう、ここにあるのは“無”だった。
「うわぁ、白いね」
「そうだな。白いな」
「白すぎて怖いよ」
建物の中は信じられないくらい白かった。もう真っ白っていうより眩い白だった。
それこそ床も壁もツルツルしていてテカテカしている。
コーティングが行き届きすぎていて、目がチカチカする。
「ううっ、ちょっと痛いね」
「そうだな。あまり見すぎるなよ。目に悪いからな」
「でも見ないと先には進めないよ?」
「それは分かっている。だが、進まない訳には行かないな。壁と伝うぞ」
私達は一斉に壁に寄り掛かった。
目を細め、眩しすぎて痛くなった瞳を閉ざす。
ゆっくり進むと、一つだけ……いや、何個も奇妙なことがあった。
「ねぇ二人共。この建物、近未来だよね?」
「そうだな。私の所有している施設と同じくらいには近未来感がある」
「施設ってなに? そんなの持ってるの!?」
「研究施設くらい、そこそこの富裕層なら誰だって持っているだろ。驚くな」
「驚くっていうか、言葉が出ないよ……」
正直、軸がブレている気がする。話の軸が勝手にズラされてしまうと、私は頭を抱える。
けれど建物が近未来感満載なのは分かっている。
ファンタジーを完全にブチ壊していて、私は呆れもしない。
「後、なんにもないよ?」
「そうだよね。なんにもないよね」
「うんうん。外ものっぺりしてたけど、建物の中ものっぺりしてない?」
「明らかに異質で異物だよね。なんのためにこんなもの」
「……プレイヤーになにをさせる気だ? なにを期待しているんだ?」
Nightが面白いことを言った。明らかに運営の目線の話だ。
確かに視点を変えてみれば考え方も一変する気がした。
何せ、私達が見つけたこの建物は、人間の恐怖心を刺激するのと同時に、好奇心も刺激している。大抵の場合、様子を見たくなるのが普通だった。
「もしかして、プレイヤーに見せるために?」
「その可能性はあるな。例えば、私が解いたあの謎。それに対する報酬だとすればどうだ?」
「そう言えばこの鍵って副賞だったけど、あの意味が分からない謎解きの成果だもんね」
Nightが言いたいのはシンプルだ。謎を解いたから謎っぽい物が貰えた。
満島って名前も不明、謎の人工物の正体も分からない。
それから……
「廊下長いよね!?」
「うんうん、この通路長いよー」
「それと他の部屋が無いのか? 扉らしきものは……ん?」
「どうしたの、Night。って、なにっ!?」
Nightが面白いものを見つけたらしい。
立ち止まって壁に指を押し込むと、のっぺりとしていた壁に凹凸が生まれる。
急に扉が出現すると、自動ドアだったのか、スライドして勝手に開いた。
「うわぁ、凄い」
「ここって、研究室かな?」
「そうみたいだな。とは言え、綺麗すぎる」
ドアの向こう側にあったのは大きな部屋。
たくさんのテーブルが置かれ、壁にはガラス戸の扉が設置されている。
中に入っているのはビーカーとかフラスコ。まるで理科室だ。
一発で研究室だと分かると、Nightは部屋の様子の問題を指摘する。
「確かに綺麗だけど、掃除が行き届いているんじゃないかな?」
「そうだとしても、埃の一つも落ちていないぞ」
「埃は……無いね?」
「そうそう、全然無いねー。でも、そう言うものじゃない?」
「それで考えることを辞めれば人間はお終いだ。私はそう単純じゃない。この部屋、“一度も使われていない”な」
Nightの見立ては正しそうに感じた。
私もこの部屋を見た瞬間、とっても無気力になる。
人のいた気配も思い出も無い。ただ箱が用意されているだけで、空虚過ぎた。
「気持ちが悪いね」
「うーん、確かに気持ち悪いかもー」
「だが、ここに有る物は使えるぞ。とはいえ、専門的な知識が無ければ危険なものが多そうだが」
研究室なんて、多分欲しい人はとっても少ない気がする。
少なくともうちにはNightが居る。
きっと使いこなしてくれる筈。私はNightに期待した。
「それじゃあ出よっか」
「なんか入っちゃダメだよねー?」
「そんなことは無いぞ。とは言え、この部屋は一旦見なかったことにするか」
そう言いつつ、Nightはメモを取り始めた。
忘れないようにデジタルで取り留めると、部屋をソッと出る。
すると自動ドアが急に閉まり、凹凸部分が無くなってしまった。
「あれ、自動ドアが無くなった」
「なるほど。スイッチ式か」
「「スイッチ式?」」
そう言えば如何して自動ドアが開いたんだろう。
私とフェルノが首を捻ると、Nightはシールを張る。
赤いステッカーが壁に貼られると、丁寧に教えてくれた。
「いいか。ここにスイッチがある。触れば分かる」
「触ればって? あっ、本当だ」
「ここだけザラザラしてる」
何の特徴もない丸いステッカーが貼ってある部分だけ、壁がザラザラしていた。
手触りが良く、丁度指先に噛み合う。
これなら一発で分かると自信を持つと、Nightは建物内部を隅々まで見てみる。
「どうやらもう少し見て回るしかないだろうな」
本当に不思議な建物だ。
今の時代でもとんでもビックリな機能が満載。
私も壁を触って回ると、早速スイッチを探してみることにした。
そこで私達を待っていたのは、思いもよらない光景だった。
「こ、これは……」
私は言葉を失った。失っちゃった。
目の前の景色、それこそ“無”が広がっている。
そう、ここにあるのは“無”だった。
「うわぁ、白いね」
「そうだな。白いな」
「白すぎて怖いよ」
建物の中は信じられないくらい白かった。もう真っ白っていうより眩い白だった。
それこそ床も壁もツルツルしていてテカテカしている。
コーティングが行き届きすぎていて、目がチカチカする。
「ううっ、ちょっと痛いね」
「そうだな。あまり見すぎるなよ。目に悪いからな」
「でも見ないと先には進めないよ?」
「それは分かっている。だが、進まない訳には行かないな。壁と伝うぞ」
私達は一斉に壁に寄り掛かった。
目を細め、眩しすぎて痛くなった瞳を閉ざす。
ゆっくり進むと、一つだけ……いや、何個も奇妙なことがあった。
「ねぇ二人共。この建物、近未来だよね?」
「そうだな。私の所有している施設と同じくらいには近未来感がある」
「施設ってなに? そんなの持ってるの!?」
「研究施設くらい、そこそこの富裕層なら誰だって持っているだろ。驚くな」
「驚くっていうか、言葉が出ないよ……」
正直、軸がブレている気がする。話の軸が勝手にズラされてしまうと、私は頭を抱える。
けれど建物が近未来感満載なのは分かっている。
ファンタジーを完全にブチ壊していて、私は呆れもしない。
「後、なんにもないよ?」
「そうだよね。なんにもないよね」
「うんうん。外ものっぺりしてたけど、建物の中ものっぺりしてない?」
「明らかに異質で異物だよね。なんのためにこんなもの」
「……プレイヤーになにをさせる気だ? なにを期待しているんだ?」
Nightが面白いことを言った。明らかに運営の目線の話だ。
確かに視点を変えてみれば考え方も一変する気がした。
何せ、私達が見つけたこの建物は、人間の恐怖心を刺激するのと同時に、好奇心も刺激している。大抵の場合、様子を見たくなるのが普通だった。
「もしかして、プレイヤーに見せるために?」
「その可能性はあるな。例えば、私が解いたあの謎。それに対する報酬だとすればどうだ?」
「そう言えばこの鍵って副賞だったけど、あの意味が分からない謎解きの成果だもんね」
Nightが言いたいのはシンプルだ。謎を解いたから謎っぽい物が貰えた。
満島って名前も不明、謎の人工物の正体も分からない。
それから……
「廊下長いよね!?」
「うんうん、この通路長いよー」
「それと他の部屋が無いのか? 扉らしきものは……ん?」
「どうしたの、Night。って、なにっ!?」
Nightが面白いものを見つけたらしい。
立ち止まって壁に指を押し込むと、のっぺりとしていた壁に凹凸が生まれる。
急に扉が出現すると、自動ドアだったのか、スライドして勝手に開いた。
「うわぁ、凄い」
「ここって、研究室かな?」
「そうみたいだな。とは言え、綺麗すぎる」
ドアの向こう側にあったのは大きな部屋。
たくさんのテーブルが置かれ、壁にはガラス戸の扉が設置されている。
中に入っているのはビーカーとかフラスコ。まるで理科室だ。
一発で研究室だと分かると、Nightは部屋の様子の問題を指摘する。
「確かに綺麗だけど、掃除が行き届いているんじゃないかな?」
「そうだとしても、埃の一つも落ちていないぞ」
「埃は……無いね?」
「そうそう、全然無いねー。でも、そう言うものじゃない?」
「それで考えることを辞めれば人間はお終いだ。私はそう単純じゃない。この部屋、“一度も使われていない”な」
Nightの見立ては正しそうに感じた。
私もこの部屋を見た瞬間、とっても無気力になる。
人のいた気配も思い出も無い。ただ箱が用意されているだけで、空虚過ぎた。
「気持ちが悪いね」
「うーん、確かに気持ち悪いかもー」
「だが、ここに有る物は使えるぞ。とはいえ、専門的な知識が無ければ危険なものが多そうだが」
研究室なんて、多分欲しい人はとっても少ない気がする。
少なくともうちにはNightが居る。
きっと使いこなしてくれる筈。私はNightに期待した。
「それじゃあ出よっか」
「なんか入っちゃダメだよねー?」
「そんなことは無いぞ。とは言え、この部屋は一旦見なかったことにするか」
そう言いつつ、Nightはメモを取り始めた。
忘れないようにデジタルで取り留めると、部屋をソッと出る。
すると自動ドアが急に閉まり、凹凸部分が無くなってしまった。
「あれ、自動ドアが無くなった」
「なるほど。スイッチ式か」
「「スイッチ式?」」
そう言えば如何して自動ドアが開いたんだろう。
私とフェルノが首を捻ると、Nightはシールを張る。
赤いステッカーが壁に貼られると、丁寧に教えてくれた。
「いいか。ここにスイッチがある。触れば分かる」
「触ればって? あっ、本当だ」
「ここだけザラザラしてる」
何の特徴もない丸いステッカーが貼ってある部分だけ、壁がザラザラしていた。
手触りが良く、丁度指先に噛み合う。
これなら一発で分かると自信を持つと、Nightは建物内部を隅々まで見てみる。
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