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4ー1:風が舞い込んで
◇120 風の親友
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「と言うことがありました」
「ふーん、そう? で、なに」
私はクラスメイトで親友でもある風見鈴忌にこれまでの話をしました。
普段はしない会話でしたが、鈴忌は退屈そうに聞いてくれます。
少しの興味も抱いて貰えていない。これだけでも好感度は低いのですが、鈴忌は口を開きました。
「それで私に手伝えってこと? 悪いけどパスね」
「どうしてですか? 鈴忌の腕なら」
「悪いけど私、知らない人と関わるの苦手なのよね。オンラインゲームだからって、ソロでやっちゃダメなルールなんてないわよ? だ・か・ら、私を関わらせようなんてしないで。斬禍だけならまだしも、そのよく分からないずっこけ三人と引き合わせないで欲しいわ」
鈴忌は昔から頑固で、人好き合いが得意ではありませんでした。
けれど雷慟山高校入学をきっかけにCUを始められました。
私もそれに乗じて遊ぶようになったのですが、鈴忌は未だにオンラインゲームをソロで活動しています。もちろんその遊び方も正しいのですが、鈴忌にも素で楽しむという心を知って欲しいのです。
「強制はしません。ですが鈴忌は」
「風見、少しいいか?
そんな中、お昼休みの教室に誰かが足を運びます。
ふと視線を預ければ、担任の若宮先生でした。
如何やら鈴忌に用があるらしいのですが、ここから鈴忌は仮面を被ります。
「はい、どうしましたか、若宮先生」
「鈴忌、また仮面を被りましたね」
「シッ、黙りなさい」
鈴忌は私を模した仮面を被りました。
これが鈴忌最大の武器であり、鈴忌の本質。
仮面を被ることで何にでもなれる特技だ。
「若宮先生、どうしましたか?」
「実は次の授業で使う道具があって、一緒に取りに行って欲しいんだよ」
「若宮先生と言うことは、理科で使う道具ですね」
「ああ、そうだ。今日は薬品使わないからな。とりあえずビーカー類一式。っと、人手がもう少し欲しいな。雷、お前も手伝ってくれ」
「私ですか? 分かりました」
如何やら人手がいるようなので私も手伝うことになります。
すると明らかに鈴忌は嫌そうな態度を取りました。
背中から薙刀のような殺気が飛ばされると、教室の中が静まります。
「ん? 今なにかあったか」
「なんでもありませんよ。それより斬禍、行きますよ」
「はい。あっ、若宮先生は?」
「私か? 私は……ふはぁ~、眠いから寝るわ。ってことで、二人に任せたぞー」
「「若宮先生!?」」
若宮先生はいつでも何所でも眠れる人です。
同時に夜型人間なので、昼間はとても苦しそうでした。
そのため生徒を足代わりに使います。その癖はよくないのですが、気が付けば壁に体を叩き付け乍ら、白衣をゴシゴシ床に擦っていました。
「行ってしまいましたね」
「はぁ……斬禍、さっさと行くわよ。休憩時間無くなっちゃう」
「そうですね。では行きましょうか」
鈴忌は私と歩幅を合わせてくれました。
別に鈴忌は人付き合いが苦手なだけで、嫌いなわけではないのです 。
必要とあればする。ですがその線引きが余りにもなので、誰かが仲介しなければ、いつかパンクしてしまいます。それが傷だと分かっているのですが、本人は頑ななので、こうして私が巻き込まれるのでした。そう、慣れている相手とであれば、鈴忌は素を見せてくれるのです。
「よっと」
「これで全部よね?」
「そうですね。それにしても数が多いですね」
理科準備室から段ボール箱を拝借します。
中には大量のガラス製ビーカーの数。
一体なんの実験? に使うのかは分かりませんが、随分と古い物でした。
「分かってると思うけど、落としちゃダメよ」
「私が落とすとお思いですか?」
「思わないわよ。でもこんなことばっかり、本当疲れるわ」
「それは鈴忌が仮面を被るからではないでしょうか?」
私は分かり切っていることを、容赦なく刀を振る様に伝えます。
もちろん初対面の相手にこのような言い回しはしません。
もっとやんわりと包み込むように。霞を切るようにですが、今は違います。
「鈴忌、本当に手伝ってはいただけないのですか?」
「しつこいわよ。なんで手伝わないといけないの?」
「鈴忌の腕が必要なんです」
「必要って、いい風に使われているだけじゃない!」
「そんなことはありませんから……」
「それに、斬禍が虫がダメで役立たずなだけでしょ!」
「うっ……」
厳しい言葉が飛んで来た。矢で胸を貫かれた。
私は確かに虫はダメです。まるで役に立てません。
実際固まってしまったので、私は言い訳もできませんでした。
「ちょっと、マジでそうなったの?」
「……」
「呆れた。っていうか、虫がダメな子は多いからね。私も別に得意って訳じゃないから……で、早く口開きなさいよ!」
流石に何も言い返せなくなるのは想定外でした。
鈴忌も鬼じゃないし、自分が悪者になるのは嫌です。
ワキャメキと叫ぶと、私は申し訳なさそうになりました。
「そうですよね。私がもっと頑張れば……」
「バカ、頑張ってどうにかなるものじゃないでしょ!」
「ですが」
「頑張って報われる世の中じゃないでしょ? ちゃんとやりなさい。考えるの、上手く行くにはどうすればいいのか、その過程を考えるのよ」
鈴忌はてんやわんやだが、真面目に答えた。
きっと私にはそれで響くと思ったのでしょうか?
私は胸を撫でると、鈴忌は私のことを挙動不審に見つめました。
「とにかく、そのトンボ? 私に頼まなくてもなんとか出来るでしょ? はい、お終いよ」
「鈴忌、後でもう一度頼みに行きます」
「しつこいわね。私の気は変らないわよ」
「ですので気が変わるようにします。それでどうでしょうか?」
あまりにも意味深な言葉を私が言ったので、鈴忌は眉間に皺を寄せます。
けれどすぐに気を取り直してしまいました。
確かに私が鈴忌を変えるには、鈴忌を引き入れるにはこれしかないです。なのでここは強引な手段を使います。
「はっ、いいわよ。それで気が済むならね」
「ありがとうございます」
「っと、こんなことしている場合じゃないわよ。早く準備して、残ったご飯食べないと」
「はい」
何はともあれ約束は取り付けました。
後私達がやるべきことは食事を摂ること。
急いで教室に戻る私は、如何しようかと考えました。
「ふーん、そう? で、なに」
私はクラスメイトで親友でもある風見鈴忌にこれまでの話をしました。
普段はしない会話でしたが、鈴忌は退屈そうに聞いてくれます。
少しの興味も抱いて貰えていない。これだけでも好感度は低いのですが、鈴忌は口を開きました。
「それで私に手伝えってこと? 悪いけどパスね」
「どうしてですか? 鈴忌の腕なら」
「悪いけど私、知らない人と関わるの苦手なのよね。オンラインゲームだからって、ソロでやっちゃダメなルールなんてないわよ? だ・か・ら、私を関わらせようなんてしないで。斬禍だけならまだしも、そのよく分からないずっこけ三人と引き合わせないで欲しいわ」
鈴忌は昔から頑固で、人好き合いが得意ではありませんでした。
けれど雷慟山高校入学をきっかけにCUを始められました。
私もそれに乗じて遊ぶようになったのですが、鈴忌は未だにオンラインゲームをソロで活動しています。もちろんその遊び方も正しいのですが、鈴忌にも素で楽しむという心を知って欲しいのです。
「強制はしません。ですが鈴忌は」
「風見、少しいいか?
そんな中、お昼休みの教室に誰かが足を運びます。
ふと視線を預ければ、担任の若宮先生でした。
如何やら鈴忌に用があるらしいのですが、ここから鈴忌は仮面を被ります。
「はい、どうしましたか、若宮先生」
「鈴忌、また仮面を被りましたね」
「シッ、黙りなさい」
鈴忌は私を模した仮面を被りました。
これが鈴忌最大の武器であり、鈴忌の本質。
仮面を被ることで何にでもなれる特技だ。
「若宮先生、どうしましたか?」
「実は次の授業で使う道具があって、一緒に取りに行って欲しいんだよ」
「若宮先生と言うことは、理科で使う道具ですね」
「ああ、そうだ。今日は薬品使わないからな。とりあえずビーカー類一式。っと、人手がもう少し欲しいな。雷、お前も手伝ってくれ」
「私ですか? 分かりました」
如何やら人手がいるようなので私も手伝うことになります。
すると明らかに鈴忌は嫌そうな態度を取りました。
背中から薙刀のような殺気が飛ばされると、教室の中が静まります。
「ん? 今なにかあったか」
「なんでもありませんよ。それより斬禍、行きますよ」
「はい。あっ、若宮先生は?」
「私か? 私は……ふはぁ~、眠いから寝るわ。ってことで、二人に任せたぞー」
「「若宮先生!?」」
若宮先生はいつでも何所でも眠れる人です。
同時に夜型人間なので、昼間はとても苦しそうでした。
そのため生徒を足代わりに使います。その癖はよくないのですが、気が付けば壁に体を叩き付け乍ら、白衣をゴシゴシ床に擦っていました。
「行ってしまいましたね」
「はぁ……斬禍、さっさと行くわよ。休憩時間無くなっちゃう」
「そうですね。では行きましょうか」
鈴忌は私と歩幅を合わせてくれました。
別に鈴忌は人付き合いが苦手なだけで、嫌いなわけではないのです 。
必要とあればする。ですがその線引きが余りにもなので、誰かが仲介しなければ、いつかパンクしてしまいます。それが傷だと分かっているのですが、本人は頑ななので、こうして私が巻き込まれるのでした。そう、慣れている相手とであれば、鈴忌は素を見せてくれるのです。
「よっと」
「これで全部よね?」
「そうですね。それにしても数が多いですね」
理科準備室から段ボール箱を拝借します。
中には大量のガラス製ビーカーの数。
一体なんの実験? に使うのかは分かりませんが、随分と古い物でした。
「分かってると思うけど、落としちゃダメよ」
「私が落とすとお思いですか?」
「思わないわよ。でもこんなことばっかり、本当疲れるわ」
「それは鈴忌が仮面を被るからではないでしょうか?」
私は分かり切っていることを、容赦なく刀を振る様に伝えます。
もちろん初対面の相手にこのような言い回しはしません。
もっとやんわりと包み込むように。霞を切るようにですが、今は違います。
「鈴忌、本当に手伝ってはいただけないのですか?」
「しつこいわよ。なんで手伝わないといけないの?」
「鈴忌の腕が必要なんです」
「必要って、いい風に使われているだけじゃない!」
「そんなことはありませんから……」
「それに、斬禍が虫がダメで役立たずなだけでしょ!」
「うっ……」
厳しい言葉が飛んで来た。矢で胸を貫かれた。
私は確かに虫はダメです。まるで役に立てません。
実際固まってしまったので、私は言い訳もできませんでした。
「ちょっと、マジでそうなったの?」
「……」
「呆れた。っていうか、虫がダメな子は多いからね。私も別に得意って訳じゃないから……で、早く口開きなさいよ!」
流石に何も言い返せなくなるのは想定外でした。
鈴忌も鬼じゃないし、自分が悪者になるのは嫌です。
ワキャメキと叫ぶと、私は申し訳なさそうになりました。
「そうですよね。私がもっと頑張れば……」
「バカ、頑張ってどうにかなるものじゃないでしょ!」
「ですが」
「頑張って報われる世の中じゃないでしょ? ちゃんとやりなさい。考えるの、上手く行くにはどうすればいいのか、その過程を考えるのよ」
鈴忌はてんやわんやだが、真面目に答えた。
きっと私にはそれで響くと思ったのでしょうか?
私は胸を撫でると、鈴忌は私のことを挙動不審に見つめました。
「とにかく、そのトンボ? 私に頼まなくてもなんとか出来るでしょ? はい、お終いよ」
「鈴忌、後でもう一度頼みに行きます」
「しつこいわね。私の気は変らないわよ」
「ですので気が変わるようにします。それでどうでしょうか?」
あまりにも意味深な言葉を私が言ったので、鈴忌は眉間に皺を寄せます。
けれどすぐに気を取り直してしまいました。
確かに私が鈴忌を変えるには、鈴忌を引き入れるにはこれしかないです。なのでここは強引な手段を使います。
「はっ、いいわよ。それで気が済むならね」
「ありがとうございます」
「っと、こんなことしている場合じゃないわよ。早く準備して、残ったご飯食べないと」
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