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52話 傷ついた少女
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傷ついた少女を拾った。
彼女を馬車の中に連れ込み、リーファさんは治療に専念する。
パッと見脱水症状と軽い擦り傷ぐらいしか、目立った傷は見当たらない。
しかしそれは表向きの話で、実際は深刻だった。
それを悟ったのは、僕とリーファさん。
「あの子、大丈夫かニャア?」
「多分大丈夫です。リーファさんの腕は、間違いないですから。それにしても、妙ですよね」
妙? という言葉にチェリムさんは首を傾げる。
それを思えば確かにと言いたげに、同意するが、一体何故か。
「あの子、内臓が凹んでたみたいです。腹が裂けた様子はないけど、口元が青かった。多分、ヴァンプコヨーテか、ヘビオニにでも襲われたんじゃないでしょうか?」
「な、内臓を食べるんですか!」
「はい。けれど内臓を食べるんじゃなくて、人間や牛や豚の内臓に管を口の中から通して、吸引する。そうして栄養を他者から、自分の中に移し替えるのが得意で、危険な病原体も、全部まとめて相手に移し替えるんです」
「気、気持ち悪いニャア」
チェリムさんは、顔を顰めて口元を覆う。しかし僕も僕だ。こんなグロいことを喋っているのに、平然としていられる。これも、僕の種族が狂人な人間だろうか?
でも、今は如何だっていい。
僕はリーファさんの治療が済むのを待った。
それから十分間、僕とチェリムさんは馬車の外で待機していた。
呆然と立ち尽くす間、懸命に治療に専念するリーファさん。きっと今頃汗だくだろう。
「遅いニャア」
「多分、かなり難儀なんじゃないですか? 僕が治療を手伝えないのが、残念です」
その間僕は、襲った敵がなんなのか推測していた。
ソトオニ村。この近くには、そこしか村がない。
って、考えれば、きっとその村から来たんだ。よくも、七十キロも一人で……ん?
僕は何かに気がついた。
少女の倒れていたところに、何か違和感がある。
近づいてみてみれば、木の破片が落ちていた。
僕はそれを拾い上げると、曲線を描いている。
これは、
「車輪の一部。ってことは、馬車に乗ってた時に襲われた? ってことは、誰か大人が一緒にいて、それなのに一人だけでいた。つまり、乗ってた人たちって……」
嫌な予感がした。
そんな僕たちの元に、リーファさんが姿を現す。
「皆さん」
「リーファさん」
「如何だったかニャア? 怪我の方は如何だったかニャア?」
チェリムさんは心配していた。
けれどそこは、リーファさん。流石に完璧で、
「はい。無事に終わりましたよ」
「よかったニァー」
「ただですね。彼女の体は衰弱していて、しばらくは安静にしたほうがいいかもしれません。そこで」
「わかってるニャ。ゆっくり運ぶニャ。そう急ぐことでもないからニャー」
チェリムさんは楽観視した。
僕たちもそれを受けて、少し気をゆったりムードにすると、もう少ししてから、馬車に一度乗り込んだ。
彼女を馬車の中に連れ込み、リーファさんは治療に専念する。
パッと見脱水症状と軽い擦り傷ぐらいしか、目立った傷は見当たらない。
しかしそれは表向きの話で、実際は深刻だった。
それを悟ったのは、僕とリーファさん。
「あの子、大丈夫かニャア?」
「多分大丈夫です。リーファさんの腕は、間違いないですから。それにしても、妙ですよね」
妙? という言葉にチェリムさんは首を傾げる。
それを思えば確かにと言いたげに、同意するが、一体何故か。
「あの子、内臓が凹んでたみたいです。腹が裂けた様子はないけど、口元が青かった。多分、ヴァンプコヨーテか、ヘビオニにでも襲われたんじゃないでしょうか?」
「な、内臓を食べるんですか!」
「はい。けれど内臓を食べるんじゃなくて、人間や牛や豚の内臓に管を口の中から通して、吸引する。そうして栄養を他者から、自分の中に移し替えるのが得意で、危険な病原体も、全部まとめて相手に移し替えるんです」
「気、気持ち悪いニャア」
チェリムさんは、顔を顰めて口元を覆う。しかし僕も僕だ。こんなグロいことを喋っているのに、平然としていられる。これも、僕の種族が狂人な人間だろうか?
でも、今は如何だっていい。
僕はリーファさんの治療が済むのを待った。
それから十分間、僕とチェリムさんは馬車の外で待機していた。
呆然と立ち尽くす間、懸命に治療に専念するリーファさん。きっと今頃汗だくだろう。
「遅いニャア」
「多分、かなり難儀なんじゃないですか? 僕が治療を手伝えないのが、残念です」
その間僕は、襲った敵がなんなのか推測していた。
ソトオニ村。この近くには、そこしか村がない。
って、考えれば、きっとその村から来たんだ。よくも、七十キロも一人で……ん?
僕は何かに気がついた。
少女の倒れていたところに、何か違和感がある。
近づいてみてみれば、木の破片が落ちていた。
僕はそれを拾い上げると、曲線を描いている。
これは、
「車輪の一部。ってことは、馬車に乗ってた時に襲われた? ってことは、誰か大人が一緒にいて、それなのに一人だけでいた。つまり、乗ってた人たちって……」
嫌な予感がした。
そんな僕たちの元に、リーファさんが姿を現す。
「皆さん」
「リーファさん」
「如何だったかニャア? 怪我の方は如何だったかニャア?」
チェリムさんは心配していた。
けれどそこは、リーファさん。流石に完璧で、
「はい。無事に終わりましたよ」
「よかったニァー」
「ただですね。彼女の体は衰弱していて、しばらくは安静にしたほうがいいかもしれません。そこで」
「わかってるニャ。ゆっくり運ぶニャ。そう急ぐことでもないからニャー」
チェリムさんは楽観視した。
僕たちもそれを受けて、少し気をゆったりムードにすると、もう少ししてから、馬車に一度乗り込んだ。
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