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◇6 VSスライム
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アキラは近くの森にやって来た。
この森にやって来たのはただ近かったから。
何の気なしに、メニューを表示し、アイコンの地図マークをタッチすると、マップが簡単に表示された。
「おっ! ここよさそう」
アキラはその足で迷わずこの森に入った。
森の中はそこまで暗くなく、明るい方。
ちなみになんでやって来たのか。そんなの数学の式よりも簡単で、
「よーし、モンスターを倒すぞー!」
レベルアップを目指してやって来た。
このゲーム、レベル上げは重要そう。
調べてないけど、多分この手のゲームには必要そう。
でもさ、
「モンスターとか、私に倒せるかな?」
正直そこが一番心配だった。
だってさ、コントローラーカチカチで、テレビやパソコンの画面を見ながらするゲームじゃないんだよ。
実際に生身じゃないにしろ、武器を使ってモンスターを倒すんだ。
多分感触とかあるし、ちょっとは演出で血も出るかも。
怖いな。
アキラはビビりじゃないけど、怯えていた。
「ううん。やるしかないよね」
ここはすぐに切り替えていこう。
別に問題ないや。だってアキラは切り替えが早いタイプ。
考え込みすぎることはあっても、何事も直観を信じる。
「せっかくゲームをやるんだもん。楽しまなくちゃね」
アキラは楽しむことにした。
そこでインベントリを開き、中から武器を取り出す。
唯一今持っている武器。その名も、
「はい、普通の剣。普通のショートソード」
しかし意外だよ。
だって初めて握ったのに、こんなに手に馴染むなんてさ。
「でもこれがゲームだよね」
だけど切り替えの速さで、無理矢理落とし込む。
正直ここまで触れたことないのに、手に馴染んだ。
それもそれで怖いけど、一番の不思議はその重さだ。
だってちょっとだけ重たい。本当に質量があった。
しかも刃こぼれしそうで怖い。
「せめて最初は危なくないモンスターから……ん?」
草むらが揺れた。
ふと視線を落として、武器を構えると、そこから飛び出してきたのは、小さくて青い物体。
生きているのか、ゼリー質だった。
プルルンと、揺れる姿がまさにゼリー、いやスライム? みたいだった。
「これってスライム? もしかしてモンスターだよね?」
確実にモンスター。
だれがどんな角度から見ようが、これはモンスター。ここでは魔物じゃなくて、モンスター。
そう、あの超定番、最弱モンスター筆頭格。
いろんな色で使いまわされる、あの誰もが知るモンスター界のアイドルだった。
でもまさか、
「まさか、最初に出会うのがスライムって。普通だよねー」
アキラはふにゃけた。
だってこんな当たり前に出て来るなんて。
しかしスライムの方は、完全に敵対していて、アキラを見るや否や、襲い掛かったきた。
プルンっ!——
「うわぁ!」
するとお腹を目掛けて体当たり。
だけど全く痛くない。
それどころかアキラはそのままスライムを捕まえた。
「えーっと、これからどうすればいいのかな。えーっと、えーっと」
スライムはその間も、もごもご動き回る。
気持ちいいような。くすぐったいような。何とも言えない感覚。
だけど私はそのまま抱きしめていると、
キュー!——
まさかの事だった。
突然スライムの声が聞こえなくなる。
すると、アキラの腕の中で、光の粒子が飛び散る。
目をぱちぱち、瞬きを繰り返すがそこにスライムの姿はない。
まさか、こんなことになるなんて、言葉も出ない。
「ま、待ってよ。初戦がそれ! 最初がそんなのって、ないよ!」
アキラは慌てふためく。
だけどゲーム的にありなのか、軽快な音が鳴った。
それからステータスが表示され、レベルが2になって、さらにパラメータも上がる。
「うわぁー、なんか複雑……ん?」
だけど固まった。
気になることが書いてある。
ステータスの下、そこには固有スキルの項目。しかも、不穏なことが書いてあった。
固有スキル:【キメラハント】
『新しいスキルを略奪しました。スライム:【半液状化】』
ヤバい。頭がパンクしそう。
それどころか、処理が追い付かない。
まあでも、アキラじゃなくても仕方ない。そもそもこの【キメラハント】、他の誰も#_使えない奇怪なスキル_・__#なんだから。
この森にやって来たのはただ近かったから。
何の気なしに、メニューを表示し、アイコンの地図マークをタッチすると、マップが簡単に表示された。
「おっ! ここよさそう」
アキラはその足で迷わずこの森に入った。
森の中はそこまで暗くなく、明るい方。
ちなみになんでやって来たのか。そんなの数学の式よりも簡単で、
「よーし、モンスターを倒すぞー!」
レベルアップを目指してやって来た。
このゲーム、レベル上げは重要そう。
調べてないけど、多分この手のゲームには必要そう。
でもさ、
「モンスターとか、私に倒せるかな?」
正直そこが一番心配だった。
だってさ、コントローラーカチカチで、テレビやパソコンの画面を見ながらするゲームじゃないんだよ。
実際に生身じゃないにしろ、武器を使ってモンスターを倒すんだ。
多分感触とかあるし、ちょっとは演出で血も出るかも。
怖いな。
アキラはビビりじゃないけど、怯えていた。
「ううん。やるしかないよね」
ここはすぐに切り替えていこう。
別に問題ないや。だってアキラは切り替えが早いタイプ。
考え込みすぎることはあっても、何事も直観を信じる。
「せっかくゲームをやるんだもん。楽しまなくちゃね」
アキラは楽しむことにした。
そこでインベントリを開き、中から武器を取り出す。
唯一今持っている武器。その名も、
「はい、普通の剣。普通のショートソード」
しかし意外だよ。
だって初めて握ったのに、こんなに手に馴染むなんてさ。
「でもこれがゲームだよね」
だけど切り替えの速さで、無理矢理落とし込む。
正直ここまで触れたことないのに、手に馴染んだ。
それもそれで怖いけど、一番の不思議はその重さだ。
だってちょっとだけ重たい。本当に質量があった。
しかも刃こぼれしそうで怖い。
「せめて最初は危なくないモンスターから……ん?」
草むらが揺れた。
ふと視線を落として、武器を構えると、そこから飛び出してきたのは、小さくて青い物体。
生きているのか、ゼリー質だった。
プルルンと、揺れる姿がまさにゼリー、いやスライム? みたいだった。
「これってスライム? もしかしてモンスターだよね?」
確実にモンスター。
だれがどんな角度から見ようが、これはモンスター。ここでは魔物じゃなくて、モンスター。
そう、あの超定番、最弱モンスター筆頭格。
いろんな色で使いまわされる、あの誰もが知るモンスター界のアイドルだった。
でもまさか、
「まさか、最初に出会うのがスライムって。普通だよねー」
アキラはふにゃけた。
だってこんな当たり前に出て来るなんて。
しかしスライムの方は、完全に敵対していて、アキラを見るや否や、襲い掛かったきた。
プルンっ!——
「うわぁ!」
するとお腹を目掛けて体当たり。
だけど全く痛くない。
それどころかアキラはそのままスライムを捕まえた。
「えーっと、これからどうすればいいのかな。えーっと、えーっと」
スライムはその間も、もごもご動き回る。
気持ちいいような。くすぐったいような。何とも言えない感覚。
だけど私はそのまま抱きしめていると、
キュー!——
まさかの事だった。
突然スライムの声が聞こえなくなる。
すると、アキラの腕の中で、光の粒子が飛び散る。
目をぱちぱち、瞬きを繰り返すがそこにスライムの姿はない。
まさか、こんなことになるなんて、言葉も出ない。
「ま、待ってよ。初戦がそれ! 最初がそんなのって、ないよ!」
アキラは慌てふためく。
だけどゲーム的にありなのか、軽快な音が鳴った。
それからステータスが表示され、レベルが2になって、さらにパラメータも上がる。
「うわぁー、なんか複雑……ん?」
だけど固まった。
気になることが書いてある。
ステータスの下、そこには固有スキルの項目。しかも、不穏なことが書いてあった。
固有スキル:【キメラハント】
『新しいスキルを略奪しました。スライム:【半液状化】』
ヤバい。頭がパンクしそう。
それどころか、処理が追い付かない。
まあでも、アキラじゃなくても仕方ない。そもそもこの【キメラハント】、他の誰も#_使えない奇怪なスキル_・__#なんだから。
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