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◇45 毒液の弾丸
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オロチコンダに蛇睨みをされた。
しかし如何してオロチコンダは松明の火の方を一瞬見たのだろうか?
アキラは気になっていた。
「如何して、松明を投げたの?」
「蛇は熱を感知する能力を持っているからな。私たちよりも高い熱量を持つ動くものを追わせただけだ」
「そうなの?」
そう言えば、サーモグラフィーみたいなものかな?
そう考えれば、かなりしっくりくる。
すると、松明を失い、ヒカリゴケも届かないので、Nightは何か血迷ったのかな? 洞窟の壁を見ながら、適当なところに、ナイフを突き立てた。
その先には小さな巾着袋が付いていて、何か入っている。
おまけに糸もくくってあった。
「何をしてる、Night」
「何となくだ。確証はないが、このナイフは役に立つ」
「そうなのかな? うーん。まあいいや」
「そうだな。それより、こいつを如何するのかだ」
Nightは睨みつけた。
その手には十字架状の剣が握られていて、後ろの方では火の手が上がる。
しかしオロチコンダは、少しだけHPが削れているだけで、まるであしらわれているみたいに、するする抜けていく。
「どうなってるの、これ!」
「この、オラァオラァ!」
二人は巧みに攻撃を繰り返す。
しかしHPの残量が減らない。それどころか、こちらの方が疲れてしまう。
「はぁはぁ。全然HPが減らない」
「こっちもぬるぬるして、まともに攻撃は入らない。でも、何だろ。このぬめぬめ取れれば、少しは効くかな?」
「さあな。しかしこいつにはもっと凶悪なものが……」
と言っているうちに、オロチコンダが体を上げた。
どこからが上半身なのか。口の部分が膨らんだかと思えば、次の瞬間、何かが吐き出された。
それは毒の弾丸と呼ぶには相応しく、どろどろに地面が溶けてしまった。
「これが、毒?」
「毒って言うより、胃液に見えたんだけど」
「それもそうだ。こいつの体内で生成されたものだからな。にしても変だ。洞窟の毒とは違うのか?」
Nightは色々考えていた。
その間も、動き回りながらそれぞれが立ち回る。
フェルノが炎の拳で叩き込むと、そこだけが少し火傷を負ったみたいに溶けていた。
もしかして炎だけは効くのかと、三人は画策したが、オロチコンダは動き回る。
「このっ! 囲おうとしてるよね、この蛇!」
「それが常套句だ。アナコンダは巻きつけて相手を殺す。それを踏襲しているんだろうな」
「だとしてもこんなに大きいと、逃げられないよ」
「だったら逃げ道を無理矢理開ければいい」
Nightはフェルノが火傷を負わせた、部分を狙って、攻撃した。
するとオロチコンダが揺らめいた。
体をのけぞらせると、そのまま逃げ道が生まれる。
「今だ、全員で逃げろ!」
「うん。以降、フェルノ」
「オッケー!」
フェルノは足元に火を焚いた。
火が酸素に触れて、爆発すると、爆風が生まれる。
それを受けてか、加速するものの、アキラは走っていた。
まだ時間的余裕はある。
しかし何故か、嫌な予感がした。
(なんだろ、何かある。嫌な予感がする……)
そう思ったのも束の間。
アキラの視線はオロチコンダの首の位置と視線の動きが気になった。
誰かを見てる? その先にいたのは、警戒しているNightだった。
(頬が膨らんでる? もしかして、このっ!)
アキラは全速力で走った。
【キメラハント】を使い、【灰爪】を駆使すると、オロチコンダの体に突き立て、削りながら飛び越えた。
「嘘でしょ、アキラ!」
驚くフェルノ。しかしその声は届いていない。
アキラはそこにいたNightを手のひらで押す。
「うわぁ!」
「間に合った。うわぁ!」
押し倒された、Night。
何が起きたのか。その目で見たのは、最悪の光景だった。
「アキラ? おい、アキラ!」
「Night、避けてってー!」
この時のNightの耳にフェルノの声は聞こえていた。
しかしそれはできない。何故なら、自分を庇って倒れたアキラを守るために、一人で剣を抜き、オロチコンダの牙を止めていたからだ。
その後ろでは倒れたアキラ。
全身に毒液がかかり、顔が紫色に汚染される。
完全にピンチだった。
HPの表記は毒エフェクトで汚染され、意識も途切れかけていた。
しかし如何してオロチコンダは松明の火の方を一瞬見たのだろうか?
アキラは気になっていた。
「如何して、松明を投げたの?」
「蛇は熱を感知する能力を持っているからな。私たちよりも高い熱量を持つ動くものを追わせただけだ」
「そうなの?」
そう言えば、サーモグラフィーみたいなものかな?
そう考えれば、かなりしっくりくる。
すると、松明を失い、ヒカリゴケも届かないので、Nightは何か血迷ったのかな? 洞窟の壁を見ながら、適当なところに、ナイフを突き立てた。
その先には小さな巾着袋が付いていて、何か入っている。
おまけに糸もくくってあった。
「何をしてる、Night」
「何となくだ。確証はないが、このナイフは役に立つ」
「そうなのかな? うーん。まあいいや」
「そうだな。それより、こいつを如何するのかだ」
Nightは睨みつけた。
その手には十字架状の剣が握られていて、後ろの方では火の手が上がる。
しかしオロチコンダは、少しだけHPが削れているだけで、まるであしらわれているみたいに、するする抜けていく。
「どうなってるの、これ!」
「この、オラァオラァ!」
二人は巧みに攻撃を繰り返す。
しかしHPの残量が減らない。それどころか、こちらの方が疲れてしまう。
「はぁはぁ。全然HPが減らない」
「こっちもぬるぬるして、まともに攻撃は入らない。でも、何だろ。このぬめぬめ取れれば、少しは効くかな?」
「さあな。しかしこいつにはもっと凶悪なものが……」
と言っているうちに、オロチコンダが体を上げた。
どこからが上半身なのか。口の部分が膨らんだかと思えば、次の瞬間、何かが吐き出された。
それは毒の弾丸と呼ぶには相応しく、どろどろに地面が溶けてしまった。
「これが、毒?」
「毒って言うより、胃液に見えたんだけど」
「それもそうだ。こいつの体内で生成されたものだからな。にしても変だ。洞窟の毒とは違うのか?」
Nightは色々考えていた。
その間も、動き回りながらそれぞれが立ち回る。
フェルノが炎の拳で叩き込むと、そこだけが少し火傷を負ったみたいに溶けていた。
もしかして炎だけは効くのかと、三人は画策したが、オロチコンダは動き回る。
「このっ! 囲おうとしてるよね、この蛇!」
「それが常套句だ。アナコンダは巻きつけて相手を殺す。それを踏襲しているんだろうな」
「だとしてもこんなに大きいと、逃げられないよ」
「だったら逃げ道を無理矢理開ければいい」
Nightはフェルノが火傷を負わせた、部分を狙って、攻撃した。
するとオロチコンダが揺らめいた。
体をのけぞらせると、そのまま逃げ道が生まれる。
「今だ、全員で逃げろ!」
「うん。以降、フェルノ」
「オッケー!」
フェルノは足元に火を焚いた。
火が酸素に触れて、爆発すると、爆風が生まれる。
それを受けてか、加速するものの、アキラは走っていた。
まだ時間的余裕はある。
しかし何故か、嫌な予感がした。
(なんだろ、何かある。嫌な予感がする……)
そう思ったのも束の間。
アキラの視線はオロチコンダの首の位置と視線の動きが気になった。
誰かを見てる? その先にいたのは、警戒しているNightだった。
(頬が膨らんでる? もしかして、このっ!)
アキラは全速力で走った。
【キメラハント】を使い、【灰爪】を駆使すると、オロチコンダの体に突き立て、削りながら飛び越えた。
「嘘でしょ、アキラ!」
驚くフェルノ。しかしその声は届いていない。
アキラはそこにいたNightを手のひらで押す。
「うわぁ!」
「間に合った。うわぁ!」
押し倒された、Night。
何が起きたのか。その目で見たのは、最悪の光景だった。
「アキラ? おい、アキラ!」
「Night、避けてってー!」
この時のNightの耳にフェルノの声は聞こえていた。
しかしそれはできない。何故なら、自分を庇って倒れたアキラを守るために、一人で剣を抜き、オロチコンダの牙を止めていたからだ。
その後ろでは倒れたアキラ。
全身に毒液がかかり、顔が紫色に汚染される。
完全にピンチだった。
HPの表記は毒エフェクトで汚染され、意識も途切れかけていた。
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