VRMMOのキメラさん〜雑魚種族を選んだ私だけど、固有スキルが「倒したモンスターの能力を奪う」だったのでいつの間にか最強に!?

水定ゆう

文字の大きさ
52 / 617

◇52 ギルド会館

しおりを挟む
 アキラたち三人は、人通りが少しずつ多くなる道を進んだ。
 するとそこにあったのは、一際大きくて立派な建物だった。
 そこからたくさんのプレイヤーやNPCが定期的に出てくる。

「ここが、ギルド会館だな」
「「うわぁー。おっきいねー!」」

 白い建物がそびえる。
 白と言っても真っ白ではなく、少し色落ちしたようなくすんだ白だった。
 しかしそれが何とも、風情を出している。

「何だか大きな看板がしてあるよ」
「盾に剣が付き刺さってるのかな? クロスしてあるけど」
「剣と盾で冒険者を表しているんだろうな」
「そうなの? でもそれっぽいかも」
「それっぽいでいいのかなー?」
「適当でいいんだよ。それより、そろそろ行くぞ」

 ここでも先陣を切るのはNightだった。
 その後をてくてく続くのは、アキラとフェルノの二人。
 しかしその様子すらも、Nightにとっては、何らかの策略でしかなかった。の、かもしれない。


 アキラたちは、建物の中に入った。
 するとそこに広がっていたのは、不思議と居心地のいい空気感だった。
 何故なら、かなり明るい雰囲気で、大年のRPGで見たことのある、ギルド感があった。

「結構盛大に賑わっているね」
「そうでないと困るんだろう。この世界のNPCたちは、人工知能を持っている。決まった動きはしないし、この世界で生きる以上、その落ち度に付け込まれるわけにもいかないからな」
「運営サイドみたいなこと言ってる」
「と言うか、元も子もないような世界観壊すこと言ってるねー」
「わかりきったことを並べただけだ。いちいちツッコみを入れるな」
「「いや、入れるでしょ」」

 などと口々に言い合う。
 そうこうしていると、そんなアキラたちを見かねてか、一人のNPCが声をかけた。
 金色の髪を頭の上で結った、可愛らしい顔立ちの女性だった。真面目そうである。

「如何しましたか、何かお困りでしょうか?」
「あっ、はい。ギルド登録をしようと思っていて」
「ギルドを設立するのですね。わかりました。すぐに手続きいたしますので、こちらに来てください」

 そう言われ、誘われるままにカウンターに付いた。
 そこにはさっき声をかけてくれたNPCの受付嬢がせっせと、準備をしている。
 何故かアキラを先頭にして、Nightは後ろに隠れてしまった。目立ちたくないみたいだ。

「それではこちらの用紙に記入して、こちらに持ってきてください。ご相談をしていただいても構いませんよ。テーブルは、向こうのものをお使いください」

 そう言って、促された先には木製のテーブルがあった。
 テーブルの上には、万年筆が置いてあるみたいだ。
 万年筆って、ファンタジーゲームだけど、別にいいよね。

「わかりました。えーっと」
「私は、ルーミラと言います。今後よろしくお願いしますね」
「はい。ルーミラさん」

 アキラはそう答えると、Nightに服の袖を引っ張られたので、テーブルの元に向かった。
 すると、Nightはこう言った。

「お前は誰とでも話せるんだな」
「そんなことはないよNightはコミュ障なの?」
「この性格を見たらわかるだろ」
「うーん。ズバズバ言うから、誰にでもと思ってたけど」
「それはそうだが、あまり好き好んで話すタイプじゃないんだ」
「そうなんだー。それで、これには何を書けばいいの?」

 フェルノが脱線しそうな話を戻した。
 珍しいこともあると思いながら、ボードに止められた紙を見ると、いくつか項目が書いてある。
 それにしてもこの辺りは、リアルにしているんだと思った。

「えーっと、メンバーの名前とかは要らないんだね」
「それはそうだ。まだギルドがない」
「メンバーはいいとして、必要なのは、名前とギルマスとサブマス。それからエンブレム?」

 大きく分けたら、この辺りだった。
 すると、Nightは自分に振られる前に答えておく。

「言っておくが、私はギルマスはしないぞ。それをするなら、私は抜ける」
「嘘でしょ。じゃあ誰がするの!」
「アキラがやればいいよ。私はサブぐらいはするからさー。でもでも、経理とか? は、代わりにNightがやってよね。それならいいでしょー?」
「仕方ないか。このメンツだと、それが丸い」

 何故か項垂れていたけれど、まだ一言もやるとは言っていない。
 しかしフェルノは勝手に万年筆を取ると、ギルマスの欄にアキラの名前を。
 サブマスには自分の名前を書いていた。すでに消すことはできずに仕方ないと溜息を吐きながら、受け入れるのだった。どっちみち、やるけどさ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。

branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位> <カクヨム週間総合ランキング最高3位> <小説家になろうVRゲーム日間・週間1位> 現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。 目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。 モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。 ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。 テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。 そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が―― 「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!? 癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中! 本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ! ▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。 ▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕! カクヨムで先行配信してます!

【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます

鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。 このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。 それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。 その称号効果はスライム種族特効効果。 そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・ このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。 主人公は経験値でモンスターを殴ります。 ────── 自筆です。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり
ファンタジー
【書籍化!】第17回ファンタジー小説大賞『癒し系ほっこり賞』受賞作です。 (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~』です) ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。 最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。 この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう! ……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは? *** ゲーム生活をのんびり楽しむ話。 バトルもありますが、基本はスローライフ。 主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。 カクヨム様でも公開しております。

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった

椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。 底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。 ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。 だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。 翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

処理中です...