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◇53 継ぎ接ぎの絆《パッチワーク・フレンズ》
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何故かギルマスにされてしまった私。
そんな中、筆を執ったのはNightだった。
何をするのかと思えば、エンブレムの欄を勝手に書き足している。
「何描いてるの?」
「下絵だ。こんな感じでそうだ?」
「「どれどれ? うーん。ん?」」
何だろ、これ?
赤いから、不死鳥の絵なのかな。それにしても凄いリアルだ。
でもエンブレムとしては、もうちょっと可愛い方がいい。
「ねぇ、Night。この絵って、竜の絵だよね? 如何してフェニックスなの」
「そうだよ。もうちょっと可愛い方がいいよー」
「意味はない。何となくキャラクターの方が、いいと思っただけだ」
「それだったらもう少しあるよ。それにまだギルド名は決まってないよ?」
「そうだよ。ちなみに、皆んな何かアイデアとかあるのー? 私はないんだけどさー」
ないんだ。
アキラはそう思った。
すると、Nightはぽつりと呟いた。
「パッチワーク」
「「えっ?」」
「ギルド名は、継ぎ接ぎの絆はどうだ。私たちは個性の塊のような者ばかりで、それが集い集まった、まさに継ぎ接ぎで強くなる絆。私はそういう形に憧れているんだが」
「そうなんだ。でも、なんか良い響きだね。フレンズとか。何年も前に流行ったアニメ感あるし、でも少しぬいぐるみ感があるけどさ」
「そうだねー。でも羊のキャラクターは、ありきたりすぎるよね。なんだか、つまんないよねー」
「だからフェニックスなんだ。荒々しさを表現してみたんだが」
でも如何してフェニックスなんだろ。
もしかして、不死ってことを意味しているのかな。
謎だと、勝手に想像していると、フェルノがぽつり。
「そう言えば、なんでフェニックスなの?」
「簡単な話だ。不死身を表している。それが、絆だ」
「でもNightから、絆って言葉が出て来るんだね。ちょっと意外かも」
「うるさいな」
Nightが頬を膨らます。
それがフグみたいで可愛いとか言うのは、やめておく。多分怒るから。
そこで、アキラはNightが描いた絵を少しデフォルメすることにする。
「えーっと、ここをこうして色を付けて」
「アキラ。お前、絵が描けたのか?」
「上手い絵じゃないけどね」
「アキラのは可愛い絵だからね。ほのぼの系漫画の絵みたいなタッチの」
「えへへ。こんな感じで如何かな?」
アキラが見せたのは、とっても可愛くミニマムにデフォルメされた絵だった。
と言うか、イラストだったが、思った以上にいい出来栄えだった。
赤い炎を纏ったぬいぐるみみたいな、フェニックスがちょこんとしている。ぽわぁーん、としてしまうような、タッチで描かれた仕上げだった。
「可愛い、フェニちゃん」
「フェニちゃん? 商品化でも狙っているのか」
「そんなことないよ。でも、可愛いでしょ?」
「ま、まぁな。アキラがこんな絵を描いたのか……可愛い」
「えっ?」
「な、なんでもない!」
顔を背けるNight。
でもちゃんと聞こえていた。なんだか自信が持てた気がする。
アキラは自分で描いた、フェニちゃんの絵を見ながら、にんまり笑っていた。
それから、三人は結成した。三人の、名前は——継ぎ接ぎの絆。継ぎ接ぎで強く、より固くなっていく、決して解けない、不死の絆だった。
そんな中、筆を執ったのはNightだった。
何をするのかと思えば、エンブレムの欄を勝手に書き足している。
「何描いてるの?」
「下絵だ。こんな感じでそうだ?」
「「どれどれ? うーん。ん?」」
何だろ、これ?
赤いから、不死鳥の絵なのかな。それにしても凄いリアルだ。
でもエンブレムとしては、もうちょっと可愛い方がいい。
「ねぇ、Night。この絵って、竜の絵だよね? 如何してフェニックスなの」
「そうだよ。もうちょっと可愛い方がいいよー」
「意味はない。何となくキャラクターの方が、いいと思っただけだ」
「それだったらもう少しあるよ。それにまだギルド名は決まってないよ?」
「そうだよ。ちなみに、皆んな何かアイデアとかあるのー? 私はないんだけどさー」
ないんだ。
アキラはそう思った。
すると、Nightはぽつりと呟いた。
「パッチワーク」
「「えっ?」」
「ギルド名は、継ぎ接ぎの絆はどうだ。私たちは個性の塊のような者ばかりで、それが集い集まった、まさに継ぎ接ぎで強くなる絆。私はそういう形に憧れているんだが」
「そうなんだ。でも、なんか良い響きだね。フレンズとか。何年も前に流行ったアニメ感あるし、でも少しぬいぐるみ感があるけどさ」
「そうだねー。でも羊のキャラクターは、ありきたりすぎるよね。なんだか、つまんないよねー」
「だからフェニックスなんだ。荒々しさを表現してみたんだが」
でも如何してフェニックスなんだろ。
もしかして、不死ってことを意味しているのかな。
謎だと、勝手に想像していると、フェルノがぽつり。
「そう言えば、なんでフェニックスなの?」
「簡単な話だ。不死身を表している。それが、絆だ」
「でもNightから、絆って言葉が出て来るんだね。ちょっと意外かも」
「うるさいな」
Nightが頬を膨らます。
それがフグみたいで可愛いとか言うのは、やめておく。多分怒るから。
そこで、アキラはNightが描いた絵を少しデフォルメすることにする。
「えーっと、ここをこうして色を付けて」
「アキラ。お前、絵が描けたのか?」
「上手い絵じゃないけどね」
「アキラのは可愛い絵だからね。ほのぼの系漫画の絵みたいなタッチの」
「えへへ。こんな感じで如何かな?」
アキラが見せたのは、とっても可愛くミニマムにデフォルメされた絵だった。
と言うか、イラストだったが、思った以上にいい出来栄えだった。
赤い炎を纏ったぬいぐるみみたいな、フェニックスがちょこんとしている。ぽわぁーん、としてしまうような、タッチで描かれた仕上げだった。
「可愛い、フェニちゃん」
「フェニちゃん? 商品化でも狙っているのか」
「そんなことないよ。でも、可愛いでしょ?」
「ま、まぁな。アキラがこんな絵を描いたのか……可愛い」
「えっ?」
「な、なんでもない!」
顔を背けるNight。
でもちゃんと聞こえていた。なんだか自信が持てた気がする。
アキラは自分で描いた、フェニちゃんの絵を見ながら、にんまり笑っていた。
それから、三人は結成した。三人の、名前は——継ぎ接ぎの絆。継ぎ接ぎで強く、より固くなっていく、決して解けない、不死の絆だった。
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