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◇90 1人の時間は大切
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瞑想をしていた。精神統一ってやつだ。
大岩の上に正座になり、弓の手入れをしている。
「1人はいい。誰にも迷惑を掛けないから」
ベルは濡れたタオルで丁寧に弓矢を手入れる。特に端の部分、重心の詰まった鉛部分が一番汚れやすい。この部分は防腐効果が付いていないので、汚れも弾いてくれないんだ。
「久々に使ってあげないとね」
ベルは独り言を呟いた。
鉛色の部分が銀色の光る。太陽の陽射しが眩しくて仕方ない。
まるで射抜かれているみたいに感じるのは、職業病……しかり部活病と言うやつかもしれない。
「でも如何してなのかな。あんなに変な子たちなのに……憎めないって言うか嫌いじゃないって言うのかな。って、私は人が嫌いじゃないんだけどさ」
ベルの独り言は続く。だけど1つだけどうしても気になるのは、他のプレイヤーと違って全然ゲームじゃない戦い方について物申したい。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「ねえ、ベルは入ってくれるのかな?」
この日の開口はアキラのそんな一言だった。
Nightはいち早く反応してくれる。
「さあな」
「さあって、淡白すぎるよ」
「そうか。じゃあ如何だろうな」
「シンプル! シンプルすぎて何も変化ないって!」
「こんな時間で盛り上がるな。もうリアルは10時なんだぞ」
「うっ……」
今日はアキラとNightだけだった。
一応さっきまで雷斬と外で話していたけど、部活があるからとフェルノと一緒に先にログアウトしたのを見送った。だけどベルの話になったのは、ベルが今日は残っているかららしい。少なくとも、ログアウトする前はログインしている様子だった。
「ちょうど場所も聞いたんだから、行ってみようよ」
「如何して私が……それに人の時間に介入するな」
「いいでしょ。私もフェルノもそっち系なんだから」
首をツッコむ系と言うことです。
Nightも折れてしまった派なので、溜息交じりだったが、結局行ってくれることになった。読んでいた文庫本を閉じる。インベントリの中に放り込むと、椅子から立ち上がって埃を祓った。
「ありがとうNight」
「それで何処に行くんだ?」
「この間行った森の反対側。大岩のところにいるらしいよ」
「あそこか……ん? 反対側だと」
「うん。反対側って言ってたけど……如何したの?」
顔色が悪くなった。何か嫌な予感がするのか、Nightは私の腕を引っ張ると
「急いで行くぞ、あの場所はヤバい」
「ヤバいってなに?」
「あの場所にはいるんだよ。強いモンスターが……ヤバい毒持ちが……」
弓を構えるベルは空を見やった。
ピカピカになった特注の弓に満足し、一射撃ってみることにした。
「行けっ!」
矢が飛んだ。特に狙ったものもないので、矢はギラリと鏃を光らせて森の中に落ちていく。
反対側には紐が付いているので、簡単に回収できた。
弓の張りぐらいも十分で満足していた。
「うん、かなり良い。これならみんなの役に立てる……ってなんで私そんなこと言っているのよ」
自分で頭を軽く叩いた。
すると、何か声がした。見てみると、見知った顔がある。
「ベルー!」
「アキラ? それにNightもいるわね。如何してこんなところに……」
少し考えれば分かる。雷斬は教えたに決まっている。
すると何か言っているようだ。
だけどそれよりもうるさい羽音が聞こえた。
ブーン! ブーン! ブーンブーンブーン!
「うるさいわね。って、ハチ!」
ベルは首をぐるりと向ける。するとそこに飛んでいたのは一匹の大きなハチだった。
茶色い色に、黒と黄色の縞模様。だけど針が2本ついている。
弓を構えると、ベルに向けて針を1本放った。
「このっ!」
針に対して矢を放つ。見事に打ち負かしたが、次の1本が放たれた。
流石にすぐに次は射てない。食らう瞬間、目を瞑る。激痛に襲われる。
けれど受けなかった。
目を開けると、そこには緑色の籠手があった。針が突き刺さり、そこにいるのはアキラなんだ。
大岩の上に正座になり、弓の手入れをしている。
「1人はいい。誰にも迷惑を掛けないから」
ベルは濡れたタオルで丁寧に弓矢を手入れる。特に端の部分、重心の詰まった鉛部分が一番汚れやすい。この部分は防腐効果が付いていないので、汚れも弾いてくれないんだ。
「久々に使ってあげないとね」
ベルは独り言を呟いた。
鉛色の部分が銀色の光る。太陽の陽射しが眩しくて仕方ない。
まるで射抜かれているみたいに感じるのは、職業病……しかり部活病と言うやつかもしれない。
「でも如何してなのかな。あんなに変な子たちなのに……憎めないって言うか嫌いじゃないって言うのかな。って、私は人が嫌いじゃないんだけどさ」
ベルの独り言は続く。だけど1つだけどうしても気になるのは、他のプレイヤーと違って全然ゲームじゃない戦い方について物申したい。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「ねえ、ベルは入ってくれるのかな?」
この日の開口はアキラのそんな一言だった。
Nightはいち早く反応してくれる。
「さあな」
「さあって、淡白すぎるよ」
「そうか。じゃあ如何だろうな」
「シンプル! シンプルすぎて何も変化ないって!」
「こんな時間で盛り上がるな。もうリアルは10時なんだぞ」
「うっ……」
今日はアキラとNightだけだった。
一応さっきまで雷斬と外で話していたけど、部活があるからとフェルノと一緒に先にログアウトしたのを見送った。だけどベルの話になったのは、ベルが今日は残っているかららしい。少なくとも、ログアウトする前はログインしている様子だった。
「ちょうど場所も聞いたんだから、行ってみようよ」
「如何して私が……それに人の時間に介入するな」
「いいでしょ。私もフェルノもそっち系なんだから」
首をツッコむ系と言うことです。
Nightも折れてしまった派なので、溜息交じりだったが、結局行ってくれることになった。読んでいた文庫本を閉じる。インベントリの中に放り込むと、椅子から立ち上がって埃を祓った。
「ありがとうNight」
「それで何処に行くんだ?」
「この間行った森の反対側。大岩のところにいるらしいよ」
「あそこか……ん? 反対側だと」
「うん。反対側って言ってたけど……如何したの?」
顔色が悪くなった。何か嫌な予感がするのか、Nightは私の腕を引っ張ると
「急いで行くぞ、あの場所はヤバい」
「ヤバいってなに?」
「あの場所にはいるんだよ。強いモンスターが……ヤバい毒持ちが……」
弓を構えるベルは空を見やった。
ピカピカになった特注の弓に満足し、一射撃ってみることにした。
「行けっ!」
矢が飛んだ。特に狙ったものもないので、矢はギラリと鏃を光らせて森の中に落ちていく。
反対側には紐が付いているので、簡単に回収できた。
弓の張りぐらいも十分で満足していた。
「うん、かなり良い。これならみんなの役に立てる……ってなんで私そんなこと言っているのよ」
自分で頭を軽く叩いた。
すると、何か声がした。見てみると、見知った顔がある。
「ベルー!」
「アキラ? それにNightもいるわね。如何してこんなところに……」
少し考えれば分かる。雷斬は教えたに決まっている。
すると何か言っているようだ。
だけどそれよりもうるさい羽音が聞こえた。
ブーン! ブーン! ブーンブーンブーン!
「うるさいわね。って、ハチ!」
ベルは首をぐるりと向ける。するとそこに飛んでいたのは一匹の大きなハチだった。
茶色い色に、黒と黄色の縞模様。だけど針が2本ついている。
弓を構えると、ベルに向けて針を1本放った。
「このっ!」
針に対して矢を放つ。見事に打ち負かしたが、次の1本が放たれた。
流石にすぐに次は射てない。食らう瞬間、目を瞑る。激痛に襲われる。
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目を開けると、そこには緑色の籠手があった。針が突き刺さり、そこにいるのはアキラなんだ。
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