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◇147 充電できました
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フェルノが太陽に青いクリスタルを掲げていると、急に赤く光り始めた。
太陽からクリスタルの赤いレーザーが照射されている。
アキラたちは突然ことに驚いていたが、フェルノは気が付いていない。
「えっ、何!? 何かあったのー?」
まさか一番じかに触れている人の方が気付いていると思ったのに、全然気が付いていなかった。
見たところ熱くはないのか、両手でがっちり抑えている。
「フェルノ大丈夫。それ熱くないの!」
「熱いって? うわぁ、凄い凄い。さっきまで青かったよね、赤くなっているよ!」
ふと顔を上げると、視線に変色したクリスタルが入った。のではなく、乱反射した赤い光がクリスタルの表面の凹凸を利用して、フェルノの視界に飛び込んでいた。
けれど熱くはないのか、フェルノは太陽光を集め続けている。
「もう少し集めたらまた色が変わるかな?」
「どうだろうな。とりあえず12時半まではやってみてもいいかもしれないな」
Nightはフェルノに呼びかけた。暗号を読み解く限り、11時半から12時半がベストらしく、クリスタルはどんどん赤くなっていく。
本当にどれだけ赤くなるのかな。アキラはちょっとずつ変化する色合いを見て楽しんでいた……のだが。
「熱っ!」
フェルノが突然クリスタルを地面に落とした。
両手が火傷したみたいに皮膚が焼けている。クリスタルからは蒸気が出ていて、触れちゃダメなくらい熱々だ。
「どうしたフェルノ。大丈夫か?」
「大丈夫かって言われたら大丈夫なんだけど……うわぁ、凄い手のひらがヒリヒリする」
「これは火傷だな。突然熱くなったのか?」
「う、うん。あのクリスタル、今めちゃくちゃ熱いよ」
地面に転がっていたクリスタルを拾い上げようと、アキラがそっと近づいた。
本当だ。少し近づくだけで、額から汗が出てくる。
しゃがみ込んで触ってみようとするとフェルノが叫んだ。怒鳴り付けられた。
「ダメだってアキラ! それに触ったら手が焼けるよ!」
不意に腕を引っ込めた。人差し指が触れる直前だった。
アキラは不意な好奇心が湧き上がり、自分がやっていることがわからなくなっていた。
けれどフェルノのおかげで思いとどまることができた。
「ありがとう、フェルノ。それよりごめんね」
「いいよ、私がやってたことだもんねー」
フェルノが長時間持っていたからこんな酷い怪我を負った。アキラは責任感を感じていたが、サラリと受け流してしまうフェルノ。
自分でよかったと心底思っており、Nightが取り出した冷却シートを手のひらに張っている。
その上から包帯を巻いていてどうやら時間がかかりそうだ。
「とりあえず充電は完了したようだな」
「本当に電気を溜めていたのかな?」
「例えばでいいんだ。とりあえずクリスタルはこれでいいとして、後はこれをはめるだけだな」
「それはそうよね。でもどうやって取り付けるの?」
「そうですね。アーム状の道具があればいいのですが……」
「これだな」
Nightはいつの間にか【ライフ・オブ・メイク】でアイテムを用意していた。
先端がつまめるようになっていて、柄の部分がかなり長い。
これなら簡単に取り付けられそうだ。
「凄い、マジック・ハ……」
「マニピュレーターだ。意味は調べなくてもいい」
Nightはクリスタルを先端のアームで挟み込むと、滑り止めを利用してがっちり抑え込む。
ゴム製なのでジリジリト溶けているのが怖いが、気にしない様子で古代遺跡の中に戻ると天井を見上げた。
回さないと取り付けられないので、仕方なく自分が回っている姿が可愛い。
「何だか可愛いね」
「小さな子供を見ている気分です」
「頑張れー、Night!」
「怪我はしないでね。安全に遊ぼうね」
変にあやしていた。するとNightのこめかみがピクピクと脈を打っていて、「今に見ていろよ」と脅されているように感じた。
アキラだけが気付いていたが、誰も気に病むことはなくNightの頑張りを最後まで見守っていた。
太陽からクリスタルの赤いレーザーが照射されている。
アキラたちは突然ことに驚いていたが、フェルノは気が付いていない。
「えっ、何!? 何かあったのー?」
まさか一番じかに触れている人の方が気付いていると思ったのに、全然気が付いていなかった。
見たところ熱くはないのか、両手でがっちり抑えている。
「フェルノ大丈夫。それ熱くないの!」
「熱いって? うわぁ、凄い凄い。さっきまで青かったよね、赤くなっているよ!」
ふと顔を上げると、視線に変色したクリスタルが入った。のではなく、乱反射した赤い光がクリスタルの表面の凹凸を利用して、フェルノの視界に飛び込んでいた。
けれど熱くはないのか、フェルノは太陽光を集め続けている。
「もう少し集めたらまた色が変わるかな?」
「どうだろうな。とりあえず12時半まではやってみてもいいかもしれないな」
Nightはフェルノに呼びかけた。暗号を読み解く限り、11時半から12時半がベストらしく、クリスタルはどんどん赤くなっていく。
本当にどれだけ赤くなるのかな。アキラはちょっとずつ変化する色合いを見て楽しんでいた……のだが。
「熱っ!」
フェルノが突然クリスタルを地面に落とした。
両手が火傷したみたいに皮膚が焼けている。クリスタルからは蒸気が出ていて、触れちゃダメなくらい熱々だ。
「どうしたフェルノ。大丈夫か?」
「大丈夫かって言われたら大丈夫なんだけど……うわぁ、凄い手のひらがヒリヒリする」
「これは火傷だな。突然熱くなったのか?」
「う、うん。あのクリスタル、今めちゃくちゃ熱いよ」
地面に転がっていたクリスタルを拾い上げようと、アキラがそっと近づいた。
本当だ。少し近づくだけで、額から汗が出てくる。
しゃがみ込んで触ってみようとするとフェルノが叫んだ。怒鳴り付けられた。
「ダメだってアキラ! それに触ったら手が焼けるよ!」
不意に腕を引っ込めた。人差し指が触れる直前だった。
アキラは不意な好奇心が湧き上がり、自分がやっていることがわからなくなっていた。
けれどフェルノのおかげで思いとどまることができた。
「ありがとう、フェルノ。それよりごめんね」
「いいよ、私がやってたことだもんねー」
フェルノが長時間持っていたからこんな酷い怪我を負った。アキラは責任感を感じていたが、サラリと受け流してしまうフェルノ。
自分でよかったと心底思っており、Nightが取り出した冷却シートを手のひらに張っている。
その上から包帯を巻いていてどうやら時間がかかりそうだ。
「とりあえず充電は完了したようだな」
「本当に電気を溜めていたのかな?」
「例えばでいいんだ。とりあえずクリスタルはこれでいいとして、後はこれをはめるだけだな」
「それはそうよね。でもどうやって取り付けるの?」
「そうですね。アーム状の道具があればいいのですが……」
「これだな」
Nightはいつの間にか【ライフ・オブ・メイク】でアイテムを用意していた。
先端がつまめるようになっていて、柄の部分がかなり長い。
これなら簡単に取り付けられそうだ。
「凄い、マジック・ハ……」
「マニピュレーターだ。意味は調べなくてもいい」
Nightはクリスタルを先端のアームで挟み込むと、滑り止めを利用してがっちり抑え込む。
ゴム製なのでジリジリト溶けているのが怖いが、気にしない様子で古代遺跡の中に戻ると天井を見上げた。
回さないと取り付けられないので、仕方なく自分が回っている姿が可愛い。
「何だか可愛いね」
「小さな子供を見ている気分です」
「頑張れー、Night!」
「怪我はしないでね。安全に遊ぼうね」
変にあやしていた。するとNightのこめかみがピクピクと脈を打っていて、「今に見ていろよ」と脅されているように感じた。
アキラだけが気付いていたが、誰も気に病むことはなくNightの頑張りを最後まで見守っていた。
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