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◇197 石灰の華?
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何もしてこないので少し近づいてみることにした。
キノコの真下にはNightが投げ込んだ黒い鉄球が無情にも転がっている。
既に気体は出ておらず、Nightは拾って回収した。
「変化なしか。つまり無害と見ていいな」
Nightは背の高い白いキノコを見上げてそう答える。
フェルノも万が一に備えて竜化した腕で叩いてみたが、特に攻撃してくることもないので、拍子抜けしたみたいに首を捻る。
「なーんだ、せっかく前もって戦う用意してたのにつまんないんー」
「フェルノ。こんな危険なところで戦わずに済んだだけ、ありがたいと思おうよ」
アキラは口を尖らせていたフェルノに言った。
だけどがっかり寄りもまず先に安心感の方がアキラは強い。
無駄に戦わなくて済んだだけ安いものとホッと一呼吸入れた。
「でもよかった。活火山で戦いたくないもんね」
「それは一理あります。私もこのような危険地帯での戦闘は好ましくありませんから」
すると雷斬が同意してくれた。心強い味方の登場に胸が躍る。
けれど雷斬の隣で弓を構えているベルは当たりを警戒していて忙しない。
「とりあえず敵はいないみたいだけどね。このキノコが突然胞子を飛ばさないとも断言できないし、本当にこのキノコは何なのよね」
ベルはアキラたちに代わって警戒を強めてくれていた。
すると雷斬も刀に手を添えて気配を飛ばしている。
2人体制の警戒に大抵のモンスターやプレイヤー狩りはできないはずだ。
「でもさ、このキノコってなんで間欠泉のところにできているのかな?」
「さあな。だが一つ気がかりなのは、このキノコが何物かだ」
「? キノコはキノコでしょ?」
「そうじゃない。それにお前にはこれが食べられるキノコか毒キノコにでも見えるのか?」
「見えないけど。でも形はエノキだよ!」
そう、形だけは太くしたエノキで間欠泉を塞ぐように生えている。
傘の部分からは相変わらず湯気を出しているが、調べたところによるとこの湯気は硫黄が含まれていないので特に危険でもないらしい。
雷斬が感じていた不穏なニオイと言うのはこのキノコの傘から出る謎の湯気と地面の隙間から絶えず出ている硫黄と一酸化炭素が混ざったものだったらしい。
そのニオイがぐちゃぐちゃになって、変な臭いを充満させていたんだ。
だけど、キノコ自体には何か危険な様子もない。
いった通り攻撃もしてこない。安全すぎて逆に不気味だった。
「どうせなら叩いてみる? こんな風に!」
「待って待って。流石に強硬手段過ぎるよ!」
アキラはフェルノの腕を抑え込んだ。
流石に冗談だったのか、フェルノも「いや、まだしないってー」とこれからする気満々だった。
「少し気になっているんだが、この白い粉はなんだ」
「「白い粉!」」
凄い怪しいワードにアキラとフェルノは食いついた。
とは言えNightの足元に砕けたキノコの破片なのか幾つも落ちていて、Nightは躊躇うことなく拾っていた。
指先で擦り合わせるとベーキングパウダーや小麦粉みたいにサラサラしているけど、少しダマが残っていてしっかりとした粉状にはならない。
アキラはそれを見ていると何となくアレを思い出した。
学校に行っていたら自然と目にするアレだ。
「何だか似てるね」
「似てるって何にだ?」
「ほら公邸に引いてある白線だよ。トラックに描いてあって、大きな楕円になっているやつ」
「あー、陸上とかで使う奴だねー。確か石灰だっけ?」
そうそれ。石灰。何だか石灰に似ている気がした。
アキラは「それだよ!」とはしゃぐと、Nightは黙り込んだ。
「そうか、石灰か……なるほどな」
どうやらピンと来たらしい。
以外にすんなり謎が解けてNightは助かっていた。
余計なことに頭を割く必要もなくなり、やることも素直でわかりやすい。
「何かわかったの!」
「やっぱり石灰だったんだねー」
「いいやそれは違うぞ。酸化カルシウムの塊ではなく、この世界ならではのイレギュラーが起きた炭化カルシウムだ」
アキラとフェルノはあまりついて行けなかった。
しかしNightは考えるよりも先に【ライフ・オブ・メイク】で武器を用意する。
今回作ったのは鉄製の巨大なハンマーだった。
「よし、こんなものでいいだろう」
「珍しいね。Nightがそんな重たそうな武器を作るなんて」
「何言っているんだ。コイツを使うのは私じゃない。お前だ」
「えっ? 私が使うのー。せめてガントレットの方がよかったのにー」
「こっちの方が腕に伝わる衝撃も少なく済むだろ。とにかく使え」
Nightは無理やりフェルノに手渡した。
受け取ったNightは意外に重くて呆気に取られる。Nightも方をぶんぶん回していて、重かったらしい。少し持たせてもらったアキラは、意外な重量感に唖然とした。
「意外に重たいね」
「鉄だからな。しかも密度や質量もかなり増している。普通の奴には持つだけで限界が来て、振るなんて真似は到底できない」
それじゃあフェルノの筋力パラメータは凄いことになっているんじゃないかな。
だって方に掛けて欠伸をかいているんだもん。
アキラはフェルノのステータスが怖くなった。
キノコの真下にはNightが投げ込んだ黒い鉄球が無情にも転がっている。
既に気体は出ておらず、Nightは拾って回収した。
「変化なしか。つまり無害と見ていいな」
Nightは背の高い白いキノコを見上げてそう答える。
フェルノも万が一に備えて竜化した腕で叩いてみたが、特に攻撃してくることもないので、拍子抜けしたみたいに首を捻る。
「なーんだ、せっかく前もって戦う用意してたのにつまんないんー」
「フェルノ。こんな危険なところで戦わずに済んだだけ、ありがたいと思おうよ」
アキラは口を尖らせていたフェルノに言った。
だけどがっかり寄りもまず先に安心感の方がアキラは強い。
無駄に戦わなくて済んだだけ安いものとホッと一呼吸入れた。
「でもよかった。活火山で戦いたくないもんね」
「それは一理あります。私もこのような危険地帯での戦闘は好ましくありませんから」
すると雷斬が同意してくれた。心強い味方の登場に胸が躍る。
けれど雷斬の隣で弓を構えているベルは当たりを警戒していて忙しない。
「とりあえず敵はいないみたいだけどね。このキノコが突然胞子を飛ばさないとも断言できないし、本当にこのキノコは何なのよね」
ベルはアキラたちに代わって警戒を強めてくれていた。
すると雷斬も刀に手を添えて気配を飛ばしている。
2人体制の警戒に大抵のモンスターやプレイヤー狩りはできないはずだ。
「でもさ、このキノコってなんで間欠泉のところにできているのかな?」
「さあな。だが一つ気がかりなのは、このキノコが何物かだ」
「? キノコはキノコでしょ?」
「そうじゃない。それにお前にはこれが食べられるキノコか毒キノコにでも見えるのか?」
「見えないけど。でも形はエノキだよ!」
そう、形だけは太くしたエノキで間欠泉を塞ぐように生えている。
傘の部分からは相変わらず湯気を出しているが、調べたところによるとこの湯気は硫黄が含まれていないので特に危険でもないらしい。
雷斬が感じていた不穏なニオイと言うのはこのキノコの傘から出る謎の湯気と地面の隙間から絶えず出ている硫黄と一酸化炭素が混ざったものだったらしい。
そのニオイがぐちゃぐちゃになって、変な臭いを充満させていたんだ。
だけど、キノコ自体には何か危険な様子もない。
いった通り攻撃もしてこない。安全すぎて逆に不気味だった。
「どうせなら叩いてみる? こんな風に!」
「待って待って。流石に強硬手段過ぎるよ!」
アキラはフェルノの腕を抑え込んだ。
流石に冗談だったのか、フェルノも「いや、まだしないってー」とこれからする気満々だった。
「少し気になっているんだが、この白い粉はなんだ」
「「白い粉!」」
凄い怪しいワードにアキラとフェルノは食いついた。
とは言えNightの足元に砕けたキノコの破片なのか幾つも落ちていて、Nightは躊躇うことなく拾っていた。
指先で擦り合わせるとベーキングパウダーや小麦粉みたいにサラサラしているけど、少しダマが残っていてしっかりとした粉状にはならない。
アキラはそれを見ていると何となくアレを思い出した。
学校に行っていたら自然と目にするアレだ。
「何だか似てるね」
「似てるって何にだ?」
「ほら公邸に引いてある白線だよ。トラックに描いてあって、大きな楕円になっているやつ」
「あー、陸上とかで使う奴だねー。確か石灰だっけ?」
そうそれ。石灰。何だか石灰に似ている気がした。
アキラは「それだよ!」とはしゃぐと、Nightは黙り込んだ。
「そうか、石灰か……なるほどな」
どうやらピンと来たらしい。
以外にすんなり謎が解けてNightは助かっていた。
余計なことに頭を割く必要もなくなり、やることも素直でわかりやすい。
「何かわかったの!」
「やっぱり石灰だったんだねー」
「いいやそれは違うぞ。酸化カルシウムの塊ではなく、この世界ならではのイレギュラーが起きた炭化カルシウムだ」
アキラとフェルノはあまりついて行けなかった。
しかしNightは考えるよりも先に【ライフ・オブ・メイク】で武器を用意する。
今回作ったのは鉄製の巨大なハンマーだった。
「よし、こんなものでいいだろう」
「珍しいね。Nightがそんな重たそうな武器を作るなんて」
「何言っているんだ。コイツを使うのは私じゃない。お前だ」
「えっ? 私が使うのー。せめてガントレットの方がよかったのにー」
「こっちの方が腕に伝わる衝撃も少なく済むだろ。とにかく使え」
Nightは無理やりフェルノに手渡した。
受け取ったNightは意外に重くて呆気に取られる。Nightも方をぶんぶん回していて、重かったらしい。少し持たせてもらったアキラは、意外な重量感に唖然とした。
「意外に重たいね」
「鉄だからな。しかも密度や質量もかなり増している。普通の奴には持つだけで限界が来て、振るなんて真似は到底できない」
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