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◇234 謎のイベント報酬
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イベントが終わり、いよいよ報酬が贈られる日。
アキラたちはいつも通りログインして遊んでいた。
まったりムードの中、ギルドホームでくだらない話に興じていた。
「それでさー、今週の回でついに新機体ができてたんだよね」
「新機体?」
「そうそう新機体。新しいメカも色々搭載されていて、敵小隊を全滅させてさー」
「へぇー」
アキラはフェルノが熱く語る中、ほとんど聞いていなかった。
何故なら自分が知らないアニメの話なので、全くついていけないのだ。
「新作キットは3ヶ月後に発売だけどさー、造形が楽しみなんだよねー」
「そうなんだ。へぇー」
早く解放されたい。アキラは珍しくそう思っていた。
けれど一向に話が終わる様子がなく、助けを求めようとした。
けれど雷斬たちは目を逸らしている。
こんな時Nightがいればと心の底から願った。
「それにしてもNight遅いね」
「そ、そうだね。もしかして今日は来ないのかな?」
「そんなわけがあるか、馬鹿が」
するとリビングの扉が開いた。
そこにいたのはNightで、ようやくフェルノの話から解放されると思い、ほっと胸を撫で下ろす。
「遅かったね、Night」
「いや、既にログインはしていた。それよりもだ。雷斬、ベル。2人とも報酬は如何なった?」
「「報酬?」」
アキラとフェルノは首を捻る。
一方の雷斬たちは心当たりがあるのか、メニューを開きメッセージボックスを確認する。
「ペアズ・ペアの報酬のことですね。まだ確認はしていませんが、届いているはずですよ」
「確か2人で確認しないとダメなのよね」
「そうだ。昭たちの方は如何だった?」
急に話が振られたので、アキラたちは困惑する。
メニューを急いで開き、メッセージをタップすると、新着メッセージが着ていることに近づいた。
しかもビックリマークの隣に箱のマークも付いている。
これは何か贈られた証拠だ。
「えーっと、中身は……『第1回ペアズ・ペアにご参加いただき誠にありがとうございました。難解なイベントではありましたが、予想以上の参加プレイヤーがおり弊社は驚きを隠せませんが、それと同時に今後もますます検討していくつもりです。今回、十分な成果を上げた方成果が振るわなかった方、またの機会がありましら是非ご参加いただけると幸いです。報酬としてGAME内通貨5万ジュエルと参加賞として記念メダルを想定いたします。また、上位5組のペアには超特殊アイテムを贈らせていただきます。是非Union名をモットーに今後ともよろしくお願いいたします』だってさ」
アキラがメッセージを全部読むと、いろいろ気になる点を見つけた。
どれから片付ければいいかはわからないが。とりあえずアキラたちのプレゼントマークは記念メダルということらしい。
「記念メダルだって。ちょっと嬉しいかもねー」
「うん。えーっと、第1回ペアズ・ペア参加記念メダル。どんな形なのかなーって、称号になるんだ!」
アキラは普通に驚いてしまった。
記念メダルを見ようと思いタップすると、手元に金色のメダルが現れ、称号を手に入れた。
称号名は、第1回ペアズ・ペア参加とシンプルだったが、何だか頑張った甲斐があったと思い嬉しくなる。
「結構作りが細かいね。彫りも深いし、大きさも手頃だよ」
肝心の大きさは500円玉程度だった。
それにもかかわらず、重厚感があってしっかり重かった。
「記念品にしてはよくできているな。それより肝心なものは雷斬たちの手に入れた報酬だ」
「少し待ってください。えーっと、コレですね」
雷斬がメッセージからプレゼントボックスを開き、中身のアイテムを取り出す。
するとインベントリから実際に取り出すと、不思議な道具が手に残った。
「コレは……」
「持ち手かな?」
雷斬が取り出したのは何かの持ち手のようだった。
付属パーツか何かだろうか?
アキラにはさっぱりだったが、フェルノとNightは異様な食いつきを見せた。
「コレって何かな? もしかして、プラモデルとかの余りパーツ?」
「いいや、何かに使うものだとは思うが……おそらく、武器じゃないか?」
「「「武器?」」」
アキラたちは首を捻った。
それもそのはず。持ち手だけでは何にも使えない。
ましてやこの世界では武器の需要は極端に少ない。
大抵のプレイヤーは種族スキルで戦えるうえに、武器で戦うこと自体が少数なのだ。
しかも持ち手ということはおそらく使われる武器も限定される。
持ち手の大きさ的に手でしっかり握ったり、腕に付けたりして使うもののため、Nightはすぐにピンときた。
「おそらく盾だな」
「盾って、あの盾?」
「そうだ。あの盾以外に何があるかは私は知らないが、これは盾の持ち手の部分だ。官人の盾の部分はないが……まさかな」
Nightはどこか心当たりがあるらしい。
けれど盾と聞いてアキラたちはポカンとしてしまう。
それもそのはず、アキラたちの中で盾を使う仲間はおらず、今の今まで盾をメイン武器にして使っているプレイヤーを見たことがない。つまるところ……
「完全にハズレ武器だな」
Nightははっきりと言いつけた。
まさか運営がこんなものを報酬として贈るとは誰も思っていなかっただろう。
きっと今頃SNSでは荒れているとNightは予想したのだが、実際は誰もこのイベントに期待していなかったので、そこまで湧いていないのが現実だった。
「一体何がしたかったんだろうね?」
「さあな。だが運営はこれで満足なんじゃないか?」
Nightは一文引っかかるところがあった。
腕組をしたまま視線がUnionの部分に止まっていた。
アキラたちはいつも通りログインして遊んでいた。
まったりムードの中、ギルドホームでくだらない話に興じていた。
「それでさー、今週の回でついに新機体ができてたんだよね」
「新機体?」
「そうそう新機体。新しいメカも色々搭載されていて、敵小隊を全滅させてさー」
「へぇー」
アキラはフェルノが熱く語る中、ほとんど聞いていなかった。
何故なら自分が知らないアニメの話なので、全くついていけないのだ。
「新作キットは3ヶ月後に発売だけどさー、造形が楽しみなんだよねー」
「そうなんだ。へぇー」
早く解放されたい。アキラは珍しくそう思っていた。
けれど一向に話が終わる様子がなく、助けを求めようとした。
けれど雷斬たちは目を逸らしている。
こんな時Nightがいればと心の底から願った。
「それにしてもNight遅いね」
「そ、そうだね。もしかして今日は来ないのかな?」
「そんなわけがあるか、馬鹿が」
するとリビングの扉が開いた。
そこにいたのはNightで、ようやくフェルノの話から解放されると思い、ほっと胸を撫で下ろす。
「遅かったね、Night」
「いや、既にログインはしていた。それよりもだ。雷斬、ベル。2人とも報酬は如何なった?」
「「報酬?」」
アキラとフェルノは首を捻る。
一方の雷斬たちは心当たりがあるのか、メニューを開きメッセージボックスを確認する。
「ペアズ・ペアの報酬のことですね。まだ確認はしていませんが、届いているはずですよ」
「確か2人で確認しないとダメなのよね」
「そうだ。昭たちの方は如何だった?」
急に話が振られたので、アキラたちは困惑する。
メニューを急いで開き、メッセージをタップすると、新着メッセージが着ていることに近づいた。
しかもビックリマークの隣に箱のマークも付いている。
これは何か贈られた証拠だ。
「えーっと、中身は……『第1回ペアズ・ペアにご参加いただき誠にありがとうございました。難解なイベントではありましたが、予想以上の参加プレイヤーがおり弊社は驚きを隠せませんが、それと同時に今後もますます検討していくつもりです。今回、十分な成果を上げた方成果が振るわなかった方、またの機会がありましら是非ご参加いただけると幸いです。報酬としてGAME内通貨5万ジュエルと参加賞として記念メダルを想定いたします。また、上位5組のペアには超特殊アイテムを贈らせていただきます。是非Union名をモットーに今後ともよろしくお願いいたします』だってさ」
アキラがメッセージを全部読むと、いろいろ気になる点を見つけた。
どれから片付ければいいかはわからないが。とりあえずアキラたちのプレゼントマークは記念メダルということらしい。
「記念メダルだって。ちょっと嬉しいかもねー」
「うん。えーっと、第1回ペアズ・ペア参加記念メダル。どんな形なのかなーって、称号になるんだ!」
アキラは普通に驚いてしまった。
記念メダルを見ようと思いタップすると、手元に金色のメダルが現れ、称号を手に入れた。
称号名は、第1回ペアズ・ペア参加とシンプルだったが、何だか頑張った甲斐があったと思い嬉しくなる。
「結構作りが細かいね。彫りも深いし、大きさも手頃だよ」
肝心の大きさは500円玉程度だった。
それにもかかわらず、重厚感があってしっかり重かった。
「記念品にしてはよくできているな。それより肝心なものは雷斬たちの手に入れた報酬だ」
「少し待ってください。えーっと、コレですね」
雷斬がメッセージからプレゼントボックスを開き、中身のアイテムを取り出す。
するとインベントリから実際に取り出すと、不思議な道具が手に残った。
「コレは……」
「持ち手かな?」
雷斬が取り出したのは何かの持ち手のようだった。
付属パーツか何かだろうか?
アキラにはさっぱりだったが、フェルノとNightは異様な食いつきを見せた。
「コレって何かな? もしかして、プラモデルとかの余りパーツ?」
「いいや、何かに使うものだとは思うが……おそらく、武器じゃないか?」
「「「武器?」」」
アキラたちは首を捻った。
それもそのはず。持ち手だけでは何にも使えない。
ましてやこの世界では武器の需要は極端に少ない。
大抵のプレイヤーは種族スキルで戦えるうえに、武器で戦うこと自体が少数なのだ。
しかも持ち手ということはおそらく使われる武器も限定される。
持ち手の大きさ的に手でしっかり握ったり、腕に付けたりして使うもののため、Nightはすぐにピンときた。
「おそらく盾だな」
「盾って、あの盾?」
「そうだ。あの盾以外に何があるかは私は知らないが、これは盾の持ち手の部分だ。官人の盾の部分はないが……まさかな」
Nightはどこか心当たりがあるらしい。
けれど盾と聞いてアキラたちはポカンとしてしまう。
それもそのはず、アキラたちの中で盾を使う仲間はおらず、今の今まで盾をメイン武器にして使っているプレイヤーを見たことがない。つまるところ……
「完全にハズレ武器だな」
Nightははっきりと言いつけた。
まさか運営がこんなものを報酬として贈るとは誰も思っていなかっただろう。
きっと今頃SNSでは荒れているとNightは予想したのだが、実際は誰もこのイベントに期待していなかったので、そこまで湧いていないのが現実だった。
「一体何がしたかったんだろうね?」
「さあな。だが運営はこれで満足なんじゃないか?」
Nightは一文引っかかるところがあった。
腕組をしたまま視線がUnionの部分に止まっていた。
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