僕は☓っぽいけど○だから☓子校に行くなんて間違ってる!

だらけたい

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59.相変わらずだのう

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 他のクラスのあとについていくことでどうにか無事に入学式の会場の体育館に着いた。

 そのことにホッとしながら支えていたナツ先生を見ると、流石に落ち着きを取り戻している様子なので今度こそホントに大丈夫だと思いたい。

 というか大丈夫になってもらわないと困るわけだけど。

 さてと、体育館に着いたはいいけど、このあとどうすればいいのかは分からないのでナツ先生に問いかける。

「先生。ここからどうすればいいのですか?」

 僕の問いにハッとしたナツ先生は慌てて僕から離れた。

「あ、ありがとう。それとゴメンね」
「どういたしまして」

 ハニカミながらの感謝と謝罪を素直に受け取る。

 じゃないと「いやいや」の応酬が始まって話が先に進まないからね。

 それに、今聞きたいのは、

「ここからどうすればいいのですか?」

 僕は再度問いかけると、ナツ先生は再度ハッとして体育館内を見回す。

 他のクラスの生徒達はどんどんと席に座っていっている。

 それを見てまたアワアワしはじめそうになったので、その両肩に手を置いてナツ先生の目を見つめる。

「落ち着いて、次に何をしないといけないかを考えて、みんなに指示をしてください」

 僕の目を合わせて言った言葉にナツ先生はアワアワせず、小さく深呼吸をしてからみんなを見た。

「えっと、10組の席は1番左端の1列です。順番などは特に決まっていないので自由に座って下さい」

 ナツ先生の指示を聞いて1番に動きだしたのはユウで、僕と肩を組んできた。

「それじゃあ1番前に座ろうぜ」

 席はどこでもいいということなので、僕を前へと連れて行こうとするユウの力に逆らうことはせずについていく。

「あっ」

 後ろから聞こえてきたナツ先生のその声に足を止めることなく一瞬顔だけ振り返らせると、ナツ先生は何か言いたそうに僕を見てきていた。

 しかし、もうすぐ入学式が始まる時間なので戻って話を聞くことは出来ないし、入学式が終わったあとでも話せるので今は席につくことを優先させることにした。

「あれは惚れられたんじゃね~の?」

 組んできていた腕に少し力を込めてきたそんなことを呟くユウ。

 ホントに何を言ってるのだか。

 僕は小さくため息を吐いた。

「あれはたんにお礼が言いたかっただけでしょ」

 最後の最後でまた僕に助けられるかたちになったので、そことに再度お礼を言いたくての「あっ」なのだろう。

「それもあるだろうけど、このちょっとの間であんなに頼りになるところを見せられたら気になる存在にはなっただろうな」

 そんなことを言いながらリンまで肩を組んできた。

 そして、リンの言葉は否定出来なかった。

 ナツ先生が緊張してミスをしまくっていたのは自分のせいでもある。という気持ちがあったので色々と手助けをしたけど、ここまでの反応をされるのは予想外ではあった。

「気になられたところで僕は女だからね」

 小声で文句を言うと、リンは小さく笑った。

「それをわかってないからあんな反応になってるんだろ?」

 これまたリンの言う通りで、ナツ先生は僕が女だということに気づいていない。

 もちろん名前を言えば確実に気づいてもらえるだろうけど、今日会ってから今までの間に言った場合、確実に叫ばれて騒ぎになるので名乗るにしてもタイミングは考えないといけないだろう。というか、

「あんなに密着するぐらい接近したのに気づかれないなんて、ショックがスゴいよ」

 いくら胸を潰して男装して男らしく見せているとはいえ、それでもやっぱりあれだけ密着すれば補正下着の違和感があるわけで、それには気づいて欲しかった。

 というか普通気づくだろう!?それなのに気づかないってどういうこと!?

 って、それだけ緊張していたってことだろうし、その緊張する原因の一因の僕が言えたことじゃないのだろうけど、それでもやっぱり思わずにはいられなかった。

「結局のところ、いつも通りってことだろう?」

 ニヤついているユウの顔にムカついていると、2人はさらに顔を近づけてきた。

「罪づくりな女だのう」
「相変わらずだのう」

 小声だけど2人からそんなことを言われたのでその腰に肘を打ち込んでおく。

「ぐふっ」
「がはっ」
「そんなに強く打ったわけじゃないのだからムダに声をあげない。はぁ」

 ため息を吐いていると後ろからはクラスメイト達の笑い声が聞こえてきた。

 僕にとっては笑い事じゃないのだけどな~。

 僕は内心再度ため息を吐くのだった。
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