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ホームルームが終わり快斗や友達と別れを告げた大翔は職員室へ向かった。


ガラガラと戸をあけ学年と名前を言い一条を呼ぶ。すると中から出てきた一条が「生徒指導室行くぞ」と言ったので頷いて、黙ったままついていく。



生徒指導室は、職員室の向かいにある部屋の中にソファーが向かい合わせで2脚とその間に机が置いてある一見応接室にも見えるような部屋だ。けれど、問題児などが壊さぬよう置物などが一切無く殺風景な空間となっている。

生徒指導室に着くと大翔をソファーへ座らせ一条は部屋の鍵を閉めた。
なぜ部屋の鍵を閉めるのかとも思ったが、一条が話を始めたことで気にならなくなる。

「呼ばれた理由はわかってるよな?」

「はい、次からは気をつけます。」



少しの間説教をされ、解放されると思った時、一条がこんなことを言った。

「君は西原快斗くんと仲が良かったよね?」

「はい、友達です」

いきなり出てきた名前に動揺をしながら大翔はそう言った。

「じゃあこれってどう思う?」

そう言って一条は訝しげに見つめる大翔にスマホの中に映る写真を見せた。
それは快斗とその彼女が教室の中抱き合ってキスをしているところだった。
大翔の頭が真っ白になる。


「これ以上のことしてる写真もあるんだけど、、見る?」

と一条が言うが大翔は答えることができなかった。

「見る?」

ともう一度問う一条に、漸く頭が動いた大翔は

「見ない!」と叫んだ。

すると一条は微笑を浮かべながらスマホをしまった。

「これさ、生徒指導の教員として見過ごすわけにはいかないんだけどさ、西原くん今年受験だよね?大学進学に響いちゃうかもなーって、、ね?」

一条が強い視線を大翔にに向けた。

「隠してあげてもいいけど僕に利益無いし、、って思ってたんだけど君の友達なら話は別だよ」

「どう言うことですか」


聞いてはみたが大翔はなんとなく一条が次に言うことを予想できた。

「えー、、だから君なら西原くんを助けてあげられるよってこと。北川大翔くん。もちろんタダでは無いけどね?でも、、好きなんでしょう?西原くんのこと、、まさか断らないよね?」


一条は人を脅しているとは思えないような穏やかな微笑みを浮かべそう言った。

「最低ですね、」

一条を睨みながら大翔はそう言ったものの、答えは決まっていた。


「なにが目的なんですか、、?」

途端に一条の目にギラギラとした光が宿った。











「なにって君自身だよ」







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