12 / 14
12
急性期 〜 顔のない黒い影と一筋の光
しおりを挟む
これは、兄から聞いた話だ。
兄が恋人と別れる直前の話。
兄が二十四歳になった誕生日の日、恋人は誕生日ケーキのロウソクに火を灯しながらこう言ったそうだ。
「私、あなたに絶大な信頼をおいていたの。
あなたは、寛容で人格者で、
私の理想の人だと思ってた。
私を一生支えてくれる人だって……。
でも、あなたの中で、何かがかけちがってしまった。
あなたと生きていくには、
あなただけじゃなくて、
あなたの病気とも向き合う覚悟がいるわ。
私には、その覚悟がなかったの」
恋人は、部屋の電気を消した。
暗い部屋の中で、ロウソクの炎がゆらゆらと揺れていた。
その小さな明かりの向こうに、恋人の顔がぼんやりと見えていた。
「誕生日、おめでとう」
恋人は、そう言って、火を吹き消した。
部屋が闇に沈む。
その闇の中で、恋人は小さく、別れの言葉をつぶやいたそうだ。
兄の身内である私からすれば、彼女はなんて薄情なんだろうと思う。
けど、彼女にとったら、恋とか愛とか感情とかでは割り切れない事情があったんだろう。
人はそれぞれいろんなものを抱えて生きている。
だから、彼女を薄情と責めることもできない。
兄の告白は、私に消化できないモヤモヤとした思いを残した。
• • •
入院してから二週間が経った。
兄には、談話室で時々会う。
兄は脱走したその日に、警察に発見されて病院へ連れ返されていたらしい。
私が入院したのと同日だ。
私はそれを、少し日が経ってから主治医から聞かされた。
入院当初、私はとても混乱していたので、
混乱が落ちついてから知らせようと思ったのだろう。
現在、私は、周囲の様子や自分の置かれている状況がなんとなく理解できるようになった。
主治医や看護師さんとも会話が成り立つようになった。
入院当初は、私は他人がしゃべっていることがさっぱり頭に入ってこなかった。
自分が伝えたいことも、ちゃんと脈絡のある文章にならなかった。
言葉が頭の中でてんでばらばらにちらばって、意味をもって繋がってくれないような状態だったのだ。
頭の中はまるでペルシャ絨毯のようだった。頭の中に、色とりどりの言葉が散らばり、細胞のように勝手に増殖していく。
今はそんなことはない。
混乱が落ち着いた頃から、父母との面会も許されるようになった。
病院での生活は、思ったほど窮屈でも不便でもなかった。
作業療法というレクリエーションのようなものもあるし、
看護師さんの付き添いがあれば、中庭にも散歩に出られた。
勉強をしたいと言えば、部屋に参考書も置かせてくれた。
食事も風呂も困らないし、必要なものは母が買って持ってきてくれた。
ただ、困ったことがないわけではなかった。
私は、毎日、病院で不思議な体験をしている。
看護師さんは、気にしなくていいと言うが、
私の病室には毎日無数の人が出入りしていた。
顔はよくわからない。
出入りする気配だけを感じることもある。
足音や声だけのこともある。
「誰?」
と問いかけても、返事はない。
それらの人々が私は怖い。
私はいつも不安と共に暮らしていた。
私は作業療法で時々絵を描いた。
真っ黒い顔のない人の絵だ。
それは、私を取り囲む不安そのものだった。
ある日、看護師さんが検温にやってきて、
私の体温やら血圧やらを測った。
それから、看護師さんは、
「今日は昼から雨になりそうですよ」
と、言ってカーテンを閉めた。
部屋が暗くなり、私はなんとなく不安な雰囲気を感じた。
その時、私は部屋の隅に紙コップが転がっているのが見えた。
それは、今日、朝食をとった時にお茶を飲むために使った物だった。ゴミ箱に放り込み損ねたらしい。
ただ、それだけのことなのに、
私は、床に転がった紙コップを見た時に、雷にうたれるみたいにこう思った。
〝ここに、紙コップが転がっているということは、何か重要な意味があるにちがいない〟
〝これは、何かのサインだ〟
〝見落としちゃいけない〟
私は急に胸がザワザワとした。
不吉な予感が荒波のように襲いかかってくる。
看護師さんは、なんでカーテンを閉めたんだろう。
あれも、何か意味があったのじゃないか。
窓の外にいる、何かから私を守ってくれたんじゃないか。
私は、知らぬ間に、誰かから付け狙われているんじゃないか。
脳の細胞一つ一つが、周囲から危険を察知しようとしているみたいに、異様に神経がとぎすまされていく。
あたりの景色が、トゲトゲと神経に刺さってくる。
椅子や机や壁といった、ありふれた家具さえも、一つ一つが奇妙に見えた。
〝何かが変だ〟
〝見落としちゃいけない!〟
私は、そう思いながら、周囲を見まわし、再び紙コップに目を落とした。
その時、私は唐突にこう思った。
〝ここに、紙コップがあるということは、
きっと私は今日死ぬということだ〟
その雷のようなひらめきは、なんの根拠もないのに、私の中で確信の根を張ってしまった。
私はその妄想に完全に捉えられてしまった。
私はすぐさま病室から飛び出した。
安全な場所を探し、廊下をかけた。
それを見た看護師さんが、慌てて私を追いかけてくる。
バタバタバタバタという足音が聞こえる。
なぜ追いかけてくるんだろう。
看護師さんらも私の敵なんだろうか。
私はどうすれば安心できるんだろう。
なぜ毎日こんなに不安に囲まれているんだろう。
私は必死で走った。
まっすぐにのびる病棟の廊下が見える。
数人の患者さんがそこにはいて、
走る私を驚きの目で見ている人もいたし、不安そうにしている人もいた。
目に入ってすらいないように、仮面じみた無表情を浮かべている老人もいた。
私はいろんな人の前を駆け抜けた。
廊下は高校の廊下とどこか似ていた。
私は心臓がちぎれそうになりながら、頭の片隅で高校の景色を思い出していた。
高校の教室ーー。
そこには、一歩でも他の生徒を出し抜こうという空気が満ちていた。
〝油断するな!〟
〝歩みを止めるな!〟
〝走り続けろ!〟
授業中、先生がチョークで黒板にカリカリと字を書きつける。
その音が私に言う。
〝走れ!〟
〝戦え!〟
カリカリカリカリというチョークの音が、私を追い詰める。
私は自分の身のうちで膨らんだ不安が、
私の中からあふれ出して、教室に満ちていくのを感じていた。
私は、あの頃も今も、
常に不安にとらわれていた。
頭の中の警報器が、ささいな不安にも反応して、アラームを鳴らせっぱなしだ。
まるで、常に肉食獣に命を狙われている草食動物みたいに。
私は、必死で走りながら、
そんな自分から解放されたいと思った。
自分ではない何かになりたい。
それが叶わないなら、せめて、
私の胸の緊張の糸を緩めてくれる、
陽也に会いたい、と私は思った。
私の頭の中に、
教室の隣の席にいた陽也の穏やかな笑顔が、ふっと浮かんだ。
私は、ハッと立ち止まった。
何か分からないけれど、大事なものに気がつきかけた気がした。
それは、私の意識の表層をかすめて、
すぐに奥にひっこんでしまった。
私はその微かな感触を確かめるように胸に手を当てた。
その時、ナースステーションから全員飛び出しきたのかと思うくらい、大軍の看護師さんが走り寄ってきて、すでに立ち止まっている私を取り囲んだ。
呆気に取られるくらいの人数だ。
イワシの群れを思い浮かべてしまった。
看護師さんらは口々に、部屋に戻りましょう、と言う。
私が、はい、と言わなければ、全員で飛び交ってくるんじゃないかと思った。
私は看護師さんらに周りを囲まれて、部屋へと戻った。
「もう落ちつきました。自分で部屋に戻ります」
と言っても、
「まあまあ」
と言いながら看護師さんらは部屋までついてきた。
そして、ついでのように薬を飲ませていった。
気持ちが落ち着きますから、と言って。
薬を飲んでからしばらくすると、眠たくなってベッドに横になった。
うとうとしながら、ふと、走っていた時に胸をかすめた何かについて考えた。
それは形のない何かだった。
つかみようがないものだったが、
あたたかくて、ちゃんと手触りがあった。
たぶん、私は昔、それに触れたことがある。
私はその感触を思い出そうとして、思い出せないまま、うとうとと眠りについた。
窓の外で雨の音がしていた。
優しい雨の音だった。
昔、陽也と映画を見た日に降っていた雨も、こんな音がしていた。
そう思ったのを最後に、私の意識は眠りに包まれた。
続く~
兄が恋人と別れる直前の話。
兄が二十四歳になった誕生日の日、恋人は誕生日ケーキのロウソクに火を灯しながらこう言ったそうだ。
「私、あなたに絶大な信頼をおいていたの。
あなたは、寛容で人格者で、
私の理想の人だと思ってた。
私を一生支えてくれる人だって……。
でも、あなたの中で、何かがかけちがってしまった。
あなたと生きていくには、
あなただけじゃなくて、
あなたの病気とも向き合う覚悟がいるわ。
私には、その覚悟がなかったの」
恋人は、部屋の電気を消した。
暗い部屋の中で、ロウソクの炎がゆらゆらと揺れていた。
その小さな明かりの向こうに、恋人の顔がぼんやりと見えていた。
「誕生日、おめでとう」
恋人は、そう言って、火を吹き消した。
部屋が闇に沈む。
その闇の中で、恋人は小さく、別れの言葉をつぶやいたそうだ。
兄の身内である私からすれば、彼女はなんて薄情なんだろうと思う。
けど、彼女にとったら、恋とか愛とか感情とかでは割り切れない事情があったんだろう。
人はそれぞれいろんなものを抱えて生きている。
だから、彼女を薄情と責めることもできない。
兄の告白は、私に消化できないモヤモヤとした思いを残した。
• • •
入院してから二週間が経った。
兄には、談話室で時々会う。
兄は脱走したその日に、警察に発見されて病院へ連れ返されていたらしい。
私が入院したのと同日だ。
私はそれを、少し日が経ってから主治医から聞かされた。
入院当初、私はとても混乱していたので、
混乱が落ちついてから知らせようと思ったのだろう。
現在、私は、周囲の様子や自分の置かれている状況がなんとなく理解できるようになった。
主治医や看護師さんとも会話が成り立つようになった。
入院当初は、私は他人がしゃべっていることがさっぱり頭に入ってこなかった。
自分が伝えたいことも、ちゃんと脈絡のある文章にならなかった。
言葉が頭の中でてんでばらばらにちらばって、意味をもって繋がってくれないような状態だったのだ。
頭の中はまるでペルシャ絨毯のようだった。頭の中に、色とりどりの言葉が散らばり、細胞のように勝手に増殖していく。
今はそんなことはない。
混乱が落ち着いた頃から、父母との面会も許されるようになった。
病院での生活は、思ったほど窮屈でも不便でもなかった。
作業療法というレクリエーションのようなものもあるし、
看護師さんの付き添いがあれば、中庭にも散歩に出られた。
勉強をしたいと言えば、部屋に参考書も置かせてくれた。
食事も風呂も困らないし、必要なものは母が買って持ってきてくれた。
ただ、困ったことがないわけではなかった。
私は、毎日、病院で不思議な体験をしている。
看護師さんは、気にしなくていいと言うが、
私の病室には毎日無数の人が出入りしていた。
顔はよくわからない。
出入りする気配だけを感じることもある。
足音や声だけのこともある。
「誰?」
と問いかけても、返事はない。
それらの人々が私は怖い。
私はいつも不安と共に暮らしていた。
私は作業療法で時々絵を描いた。
真っ黒い顔のない人の絵だ。
それは、私を取り囲む不安そのものだった。
ある日、看護師さんが検温にやってきて、
私の体温やら血圧やらを測った。
それから、看護師さんは、
「今日は昼から雨になりそうですよ」
と、言ってカーテンを閉めた。
部屋が暗くなり、私はなんとなく不安な雰囲気を感じた。
その時、私は部屋の隅に紙コップが転がっているのが見えた。
それは、今日、朝食をとった時にお茶を飲むために使った物だった。ゴミ箱に放り込み損ねたらしい。
ただ、それだけのことなのに、
私は、床に転がった紙コップを見た時に、雷にうたれるみたいにこう思った。
〝ここに、紙コップが転がっているということは、何か重要な意味があるにちがいない〟
〝これは、何かのサインだ〟
〝見落としちゃいけない〟
私は急に胸がザワザワとした。
不吉な予感が荒波のように襲いかかってくる。
看護師さんは、なんでカーテンを閉めたんだろう。
あれも、何か意味があったのじゃないか。
窓の外にいる、何かから私を守ってくれたんじゃないか。
私は、知らぬ間に、誰かから付け狙われているんじゃないか。
脳の細胞一つ一つが、周囲から危険を察知しようとしているみたいに、異様に神経がとぎすまされていく。
あたりの景色が、トゲトゲと神経に刺さってくる。
椅子や机や壁といった、ありふれた家具さえも、一つ一つが奇妙に見えた。
〝何かが変だ〟
〝見落としちゃいけない!〟
私は、そう思いながら、周囲を見まわし、再び紙コップに目を落とした。
その時、私は唐突にこう思った。
〝ここに、紙コップがあるということは、
きっと私は今日死ぬということだ〟
その雷のようなひらめきは、なんの根拠もないのに、私の中で確信の根を張ってしまった。
私はその妄想に完全に捉えられてしまった。
私はすぐさま病室から飛び出した。
安全な場所を探し、廊下をかけた。
それを見た看護師さんが、慌てて私を追いかけてくる。
バタバタバタバタという足音が聞こえる。
なぜ追いかけてくるんだろう。
看護師さんらも私の敵なんだろうか。
私はどうすれば安心できるんだろう。
なぜ毎日こんなに不安に囲まれているんだろう。
私は必死で走った。
まっすぐにのびる病棟の廊下が見える。
数人の患者さんがそこにはいて、
走る私を驚きの目で見ている人もいたし、不安そうにしている人もいた。
目に入ってすらいないように、仮面じみた無表情を浮かべている老人もいた。
私はいろんな人の前を駆け抜けた。
廊下は高校の廊下とどこか似ていた。
私は心臓がちぎれそうになりながら、頭の片隅で高校の景色を思い出していた。
高校の教室ーー。
そこには、一歩でも他の生徒を出し抜こうという空気が満ちていた。
〝油断するな!〟
〝歩みを止めるな!〟
〝走り続けろ!〟
授業中、先生がチョークで黒板にカリカリと字を書きつける。
その音が私に言う。
〝走れ!〟
〝戦え!〟
カリカリカリカリというチョークの音が、私を追い詰める。
私は自分の身のうちで膨らんだ不安が、
私の中からあふれ出して、教室に満ちていくのを感じていた。
私は、あの頃も今も、
常に不安にとらわれていた。
頭の中の警報器が、ささいな不安にも反応して、アラームを鳴らせっぱなしだ。
まるで、常に肉食獣に命を狙われている草食動物みたいに。
私は、必死で走りながら、
そんな自分から解放されたいと思った。
自分ではない何かになりたい。
それが叶わないなら、せめて、
私の胸の緊張の糸を緩めてくれる、
陽也に会いたい、と私は思った。
私の頭の中に、
教室の隣の席にいた陽也の穏やかな笑顔が、ふっと浮かんだ。
私は、ハッと立ち止まった。
何か分からないけれど、大事なものに気がつきかけた気がした。
それは、私の意識の表層をかすめて、
すぐに奥にひっこんでしまった。
私はその微かな感触を確かめるように胸に手を当てた。
その時、ナースステーションから全員飛び出しきたのかと思うくらい、大軍の看護師さんが走り寄ってきて、すでに立ち止まっている私を取り囲んだ。
呆気に取られるくらいの人数だ。
イワシの群れを思い浮かべてしまった。
看護師さんらは口々に、部屋に戻りましょう、と言う。
私が、はい、と言わなければ、全員で飛び交ってくるんじゃないかと思った。
私は看護師さんらに周りを囲まれて、部屋へと戻った。
「もう落ちつきました。自分で部屋に戻ります」
と言っても、
「まあまあ」
と言いながら看護師さんらは部屋までついてきた。
そして、ついでのように薬を飲ませていった。
気持ちが落ち着きますから、と言って。
薬を飲んでからしばらくすると、眠たくなってベッドに横になった。
うとうとしながら、ふと、走っていた時に胸をかすめた何かについて考えた。
それは形のない何かだった。
つかみようがないものだったが、
あたたかくて、ちゃんと手触りがあった。
たぶん、私は昔、それに触れたことがある。
私はその感触を思い出そうとして、思い出せないまま、うとうとと眠りについた。
窓の外で雨の音がしていた。
優しい雨の音だった。
昔、陽也と映画を見た日に降っていた雨も、こんな音がしていた。
そう思ったのを最後に、私の意識は眠りに包まれた。
続く~
11
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
お茶をしましょう、若菜さん。〜強面自衛官、スイーツと君の笑顔を守ります〜
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
陸上自衛隊衛生科所属の安達四季陸曹長は、見た目がどうもヤのつく人ににていて怖い。
「だって顔に大きな傷があるんだもん!」
体力徽章もレンジャー徽章も持った看護官は、鬼神のように荒野を走る。
実は怖いのは顔だけで、本当はとても優しくて怒鳴ったりイライラしたりしない自衛官。
寺の住職になった方が良いのでは?そう思うくらいに懐が大きく、上官からも部下からも慕われ頼りにされている。
スイーツ大好き、奥さん大好きな安達陸曹長の若かりし日々を振り返るお話です。
※フィクションです。
※カクヨム、小説家になろうにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる