統合失調症〜百人に一人がかかる病い

統合失調症。
 
それは、百人に一人の割合で発症する病気。

世界中の人間の、百人に一人は、統合失調症患者だ。それは、けっして少ない数ではない。

おそらく世間一般には、
統合失調症は「幻覚、妄想を起こす病気」というイメージがあるのではないか。
しかし、この病気の本質は《自我の障害》だ。

自我とは、
《私》と《他人》を隔てる《殻》のようなものだ。

統合失調症患者は、その殻がもろくなる。そして、自分と他人の境目があいまいになっていく。
それによって、さまざまな症状が出現する。

高校生の私(夏音)は、統合失調症の素因をもっており、ストレスに対して脆弱性を抱えていた。
そんな私は、家庭環境や受験によるストレスから、徐々に精神に異常をきたしはじめる。 

私の精神状態に大きな変化が起こりそうな予兆がある中、
先に精神に異常をきたしたのは兄だった。

高校三年生の夏、私の兄は、
統合失調症の診断で、
精神科病院に入院した。

兄に初恋に似た感情を抱いていた私は、兄の発病に心を乱されながらも、
精神科病院に通い、兄を見舞う日々を送る。

そんな頃、私にはもう一人、重要な人物が現れる。
兄の入院する精神科病院はとある丘に建っていた。丘には団地もあり、その団地には私と同じ高校に通う少年が住んでいた。私は、その夏、兄の見舞いの行き帰りに頻々と少年と出会う。そして、私と少年は少しずつ心の距離をつめていくこととなる。

私、兄、少年との、三人の人間模様と統合失調症という病を描いた物語。
 

 




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