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◇第4章◇優しくて意地悪なひと
48 あの時とおなじ*
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「ここは相変わらず、弱いんですか」
「あ、や……っ」
スリスリと、親指で布越しに上下に擦られる。
そうされる度にジンとした甘い痺れのようなものが全身に伝い、下半身に血が集まっていった。
痺れすぎて痛いくらいに腫れつつあるソレを、膝を立てて隠すように目論むけれど。
逃がさないとばかりに、律の片方の手がズボンの中に入ってきて、下の膨らみを撫でた。
布地を押し上げている存在感のあるソレを下着ごと握って軽く上下され、くびれの部分を人差し指で押すようにされるとすこし痛いけど気持ちがいい。
じわ、とまた中から滲み出て下着を汚す。
湿り気を指先で感じた律は、ふっと笑った。
「潔癖症は治ったんですか? 汚しているみたいですが」
「じ、自分のは……べつに……っ」
「へぇ……それに、嫌だと言ってる割に感度は良好ですね。もしかして、強引にされるのが意外と好きだったりして」
ご名答。よく分かりましたね……なんて関心して答えられる余裕はなく。
僕はとにかく変な声を漏らさぬように必死だった。
ビー玉を透かしているような双眸が目の前にある。
律が優しいようで優しくなくて、こわい。
けれどやめて欲しくない。
この先をもっとと、心と体が望んでいる。
不安と期待をいり混じらせながら、僕は律の手に翻弄された。
ボクサーパンツに指をかけて下ろされると、下着の中で窮屈にしていた欲望が解放され、ふるっと飛び出てくる。
部屋の明かりはついたままなので、その大きさや先端に溜まった蜜までもを余すところなく見られてしまう。
これ以上無いくらいの羞恥心が僕を襲った。
「あ、やだ……っ見な……」
「見ないとできませんよ。きみのココがどうなってるのか、きみの顔がどう変わっていくのか、ちゃんとね」
「ん、ん……」
僕は眉を八の字にして唇を噛みながら、意地悪をする律を見上げた。
僕が困れば困るほど、律は愉快そうに笑って執拗に攻める。
律は先端に滲んでいた温まったバターみたいにトロッとした液体を、元の場所に戻すように指の腹で割ってグリグリと押し込んで刺激する。
ヌルヌルとして溢れた蜜がどんどん竿を伝う。
僕の太腿は小さく震え出し、お腹の奥がきゅうきゅうと収縮を繰り返した。
こんなんじゃ、まともな思考の入り込む隙は無い。
乱れた息遣いが、そろそろ限界が近いことを律に知らせる。
声を上げそうになったので、拳を作って手の甲を唇に押し当てた。
「ん、ん───……」
「……千紘」
は、と熱っぽく息を吐いた律の情欲に濡れたような瞳に見つめられて、僕はどうしようもなく胸がいっぱいになった。
この顔だ。
あの日も、こんな風に僕を───
「あ……りっちゃん……ッ、ん、出る……出ちゃう……っ……」
あの頃と今を重ね合わせていたら、呼び名が戻っていた。
律は小さく頷き、扱いていた手に少し力を加えて、爪先でカリッと先端の窪みを引っ掻いた。
ぞくぞくして、指先まで体を震わせる。
「────……っ!」
律の手の中に白濁が散っていった。
あまりの快感に頭が真っ白になる。
目の前にチカチカと星が飛んで、ビクビクと体を跳ねさせてから、僕の体はくったりと弛緩した。
はぁはぁと浅い呼吸を繰り返し、目を開けると、律は目を細めて僕がぼんやりとしているところを見ていた。
「今度一緒に、プラネタリウムに行きましょうか」
柔らかくて甘い笑顔を向けられて、ううっとなる。
そんなやさしい顔をされると、僕を傷付けたこれまでのことを簡単に許してしまいそうになるからやめてほしい。
「さっきテレビでやってたところ? 好きな人を誘って行けばいいじゃん」
「俺は千紘と行きたいんです」
目を逸らさずに真っ直ぐに言われて、恥ずかしくなった僕の方が先に逸らしてしまう。
嬉しくてたまらないのに、僕は天の邪鬼な性格なので唇を尖らせた。
「律の奢りだったら、行ってあげてもいいけど」
「いいですよ、奢りで」
「ていうか、今言う?」
こんな、ビショビショに濡れた状態で。
律は困ったように笑った。
「あ、や……っ」
スリスリと、親指で布越しに上下に擦られる。
そうされる度にジンとした甘い痺れのようなものが全身に伝い、下半身に血が集まっていった。
痺れすぎて痛いくらいに腫れつつあるソレを、膝を立てて隠すように目論むけれど。
逃がさないとばかりに、律の片方の手がズボンの中に入ってきて、下の膨らみを撫でた。
布地を押し上げている存在感のあるソレを下着ごと握って軽く上下され、くびれの部分を人差し指で押すようにされるとすこし痛いけど気持ちがいい。
じわ、とまた中から滲み出て下着を汚す。
湿り気を指先で感じた律は、ふっと笑った。
「潔癖症は治ったんですか? 汚しているみたいですが」
「じ、自分のは……べつに……っ」
「へぇ……それに、嫌だと言ってる割に感度は良好ですね。もしかして、強引にされるのが意外と好きだったりして」
ご名答。よく分かりましたね……なんて関心して答えられる余裕はなく。
僕はとにかく変な声を漏らさぬように必死だった。
ビー玉を透かしているような双眸が目の前にある。
律が優しいようで優しくなくて、こわい。
けれどやめて欲しくない。
この先をもっとと、心と体が望んでいる。
不安と期待をいり混じらせながら、僕は律の手に翻弄された。
ボクサーパンツに指をかけて下ろされると、下着の中で窮屈にしていた欲望が解放され、ふるっと飛び出てくる。
部屋の明かりはついたままなので、その大きさや先端に溜まった蜜までもを余すところなく見られてしまう。
これ以上無いくらいの羞恥心が僕を襲った。
「あ、やだ……っ見な……」
「見ないとできませんよ。きみのココがどうなってるのか、きみの顔がどう変わっていくのか、ちゃんとね」
「ん、ん……」
僕は眉を八の字にして唇を噛みながら、意地悪をする律を見上げた。
僕が困れば困るほど、律は愉快そうに笑って執拗に攻める。
律は先端に滲んでいた温まったバターみたいにトロッとした液体を、元の場所に戻すように指の腹で割ってグリグリと押し込んで刺激する。
ヌルヌルとして溢れた蜜がどんどん竿を伝う。
僕の太腿は小さく震え出し、お腹の奥がきゅうきゅうと収縮を繰り返した。
こんなんじゃ、まともな思考の入り込む隙は無い。
乱れた息遣いが、そろそろ限界が近いことを律に知らせる。
声を上げそうになったので、拳を作って手の甲を唇に押し当てた。
「ん、ん───……」
「……千紘」
は、と熱っぽく息を吐いた律の情欲に濡れたような瞳に見つめられて、僕はどうしようもなく胸がいっぱいになった。
この顔だ。
あの日も、こんな風に僕を───
「あ……りっちゃん……ッ、ん、出る……出ちゃう……っ……」
あの頃と今を重ね合わせていたら、呼び名が戻っていた。
律は小さく頷き、扱いていた手に少し力を加えて、爪先でカリッと先端の窪みを引っ掻いた。
ぞくぞくして、指先まで体を震わせる。
「────……っ!」
律の手の中に白濁が散っていった。
あまりの快感に頭が真っ白になる。
目の前にチカチカと星が飛んで、ビクビクと体を跳ねさせてから、僕の体はくったりと弛緩した。
はぁはぁと浅い呼吸を繰り返し、目を開けると、律は目を細めて僕がぼんやりとしているところを見ていた。
「今度一緒に、プラネタリウムに行きましょうか」
柔らかくて甘い笑顔を向けられて、ううっとなる。
そんなやさしい顔をされると、僕を傷付けたこれまでのことを簡単に許してしまいそうになるからやめてほしい。
「さっきテレビでやってたところ? 好きな人を誘って行けばいいじゃん」
「俺は千紘と行きたいんです」
目を逸らさずに真っ直ぐに言われて、恥ずかしくなった僕の方が先に逸らしてしまう。
嬉しくてたまらないのに、僕は天の邪鬼な性格なので唇を尖らせた。
「律の奢りだったら、行ってあげてもいいけど」
「いいですよ、奢りで」
「ていうか、今言う?」
こんな、ビショビショに濡れた状態で。
律は困ったように笑った。
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