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◇第7章◇優しくて大好きなひと
76 もう嘘はいらない
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「あの日、千紘と久々に会って本当に戸惑いました。きみは俺が好きだっていう気持ちを隠そうともせずにここに来て、あろうことか責任を取れ、だなんて言い出して。
本当は寂しくてたまらないくせに強がっていて、ムサシとのことを黙っていて一方的に酷いことをしたのに、それでも一生俺を心の中で想っていると泣きながら吐露するきみが、可愛くて、大好きだと改めて気付いて、ようやく決心がつきました。例え千紘がこの先、俺の前から姿を消す日が来ようとも───」
胸に秘めていた感情を全部、表に出したような言い方だった。
ずっと穏やかそうに見えていたのに、律も実は身動きが取れなかったのだろう。
でもようやく、解放する時がきた。
僕の両頬に手を添えられ、真正面から瞳を覗き込まれる。
その黒髪からはふんわりと柑橘系の匂いがして、切れ長の目は、隠しきれていない熱を孕んでいた。
「もう嘘は吐きません。言い訳も我慢もしません。千紘、俺の恋人になってくれますか?」
「は、はい……」
信じられない心持ちで、僕は頷いた。
夢みたいだった。
あんなに僕を好きになって欲しいと願っていた律が、本当に僕を好きだなんて。
しかも急にじゃなく、5年前からずっと。
「律、なんか勘違いしてるみたいだけど」
「え?」
「僕はいつか律の前から姿を消す訳じゃないし、いなくならないよ。まぁ、律が僕を嫌だって言ったらいなくなるかもしれないけど」
「きみを嫌だと言うなんて、絶対に有り得ません。もう、きみを失いたくないんです」
律の顔が降ってきたので、僕は自然と目を閉じた。
唇を付けては離してを何度か繰り返して、互いに顔を見合わせる。
「じゃあ大丈夫。僕も結構……っていうかものすごく、律が大好きだから」
唇を合わせた瞬間、ぴくりと肩が跳ねた。
さっきとは違うキスだった。
律の舌先がほんの少しだけ、僕の下唇を濡らした。
するとあっという間に深いキスになった。
するっと僕の中に入り込んできた律の体温を、舌で感じる。
ゆっくりと歯列をなぞられると、背筋がゾクッと震えた。
「……ん、ん」
力が抜けそうになり、律の服をギュッと掴むと、さらに角度を変えられる。
心の中を満たすように、欠けている部分を埋めていくように、丁寧に僕の中を愛撫する。
「……はぁ……っ」
離れると、どちらのものか分からない透明な糸が唇を伝った。
僕の手が細かく震えて、目の端に涙が溜まっている。
怖いからでは無い。
こんな、あまりにも強すぎる快楽、とてもじゃないけど耐えられない。
もじ、と膝を擦り合わせる。
下着がもう濡れている気がして恥ずかしい。
熱を持っているし、ズボンの下の変化に気付かれたくなくて離れようと胸を押すが、逆に抱きしめられてしまった。
僕の肩口に顔を埋めた律は、熱い吐息混じりにポツリと呟いた。
「可愛い、千紘」
「か、かわいくないよ」
「千紘、いま何考えてる?」
「え……」
「正直に言ってみて」
「……」
ぎゅうぅとされると、ひどく安心するし、どうしようもなく愛おしさが込み上がる。
律ってたまに、敬語が外れる時がある。
それは決まって、こういうことをする時、だ。
「したい……」
ん、と小さく首を振った律は、照れたような笑みを零して僕にもう1度愛のあるキスをした。
本当は寂しくてたまらないくせに強がっていて、ムサシとのことを黙っていて一方的に酷いことをしたのに、それでも一生俺を心の中で想っていると泣きながら吐露するきみが、可愛くて、大好きだと改めて気付いて、ようやく決心がつきました。例え千紘がこの先、俺の前から姿を消す日が来ようとも───」
胸に秘めていた感情を全部、表に出したような言い方だった。
ずっと穏やかそうに見えていたのに、律も実は身動きが取れなかったのだろう。
でもようやく、解放する時がきた。
僕の両頬に手を添えられ、真正面から瞳を覗き込まれる。
その黒髪からはふんわりと柑橘系の匂いがして、切れ長の目は、隠しきれていない熱を孕んでいた。
「もう嘘は吐きません。言い訳も我慢もしません。千紘、俺の恋人になってくれますか?」
「は、はい……」
信じられない心持ちで、僕は頷いた。
夢みたいだった。
あんなに僕を好きになって欲しいと願っていた律が、本当に僕を好きだなんて。
しかも急にじゃなく、5年前からずっと。
「律、なんか勘違いしてるみたいだけど」
「え?」
「僕はいつか律の前から姿を消す訳じゃないし、いなくならないよ。まぁ、律が僕を嫌だって言ったらいなくなるかもしれないけど」
「きみを嫌だと言うなんて、絶対に有り得ません。もう、きみを失いたくないんです」
律の顔が降ってきたので、僕は自然と目を閉じた。
唇を付けては離してを何度か繰り返して、互いに顔を見合わせる。
「じゃあ大丈夫。僕も結構……っていうかものすごく、律が大好きだから」
唇を合わせた瞬間、ぴくりと肩が跳ねた。
さっきとは違うキスだった。
律の舌先がほんの少しだけ、僕の下唇を濡らした。
するとあっという間に深いキスになった。
するっと僕の中に入り込んできた律の体温を、舌で感じる。
ゆっくりと歯列をなぞられると、背筋がゾクッと震えた。
「……ん、ん」
力が抜けそうになり、律の服をギュッと掴むと、さらに角度を変えられる。
心の中を満たすように、欠けている部分を埋めていくように、丁寧に僕の中を愛撫する。
「……はぁ……っ」
離れると、どちらのものか分からない透明な糸が唇を伝った。
僕の手が細かく震えて、目の端に涙が溜まっている。
怖いからでは無い。
こんな、あまりにも強すぎる快楽、とてもじゃないけど耐えられない。
もじ、と膝を擦り合わせる。
下着がもう濡れている気がして恥ずかしい。
熱を持っているし、ズボンの下の変化に気付かれたくなくて離れようと胸を押すが、逆に抱きしめられてしまった。
僕の肩口に顔を埋めた律は、熱い吐息混じりにポツリと呟いた。
「可愛い、千紘」
「か、かわいくないよ」
「千紘、いま何考えてる?」
「え……」
「正直に言ってみて」
「……」
ぎゅうぅとされると、ひどく安心するし、どうしようもなく愛おしさが込み上がる。
律ってたまに、敬語が外れる時がある。
それは決まって、こういうことをする時、だ。
「したい……」
ん、と小さく首を振った律は、照れたような笑みを零して僕にもう1度愛のあるキスをした。
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