モブのモブ!? 気付いたら、大好きなアニメの世界だった!?

SORA

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クラウスに好きだと言われた翌日、私は『ありがとう』と『ごめんなさい』を伝える為にヘクターのいるアスバン邸へ向かった。

ヘクターの気持ちに応える事が出来なくて傷付けてしまったのに、ヘクターはどこまでも優しかった。

ヘクターの方が傷付いているのに、私が傷付けたのに泣くなんて最低だ。

そんな胸の奥にある重苦しさを感じながら家へ辿り着くと、そこには見慣れた馬車が止まっていた。
その馬車には、カーク家の家紋が付いていたのだ。

「おかえりなさい、マーガレット。」

「…シーラ?」

そう、シーラだ。

シーラは帰って来た私を見つけると、馬車から降りて来て目を細めながら微笑んでいた。

どうしてシーラがこんな遅い時間に此処にいるんだろう?

シーラは驚いて立ち尽くしていた私の側に来るとスッと、手を伸ばして私の頬に手を添えてーー。

むにっ。

「ひーあ!?(シーラ!?)」

両手に添えられたシーラの手は私の頬をむにゅっと、摘まれた。
驚く私に満足気に微笑むと、頬を包み込んだ。

「何て顔してるのよ!」

「シーラ…?」

「…話聞くわよ?」

「!」

何の事だろう?と不思議に思っていた私は、シーラは私が落ち込んでる事を知っているのだと気づいて驚く。

「シーラ…。」

きっと今、凄く情けない顔をしているだろう私を、優しく微笑みながら見つめていた。

◇◇◇◇◇

「少しは落ち着いたかしら?」

私の部屋でアリスに入れてもらったお茶を飲みながら、落ち着いた口調でシーラが私に問いかけた。
コクリと、首を縦に振りながらシーラを見た。

「…シーラ、どうして此処へ?」

「勘よ。」

「え?」

「…嘘よ。さっき家にオルセンが来たのよ。」

「クラウスが…。」

落ち着いた私が、家の前で待っていた事を不思議に思って尋ねると、真顔で〝勘‘’だと言うシーラに驚いていると溜息を吐きながら、私にクラウスが訪ねて来た事を告げた。

「貴女の事だから、ちゃんとヘクターやケヴィンに申し訳ないと悩んでいるのかと思って心配になったから来たのよ。」

シーラは私の考えていた事をそのまま口に出して言うから、私は目を見開いて固まってしまう。

何で私が考えている事が判ったの?

「…何を今更驚くのよ。ずっと側にいたのよ?貴女の考えている事なんてお見通しよ。」

「シーラ…。」

困惑している私に、胸を張りながらそう言ったシーラは、私を見て目を細めた。

「…ヘクターにはちゃんと伝えたの。『気持ちに答える事は出来ない』と。」

「そう…。」

「判ったって。…笑ってそう言ってくれたの。」

そう言った私の言葉に、シーラが悲しい顔をしたのはきっと傷ついたヘクターへの優しさなのだろう。

「そう…。ヘクターはいい子ね。」

それを聞いたシーラは目を細めて優しく微笑んだ。

「…それで?マーガレットはどうするの?」

「え…?」

少し沈黙の後、シーラが切り出す。

「オルセンに返事、してないのでしょ?」

「…してないわ。突然で言葉が出て来なくて…。」

呆れた様に溜息を吐きながら言うシーラに、うっ、と言葉を詰まらせながら答えると、あの時のクラウスの姿を思い出して頬に熱が集まるのが判った。

「マーガレット、貴女はどうしたいの?」

「…。」

「…好きなんでしょ?オルセンの事。」

シーラのその言葉にしっかりと頷いて顔を上げると、呆れた様な、それでいて満足気な笑みを浮かべたシーラが私の目に映る。

「それならマーガレットから行動起こさなきゃね!」

「シーラ…ありがとう。」

力強く頷いてくれるシーラに、秘密を打ち明けたあの日に言っていた事を思い出す。

『決められた幸せな未来より、もっと幸せになればいいのよ!』

あの日私は確かに好きでいようと決めた。
クラウスを諦めたくないのだと。

ちゃんと話そう。

ずっと好きだった〝彼〟クラウスと。


◇◇◇◇◇


クラウスにちゃんと私の気持ちを伝えようと決めてから、何度となく彼に会おうとしたけれど会う事が出来ず、一週間以上が過ぎていた。

クラウスの教室に行けばすれ違い、お昼時間になっても現れる事がなかった。

そしてここ数日、学園さえも休んでいた。


「今日も二人して来ていないの?」

「…そうみたい。」

お昼時間、そう話しかけて来たのはシーラだ。

「お二人ともどうしたんですかね?」

「ケイト様はアンブリッジ様から何か聞いてないかしら?」

「いえ、ユーリからは何も…。」

「そう…ケヴィンも知らないって言ってたのよね…。」

ケイトとシーラは、いつも二人が座っていた場所を見つめた。

そう、クラウスだけでなくヘクターも学園に来ていなかった。

クラウスに好きだと言われて浮かれ過ぎていたのかもしれない。
ホリーの救出から暫く経っている。
ストーリー通りなら、クラウスとヘクターは次の依頼に動き出したのかもしれない。

そう考えていた時だった。

「マーガレット・ブラン子爵令嬢。」

名前を呼ばれて顔を上げると、知らない生徒が立って私を見つめていた。

 



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