モブのモブ!? 気付いたら、大好きなアニメの世界だった!?

SORA

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目覚めた私が目にしたのは沢山の木箱だった。何処かの倉庫だろうか?

やっぱりクラウスじゃなかった…。でも、どうして私が連れて来られたんだろう?
クラウスに何かあった?でも彼が?それはあり得ない。

不思議に思いつつ、体を起こして周りを見るが、後ろ手に縛られて上手く動く事が出来ない。

けれど不思議と縛られているのに痛みは無かった。強く引っ張ればもしかしたら解けるのでは?と引っ張ったけれど、私の力では無理みたいだ。

何とか座る事が出来、ふと座っている物に気づいた。それは体が痛く無い様に私の周りに敷かれた厚手の布だった。

人質にするには扱いが丁寧…。

誰がなんの目的で私を此処へ連れて来たのだろう。
クラウスの名前を使って呼び出したのは間違いないけれど…。
…もしかしてクラウス達が今関わっている依頼に関わっているんじゃーー。

私がそう考えていたその時、扉が開き誰かがこの倉庫らしき部屋に入ってきた。

「!貴方は…。」

「…よお、お嬢さん。」

入って来たその人を見て私は驚きを隠せずにいた。

「ヴァルさん…。」

そう、部屋に入って来たその人は、エリオット様の夜会で出会い助けてくれた〝彼〟傭兵のヴァルだったのだから。

驚いて動く事が出来ない私の側にゆっくり腰を下ろしたヴァルは、なんとも言えない表情で頬を掻いた。

それからヴァルは縛られていた私の拘束を解いてくれた。

「…ありがとうございます。」

「久しぶりだな、お嬢さん。」

「…お久しぶりです。」

「……。」

ヴァルはそう言うと黙ってしまう。
暫くして私の方へ眉を寄せたまま視線を戻すと、ヴァルに尋ねてみた。

「此処は何処ですか?ヴァルさんはどうして此処へ?」

「…仕事だ。」

私の問いかけに、仕事だと告げたヴァルに息を呑む。
ヴァルの仕事。つまりはドウェイン達王太子派が、エリオット様暗殺に向けて行動していると言う事だ。

ここ最近クラウス達が学園に来ていないのはこの為だったんだろう。エリオットの指示で動いているのは間違いないのだから。

それなのにクラウスの名を語った手紙に騙されて連れ去られるなんて…。

モブどころかトラブルメーカーじゃない…。

自分の考えの甘さを悔やむ。それを見ていたヴァルは眉を寄せた。

「…手荒な真似して悪かったな。こんな指示は出してなかったんだが…悪いな。」

「ヴァルさんの指示ではなかったのですか…。」

「俺は人を拐うなんて指示しない。けれど、お嬢さんが彼奴らに怪我させられそうなだったから仕方なく薬で眠ってもらったんだ。」

「そうだったんですか…。」

「あのまま放置も出来ないしな。それと…。」

「?」

「彼奴らに聞いたんだが…お嬢さん、マーガレット・ブラン子爵令嬢で間違いないか?」

ヴァルの問い掛けに頷くと、ヴァルはマジか、と呟いて盛大な溜息を吐いた。
そして頭をガシガシと掻き乱す。

「…お嬢さん悪いな。仕事が片付くまでは帰せなくなった。」

「そんな…。」

さっきまで拐うつもりはなかったと言っていたヴァルに告げられた言葉に、私は動揺を隠せずにいた。

「悪いな。終わったらちゃんと(記憶を消して)帰してやるから。」

そう言ってヴァルは私の頭をひと撫ですると部屋を出て行った。

一人になった私はこの状態を酷く後悔した。

クラウスの名を語った手紙は彼らしくなかったし、彼なら私の顔を知らない異性に手紙を託したりしない。判っていたのに…。

〝クラウスに会いたい〟

それだけだった。会ってちゃんと気持ちを伝えたかっただけなのに…。
私がクラウスの仕事の邪魔をしてしまうかもしれない…。

ヴァルは仕事が終われば帰すと言ったけれど、彼の依頼人、ドウェインは王太子派だ。ヴァルはその雇い人。私は口封じされてしまうのではないだろうか?

けれど、まだ道はある。

あのアニメの通りなら、彼らは今王太子派のやり方に疑問を持ち始める頃の筈。
それをどうにかクラウス達に伝えて説得出来ないだろうか?

その為にも此処から逃げ出さないと。

絶対無事に帰えるんだ。
このまま会えなくなるなんて嫌だもの。私はまだ彼に伝えてないのだから。

『貴方が好きです。』とーー。

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