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ヴァルとドウェインが部屋から出て暫く経った頃、大きな物音がして身が竦んだ。
外では争っているのだろう。悲鳴や咆哮が聞こえて来る。
その悲鳴や咆哮が次第に此方に近づいて来るようで、私は部屋の隅に身を潜めた。
ドウェイン様が言っていた貴族達なのかな?それともエリオット様の部下、クラウス達?
そんな事を考えていると、勢いよく部屋の扉が開いた。
「お嬢さん!無事ですね!?」
「ドウェイン様!」
入って来たドウェインは私の無事を確認すると安堵の表情を浮かべた。
「お嬢さんすみません。貴女の助けが来る前に奴らの方が先に攻めて来てしまいました。」
「…っ!!」
「今はヴァルや私の部下が応戦しています。大丈夫、貴女は必ず無事帰しますから。」
「ドウェイン様…。」
攻めて来たと言うドウェインの言葉に身を強張らせる私に、優しく微笑みかけてくれるドウェイン。
私の心配をしている場合ではないのに…。
そんな心配をしていた私の手を取り、少しでも安全な場所へと向かうドウェインは約束を果たそうとしてくれていた。
邸の一番奥まで来ると、ドウェインは私に隠れる様にと告げて来た道を戻って行った。
ドウェインが出て行って入れ違いに扉を叩く音がする。
ドウェインではないと身を強張らせると、扉越しに「私です。」とあの時聞いた姿の見えない声の主に声をかけられた。
「お嬢様、あと少しでクラウス殿達が到着しますよ。」
「!」
「そのまま此処で身を潜めていて下さいね。」
そう言うと扉の向こう側から人の気配が消えた。
「クラウスが…来てくれた…。」
騙された私が悪いのに、こうして探し出してくれたのだと思うと嬉しくて、酷い罪悪感と共に喜びで胸の奥がギュッとなる。
あの日からずっと会いたいと探していた彼と、こんな形でも会えると思うと不思議と恐怖も薄れていた。
クラウスが来ると言う知らせが来てからどれくらい経っただろうか。
突然爆破音が響き建物が大きく揺れた。
地震!?
地震かと身を屈めたけれど違う。扉の隙間から少しずつ煙が入って来た。邸に火が放たれたのだ。
「…っ…コホッ…コホッ!」
むせ返るくらい煙が部屋の中を覆う中勢いよく扉が開くと、ドウェインが息を切らして入って来た。
「無事ですか!?」
「…ドウェイン様。」
「…っは……すみません。奴らが火を放ちました。此処も危険です。」
「…っ!」
息を整えながらドウェインに告げられたのは、この部屋も危険だと言う事だった。
「奴らが火を放った後撤退したのでヴァルが追っています。少なくとも今邸の中よりは外が安全です行きましょう!」
そう言うとドウェインは私に布を被せて、燃え盛る邸の中を進んで行く。
エントランスが見えてもう少しで外に出られる!そう思っていたその時、外から邸へと向かう人影を捉えた。
「…っ!」
「マーガレット!!」
「クラウス…っ!」
クラウスの姿を見た私は彼の元にフラフラと吸い寄せられる様に歩いていく。
クラウスも私の姿を見て駆け寄ろうとした。
ガラッ。
「お嬢さんっ!!」
「マーガレットっ!!」
ドウェインとクラウスが何かに気付いて私に叫ぶ。
立ち止まって彼らが見ていた上を見上げると、私の上に天井が焼け落ちて来た。
「!!」
もう駄目だ!と自らに来る衝撃にギュッと目を瞑ると、ドンッと背中を強く押された。
「!?」
「マーガレットっ!!」
倒れ込む私はクラウスに抱き留められていた。
「クラウス!」
「無事で良かった…っ!」
クラウスは私の存在を確認するかの様にギュッと強く抱きしめた。
「マーガレット怪我は?」
「大丈夫です。誰かに背中を押されて…っ!!」
抱き締めていた拘束を解いて無事を確認するクラウスに大丈夫だと言うと、誰かに助けられたのだと気付く。
私がいた場所を慌てて振り返ると、瓦礫の向こう側にドウェインを見つけた。
「ドウェイン様!」
「…お嬢さん無事で良かった。」
「…ドウェイン様が助けて下さいましたから。ドウェイン様も早く此方へ!」
ドウェインは私の姿を確認すると安堵した様に笑みを見せた。
早く逃げようと声をかけると、ドウェインは首を横に振る。
「ドウェイン様!」
「…クラウス・オルセン。お嬢さんを頼む。」
ドウェインはクラウスに私を託す様に言うと、しっかりと頷き私を抱えて歩き出した。
クラウスの背中越しに見えるドウェインは優しい笑みを浮かべていた。
これはーー。
思い出した。
瓦礫からシーラを守ってドウェインが、傷を負って逃げられないと悟ってシーラをクラウスに託して命を落としてしまう。そんな場面だった。
シーラではないけれど、私を庇ってドウェインは怪我をしたのかもしれない。
ドウェインがその場を一歩も動いていないのだ。
このままではドウェインはあのアニメと同じ様に命を落としてしまう。
「ドウェイン様!クラウス降ろして!ドウェイン様は私を助けてくれたのっ!助けなきゃ!!お願い!降ろしてっ!!」
「……。」
「クラウスっ!このままではドウェイン様がっ!!」
「…ありがとう。」
必死で訴えかけるも、クラウスは無言でエントランスを抜ける。
見送るドウェインの言葉は燃え落ちて来る音に掻き消されて、私に届く事はなかった。
入口付近まで来るとドウェインがいる場所が一気に崩れ落ちた。
外では争っているのだろう。悲鳴や咆哮が聞こえて来る。
その悲鳴や咆哮が次第に此方に近づいて来るようで、私は部屋の隅に身を潜めた。
ドウェイン様が言っていた貴族達なのかな?それともエリオット様の部下、クラウス達?
そんな事を考えていると、勢いよく部屋の扉が開いた。
「お嬢さん!無事ですね!?」
「ドウェイン様!」
入って来たドウェインは私の無事を確認すると安堵の表情を浮かべた。
「お嬢さんすみません。貴女の助けが来る前に奴らの方が先に攻めて来てしまいました。」
「…っ!!」
「今はヴァルや私の部下が応戦しています。大丈夫、貴女は必ず無事帰しますから。」
「ドウェイン様…。」
攻めて来たと言うドウェインの言葉に身を強張らせる私に、優しく微笑みかけてくれるドウェイン。
私の心配をしている場合ではないのに…。
そんな心配をしていた私の手を取り、少しでも安全な場所へと向かうドウェインは約束を果たそうとしてくれていた。
邸の一番奥まで来ると、ドウェインは私に隠れる様にと告げて来た道を戻って行った。
ドウェインが出て行って入れ違いに扉を叩く音がする。
ドウェインではないと身を強張らせると、扉越しに「私です。」とあの時聞いた姿の見えない声の主に声をかけられた。
「お嬢様、あと少しでクラウス殿達が到着しますよ。」
「!」
「そのまま此処で身を潜めていて下さいね。」
そう言うと扉の向こう側から人の気配が消えた。
「クラウスが…来てくれた…。」
騙された私が悪いのに、こうして探し出してくれたのだと思うと嬉しくて、酷い罪悪感と共に喜びで胸の奥がギュッとなる。
あの日からずっと会いたいと探していた彼と、こんな形でも会えると思うと不思議と恐怖も薄れていた。
クラウスが来ると言う知らせが来てからどれくらい経っただろうか。
突然爆破音が響き建物が大きく揺れた。
地震!?
地震かと身を屈めたけれど違う。扉の隙間から少しずつ煙が入って来た。邸に火が放たれたのだ。
「…っ…コホッ…コホッ!」
むせ返るくらい煙が部屋の中を覆う中勢いよく扉が開くと、ドウェインが息を切らして入って来た。
「無事ですか!?」
「…ドウェイン様。」
「…っは……すみません。奴らが火を放ちました。此処も危険です。」
「…っ!」
息を整えながらドウェインに告げられたのは、この部屋も危険だと言う事だった。
「奴らが火を放った後撤退したのでヴァルが追っています。少なくとも今邸の中よりは外が安全です行きましょう!」
そう言うとドウェインは私に布を被せて、燃え盛る邸の中を進んで行く。
エントランスが見えてもう少しで外に出られる!そう思っていたその時、外から邸へと向かう人影を捉えた。
「…っ!」
「マーガレット!!」
「クラウス…っ!」
クラウスの姿を見た私は彼の元にフラフラと吸い寄せられる様に歩いていく。
クラウスも私の姿を見て駆け寄ろうとした。
ガラッ。
「お嬢さんっ!!」
「マーガレットっ!!」
ドウェインとクラウスが何かに気付いて私に叫ぶ。
立ち止まって彼らが見ていた上を見上げると、私の上に天井が焼け落ちて来た。
「!!」
もう駄目だ!と自らに来る衝撃にギュッと目を瞑ると、ドンッと背中を強く押された。
「!?」
「マーガレットっ!!」
倒れ込む私はクラウスに抱き留められていた。
「クラウス!」
「無事で良かった…っ!」
クラウスは私の存在を確認するかの様にギュッと強く抱きしめた。
「マーガレット怪我は?」
「大丈夫です。誰かに背中を押されて…っ!!」
抱き締めていた拘束を解いて無事を確認するクラウスに大丈夫だと言うと、誰かに助けられたのだと気付く。
私がいた場所を慌てて振り返ると、瓦礫の向こう側にドウェインを見つけた。
「ドウェイン様!」
「…お嬢さん無事で良かった。」
「…ドウェイン様が助けて下さいましたから。ドウェイン様も早く此方へ!」
ドウェインは私の姿を確認すると安堵した様に笑みを見せた。
早く逃げようと声をかけると、ドウェインは首を横に振る。
「ドウェイン様!」
「…クラウス・オルセン。お嬢さんを頼む。」
ドウェインはクラウスに私を託す様に言うと、しっかりと頷き私を抱えて歩き出した。
クラウスの背中越しに見えるドウェインは優しい笑みを浮かべていた。
これはーー。
思い出した。
瓦礫からシーラを守ってドウェインが、傷を負って逃げられないと悟ってシーラをクラウスに託して命を落としてしまう。そんな場面だった。
シーラではないけれど、私を庇ってドウェインは怪我をしたのかもしれない。
ドウェインがその場を一歩も動いていないのだ。
このままではドウェインはあのアニメと同じ様に命を落としてしまう。
「ドウェイン様!クラウス降ろして!ドウェイン様は私を助けてくれたのっ!助けなきゃ!!お願い!降ろしてっ!!」
「……。」
「クラウスっ!このままではドウェイン様がっ!!」
「…ありがとう。」
必死で訴えかけるも、クラウスは無言でエントランスを抜ける。
見送るドウェインの言葉は燃え落ちて来る音に掻き消されて、私に届く事はなかった。
入口付近まで来るとドウェインがいる場所が一気に崩れ落ちた。
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