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一章 ー京都・大阪編ー
モテる男の事情
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屯所に帰り着いてから、私はすぐに夕餉の手伝いに炊事場へ行った。そこには今日の当番である監察の山崎烝と軍医の椿さんがいた。椿さんは私のように土方に近い場所にいる人だ。軍医とは戦になればともに戦場に出て、傷ついた者の治療をしなければならない。その戦場で丸腰の、ましてや刀も振れぬ女が従軍するなんて想像しただけで無謀だ。土方はよほどこの椿という医者に信頼と自信があるのだろう。
「お疲れ様です。私も、手伝います」
「あれ。鉄之助くんは島原に行ったのではなかったですか」
「いえ、その帰ってきました。私には仕事がありますので」
椿さんが目を大きく開けたまま首を傾げている。本当に女らしいというか、今の私には縁遠い可愛らしさがある。その隣では無言で支度を進める山崎がいる。この二人は本当に恋仲なのかと心配になるほど淡々としている。特に山崎烝が。
「鉄之助くん、たまには遊んでもいいのですよ。土方さんのことなら私がやりますから」
なぜだろう。その言葉を聞いたら無性に逆らいたくなった。
「いえ。私は副長の小姓ですし、この時世、私ごときが遊ぶわけにはまいりません。それに、島原はあまり」
「あまり……とは」
それはどうしてだと言いたいようだ。私よりも大人な椿さんは、そういった事情は敏感ではないのか。すると、手を動かしながらも山崎が口を挟んできた。
「椿さん、男が行く島原の目的をご存知ないですか」
「目的……あぁ」
ようやく気づいたのか、顔を真っ赤にして目を泳がせている。とてもかわいらしい。
「て、鉄之助くんには、少し早かったですね。すみません、私ったら」
「い、いえ」
そんなに真っ赤な顔で言われると、私まで恥ずかしくなってしまって困る。
「鉄之助も、赤い」
「はっ、やっ、山崎さん。赤くなどないです」
痛いところをつかれてしどろもどろになる。そんな私を見て椿さんが笑い、その椿さんを見て山崎が頬を緩める。
(まったく、この二人ときたら……羨ましいな)
ずっと、こんなふうに笑い合えたらいいのに……。つい、いらぬ心配をし、未来のことを考えてしまった。
その晩私は、いつものように土方の側に控えた。黙々と何かを書き続ける男の横顔は、なんだかとてもいい表情をしていた。
「よし、これでいい。テツ、ここに書いたものを纏めておけ。明日、大阪の鴻池に送る」
「はい。資金繰りですか」
「まあ、そんなところか」
私はその文を纏めるために受け取った。受け取る際に土方がこう言う。
「見るなよ」
「見ませんよ」
「いや、一番上のやつぐらいなら構わないが……あまり見られたくはないな」
「はい、見ません」
「……見ないのか、本当に」
「み、見てみたいです」
「おう。お前だけだからな他言するなよ」
本当は見てほしかったのだとようやく理解した。仕方がなく一番上の文を開いた。土方の痛いほどの視線を浴びながら読み進めていく。
「こ、これはーー」
「誰にも言うなよ、分かったな」
「は、い」
いちいち誰かに言う内容ではなかった。これを鴻池に見せて何が変わるのだろうか。私にはさっぱりで、それより土方の気は大事ないのかとそれが気がかりで仕方がない。
「なんか言いたそうだな、遠慮なく言え」
「いえなにも」
「……」
無言の圧力は居心地が悪いので、気を悪くしない言葉は何かを一生懸命に考えた。
「副長は、おモテになるのですね」
「そうでもねえけどな」
少しだけ口元が緩んだ。嬉しそうだ。
「明日、山崎が大阪に下る。渡しておいてくれ。今夜はもう休んでいい」
「はい。では、おやすみなさい」
文にはどこぞの誰々と親しいだとか、花街の誰それが顔を合わすたびに抱いてくれと言いよってくるとか、男としての武勇伝がしたためられていた。あの見た目なので嘘ではないだろう。そう思ったら心臓の近くがキンと痛んだ。なんだろう、この感覚は。
私は土方から預かった文の束を山崎に届け、自室へ戻るため廊下を歩いていた。ふと空を見上げると、秋の月がとても美しく、つい足を止めて見惚れてしまう。私の国よりも大きく見える気がする。その時、背後に気配を感じ、怪しくない程度にゆっくりと振り向いた。その気配に殺気はなかったからだ。
「あれ、原田先生。お早いお帰りですね」
「あんまり気が乗らなくてな。ああ、やけに明るいと思ったら月が出ていたのか」
月を見上げて溜息をつく原田左之助に、近寄ってはいけないと本能が警告をする。未熟な私が思うくらい色気があったのだ。
「風邪などひきませんように。では、私はこれで」
「鉄之助」
「ひっ」
原田が私の手首を掴んできた。その手が異常に熱くて驚く。恐る恐る原田の顔を見上げると月に照らされた艶のある顔が見えた。不味い、不味いと脳が警鐘を鳴らす。掴まれた腕を引いてみたけれど、残念ながら細い私の腕は、原田の指にしっかりと包囲されており抜けそうにない。
「どうされましたか」
「おかしいんだ。この俺が、女の裸を見てもなんとも思わなかったんだよ」
「えっ」
「コイツがよ、勃たねんだ。どういうことだ」
なにを言っているんだこの男は。私にこの男の下の事情など知る由もないのに。原田は熱でもあるのか、ぼんやりした眼で私を見ていた。これは何か患っているのかもしれない。
「医者に。あっ、椿さんに相談されては」
「こんな時間に尋ねるわけにはいかないだろ。あいつだって今ごろは山崎と睦み合っているんだ」
「そ、それなら明日の朝までしのいでくだ」
「鉄之助」
「ひいっ」
原田はその手を強く引き、私を抱き込んでしまった。大きな男だから私が抗ってもぴくりともせず、むしろ逆に締め付けられてしまった。暑苦しいことこの上ない。体温は高いし、押し付けられた胸からはどくどくと心臓の音が煩い。何か悪いものでも食べたのでは。
「俺、衆道だったのかよ……」
「は、え、今なんと」
「ほら分かんねえかな。今になってコイツ、凄え元気なんだよ。お前のせいだぞ鉄之助」
原田が腰を私に押し付けてきた。私の臍のあたりに触れる硬いもの。硬いもの……!
「なっ、なっ、なにゆえにぃぃ」
「分からねえから困ってるんだろ。お前が芸鼓から膝を撫でられていただろう。それを見て俺は何故かお前に盛りたいって思っちまったんだ」
「だから、どうしてそうなるのですかっーー」
原田は知らねえよと言って、その硬くなったナニを突き刺してくる。手も足も出ないこの状態ではなんの技も出せない。ああ私はなぜ袖に暗器を潜ませていなかったのか。兄様やお爺が呆れてしまう。
「女しか抱けないって、信じていたんだ。それが変わっちまった」
「は、原田先生はきっと何か患っているのですよ。あなたは女しか抱けません」
「病……」
「きっとそうです。捕物続きでお疲れなのです。一晩寝たら治りますからっ!」
腕が緩んだのを確認して私は抜け出した。ぼんやりと立ち尽くす原田を横目に私は自室へ走った。原田は修道ではない。なぜなら私は女だからだ。しかしあの男の感性は、なんと敏感なのだろう。私の身代わりの術を本能で見破ったことになる。幸い修道かと混乱しているので、暫くは近づかない方がいい。
部屋に入りふぅと息を吐くと、その拍子に体から力が抜けて畳にへにゃりと腰を落としてしまった。怖かった。男を知らない私にとってそれ以外の感情は現れない。
「修行が、足りていない……」
己の未熟さに涙がこみ上げる。
「テツ……」
そのとき廊下で、私の名を呼ぶ声がした。この声は土方歳三だ。私は慌てて袖で涙を拭い、静かに障子を開けた。
「はい。どうかされましたか」
「どうかしたのはお前だろう」
「え」
土方は無表情で入るぞと言って私の部屋に入って来た。私はわけが分からず、返事もできずに突っ立ったままだ。そして土方はどか、と私の前で胡座をかくと鋭い眼光で私を凝視した。
「原田と、何があった」
「なっ、なにもありません」
「ならば何故、廊下で抱き合っていた」
「うえっ」
見られていたのだ。
あの場に私と原田左之助以外の気配はなかったはずなのに。
「抱き合っていたわけではありません。その、原田先生は具合が悪いようで……その」
「具合が、ね」
疑っているのが確実な口振りに体が冷えた。違うと言いたい。なにも疚しいことは無いのだと知らせたい。妙な誤解などされたくはないと強く思った。
「テツ。お前は男が好きか」
「そんなわけっ」
女が好きとは言いづらい。けれどここは男が好きとは間違っても言うわけにはいかない。
「おい、泣くな。怒っているわけではない」
「泣いてなど」
あれ、おかしい。勝手に目から涙がこぼれてくる。なぜ私は泣いているのだろう。
「まだ、十五か。てめぇの事がよく分からない年頃だな。だがな、間違っちゃいけねえ。いつ死ぬか分からない時代だ。大切に生きろ」
「ふ、副長」
「俺が生きている間は、俺の側から離れるな。判断に迷ったら、俺のところに来い」
「はい」
「忘れるな鉄之助。お前は、俺の小姓だ」
「ううっ……はい」
感情が独り歩きしてしまい抑えられない。土方歳三の声が妙に心地よく、近くにこの男が居ると思うだけで安心してしまう。なぜだろう、分からない。
「男がぴいぴい泣くんじゃねえ」
「すみま」
がくっと首に重みを感じた。土方が私の頭に手を置いたからだ。
この大きな手が日本の未来に何かしら影響を及ぼすのだと、お爺が言っていた。この手は私の心までも大きく揺さぶろうとしている。その事に私はまだ、気づいていなかった。
「お疲れ様です。私も、手伝います」
「あれ。鉄之助くんは島原に行ったのではなかったですか」
「いえ、その帰ってきました。私には仕事がありますので」
椿さんが目を大きく開けたまま首を傾げている。本当に女らしいというか、今の私には縁遠い可愛らしさがある。その隣では無言で支度を進める山崎がいる。この二人は本当に恋仲なのかと心配になるほど淡々としている。特に山崎烝が。
「鉄之助くん、たまには遊んでもいいのですよ。土方さんのことなら私がやりますから」
なぜだろう。その言葉を聞いたら無性に逆らいたくなった。
「いえ。私は副長の小姓ですし、この時世、私ごときが遊ぶわけにはまいりません。それに、島原はあまり」
「あまり……とは」
それはどうしてだと言いたいようだ。私よりも大人な椿さんは、そういった事情は敏感ではないのか。すると、手を動かしながらも山崎が口を挟んできた。
「椿さん、男が行く島原の目的をご存知ないですか」
「目的……あぁ」
ようやく気づいたのか、顔を真っ赤にして目を泳がせている。とてもかわいらしい。
「て、鉄之助くんには、少し早かったですね。すみません、私ったら」
「い、いえ」
そんなに真っ赤な顔で言われると、私まで恥ずかしくなってしまって困る。
「鉄之助も、赤い」
「はっ、やっ、山崎さん。赤くなどないです」
痛いところをつかれてしどろもどろになる。そんな私を見て椿さんが笑い、その椿さんを見て山崎が頬を緩める。
(まったく、この二人ときたら……羨ましいな)
ずっと、こんなふうに笑い合えたらいいのに……。つい、いらぬ心配をし、未来のことを考えてしまった。
その晩私は、いつものように土方の側に控えた。黙々と何かを書き続ける男の横顔は、なんだかとてもいい表情をしていた。
「よし、これでいい。テツ、ここに書いたものを纏めておけ。明日、大阪の鴻池に送る」
「はい。資金繰りですか」
「まあ、そんなところか」
私はその文を纏めるために受け取った。受け取る際に土方がこう言う。
「見るなよ」
「見ませんよ」
「いや、一番上のやつぐらいなら構わないが……あまり見られたくはないな」
「はい、見ません」
「……見ないのか、本当に」
「み、見てみたいです」
「おう。お前だけだからな他言するなよ」
本当は見てほしかったのだとようやく理解した。仕方がなく一番上の文を開いた。土方の痛いほどの視線を浴びながら読み進めていく。
「こ、これはーー」
「誰にも言うなよ、分かったな」
「は、い」
いちいち誰かに言う内容ではなかった。これを鴻池に見せて何が変わるのだろうか。私にはさっぱりで、それより土方の気は大事ないのかとそれが気がかりで仕方がない。
「なんか言いたそうだな、遠慮なく言え」
「いえなにも」
「……」
無言の圧力は居心地が悪いので、気を悪くしない言葉は何かを一生懸命に考えた。
「副長は、おモテになるのですね」
「そうでもねえけどな」
少しだけ口元が緩んだ。嬉しそうだ。
「明日、山崎が大阪に下る。渡しておいてくれ。今夜はもう休んでいい」
「はい。では、おやすみなさい」
文にはどこぞの誰々と親しいだとか、花街の誰それが顔を合わすたびに抱いてくれと言いよってくるとか、男としての武勇伝がしたためられていた。あの見た目なので嘘ではないだろう。そう思ったら心臓の近くがキンと痛んだ。なんだろう、この感覚は。
私は土方から預かった文の束を山崎に届け、自室へ戻るため廊下を歩いていた。ふと空を見上げると、秋の月がとても美しく、つい足を止めて見惚れてしまう。私の国よりも大きく見える気がする。その時、背後に気配を感じ、怪しくない程度にゆっくりと振り向いた。その気配に殺気はなかったからだ。
「あれ、原田先生。お早いお帰りですね」
「あんまり気が乗らなくてな。ああ、やけに明るいと思ったら月が出ていたのか」
月を見上げて溜息をつく原田左之助に、近寄ってはいけないと本能が警告をする。未熟な私が思うくらい色気があったのだ。
「風邪などひきませんように。では、私はこれで」
「鉄之助」
「ひっ」
原田が私の手首を掴んできた。その手が異常に熱くて驚く。恐る恐る原田の顔を見上げると月に照らされた艶のある顔が見えた。不味い、不味いと脳が警鐘を鳴らす。掴まれた腕を引いてみたけれど、残念ながら細い私の腕は、原田の指にしっかりと包囲されており抜けそうにない。
「どうされましたか」
「おかしいんだ。この俺が、女の裸を見てもなんとも思わなかったんだよ」
「えっ」
「コイツがよ、勃たねんだ。どういうことだ」
なにを言っているんだこの男は。私にこの男の下の事情など知る由もないのに。原田は熱でもあるのか、ぼんやりした眼で私を見ていた。これは何か患っているのかもしれない。
「医者に。あっ、椿さんに相談されては」
「こんな時間に尋ねるわけにはいかないだろ。あいつだって今ごろは山崎と睦み合っているんだ」
「そ、それなら明日の朝までしのいでくだ」
「鉄之助」
「ひいっ」
原田はその手を強く引き、私を抱き込んでしまった。大きな男だから私が抗ってもぴくりともせず、むしろ逆に締め付けられてしまった。暑苦しいことこの上ない。体温は高いし、押し付けられた胸からはどくどくと心臓の音が煩い。何か悪いものでも食べたのでは。
「俺、衆道だったのかよ……」
「は、え、今なんと」
「ほら分かんねえかな。今になってコイツ、凄え元気なんだよ。お前のせいだぞ鉄之助」
原田が腰を私に押し付けてきた。私の臍のあたりに触れる硬いもの。硬いもの……!
「なっ、なっ、なにゆえにぃぃ」
「分からねえから困ってるんだろ。お前が芸鼓から膝を撫でられていただろう。それを見て俺は何故かお前に盛りたいって思っちまったんだ」
「だから、どうしてそうなるのですかっーー」
原田は知らねえよと言って、その硬くなったナニを突き刺してくる。手も足も出ないこの状態ではなんの技も出せない。ああ私はなぜ袖に暗器を潜ませていなかったのか。兄様やお爺が呆れてしまう。
「女しか抱けないって、信じていたんだ。それが変わっちまった」
「は、原田先生はきっと何か患っているのですよ。あなたは女しか抱けません」
「病……」
「きっとそうです。捕物続きでお疲れなのです。一晩寝たら治りますからっ!」
腕が緩んだのを確認して私は抜け出した。ぼんやりと立ち尽くす原田を横目に私は自室へ走った。原田は修道ではない。なぜなら私は女だからだ。しかしあの男の感性は、なんと敏感なのだろう。私の身代わりの術を本能で見破ったことになる。幸い修道かと混乱しているので、暫くは近づかない方がいい。
部屋に入りふぅと息を吐くと、その拍子に体から力が抜けて畳にへにゃりと腰を落としてしまった。怖かった。男を知らない私にとってそれ以外の感情は現れない。
「修行が、足りていない……」
己の未熟さに涙がこみ上げる。
「テツ……」
そのとき廊下で、私の名を呼ぶ声がした。この声は土方歳三だ。私は慌てて袖で涙を拭い、静かに障子を開けた。
「はい。どうかされましたか」
「どうかしたのはお前だろう」
「え」
土方は無表情で入るぞと言って私の部屋に入って来た。私はわけが分からず、返事もできずに突っ立ったままだ。そして土方はどか、と私の前で胡座をかくと鋭い眼光で私を凝視した。
「原田と、何があった」
「なっ、なにもありません」
「ならば何故、廊下で抱き合っていた」
「うえっ」
見られていたのだ。
あの場に私と原田左之助以外の気配はなかったはずなのに。
「抱き合っていたわけではありません。その、原田先生は具合が悪いようで……その」
「具合が、ね」
疑っているのが確実な口振りに体が冷えた。違うと言いたい。なにも疚しいことは無いのだと知らせたい。妙な誤解などされたくはないと強く思った。
「テツ。お前は男が好きか」
「そんなわけっ」
女が好きとは言いづらい。けれどここは男が好きとは間違っても言うわけにはいかない。
「おい、泣くな。怒っているわけではない」
「泣いてなど」
あれ、おかしい。勝手に目から涙がこぼれてくる。なぜ私は泣いているのだろう。
「まだ、十五か。てめぇの事がよく分からない年頃だな。だがな、間違っちゃいけねえ。いつ死ぬか分からない時代だ。大切に生きろ」
「ふ、副長」
「俺が生きている間は、俺の側から離れるな。判断に迷ったら、俺のところに来い」
「はい」
「忘れるな鉄之助。お前は、俺の小姓だ」
「ううっ……はい」
感情が独り歩きしてしまい抑えられない。土方歳三の声が妙に心地よく、近くにこの男が居ると思うだけで安心してしまう。なぜだろう、分からない。
「男がぴいぴい泣くんじゃねえ」
「すみま」
がくっと首に重みを感じた。土方が私の頭に手を置いたからだ。
この大きな手が日本の未来に何かしら影響を及ぼすのだと、お爺が言っていた。この手は私の心までも大きく揺さぶろうとしている。その事に私はまだ、気づいていなかった。
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