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第1章 聖女誕生
第6話 ミリア、村を出る
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ミリアの両親と俺の両親が走って来る。ミリアは両親に抱き着く。母のアメリが俺に心配そうに言う。
「ケガはしていないかい。」「うん。大丈夫だよ。」
「騎士を倒したんだって、よくやった。」「蹴っただけだよ。」
父のゴルは俺を褒めてくれた。騎士団長のバルタザールは、ミリアの両親に言う。
「ミリア様は神託で次期聖女に選ばれました。これは誰も覆すことが出来ません。」「この子を一人で王都にやるのですか。」
「心配はいりません。私が責任をもって守ります。正式に聖女になれば従騎士がつくことになります。」「私たちの意思は関係ないのですね。」
「反対することは、国への反逆を意味します。それにあなた方の生活は国が守ります。金貨が500枚あります。どうぞ。」「まるで子供を売るようだわ。」
ミリアの両親は涙を流す。ミリアは気丈にも涙をこらえている。そして、ミリアは言う。
「私、聖女になります。ウォール、従騎士になって私を守って。」「俺、王都に行って、ミリアの従騎士になるよ。」
話を聞いていた騎士たちが笑いだす。ゴルが俺に黙ってクワを差し出す。俺は手にすると笑っている騎士をクワで上段から打ちこみ一人目を倒し、二人目に胴を打ち込む。
さらに三人目に突きを入れる。三人の騎士を倒して村人から歓声が上がる。俺は怒鳴る。
「何が面白い。失礼だぞ。」「済まない。こちらの落ち度だ。ウォール君だったな。王都に来たら、特別に入団試験を受けられるようにしておこう。」
「すぐに騎士になってやる。」「期待しているぞ。」
俺はバルタザールの目を見ていい。バルタザールは期待に満ちた目で俺の言葉に答える。ゴルが心配そうに俺に言う。
「お前、騎士になるつもりか。畑はどうするんだ。」「ごめん。俺はミリアを一人にしておけない。騎士になって守るよ。」
「そうか。やりたいようにやりなさい。」
ゴルは涙ぐみながら言う。ミリアが俺に抱き着く。
「ずっと、待っているから。」
一言俺に言うと騎士たちに促されて馬車に乗り込む。俺はすぐにでも騎士になって上り詰めると心に誓う。
宮廷騎士団は馬車を守りながらミハス村を出発する。村人たちがミリアを見送る。村の中で誰一人、聖女はどんなものか理解していなかった。
騎士がバルタザールに忠告する。
「あの小僧を騎士に向かえるつもりですか。宮廷騎士団に恥をかかせたんですよ。」「それは、我々が不甲斐ないからだろ。」
「意表を突かれただけです。我々はリーム王国、最強なんですよ。」「それを四人も倒したのだ。面白いではないか。」
「入団試験は手を抜きませんからね。」「君らは彼が嫌いなんだな。」「実力が全てです。」
バルタザールはウォールを気に入っていたが騎士たちに嫌われていては入団試験は厳しいものになると考える。
宮殿に到着すると聖女ディアナが迎えに出る。ミリアが馬車から降りるとディアナが声をかける。
「ミリア・アースですね。私は聖女ディアナ。3年間、聖女になるための教育をしますからよろしくお願いしますね。」「ディアナ様、ミリア・アースです。一生懸命勉強します。」
これが田舎から来た小娘ね。銀髪なんて魔法の属性にない色ね。本当に魔法を使えるのかしら。
この世界では、髪の色で魔法の属性が決まっていた。赤髪が炎、青髪が水や氷、茶髪が土、金髪が光、黒髪が闇の属性を有しているのである。それ以外の髪の色は問題外である。
たとえ、属性の色の髪を持っていても魔法を使えるのは100人に1人ほどである。魔法が使えるだけでそれなりの地位が約束されるのである。
「ところでミリア嬢、魔法はどの属性を使えるのですか。」「属性とは何なのですか。」
ミリアはウルズからあらゆる魔法を教えられているが属性については聞いたことがなかった。ディアナは説明する。
「属性には炎、水、土、光、闇の魔法が知られています。私の場合は光魔法を使います。」「それなら、全てを使うことが出来ます。」
「嘘を言うのではありません。本当は魔法を使えないのでしょう。」「お疑いなのですね。」
ミリアは、右手に炎の剣、左手に氷の剣を作りだす。ディアナは驚いて言う。
「二種類の魔法を同時に・・・それより魔法の詠唱はどうしたのですか。」「魔法の詠唱?そのようなものを使っていたら役に立ちませんわ。どんな魔法を使うのかわかってしまうでしょ。」
化け物だ。私とは次元が違う。これではキルケを聖女にすることは無理だ。ミリアはディアナの驚愕する姿を見て、自分は歓迎されていないと感じる。
「ケガはしていないかい。」「うん。大丈夫だよ。」
「騎士を倒したんだって、よくやった。」「蹴っただけだよ。」
父のゴルは俺を褒めてくれた。騎士団長のバルタザールは、ミリアの両親に言う。
「ミリア様は神託で次期聖女に選ばれました。これは誰も覆すことが出来ません。」「この子を一人で王都にやるのですか。」
「心配はいりません。私が責任をもって守ります。正式に聖女になれば従騎士がつくことになります。」「私たちの意思は関係ないのですね。」
「反対することは、国への反逆を意味します。それにあなた方の生活は国が守ります。金貨が500枚あります。どうぞ。」「まるで子供を売るようだわ。」
ミリアの両親は涙を流す。ミリアは気丈にも涙をこらえている。そして、ミリアは言う。
「私、聖女になります。ウォール、従騎士になって私を守って。」「俺、王都に行って、ミリアの従騎士になるよ。」
話を聞いていた騎士たちが笑いだす。ゴルが俺に黙ってクワを差し出す。俺は手にすると笑っている騎士をクワで上段から打ちこみ一人目を倒し、二人目に胴を打ち込む。
さらに三人目に突きを入れる。三人の騎士を倒して村人から歓声が上がる。俺は怒鳴る。
「何が面白い。失礼だぞ。」「済まない。こちらの落ち度だ。ウォール君だったな。王都に来たら、特別に入団試験を受けられるようにしておこう。」
「すぐに騎士になってやる。」「期待しているぞ。」
俺はバルタザールの目を見ていい。バルタザールは期待に満ちた目で俺の言葉に答える。ゴルが心配そうに俺に言う。
「お前、騎士になるつもりか。畑はどうするんだ。」「ごめん。俺はミリアを一人にしておけない。騎士になって守るよ。」
「そうか。やりたいようにやりなさい。」
ゴルは涙ぐみながら言う。ミリアが俺に抱き着く。
「ずっと、待っているから。」
一言俺に言うと騎士たちに促されて馬車に乗り込む。俺はすぐにでも騎士になって上り詰めると心に誓う。
宮廷騎士団は馬車を守りながらミハス村を出発する。村人たちがミリアを見送る。村の中で誰一人、聖女はどんなものか理解していなかった。
騎士がバルタザールに忠告する。
「あの小僧を騎士に向かえるつもりですか。宮廷騎士団に恥をかかせたんですよ。」「それは、我々が不甲斐ないからだろ。」
「意表を突かれただけです。我々はリーム王国、最強なんですよ。」「それを四人も倒したのだ。面白いではないか。」
「入団試験は手を抜きませんからね。」「君らは彼が嫌いなんだな。」「実力が全てです。」
バルタザールはウォールを気に入っていたが騎士たちに嫌われていては入団試験は厳しいものになると考える。
宮殿に到着すると聖女ディアナが迎えに出る。ミリアが馬車から降りるとディアナが声をかける。
「ミリア・アースですね。私は聖女ディアナ。3年間、聖女になるための教育をしますからよろしくお願いしますね。」「ディアナ様、ミリア・アースです。一生懸命勉強します。」
これが田舎から来た小娘ね。銀髪なんて魔法の属性にない色ね。本当に魔法を使えるのかしら。
この世界では、髪の色で魔法の属性が決まっていた。赤髪が炎、青髪が水や氷、茶髪が土、金髪が光、黒髪が闇の属性を有しているのである。それ以外の髪の色は問題外である。
たとえ、属性の色の髪を持っていても魔法を使えるのは100人に1人ほどである。魔法が使えるだけでそれなりの地位が約束されるのである。
「ところでミリア嬢、魔法はどの属性を使えるのですか。」「属性とは何なのですか。」
ミリアはウルズからあらゆる魔法を教えられているが属性については聞いたことがなかった。ディアナは説明する。
「属性には炎、水、土、光、闇の魔法が知られています。私の場合は光魔法を使います。」「それなら、全てを使うことが出来ます。」
「嘘を言うのではありません。本当は魔法を使えないのでしょう。」「お疑いなのですね。」
ミリアは、右手に炎の剣、左手に氷の剣を作りだす。ディアナは驚いて言う。
「二種類の魔法を同時に・・・それより魔法の詠唱はどうしたのですか。」「魔法の詠唱?そのようなものを使っていたら役に立ちませんわ。どんな魔法を使うのかわかってしまうでしょ。」
化け物だ。私とは次元が違う。これではキルケを聖女にすることは無理だ。ミリアはディアナの驚愕する姿を見て、自分は歓迎されていないと感じる。
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