聖女様が従騎士に指名した農夫は世界最強だったーリーム王国編ー

ぽとりひょん

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第1章 聖女誕生

第7話 入団試験

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 俺は従騎士になるため王都ダルヴィークへ行く。到着するとすぐに宮殿に向かう。そして、門で衛兵に止められる。
 「小僧、何の用だ。」「子供はあっちに行け。」「俺は宮廷騎士団長のバルタザールと約束をしている。騎士の試験を受けに来た。」「嘘をつけ。バルタザール様が相手にするか。」
俺は押し通ることにする。衛兵二人が柄の長い斧ハルバードで俺の行く手を阻む。俺は二本のハルバードを掴んで加熱する。ハルバードは真っ赤に焼けていく。
 衛兵二人はあまりの熱さにハルバードを手放し、転げまわる。しばらく、やけどで手が使えないだろう。
 俺は堂々と宮殿に入って行く。だが、どこへ行けばよいのかわからない。こんな大きな敷地に建物がいくつもあっては迷ってしまうだろう。
 迷って歩いていると四人組の男たちに声をかけられる。
 「お前、ミハス村の小僧じゃないか、門をどうやって通って来た。入られないはずだぞ。」「門番が邪魔するから押し通って来た。」
 「お前はどこまで俺たちに恥をかかせるつもりだ。」「あんたら、あの時の騎士か。バルタザールに会いたい。連れて行け。」
 「お前、入団試験を受けに来たんだったな。俺たちが試験官だ。」「だったらさっさと試験を受けさせろ。」
四人組の男たちはこそこそ話し合う。
 「俺たちで試験してもいいのか。」「どうせ、失格にすれば済むことだ。」「団長の指示を衛兵たちに伝えていないこともあるぞ。」「やるしかないだろ。」
 「何、こそこそ話している。さっさと始めろ。」「闘技場で試験をするから移動するぞ。」
俺は騎士団長のバルタザールが顔を見せないことが残念だった。ヤガン先生に鍛えてもらった剣の腕を見てもらいたかった。
 闘技場に到着すると四人組は再びこそこそする。
 「小僧の奴、剣の腕が良かったな。」「団長が気に掛けるくらいだ。」「誰が相手をするんだ。」「負けるわけにはいかないぞ。」「お前やれよ。」「お前だ。」
 「早く始めろ。いつでもいいぞ。」「そういえば、剣は習ったことがあるのか。」
 「5歳の時からヤガン先生に習っている。剣豪だぞ。」「ヤガン、もしかしてヤガン・コールか。」
 「そうだ。」「あははははー、あのヤガンかよー」「もしかして、逃げ足のヤガンか。」「こんなの相手にしていられないなー」
 「なぜ笑う。」「お前のヤガン先生は、王都で戦の度に逃げ回っている臆病者だよ。お前の剣を見る価値はないなー」
俺は、驚きよりもショックで足元が崩れる思いをする。俺は村でも腕が立つ方だ。この前は三人の騎士をクワで叩きのめしたはずだ。ヤガン先生、嘘だよな。
 「お情けだ。剣術の試験は免除してやる。代わりに最低点での合格だ。」
四人組は試験を回避できてホッとする。後は魔法の試験だが、使えるわけないので失格にすればいい。
 俺は剣術の試験をしてもらえず落ち込む。今からでもこいつらに剣で立ち向かってやりたい。俺だって剣を習っているから相手の力量が判る。四人相手でも勝てるはずだ。
 魔法の試験が始まる。四人組は、鎧を着せた人形を立てる。そして、ウォールに説明する。
 「ここからあの人形を破壊すれば合格だ。まあ、魔法があそこまで届けばいいがな。」「あれを壊せばいいのだな。」「そうだ。」
ここから鎧を破壊するなんて一流の魔法使いでもないと無理だけどな。本当はもっと近くの木で作った人形にキズでもつければ、満点なんだけどな。
 俺は鎧人形が破裂するイメージをする。すると鎧人形は粉々に破裂する。四人組は驚き放心状態になる。俺は勝ち誇って言う。
 「どうだ見たか。これで合格だな。」「お前がやったのか。」
 「そうだよ。」「魔法の詠唱はどうしたんだ。何をした。」
 「魔法を使っただけだよ。」「魔法の詠唱なしで魔法が使えるわけがないだろ。そうだ、ヤガンに入れ知恵されたな。不正だ。お前は失格だ。」
 「俺は不正なんかしていない。詠唱なんていらないよ。」「お前の騎士の道は閉ざされたんだ。この国で騎士にはなれないぞ。」
 「なんだよそれ。」「試験で不正をしたんだ。騎士の試験は二度と受けられないぞ。」
 「お前ら。俺をはめたなー」
俺は、こいつらの態度とかが気に入らなかった。それも俺をはめるためだ。俺の怒りは我慢の限界を超える。俺は一番近くにいる奴の首を狙って跳躍しながら蹴りを入れる。
 そして、腰の剣を奪う。残りの三人が剣を抜こうとする。やっぱり、こいつらは弱い、判断が遅い。二人目を剣を抜く前に剣を鞘に入れたまま腹に突きを入れる。
 続けて三人目の右肩に上段から打ちこむ。ぐしゃと嫌な音がする。骨が砕けたに違いない。四人目は剣をやっと抜いたところで構えが出来ていない。
 と言うより逃げ腰である。俺は小手を打ち込んで剣を叩き落す。
 「俺を合格にしろ。でないと叩き殺すぞ。」「くせものだー、助けてくれー」
四人目は大声を出す。人が集まって来る気配がする。俺は剣を抜くと座り込んでいる四人目に上段から剣を頭へ振り下ろす。寸止めするつもりだったが少し当たってしまう。
 頭の皮が切れて血が流れる。四人目は失禁して動かなくなる。
 俺は宮殿から逃げ出す。俺はもう騎士になれない。名前を変えて冒険者にでもなるか。いや、俺は悪くない。とりあえず村へ逃げ帰ることにする。
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