13 / 64
第1章 聖女誕生
第13話 ミリア、動く
しおりを挟む
私は魔法に関しては問題なかったが、一般常識は全然ダメだった。特にダンスは壊滅的である。そのため、部屋に戻ってからの復習は欠かさない。
今夜は宮殿内が騒がしい、また、曲者でも出たのだろうか、ウォールが私をさらいに来てくれたのならうれしい。ありもしないことを考えながら机に向かう。
うわさでウォールは王様の不興を買っているらしい、キルケが言うには暗殺されてもおかしくないということだ。
私は逃げ出してウォールと他国へ逃げた方が良いのではないかと考えもしたが、ミハス村には、ヤガン先生とウルズ先生がいるので大丈夫に違いない。
すると部屋の中に気配がする。この魔力の感じは懐かしい。
「ウルズ先生、こんなところへどうしたのですか。」「弟子の顔を見に来たのですよ。元気ですか。」
「私よりウォールを見ていてください。」「殺されそうですか。」
「知っていたのですか。ええ、もう心配ありませんよ。」「もしかして、王様を殺したんですか。」
「やはり、ウォールより頭の周りがいいですね。」「ウォールは大丈夫なのですね。」
「私はまだ全てを教えていませんから、死なせませんよ。」「ウォールをお願いします。」「わかりました。」
私の心配事が一つ消える。次の朝、私はキルケに起こされる。
「大変よ。アウグスト王が崩御されたわ。」「それは大変ね。」
「何落ち着いているのよ。」「だって、ウォールが暗殺される恐れがなくなったもの。」
「ミリア、あなたはいいけど。私は大変なのよ。」「どうしたの。」
「ダミアン王子が王位を継いだら、私、妃にされてしまうわ。」「嫌なの。」
「当然よ。アウグスト王より性格が悪いのよ。」「噂だけでしょ。」
「あったことあるけど最悪だったわ。」「酷いことされたの。」
「部屋に連れ込まれて押し倒されたのよ。バルタザール騎士団長が気づいて止めに入らなかったら・・・」
キルケは泣き出す。よほどショックだったのだろう。私なら叩きのめして二度と近づかないようにしてやるけど。
キルケによるとダミアン王子はことあるごとに絡んでくるらしい。さらに月に一通は恋文が送られてくるという。キルケにとっては気持ち悪い相手に違いない。
そして、父親が亡くなったばかりだというのにキルケに手紙がダミアン王子から送られて来る。手紙の内容はキルケを不幸のドン底に叩き落す。
手紙には、「王位を継ぐと同時にキルケを王妃にする」という内容だった。私はキルケを助けようと思い、ダミアン・リーム第一王子について調べることにする。
すぐにダミアンは女の敵だとわかる。貴族の令嬢で泣きを見ている者が何人もいることが判った。頭も悪いようで家庭教師が手を焼いているようだ。
そんな王子に特技があった。剣技に優れていたのだ。宮廷騎士と互角以上の腕前を持つらしい。
私は賭けに出ることにした。木剣を持って、宮廷騎士が訓練している闘技場に乗り込んだ。私が闘技場に入ると注目される。
「だれか。私と戦いなさい!」「ミリア様、お遊びではありませんよ。」
「逃げるか。臆病者!」「・・・・・」
宮廷騎士も臆病者と言われてはそのまま済ますわけにはいかない。私に向かって木剣を構える。私のミハス村では一人前の扱いを受けている剣の使い手だ。
騎士は私より大きいが、グレイグリズリーに比べれば大したことはない。騎士が上段に木剣を振り上げ打ち込もうとする。早いがミハス村の男たちの方が早い。
私は一気に距離を詰めて中に入ると騎士の首に木剣を軽く当てる。負けた騎士は崩れ落ちる。
「宮廷騎士はこんなものか。ダミアン王子は剣が優れているというが大したことないな。」
私は大声で言う。宮廷騎士以外にも聞かせるためだ。私は闘技場を後にしようとする。
「待て、私が相手だ。」「まだやるのですか。」
「私は、副団長のカール・バール。騎士へ気合を入れてくれたことは感謝するが、このままでは面目が断たない。お願いだ。」「分かりました。」
カールが木剣を構える。相対するだけでわかる。かなり強い。村の男たちと互角だろうか。カールは上段に振りかぶって打ち込んでくる。
私は剣筋をずらして半身になりかわす。騎士たちがざわめく。
「副団長の打ち込みをかわしたぞ。」「やるなー」
このままではダミアンが釣れなくなってしまう。それとなく負けるしかない。私は胴を打ち込む。カールは返す刀で木剣を振り上げる。私の打ち込みは防がれる。
私はわざと木剣を手放す。私の木剣は飛んでいく。
「やったー、副団長の勝ちだー」
騎士たちが騒ぎ出す。しかし、カールは私を睨んでいる。これは、手を抜いたことがばれているなーごめんなさいこれも作戦なんです。
今夜は宮殿内が騒がしい、また、曲者でも出たのだろうか、ウォールが私をさらいに来てくれたのならうれしい。ありもしないことを考えながら机に向かう。
うわさでウォールは王様の不興を買っているらしい、キルケが言うには暗殺されてもおかしくないということだ。
私は逃げ出してウォールと他国へ逃げた方が良いのではないかと考えもしたが、ミハス村には、ヤガン先生とウルズ先生がいるので大丈夫に違いない。
すると部屋の中に気配がする。この魔力の感じは懐かしい。
「ウルズ先生、こんなところへどうしたのですか。」「弟子の顔を見に来たのですよ。元気ですか。」
「私よりウォールを見ていてください。」「殺されそうですか。」
「知っていたのですか。ええ、もう心配ありませんよ。」「もしかして、王様を殺したんですか。」
「やはり、ウォールより頭の周りがいいですね。」「ウォールは大丈夫なのですね。」
「私はまだ全てを教えていませんから、死なせませんよ。」「ウォールをお願いします。」「わかりました。」
私の心配事が一つ消える。次の朝、私はキルケに起こされる。
「大変よ。アウグスト王が崩御されたわ。」「それは大変ね。」
「何落ち着いているのよ。」「だって、ウォールが暗殺される恐れがなくなったもの。」
「ミリア、あなたはいいけど。私は大変なのよ。」「どうしたの。」
「ダミアン王子が王位を継いだら、私、妃にされてしまうわ。」「嫌なの。」
「当然よ。アウグスト王より性格が悪いのよ。」「噂だけでしょ。」
「あったことあるけど最悪だったわ。」「酷いことされたの。」
「部屋に連れ込まれて押し倒されたのよ。バルタザール騎士団長が気づいて止めに入らなかったら・・・」
キルケは泣き出す。よほどショックだったのだろう。私なら叩きのめして二度と近づかないようにしてやるけど。
キルケによるとダミアン王子はことあるごとに絡んでくるらしい。さらに月に一通は恋文が送られてくるという。キルケにとっては気持ち悪い相手に違いない。
そして、父親が亡くなったばかりだというのにキルケに手紙がダミアン王子から送られて来る。手紙の内容はキルケを不幸のドン底に叩き落す。
手紙には、「王位を継ぐと同時にキルケを王妃にする」という内容だった。私はキルケを助けようと思い、ダミアン・リーム第一王子について調べることにする。
すぐにダミアンは女の敵だとわかる。貴族の令嬢で泣きを見ている者が何人もいることが判った。頭も悪いようで家庭教師が手を焼いているようだ。
そんな王子に特技があった。剣技に優れていたのだ。宮廷騎士と互角以上の腕前を持つらしい。
私は賭けに出ることにした。木剣を持って、宮廷騎士が訓練している闘技場に乗り込んだ。私が闘技場に入ると注目される。
「だれか。私と戦いなさい!」「ミリア様、お遊びではありませんよ。」
「逃げるか。臆病者!」「・・・・・」
宮廷騎士も臆病者と言われてはそのまま済ますわけにはいかない。私に向かって木剣を構える。私のミハス村では一人前の扱いを受けている剣の使い手だ。
騎士は私より大きいが、グレイグリズリーに比べれば大したことはない。騎士が上段に木剣を振り上げ打ち込もうとする。早いがミハス村の男たちの方が早い。
私は一気に距離を詰めて中に入ると騎士の首に木剣を軽く当てる。負けた騎士は崩れ落ちる。
「宮廷騎士はこんなものか。ダミアン王子は剣が優れているというが大したことないな。」
私は大声で言う。宮廷騎士以外にも聞かせるためだ。私は闘技場を後にしようとする。
「待て、私が相手だ。」「まだやるのですか。」
「私は、副団長のカール・バール。騎士へ気合を入れてくれたことは感謝するが、このままでは面目が断たない。お願いだ。」「分かりました。」
カールが木剣を構える。相対するだけでわかる。かなり強い。村の男たちと互角だろうか。カールは上段に振りかぶって打ち込んでくる。
私は剣筋をずらして半身になりかわす。騎士たちがざわめく。
「副団長の打ち込みをかわしたぞ。」「やるなー」
このままではダミアンが釣れなくなってしまう。それとなく負けるしかない。私は胴を打ち込む。カールは返す刀で木剣を振り上げる。私の打ち込みは防がれる。
私はわざと木剣を手放す。私の木剣は飛んでいく。
「やったー、副団長の勝ちだー」
騎士たちが騒ぎ出す。しかし、カールは私を睨んでいる。これは、手を抜いたことがばれているなーごめんなさいこれも作戦なんです。
0
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる