聖女様が従騎士に指名した農夫は世界最強だったーリーム王国編ー

ぽとりひょん

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第1章 聖女誕生

第15話 ダミアン王子との試合開始

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 キルケは私のことを心配する。ダミアン王子が本気になっているからだと思う。
 「ミリア、ダミアン王子は本気であなたを叩き潰すつもりよ。」「大丈夫よ。私は結構強いのよ。」
 「ダミアン王子を教えている騎士団長のバルタザール様は、リーム王国最強の騎士なのよ。」「私も副団長のカールと稽古しているからブランクは解消しているわ。」
 「でも、カール様にかなわないのでしょ。」「私の方が少し強いかな。この前はわざと負けたのよ。」
 「どこで剣を覚えたの。」「村にいる剣豪の先生に習ったのよ。私、村でもまあまあ強い方だったのよ。」
 「でも宮廷騎士団はリーム王国最強なのよ。」「村の男たちの方が強いわよ。」
 「あなたの村どうなっているの。」「村にはグレイグリズリーを一人で倒して一人前というルールがあるのよ。だから、男たちはみんな剣の稽古を必死にやっているわ。」
 「グレイグリズリーですって、冒険者たちがパーティーで倒す魔物だと聞いたことがあるわよ。」「大げさねー、私だって一人で倒したことあるのよ。」
 「私の気のせいかしら、確か、宮廷騎士が数人がかりで倒していたような・・・」「とにかく、勝って見せるわ。」「頑張ってね。」
キルケは心配そうに言う。キルケの頭にはダミアン王子は剣の腕が立つと刷り込まれているに違いない。
 三日で私は剣の感覚を取り戻して絶好調である。それはダミアンにも言えることだった。ダミアンはバルタザールに鍛えられてかなり腕を上げていた。
 試合のためにディアナは私に服を新調してくれた。これが彼女にとっての応援だったかもしれない。白い体にフィットした服で、レースのフリルがかわいく見せている。
 対する王子は金の刺繍が施された金ぴかの服だ。ダミアンの性格を現すように悪趣味である。ダミアンは私を見て、いやらしく笑いながら言う。
 「思ったより、良いスタイルをしているじゃないか。その胸は詰め物をしていないよなー、がっかりさせるなよ。」「あなたに見られて気持ち悪いわ。」
 「そうか、試合では遊んでやろう。お前の体をいたぶって調べてやる。」
私は思わず胸を隠す。ダミアンはさらに好色な目で見てくる。そこへキルケが割って入る。
 「神聖な試合の前です。ふざけることはやめてください。」
キルケは足が震えている。私のために勇気を振り絞ったに違いない。
 「俺に意見するのか。田舎娘の悪い癖がうつったか。」
ダミアンは白けたのか離れていく。
 「キルケ、ありがとう。」「私もできることでミリアを助けたいと思っているわ。」
私は十分に助けられている。キルケのおかげで宮殿の常識を何とかこなしているからだ。
 時間になって私は闘技場に入る。私には、ディアナとキルケが付き添っている。ダミアンは、宮廷騎士たちと雑談をしていた。余裕があるのか、私をなめているのだろう。
 騎士団長のバルタザールの姿はあるが、副団長のカールの姿がない。私は少し引っかかった。この場にカールがいないのはおかしい。何か用事でもあるのだろうか。
 私とダミアンは向かい合って立ち、バルタザールが始めの合図をする。するとダミアンが話しかけてくる。
 「お前、カールと稽古をしていたな。カールは今頃、ベットの上だ。昨夜、カールと戦って打ちのめしてやったからな。弱かったよ。お前は少しは頑張れよ。」「・・・・・」
ダミアンは少なくともカールより強いことになる。私もカールより強い。それより戦いに集中だ。間合いはダミアンの方が少し広いだろう。体格ではダミアンが有利だが、速さはどうだ。
 私は少しづつ距離を詰める。突然、ダミアンが距離を詰めながら上段から木剣を振り下ろす。私は剣を受ける。打ち込みは重い。ダミアンは想像以上に強い。
 「惜しいな、その服を切り裂いて豊満な胸をさらしてやろうとしたのに。」
こいつ、遊んでいる。しかし、今の距離を詰める技の対策をしないとダミアンの優位に試合は運ぶことになる。
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