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柊の葛藤
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暗闇の中で、すっと――熱くて、湿った空気が目の前をかすめた。かすかな温度差。わずかな匂い。空間の密度が、変わる。見えないはずなのにはっきりとわかる。
目の前に、颯の下半身があること。
「これが何か……わかりますか?」
耳元で囁かれる声音がやけに甘く、意地悪だった。その言葉と同時にじわりと頬が熱を持つ。暗闇の中で颯の声がすぐ目の前に落ちてくる。静かな息遣いに混じる熱が肌の表面をくすぐった。
「僕も、先輩を見てたら……」
言葉の続きを待つ前にかすかに布がこすれる音がした。それが何を意味しているのか、俺にはもう、考えるまでもない。
「僕のパンツが滲みになっちゃって……」
囁くような声の奥に息を呑むような熱が混ざっていた。
「多分……この滲みてるところの匂い、濃いと思うんですけど……先輩は、どうしたいですか?」
問いかけるようでいてそれは逃げ道のない質問だった。そんなところ嗅ぎたいとも、触れたいとも、言えない。
でも――初めて感じる颯の下半身の気配に口が乾く。鼓動が速くなる。言葉にできない欲が、喉の奥で震えた。
「……」
俺は、ほんの少しだけ首を縦に振った。それだけで、まるですべてを肯定してしまった気がした。
ごくりと喉が鳴る。わずかに擦れる音。その直後硬い形を持った感触がパンツ越しに鼻先へと触れた。
柔らかく、でも確かな重み。鼻腔に届いたのは、脇の匂いとは異なる、もっと濃く、もっといやらしい逃げ場のない熱の香りだった。
「……どうですか?」
すぐ近く、颯の声が落ちる。
「ずっと我慢してたんですよ。先輩の姿を見ながら、こんなになるまで」
挑発するように、言葉が舌を這う。
「どうしたいですか?」
ただ、震える呼吸と、ほんの少し前へと寄るような仕草で――欲望を示すしかなかった。鼻と口に当たった感触は、思っていたよりもずっと硬く湿り気を帯びて熱を含んでいた。布越しにも、その存在感は圧倒的だった。
くん…………
ごく自然に――いや、無意識に――
鼻を押し当てていた。ゆっくりと息を吸い込むたび、濃密な香りが鼻腔の奥へと染みわたる。温度と湿度に包まれながらわずかに甘く、鋭く鼻を逸らしたくなる体温の匂い。それは理性の働く隙間を静かに、しかし確実に奪っていく。
「……すごいですね、先輩」
すぐ上から、颯の甘い声。喜びを含んだ吐息まじりの声が耳に心地よく響く。
「今、どこの匂い嗅いでるか、わかってますか?」
わかってる。俺は、颯の股間の匂いを下着越しに嗅いでいる。先走りで染みになった部分の匂いを。
ただ、答えられなかった。ただ、嗅覚だけを総動員させてその香りの深さを追い求めていた。まるで――熱に浮かされたように。颯の手が、優しく俺の頭を撫でる。
まるで子供をあやすように。でもその指先には意図があった。
「先端だけじゃなくてほら」
囁くような声とともに颯の身体がわずかに動き、鼻先をくすぐるように。より存在感のある温かい感触が触れた。
俺の背筋が震える。わずかに息が漏れ、顔を逸らしかける。だが――
「だめですよ、逃げないで。さっきまで、自分からお願いしたじゃないですか」
汗と混じる熱を帯びた匂いは、到底、いつもの颯から感じるものとは思えなかった。
整った身だしなみ、清潔な香り、礼儀正しく控えめな態度——そしてなにより、可愛い見た目や、可愛らしい仕草。
それらとはまるで別の、生々しくて抗いようのない「男」の匂いだった。
逃げたい——
そう思ってもおかしくないほど強くて圧倒的で、本能に訴えかけるような重たさだった。だけど。逃げ出すどころか、俺の身体はその匂いをむしろ求めてしまっていた。
(これが……ち……ちんこの匂い……?)
だけど今の俺にはそれすら快感に変わっていく。恥ずかしさも、戸惑いも、全部。すべてが、頬を染め、脈を早め、逃げられない悦びとして沁み込んでいく。
上から聞こえる颯の呼吸は、微かに荒く、楽しげで
支配者のものだった。
「ねえ、変態」
その甘い声に、俺はただ身を任せるしかなかった。颯は、俺の膝横にそっと片足を伸ばす。わざと、俺の興奮して硬くなった物に触れるように、やさしく。靴下越しの柔らかい圧が、静かに伝わる。
その感触に、俺の身体がふるりと震えた。無意識に、膝がすこし内側へすぼまり身をくねらせてしまう。
颯は、それを面白そうに見つめながら、鼻先に触れていたわずかに遠ざける。
空気が抜けるようにそこから強い熱と匂いがふわりと立ちのぼった。
そして、指先がそっと俺の顎を支えた。
「……先輩、口、開けてください。」
見えない視界の中でその言葉だけが鮮明に迫ってくる。
思わず、喉の奥が詰まりそうになった。けれど抗えなかった。何かに導かれるように自然と唇がわずかに開く。
指先はそのままゆっくりと俺の表情の微細な動きをなぞりながら――
「……ちゃんと言うこと聞ける先輩は、おりこうさんで……可愛いです」
囁きが、耳の奥にじわりと滲み込んでくる。
「そのまま……口、開けててください。……ね?」
耳元でささやかれるその声はまるで命令にも祈りにも聞こえた。唇を開くとトロリとよだれが垂れる。
途端に、目隠しの奥で感じ取る空気の流れが変わった。
「……そんなふうに従順になるなんて……先輩、可愛すぎますよ」
くすりと笑う声とともに颯の腰がすっと前へ。鼻先に、颯の股間の熱が擦れた。
「ほら……僕が、どれだけ我慢してたか……わかりますか?」
見えないぶん、五感が研ぎ澄まされる。ぴったりと密着した布越しの圧迫感が微かに震えるように自分の前で、脈打っているのを、いやでも意識してしまう。
「ねぇ……先輩……どんな……味ですか?」
下着に守られた性器を顔ち押しつけられるたびに吐息と震えが喉元に絡みついてくる。逃げ場のないこの状況で俺の身体は徐々に、理性と本能のはざまで揺れていく——
「ん……っ」
くちゅっ……
口に触れた瞬間、布越しにも関わらずその存在感はあまりにも鮮明だった。熱を帯びた硬さと形が、俺の口元をなぞる。
「先輩……咥えて……」
それを咥えるように誘導されると、自然と奥歯が震えた。
「……やっぱり素直なんですね。先輩って」
「……ぁっん……」
「っ……ん……」
颯の声が揺れる。嬉しそうに、でもどこか苦しげに。その吐息が頭の上から降ってきて耳の奥にまとわりつく。
ふぅ……すぅ……
俺は目隠しの奥で眉を寄せた。屈辱——ではない。羞恥と戸惑い、そしてどうしようもない昂り。
「ふふ……わかりますか? 僕、こんなに……」
ずりっ……とろ……
腰が、ゆっくりと前後に動く。布を通じて、圧迫と摩擦が繰り返される。
くちゅ……ずり、ぬちゅっ……
そのたびに、俺の呼吸が乱れた。
「先輩の唇……柔らかくて、気持ちいいです……はぁ……ふっ……」
唾液が滲む。熱が喉に絡みつく。手錠に繋がれた腕がぴくりと動いても、逃げられない。
「ねえ、もっと僕のこと……気持ちよくさせてください」
そんなふうに優しく囁かれるたび、俺の中で、理性の声が静かに遠のいていく——。布越しの熱が口腔の奥までじわりと染み込み、その奥から——ふと、鼻腔を刺すような匂いが立ちのぼった。
いやらしい男の匂い。それに混じる、わずかな——尿の匂い。
「……っ、あ……」
口に含んでいるのはただの布ごしの形状のはずなのに、そこから漂う生の匂いが喉から脳にかけて一気に突き抜ける。
「どうですか?僕のこと感じてくれてますか?」
頭上から囁かれたその声に俺の全身がびくりと震えた。
羞恥? 嫌悪? 違う——これは、
「……やだ、俺……」
言葉がうまく出てこない。口は布越しの性器で塞がれ、目は見えず両手も言うことを聞かない。
なのに、自分の心がこんなにも侵されていく。
初めてだった。こんなにも身体の奥を支配されるのは。
「堕ちてきましたね、先輩」
囁きが、そっと髪に触れる。
「……でも、まだ……これからですよ」
その声に、甘く震えた心が——静かに、深い場所へ引きずり込まれていった。
「……えへへ。もっと……いじめたくなっちゃいました」
次の瞬間——
ずりっ……ぬるっ……
「……っ、う……!」
口元に感じていた布が剥がされた。それと同時に、ダイレクトに迫ってきた熱。さっきまでは隠されていたものが今、むき出しのまま俺の唇に押しつけられていた。
目の前に、颯の下半身があること。
「これが何か……わかりますか?」
耳元で囁かれる声音がやけに甘く、意地悪だった。その言葉と同時にじわりと頬が熱を持つ。暗闇の中で颯の声がすぐ目の前に落ちてくる。静かな息遣いに混じる熱が肌の表面をくすぐった。
「僕も、先輩を見てたら……」
言葉の続きを待つ前にかすかに布がこすれる音がした。それが何を意味しているのか、俺にはもう、考えるまでもない。
「僕のパンツが滲みになっちゃって……」
囁くような声の奥に息を呑むような熱が混ざっていた。
「多分……この滲みてるところの匂い、濃いと思うんですけど……先輩は、どうしたいですか?」
問いかけるようでいてそれは逃げ道のない質問だった。そんなところ嗅ぎたいとも、触れたいとも、言えない。
でも――初めて感じる颯の下半身の気配に口が乾く。鼓動が速くなる。言葉にできない欲が、喉の奥で震えた。
「……」
俺は、ほんの少しだけ首を縦に振った。それだけで、まるですべてを肯定してしまった気がした。
ごくりと喉が鳴る。わずかに擦れる音。その直後硬い形を持った感触がパンツ越しに鼻先へと触れた。
柔らかく、でも確かな重み。鼻腔に届いたのは、脇の匂いとは異なる、もっと濃く、もっといやらしい逃げ場のない熱の香りだった。
「……どうですか?」
すぐ近く、颯の声が落ちる。
「ずっと我慢してたんですよ。先輩の姿を見ながら、こんなになるまで」
挑発するように、言葉が舌を這う。
「どうしたいですか?」
ただ、震える呼吸と、ほんの少し前へと寄るような仕草で――欲望を示すしかなかった。鼻と口に当たった感触は、思っていたよりもずっと硬く湿り気を帯びて熱を含んでいた。布越しにも、その存在感は圧倒的だった。
くん…………
ごく自然に――いや、無意識に――
鼻を押し当てていた。ゆっくりと息を吸い込むたび、濃密な香りが鼻腔の奥へと染みわたる。温度と湿度に包まれながらわずかに甘く、鋭く鼻を逸らしたくなる体温の匂い。それは理性の働く隙間を静かに、しかし確実に奪っていく。
「……すごいですね、先輩」
すぐ上から、颯の甘い声。喜びを含んだ吐息まじりの声が耳に心地よく響く。
「今、どこの匂い嗅いでるか、わかってますか?」
わかってる。俺は、颯の股間の匂いを下着越しに嗅いでいる。先走りで染みになった部分の匂いを。
ただ、答えられなかった。ただ、嗅覚だけを総動員させてその香りの深さを追い求めていた。まるで――熱に浮かされたように。颯の手が、優しく俺の頭を撫でる。
まるで子供をあやすように。でもその指先には意図があった。
「先端だけじゃなくてほら」
囁くような声とともに颯の身体がわずかに動き、鼻先をくすぐるように。より存在感のある温かい感触が触れた。
俺の背筋が震える。わずかに息が漏れ、顔を逸らしかける。だが――
「だめですよ、逃げないで。さっきまで、自分からお願いしたじゃないですか」
汗と混じる熱を帯びた匂いは、到底、いつもの颯から感じるものとは思えなかった。
整った身だしなみ、清潔な香り、礼儀正しく控えめな態度——そしてなにより、可愛い見た目や、可愛らしい仕草。
それらとはまるで別の、生々しくて抗いようのない「男」の匂いだった。
逃げたい——
そう思ってもおかしくないほど強くて圧倒的で、本能に訴えかけるような重たさだった。だけど。逃げ出すどころか、俺の身体はその匂いをむしろ求めてしまっていた。
(これが……ち……ちんこの匂い……?)
だけど今の俺にはそれすら快感に変わっていく。恥ずかしさも、戸惑いも、全部。すべてが、頬を染め、脈を早め、逃げられない悦びとして沁み込んでいく。
上から聞こえる颯の呼吸は、微かに荒く、楽しげで
支配者のものだった。
「ねえ、変態」
その甘い声に、俺はただ身を任せるしかなかった。颯は、俺の膝横にそっと片足を伸ばす。わざと、俺の興奮して硬くなった物に触れるように、やさしく。靴下越しの柔らかい圧が、静かに伝わる。
その感触に、俺の身体がふるりと震えた。無意識に、膝がすこし内側へすぼまり身をくねらせてしまう。
颯は、それを面白そうに見つめながら、鼻先に触れていたわずかに遠ざける。
空気が抜けるようにそこから強い熱と匂いがふわりと立ちのぼった。
そして、指先がそっと俺の顎を支えた。
「……先輩、口、開けてください。」
見えない視界の中でその言葉だけが鮮明に迫ってくる。
思わず、喉の奥が詰まりそうになった。けれど抗えなかった。何かに導かれるように自然と唇がわずかに開く。
指先はそのままゆっくりと俺の表情の微細な動きをなぞりながら――
「……ちゃんと言うこと聞ける先輩は、おりこうさんで……可愛いです」
囁きが、耳の奥にじわりと滲み込んでくる。
「そのまま……口、開けててください。……ね?」
耳元でささやかれるその声はまるで命令にも祈りにも聞こえた。唇を開くとトロリとよだれが垂れる。
途端に、目隠しの奥で感じ取る空気の流れが変わった。
「……そんなふうに従順になるなんて……先輩、可愛すぎますよ」
くすりと笑う声とともに颯の腰がすっと前へ。鼻先に、颯の股間の熱が擦れた。
「ほら……僕が、どれだけ我慢してたか……わかりますか?」
見えないぶん、五感が研ぎ澄まされる。ぴったりと密着した布越しの圧迫感が微かに震えるように自分の前で、脈打っているのを、いやでも意識してしまう。
「ねぇ……先輩……どんな……味ですか?」
下着に守られた性器を顔ち押しつけられるたびに吐息と震えが喉元に絡みついてくる。逃げ場のないこの状況で俺の身体は徐々に、理性と本能のはざまで揺れていく——
「ん……っ」
くちゅっ……
口に触れた瞬間、布越しにも関わらずその存在感はあまりにも鮮明だった。熱を帯びた硬さと形が、俺の口元をなぞる。
「先輩……咥えて……」
それを咥えるように誘導されると、自然と奥歯が震えた。
「……やっぱり素直なんですね。先輩って」
「……ぁっん……」
「っ……ん……」
颯の声が揺れる。嬉しそうに、でもどこか苦しげに。その吐息が頭の上から降ってきて耳の奥にまとわりつく。
ふぅ……すぅ……
俺は目隠しの奥で眉を寄せた。屈辱——ではない。羞恥と戸惑い、そしてどうしようもない昂り。
「ふふ……わかりますか? 僕、こんなに……」
ずりっ……とろ……
腰が、ゆっくりと前後に動く。布を通じて、圧迫と摩擦が繰り返される。
くちゅ……ずり、ぬちゅっ……
そのたびに、俺の呼吸が乱れた。
「先輩の唇……柔らかくて、気持ちいいです……はぁ……ふっ……」
唾液が滲む。熱が喉に絡みつく。手錠に繋がれた腕がぴくりと動いても、逃げられない。
「ねえ、もっと僕のこと……気持ちよくさせてください」
そんなふうに優しく囁かれるたび、俺の中で、理性の声が静かに遠のいていく——。布越しの熱が口腔の奥までじわりと染み込み、その奥から——ふと、鼻腔を刺すような匂いが立ちのぼった。
いやらしい男の匂い。それに混じる、わずかな——尿の匂い。
「……っ、あ……」
口に含んでいるのはただの布ごしの形状のはずなのに、そこから漂う生の匂いが喉から脳にかけて一気に突き抜ける。
「どうですか?僕のこと感じてくれてますか?」
頭上から囁かれたその声に俺の全身がびくりと震えた。
羞恥? 嫌悪? 違う——これは、
「……やだ、俺……」
言葉がうまく出てこない。口は布越しの性器で塞がれ、目は見えず両手も言うことを聞かない。
なのに、自分の心がこんなにも侵されていく。
初めてだった。こんなにも身体の奥を支配されるのは。
「堕ちてきましたね、先輩」
囁きが、そっと髪に触れる。
「……でも、まだ……これからですよ」
その声に、甘く震えた心が——静かに、深い場所へ引きずり込まれていった。
「……えへへ。もっと……いじめたくなっちゃいました」
次の瞬間——
ずりっ……ぬるっ……
「……っ、う……!」
口元に感じていた布が剥がされた。それと同時に、ダイレクトに迫ってきた熱。さっきまでは隠されていたものが今、むき出しのまま俺の唇に押しつけられていた。
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