先輩は、僕のもの

ゆおや@BL文庫

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16:濡れ勃つ匂い

濡れ勃つ匂い:01

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拘束されていた腕がそっと解かれ
ゆっくりと力が抜けていく。
颯に導かれるまま、柊は自然と膝をつかされる。

目隠しと手錠はそのまま。
だからこそ、感覚が鋭くなる。

暗闇の中で、すっと――
熱くて、湿った空気が目の前をかすめた。

かすかな温度差。わずかな匂い。
空間の密度が、変わる。

見えないはずなのに
はっきりとわかる。
目の前に、颯の下半身があること。

「……わかりますか?」

耳元で囁かれる声音がやけに甘く、意地悪だった。

「さっきからずっと
 先輩の反応、全部見えてますよ」

その言葉と同時に
じわりと頬が熱を持つ。

暗闇の中で
颯の声がすぐ目の前に落ちてくる。
静かな息遣いに混じる熱が
肌の表面をくすぐった。

「でも――僕も、先輩を見てたら……」

言葉の続きを待つ前に
かすかに布がこすれる音がした。

それが何を意味しているのか
柊にはもう、考えるまでもない。

「……僕のも……もうこんなになってて
 パンツが滲みになってます……」

囁くような声の奥に
息を呑むような熱が混ざっていた。

「多分……ここ……
 滲みてるところ匂い
 濃いと思うんですけど」

あえてさらりと言い放つ声音が
余計に胸の奥をざわつかせる。

「……先輩は、どうしたいですか?」

問いかけるようでいて
逃げ道のない質問だった。

嗅ぎたいとも、触れたいとも、言えない。
初めて感じる……颯の下半身の気配に
口が乾く。鼓動が速くなる。
言葉にできない欲が、喉の奥で震えた。

「……」

柊は、ほんの少しだけ首を縦に振った。

それだけで、まるですべてを
肯定してしまった気がした。



ごくりと喉が鳴る。
わずかに擦れる音。その直後
颯の硬くなったあそこが
パンツ越しに鼻先へと触れた。

柔らかく、でも確かな重み。
鼻腔に届いたのは、脇の匂いとは異なる

もっと濃く、もっといやらしい
逃げ場のない熱の香り。

「……どうですか?」

すぐ近く、颯の声が落ちる。

「ずっと我慢してたんですよ。
 先輩の姿を見ながら。」

挑発するように、言葉が舌を這う。

「どうしたいですか?」

ただ、震える呼吸と、ほんの少し
前へと寄るような仕草で――
欲望を示すしかなかった。

鼻と口に当たった感触は
思っていたよりもずっと硬く
湿り気を帯びて熱を含んでいた。
布越しにも、その存在感は圧倒的だった。

くん…………

柊は、ごく自然に――
いや、無意識に――
鼻を押し当てていた。

ゆっくりと息を吸い込むたび
濃密な香りが鼻腔の奥へと染みわたる。

温度と湿度に包まれながら
わずかに甘く、鋭く
鼻を逸らしたくなる体温の匂い。

それは理性の働く隙間を
静かに、しかし確実に奪っていく。

「……すごいですね、先輩」

すぐ上から、颯の甘い声。
喜びを含んだ吐息まじりの声が
耳に心地よく響く。

「そんなに夢中になって……。
 パンツ越しでも
 ちゃんと感じてくれてるんですね」

柊は答えられなかった。
ただ、嗅覚だけを総動員させて
その香りの深さを追い求めていた。
まるで――熱に浮かされたように。


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