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第一章
第四話
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廊下の突き当たりの角を曲がったところには、人目につきにくい非常階段があった。
電子タバコの匂いは風に流されながらこの方角から確かに香ってきている。この先で間違いなく不良生徒がたばこを吹かしている。
こんな近いところに教師が迫っていることすら知らずに。
「はあ……どうするかな」
俺は小さく独り言をこぼしながら非常階段を目指すため角を曲がる。人目につきにくいそのスペースから、男子数人の賑やかな声が聞こえた。
「てかさてかさ! バレたらやばくね?」
「だーいじょうぶだって。紙巻きほど、におわねーし、バレっこないって! それにすぐ隠せるからよ!」
「けど、たばこは、たばこだよね。なんか臭い」
「ぷははは! 澪ちん! わかってねーなー!」
俺は息を整える。俺にとって初めての喫煙トラブルだったので、どう切り込むべきかを考えた。開口一番、怒る?
いや、それはなんか違う気がする。
それじゃ、見て見ぬふり?
それは、絶対にありえない。一応教師をやってる人間として許される行為ではない。
俺は正直、未成年がたばこを吸おうが酒を飲もうが構わないと思っている。
なんせ、自分もそうだったからだ。恥を承知で言うが、俺が過ごしてきた学生時代は決して他人に自慢できるようなものではなかった。
その分俺の精神年齢もこの生徒達と同じような年齢なのかもしれない。だが実際は二十七歳と、自分が思ってる以上に大人になってしまっている。
ここは、大人として注意しなければならない……腹を括って俺はわざとらしく声を出しながら、角を曲がった。
「はいはい。みんなバレてるよ」
数人の男子が、一斉にこちらを振り向いた。いかにも『指導の対象』になりそうなメンツが、漫画やアニメで見るような、いわゆるヤンキー座りをかましている。
前髪だけを金色に染めた奴、ピアスジャラジャラな奴。ジャージを腰でだらっと履いている奴。そして、丸いレンズの眼鏡をかけた、真面目そうな奴が一人。
何の因果か彼らはみんな、俺のクラスの生徒たちだった。
「やっべ……!」
ピアスの男子が慌てて、手元のデバイスを背中に隠すのが見えたが、甘く漂う香りはもう誤魔化しようもなく、他の生徒達は既に観念したように視線を逸らしている。
「校内で一服はまずいでしょ。みんな吸ってたのかな? どっちにせよ、連帯責任か……」
初めての生徒達の喫煙現場だが、案外動揺はしなかった。そして生徒達の顔をため息混じりに見回すと全員の表情が一瞬で強張る。
「うわー。さいあく」
「お前のせいだからな!」
「はあ!? お前も、吸ってただろ!」
わちゃわちゃと言い合いが始まる前に、俺は片手を上げた。
「はい。ストップストップ。落ち着いて。状況わかってる?」
「……っす」
「はい……」
全員の口が同時に閉じると階段の陰が、妙に静かになり遠くから聞こえるランニング中の運動部の掛け声だけが響いている。
その中で雰囲気の違う【丸メガネの生徒】に目を向けると、目を逸らさずに堂々と俺の目を見ている。焦る様子もなく、じーっとまっすぐにだ。
「君は……」
「はい。相良澪《さがらみお》です」
顎を引いて柔らかく高い声で名乗った【丸メガネの彼】を俺は知っている。
窓側の後ろから二番目の席に座り、俺の自己紹介中も背筋を伸ばしてじーっとまっすぐに俺を見ていた。
その視線が印象的で他のどの生徒よりも真っ先に、顔と名前が一致していたからだ。
派手な見た目の奴らが揃う中、制服をきっちりと着こなしている。丸いレンズのメガネの奥には、眠たげなのにどこか鋭くて『何かを探している』ような大きな瞳。
肌は白くて、細い首元が弱々しく見えるのに、座っている姿はどこか芯があるようにも見えた。まだ話したこともないのに、輪郭だけで『強さ』と『脆さ』の両方を感じた。
「相良くんも吸ってたの?」
「先生、俺っす。澪ちんは見てただけっす!」
「いや俺も、止めれたのに止めれませんでした。ごめんなさい」
俺が【丸メガネの生徒】に問うとピアスが慌てて口を挟む。そして、さらに被せるように【丸メガネの生徒】が頭を下げて謝った。吸ってはいないけれど、喫煙を黙認してしまった自分も同罪であり逃げる気はない、という顔をしている。
なるほど。こういうときに一歩前に出るタイプなんだ。
「そっか。わかった」
「じゃあ、現実的な話をするね。『普通』なら、反省文書かされて、みんなで頑張ってる部活も連帯責任で停止。最悪のケースだと停学になると思う」
「っ……」
「……まあそれは、あくまで『普通』ならの話」
「……?」
「俺も、一応『二十歳過ぎてから』だけど、似たようなもの吸ってるから、君たちの気持ちはわからなくもないよ。確かに、授業後とかご飯食べた後は吸いたくなるんだよね」
「えっ」
まっすぐに俺を見ていた【丸メガネの生徒】の目が、丸くなった。
こいつは教師のくせに何を言っているんだと、呆れているようにも見えた。肩を硬くしていた周りの前髪金髪、ジャージ腰パンも同じように目を見開く。
吸っていた張本人であるピアスは、気まずそうに目をそらしている。
「本音を言えばかっこつけのうちに『やめとけ』が、たぶん一番正しい。体にも良くないし、年取って後からじわじわ来るし、金はかかるしで良いことはなんもない」
「……はい」
「まあ、それが難しいなら……制服着てるときに、吸うのだけは絶対にやめておきなよ。街中でバレたりしたら、自分だけじゃなくて、友達も家族も巻き込むことになるからね?」
「……っす」
「それに俺がこのあと君たちを突き出したら、困るのは君たちだけじゃない。俺を含めた他の先生方も、部活の顧問も、いろんな大人が走り回ることになるよ」
「朝比奈……先生も?」
「もちろん。第一発見者だし、担任だからね。正直、それは相当に面倒くさいし、時間の無駄だね」
ピアスの生徒に面と向かってはっきりと本音を伝えると、観念したように苦笑にも近い顔で肩を落とした。それが後悔している表情だってことはなんとなくわかった。
「だから今日は、とりあえず寄り道せずに帰ろう」
「え……マジ……?」
「うん。マジ」
俺の出した答えは、まさかの『見逃す』だった。それでも、見て見ぬふりはしていないし必要最低限の注意も促した。これを機に反省して同じことをやらかさないでくれるとを願って。
俺がその場を締めようと思っていた時、もう一度頭を下げたのは【丸メガネの生徒】だった。どこか納得のいっていない表情にも見える。
「先生、やっぱり一緒にいた俺も………ダメです」
「うん。そうだね。だけど自分で、それに気づいたなら十分だよ」
「でも──」
「相良」
言葉を遮るように俺が名前を呼ぶと【丸メガネの生徒】はびくっとして顔を上げた。
「自分で自分の非を認めること。間違ってたことを反省すること。それは誰にもできることじゃないよ」
「……え?」
「大人でも、そういう考え方が出来ない人が腐るほどいる。俺は何人もそんな人を見てきては軽蔑してきたよ。『いい大人のくせに』とか『こんな大人にはなりたくない』ってね。俺はそういう奴が大嫌いなんだ。だけど、それをまだ高校生の君が出来てるのは、素晴らしいことだと思うよ」
そう言うと、【丸メガネの生徒】は一瞬ぽかんとしてから、ふっと笑った。
「……なんか、先生って。先生ぽくないですね」
「それは褒めてくれてる?」
「褒めてますよ」
「はは。ありがと。よし。分かったならさっさと帰ろう。次はないってことだけは、ちゃんと覚えておいてね」
「はい……ありがとうございます」
【丸メガネの生徒】が頭を下げるとその横を前髪金髪、ピアス、ジャージ腰パンもペコっと軽くお辞儀をしながらぞろぞろと通り過ぎていく。
その背中を見送りながら、俺はもう一度だけ、念を押した。
「あ!」
「『朝比奈が見逃してくれた』って、絶対チクらないこと。俺の耳に入った時点で、そのときは本気で怒るからね! その時は、俺も含めてみんなで仲良く退学だよ」
「言わないっす!」
「マジで!」
「先生、信用してください!」
ほんの少しだけ、緊張を解いた声でそう言って、彼らは散っていった。一人非常階段に取り残された俺。さっきまで漂っていた甘い香りが、急に遠く感じた。
(……相良澪、か)
頭の中でその名前を反芻《はんすう》する。あの真面目な性格も、丸メガネも、さらさらした髪も、やはり妙に印象に残る生徒だ。
そんなことを思いながら、非常階段の扉を施錠して、辺りを見回しながら職員室へと戻った。
何気ない放課後に生徒達が起こした喫煙事件。これが、これから先、俺を変えていく彼との初めての出会いだった。
電子タバコの匂いは風に流されながらこの方角から確かに香ってきている。この先で間違いなく不良生徒がたばこを吹かしている。
こんな近いところに教師が迫っていることすら知らずに。
「はあ……どうするかな」
俺は小さく独り言をこぼしながら非常階段を目指すため角を曲がる。人目につきにくいそのスペースから、男子数人の賑やかな声が聞こえた。
「てかさてかさ! バレたらやばくね?」
「だーいじょうぶだって。紙巻きほど、におわねーし、バレっこないって! それにすぐ隠せるからよ!」
「けど、たばこは、たばこだよね。なんか臭い」
「ぷははは! 澪ちん! わかってねーなー!」
俺は息を整える。俺にとって初めての喫煙トラブルだったので、どう切り込むべきかを考えた。開口一番、怒る?
いや、それはなんか違う気がする。
それじゃ、見て見ぬふり?
それは、絶対にありえない。一応教師をやってる人間として許される行為ではない。
俺は正直、未成年がたばこを吸おうが酒を飲もうが構わないと思っている。
なんせ、自分もそうだったからだ。恥を承知で言うが、俺が過ごしてきた学生時代は決して他人に自慢できるようなものではなかった。
その分俺の精神年齢もこの生徒達と同じような年齢なのかもしれない。だが実際は二十七歳と、自分が思ってる以上に大人になってしまっている。
ここは、大人として注意しなければならない……腹を括って俺はわざとらしく声を出しながら、角を曲がった。
「はいはい。みんなバレてるよ」
数人の男子が、一斉にこちらを振り向いた。いかにも『指導の対象』になりそうなメンツが、漫画やアニメで見るような、いわゆるヤンキー座りをかましている。
前髪だけを金色に染めた奴、ピアスジャラジャラな奴。ジャージを腰でだらっと履いている奴。そして、丸いレンズの眼鏡をかけた、真面目そうな奴が一人。
何の因果か彼らはみんな、俺のクラスの生徒たちだった。
「やっべ……!」
ピアスの男子が慌てて、手元のデバイスを背中に隠すのが見えたが、甘く漂う香りはもう誤魔化しようもなく、他の生徒達は既に観念したように視線を逸らしている。
「校内で一服はまずいでしょ。みんな吸ってたのかな? どっちにせよ、連帯責任か……」
初めての生徒達の喫煙現場だが、案外動揺はしなかった。そして生徒達の顔をため息混じりに見回すと全員の表情が一瞬で強張る。
「うわー。さいあく」
「お前のせいだからな!」
「はあ!? お前も、吸ってただろ!」
わちゃわちゃと言い合いが始まる前に、俺は片手を上げた。
「はい。ストップストップ。落ち着いて。状況わかってる?」
「……っす」
「はい……」
全員の口が同時に閉じると階段の陰が、妙に静かになり遠くから聞こえるランニング中の運動部の掛け声だけが響いている。
その中で雰囲気の違う【丸メガネの生徒】に目を向けると、目を逸らさずに堂々と俺の目を見ている。焦る様子もなく、じーっとまっすぐにだ。
「君は……」
「はい。相良澪《さがらみお》です」
顎を引いて柔らかく高い声で名乗った【丸メガネの彼】を俺は知っている。
窓側の後ろから二番目の席に座り、俺の自己紹介中も背筋を伸ばしてじーっとまっすぐに俺を見ていた。
その視線が印象的で他のどの生徒よりも真っ先に、顔と名前が一致していたからだ。
派手な見た目の奴らが揃う中、制服をきっちりと着こなしている。丸いレンズのメガネの奥には、眠たげなのにどこか鋭くて『何かを探している』ような大きな瞳。
肌は白くて、細い首元が弱々しく見えるのに、座っている姿はどこか芯があるようにも見えた。まだ話したこともないのに、輪郭だけで『強さ』と『脆さ』の両方を感じた。
「相良くんも吸ってたの?」
「先生、俺っす。澪ちんは見てただけっす!」
「いや俺も、止めれたのに止めれませんでした。ごめんなさい」
俺が【丸メガネの生徒】に問うとピアスが慌てて口を挟む。そして、さらに被せるように【丸メガネの生徒】が頭を下げて謝った。吸ってはいないけれど、喫煙を黙認してしまった自分も同罪であり逃げる気はない、という顔をしている。
なるほど。こういうときに一歩前に出るタイプなんだ。
「そっか。わかった」
「じゃあ、現実的な話をするね。『普通』なら、反省文書かされて、みんなで頑張ってる部活も連帯責任で停止。最悪のケースだと停学になると思う」
「っ……」
「……まあそれは、あくまで『普通』ならの話」
「……?」
「俺も、一応『二十歳過ぎてから』だけど、似たようなもの吸ってるから、君たちの気持ちはわからなくもないよ。確かに、授業後とかご飯食べた後は吸いたくなるんだよね」
「えっ」
まっすぐに俺を見ていた【丸メガネの生徒】の目が、丸くなった。
こいつは教師のくせに何を言っているんだと、呆れているようにも見えた。肩を硬くしていた周りの前髪金髪、ジャージ腰パンも同じように目を見開く。
吸っていた張本人であるピアスは、気まずそうに目をそらしている。
「本音を言えばかっこつけのうちに『やめとけ』が、たぶん一番正しい。体にも良くないし、年取って後からじわじわ来るし、金はかかるしで良いことはなんもない」
「……はい」
「まあ、それが難しいなら……制服着てるときに、吸うのだけは絶対にやめておきなよ。街中でバレたりしたら、自分だけじゃなくて、友達も家族も巻き込むことになるからね?」
「……っす」
「それに俺がこのあと君たちを突き出したら、困るのは君たちだけじゃない。俺を含めた他の先生方も、部活の顧問も、いろんな大人が走り回ることになるよ」
「朝比奈……先生も?」
「もちろん。第一発見者だし、担任だからね。正直、それは相当に面倒くさいし、時間の無駄だね」
ピアスの生徒に面と向かってはっきりと本音を伝えると、観念したように苦笑にも近い顔で肩を落とした。それが後悔している表情だってことはなんとなくわかった。
「だから今日は、とりあえず寄り道せずに帰ろう」
「え……マジ……?」
「うん。マジ」
俺の出した答えは、まさかの『見逃す』だった。それでも、見て見ぬふりはしていないし必要最低限の注意も促した。これを機に反省して同じことをやらかさないでくれるとを願って。
俺がその場を締めようと思っていた時、もう一度頭を下げたのは【丸メガネの生徒】だった。どこか納得のいっていない表情にも見える。
「先生、やっぱり一緒にいた俺も………ダメです」
「うん。そうだね。だけど自分で、それに気づいたなら十分だよ」
「でも──」
「相良」
言葉を遮るように俺が名前を呼ぶと【丸メガネの生徒】はびくっとして顔を上げた。
「自分で自分の非を認めること。間違ってたことを反省すること。それは誰にもできることじゃないよ」
「……え?」
「大人でも、そういう考え方が出来ない人が腐るほどいる。俺は何人もそんな人を見てきては軽蔑してきたよ。『いい大人のくせに』とか『こんな大人にはなりたくない』ってね。俺はそういう奴が大嫌いなんだ。だけど、それをまだ高校生の君が出来てるのは、素晴らしいことだと思うよ」
そう言うと、【丸メガネの生徒】は一瞬ぽかんとしてから、ふっと笑った。
「……なんか、先生って。先生ぽくないですね」
「それは褒めてくれてる?」
「褒めてますよ」
「はは。ありがと。よし。分かったならさっさと帰ろう。次はないってことだけは、ちゃんと覚えておいてね」
「はい……ありがとうございます」
【丸メガネの生徒】が頭を下げるとその横を前髪金髪、ピアス、ジャージ腰パンもペコっと軽くお辞儀をしながらぞろぞろと通り過ぎていく。
その背中を見送りながら、俺はもう一度だけ、念を押した。
「あ!」
「『朝比奈が見逃してくれた』って、絶対チクらないこと。俺の耳に入った時点で、そのときは本気で怒るからね! その時は、俺も含めてみんなで仲良く退学だよ」
「言わないっす!」
「マジで!」
「先生、信用してください!」
ほんの少しだけ、緊張を解いた声でそう言って、彼らは散っていった。一人非常階段に取り残された俺。さっきまで漂っていた甘い香りが、急に遠く感じた。
(……相良澪、か)
頭の中でその名前を反芻《はんすう》する。あの真面目な性格も、丸メガネも、さらさらした髪も、やはり妙に印象に残る生徒だ。
そんなことを思いながら、非常階段の扉を施錠して、辺りを見回しながら職員室へと戻った。
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