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苦戦
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転移魔法でドグレニム領とロニーニャ領を繋ぐ道のロニーニャ領側にゴブリン軍団を二ホン砦から移動させます。
まさかロニーニャ領に〈護武燐〉の旗が大量にはためく日が来るとは…。
そう思いながらもゾルス達に作戦を伝えます。
とりあえず、大まかにゾルス、バルタ、ロゼフがそれそれ1000匹を率いていく方向で。
村を襲ってるウェアウルフを殲滅する主力はゾルスとロゼフの部隊、バルタは援護に徹して。
特に騎馬ゴブリンは後の戦いで重要になるから基本的に温存する方向で。
ハンゾウは配下を使って各村の状況確認と各部隊への伝令をお願い。
カウア達ミノタウロスは先陣を予定してるけど、状況次第で変更もあるから。
アルチ達サンダーウルフは逃げるウェアウルフの討伐と戦闘前のかく乱をお願いすると思うから。
「マサト様、バルタの部隊と騎馬ゴブリンは温存ですか?」
「そう、べロイニレスの町に群がっているウェアウルフを攻める時に必要になって来るからね、いざという時に満身創痍だと困るんだよね」
「かしこまりました。ただ村を救援しながら進むとなると時間がかかりますが……」
「その辺は大丈夫、村を救援してる間に自分がラルに乗って次に救援する村の近くまで言って転移魔法で移動できるようにしとくから」
「確かに、それなら移動の時間が短縮できますな」
「そう、それにゾルス部隊とロゼフ部隊が順番に戦闘すれば片方が戦闘中に休みも取れるし効率よく進めるでしょ?」
そう言って大体の行動方針を伝えた後、疑念をゾルス達にぶつけます。
「それでゴブリンとウェアウルフだとどう考えても力の差がありそうだけど勝てるの?」
「確かにウェアウルフと比べればゴブリンは非力ではありますが、訓練を積んでますし何より集団戦闘を叩きこんでおります。なので数で押し切られなければ勝機はあるかと」
そういうゾルスですが、裏を返すと数で押し切られたら負けるって事だよね?
まあその辺はカウア達ミノタウロスとアルチ達サンダーウルフに援護させれば何とかなるか…。
そう思いながら進軍を開始しようかと思った矢先ゾルスが大きく息を吸い込みます。
「ヴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
森の木々や地面が振動するほどの咆哮をゾルスが響き渡ります。
「ゾルス、どうしたの急に咆哮をあげて…」
「いえ、近隣に居るゴブリンを呼び寄せようかと思いまして…」
そういうとゾルスは再度大きく息を吸い込み再度咆哮をあげます。
まあ野良ゴブリンでもゾルス達が同族支配で配下に加えるだろうから一応戦力にはなるか。
ていうか二ホン砦のゴブリンが毎回行くたびに増えてる理由が分かった気がして来た…。
そう思いながらも第一目標の村に向けて進軍を開始します。
うん、ゾルスの咆哮半端ないな。
なんか森からポツポツとゴブリンが出てきて進軍するゴブリンに何食わぬ顔で混じってるし…。
そしてしばらく進軍すること第一目標の村が見えてきましたが、ゾルスの咆哮が聞こえていたのか既にウェアウルフの群れはこちらを敵と見定めて戦闘準備をしています。
ざっと見積もって300匹ぐらいか。
「マサト様、申し訳ございません。無駄に敵を刺激してしまったようです」
そう言ってゾルスが謝りますが、奇襲は元々期待していないので問題ないと伝え戦闘準備を命じます。
「先陣はカウア達ミノタウロスが横一線に並んで突撃し、その後ろからゾルス率いるゴブリン軍団が突入。
アルチ達サンダーウルフは村を囲むウェアウルフの群れを包囲する形で待機し逃げるウェアウルフを狙って攻撃!」
「はっ、かしこまりました。」
「それじゃあ、かかれぇ~!!!!!」
そう自分が号令をかけると横一線に並んだカウア達ミノタウロスがウェアウルフの群れに突っ込んでいきます。
ウェアウルフの群れはカウア達ミノタウロスの突撃に一瞬怯んだように見えましたが、向かって来るミノタウロスが10匹と自分達より数が少ない為かすぐに牙をむき出しにしてカウア達に殺到し飛びかかります。
カウア達ミノタウロスがバトルアックスを振るう度にウェアウルフの体が両断され、吹き飛ばされ、霧散をしていきます。
最初はすぐに飛び掛かって来ていたウェアウルフはカウア達ミノタウロスに本能で脅威を感じたのか、距離を取り囲んだうえで体力を削って倒そうとするかのように様子を伺いだします。
「ゾルス、突撃して蹴散らして!」
そう指示を出すと50匹単位で隊を組んだゾルス率いるゴブリン軍団がウェアウルフに向かっていきます。
そう言えばゾルス部隊の弓兵が居ないけどどこ行ったんだ?
そう思いながら近くでゾルス部隊の戦闘を見守るバルタに理由を聞いてみたところ、どうやら混戦になる可能性を考慮して弓兵、魔法兵は一旦バルタ部隊に移動させその代わりにバルタ部隊から歩兵を補充したそうです。
まあいいんだけど、だったら部隊分けなくても良かったような…。
そんな事を思いながら戦闘に視線を戻すと、カウア達を囲んでいたウェアウルフは50匹単位の塊になって襲って来たゴブリン達に狙いを定めたのか、カウア達をすり抜けてゴブリンに殺到して来ます。
ゴブリン達は槍の穂先を揃え密集隊形でウェアウルフを迎え撃つ構えで突撃する事で力の差を埋めるようです。
密集し突撃するゴブリン達に正面から飛び掛かったウェアウルフが槍の餌食となり霧散しますが、次々に襲い掛かるウェアウルフの群れにゴブリン達が押され気味になってきます。
カウア達がゴブリンを襲うウェアウルフを後ろから薙ぎ払いながら戦いますが、押され気味のゴブリンは密集隊形のままジリジリと下がっている感じで、最初に倒した後は押される一方になっています。
やっぱり身体能力に差があるからゴブリンじゃ押されるな…。
そう思いながら、どうするかを考えますが、初戦からこの調子だとべロイニレスの町に辿り着かないんじゃないかと思えてきます。
「ロゼフ、ホブゴブリンとウェアウルフだとどっちが強い?」
そうロゼフに確認をしますが返ってきた答えは予想通りウェアウルフとの事です。
「じゃあホブゴブリン何匹居たらウェアウルフ1匹倒せる?」
その質問に対しロゼフは少し考えてからホブゴブリン3匹で1匹を相手にするならだそうです。
うん、作戦の立て直しが必要だな。
そう思い、待機しているバルタとロゼフに率いている部隊を守備隊形にし、今回は自分とカウア達ミノタウロスにゾルス、バルタのみでこの場のウェアウルフを相手取る事を告げ、ロゼフには守備の指揮と魔法での援護を指示し、自分はバルタと共にウェアウルフの群れに向かいます。
戦闘に加わった自分とバルタはそれぞれ単騎で戦闘に加わったのでウェアウルフ達からしたら格好の獲物に見えたのでしょう。
ゴブリンと戦っていた群れの一部が殺到して来ます。
日本刀を抜き放ち一気に間合いを詰めて斬りかかりウェアウルフを切り捨てていきます。
「ゾルス!とりあえずゴブリン達を下げて! ここは、自分とカウア達とゾルス、バルタだけで殲滅するよ!!」
そう言ってゾルスに指示を出してゴブリン達の後退を援護するように各々が単騎でウェアウルフと切り結びます。
ゴブリン達の後退が完了すると、ウェアウルフの群れの中に残る自分達に殺到して来ますが、守りを意識する必要もなくなったので周りを気にせず思いっきりウェアウルフを斬り捨てていきます。
一部のウェアウルフは後方のゴブリン達に襲い掛かりましたが、完全に防御隊形を整えたうえロゼフの魔法により思い通りに攻めきれず撃退されています。
暫くするとウェアウルフの数もかなり減り出しましたので、アルチ達サンダーウルフに指示を出し包囲を縮めて一気にかたをつけ殲滅戦に打って出ます。
戦闘が始まって大体1時間以上は過ぎたのでしょうか、一応は大きな被害も無く、村を囲むウェアウルフの群れを全滅させる事は出来ましたが、この分だと先が思いやられます。
地面に散らばるウェアウルフの魔石をゾルス部隊のゴブリン達に回収を命じ、ゾルス、バルタ、ロゼフ、カウア、アルチを呼び今後の作戦を立て直しをします。
「まずは、どうやって力の差を埋めるかだよね、この分だとウェアウルフの群れとまともにぶつかったら一戦するだけで大損害だし」
そう言って話し出すと、ゾルスは申し訳なさそうにしています。
「申し訳ございません。我々としては訓練を行っておりましたのでここまで苦戦するとは思っておらず…」
「まあこれはゾルス達の責任と言う訳じゃないし、ウェアウルフとゴブリンだと、体格差に加え素早さも腕力も差があり過ぎるからね。実際オーガを相手にしてる方が楽だろうし」
「しかし先の戦いでゴブリン達では歯が立たないので何か対策を立てなければ、この後の戦いで全く役に立ちません」
そうロゼフが口を開きますが、作戦がある訳でもない為、眉間に皺を寄せています。
「まあね、とは言え4足獣の俊敏さに加え腕力もあるし、とりあえず今回はホブゴブリン以上で戦って普通のゴブリンは50~100単位で固まって防御隊形で囮になってもらうのが良いかな」
「確かに、通常のゴブリンでは全く歯が立ちませんので、集団で防御隊形を維持しつつ中から魔法や矢で牽制しながら囮になれば戦いが少しは有利になるかもしれませんな」
ロゼフが賛成の意思を示しましたが、全員が具体的な作戦を思いつかず、時間だけが過ぎていきます。
うん、村へ救援に来た味方だと伝えてないんだけど後でいいや、ここまで力の差があり過ぎると先に作戦を立て直して編成を組みなおさないと、この大量発生に対応できないもんね…。
それにしてもこの大量発生は厄介だ。
芋虫みたいにただ向かって来るだけならなんとでもなるけど、ここまでゴブリンと力の差があり過ぎるとな…。
まさかロニーニャ領に〈護武燐〉の旗が大量にはためく日が来るとは…。
そう思いながらもゾルス達に作戦を伝えます。
とりあえず、大まかにゾルス、バルタ、ロゼフがそれそれ1000匹を率いていく方向で。
村を襲ってるウェアウルフを殲滅する主力はゾルスとロゼフの部隊、バルタは援護に徹して。
特に騎馬ゴブリンは後の戦いで重要になるから基本的に温存する方向で。
ハンゾウは配下を使って各村の状況確認と各部隊への伝令をお願い。
カウア達ミノタウロスは先陣を予定してるけど、状況次第で変更もあるから。
アルチ達サンダーウルフは逃げるウェアウルフの討伐と戦闘前のかく乱をお願いすると思うから。
「マサト様、バルタの部隊と騎馬ゴブリンは温存ですか?」
「そう、べロイニレスの町に群がっているウェアウルフを攻める時に必要になって来るからね、いざという時に満身創痍だと困るんだよね」
「かしこまりました。ただ村を救援しながら進むとなると時間がかかりますが……」
「その辺は大丈夫、村を救援してる間に自分がラルに乗って次に救援する村の近くまで言って転移魔法で移動できるようにしとくから」
「確かに、それなら移動の時間が短縮できますな」
「そう、それにゾルス部隊とロゼフ部隊が順番に戦闘すれば片方が戦闘中に休みも取れるし効率よく進めるでしょ?」
そう言って大体の行動方針を伝えた後、疑念をゾルス達にぶつけます。
「それでゴブリンとウェアウルフだとどう考えても力の差がありそうだけど勝てるの?」
「確かにウェアウルフと比べればゴブリンは非力ではありますが、訓練を積んでますし何より集団戦闘を叩きこんでおります。なので数で押し切られなければ勝機はあるかと」
そういうゾルスですが、裏を返すと数で押し切られたら負けるって事だよね?
まあその辺はカウア達ミノタウロスとアルチ達サンダーウルフに援護させれば何とかなるか…。
そう思いながら進軍を開始しようかと思った矢先ゾルスが大きく息を吸い込みます。
「ヴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
森の木々や地面が振動するほどの咆哮をゾルスが響き渡ります。
「ゾルス、どうしたの急に咆哮をあげて…」
「いえ、近隣に居るゴブリンを呼び寄せようかと思いまして…」
そういうとゾルスは再度大きく息を吸い込み再度咆哮をあげます。
まあ野良ゴブリンでもゾルス達が同族支配で配下に加えるだろうから一応戦力にはなるか。
ていうか二ホン砦のゴブリンが毎回行くたびに増えてる理由が分かった気がして来た…。
そう思いながらも第一目標の村に向けて進軍を開始します。
うん、ゾルスの咆哮半端ないな。
なんか森からポツポツとゴブリンが出てきて進軍するゴブリンに何食わぬ顔で混じってるし…。
そしてしばらく進軍すること第一目標の村が見えてきましたが、ゾルスの咆哮が聞こえていたのか既にウェアウルフの群れはこちらを敵と見定めて戦闘準備をしています。
ざっと見積もって300匹ぐらいか。
「マサト様、申し訳ございません。無駄に敵を刺激してしまったようです」
そう言ってゾルスが謝りますが、奇襲は元々期待していないので問題ないと伝え戦闘準備を命じます。
「先陣はカウア達ミノタウロスが横一線に並んで突撃し、その後ろからゾルス率いるゴブリン軍団が突入。
アルチ達サンダーウルフは村を囲むウェアウルフの群れを包囲する形で待機し逃げるウェアウルフを狙って攻撃!」
「はっ、かしこまりました。」
「それじゃあ、かかれぇ~!!!!!」
そう自分が号令をかけると横一線に並んだカウア達ミノタウロスがウェアウルフの群れに突っ込んでいきます。
ウェアウルフの群れはカウア達ミノタウロスの突撃に一瞬怯んだように見えましたが、向かって来るミノタウロスが10匹と自分達より数が少ない為かすぐに牙をむき出しにしてカウア達に殺到し飛びかかります。
カウア達ミノタウロスがバトルアックスを振るう度にウェアウルフの体が両断され、吹き飛ばされ、霧散をしていきます。
最初はすぐに飛び掛かって来ていたウェアウルフはカウア達ミノタウロスに本能で脅威を感じたのか、距離を取り囲んだうえで体力を削って倒そうとするかのように様子を伺いだします。
「ゾルス、突撃して蹴散らして!」
そう指示を出すと50匹単位で隊を組んだゾルス率いるゴブリン軍団がウェアウルフに向かっていきます。
そう言えばゾルス部隊の弓兵が居ないけどどこ行ったんだ?
そう思いながら近くでゾルス部隊の戦闘を見守るバルタに理由を聞いてみたところ、どうやら混戦になる可能性を考慮して弓兵、魔法兵は一旦バルタ部隊に移動させその代わりにバルタ部隊から歩兵を補充したそうです。
まあいいんだけど、だったら部隊分けなくても良かったような…。
そんな事を思いながら戦闘に視線を戻すと、カウア達を囲んでいたウェアウルフは50匹単位の塊になって襲って来たゴブリン達に狙いを定めたのか、カウア達をすり抜けてゴブリンに殺到して来ます。
ゴブリン達は槍の穂先を揃え密集隊形でウェアウルフを迎え撃つ構えで突撃する事で力の差を埋めるようです。
密集し突撃するゴブリン達に正面から飛び掛かったウェアウルフが槍の餌食となり霧散しますが、次々に襲い掛かるウェアウルフの群れにゴブリン達が押され気味になってきます。
カウア達がゴブリンを襲うウェアウルフを後ろから薙ぎ払いながら戦いますが、押され気味のゴブリンは密集隊形のままジリジリと下がっている感じで、最初に倒した後は押される一方になっています。
やっぱり身体能力に差があるからゴブリンじゃ押されるな…。
そう思いながら、どうするかを考えますが、初戦からこの調子だとべロイニレスの町に辿り着かないんじゃないかと思えてきます。
「ロゼフ、ホブゴブリンとウェアウルフだとどっちが強い?」
そうロゼフに確認をしますが返ってきた答えは予想通りウェアウルフとの事です。
「じゃあホブゴブリン何匹居たらウェアウルフ1匹倒せる?」
その質問に対しロゼフは少し考えてからホブゴブリン3匹で1匹を相手にするならだそうです。
うん、作戦の立て直しが必要だな。
そう思い、待機しているバルタとロゼフに率いている部隊を守備隊形にし、今回は自分とカウア達ミノタウロスにゾルス、バルタのみでこの場のウェアウルフを相手取る事を告げ、ロゼフには守備の指揮と魔法での援護を指示し、自分はバルタと共にウェアウルフの群れに向かいます。
戦闘に加わった自分とバルタはそれぞれ単騎で戦闘に加わったのでウェアウルフ達からしたら格好の獲物に見えたのでしょう。
ゴブリンと戦っていた群れの一部が殺到して来ます。
日本刀を抜き放ち一気に間合いを詰めて斬りかかりウェアウルフを切り捨てていきます。
「ゾルス!とりあえずゴブリン達を下げて! ここは、自分とカウア達とゾルス、バルタだけで殲滅するよ!!」
そう言ってゾルスに指示を出してゴブリン達の後退を援護するように各々が単騎でウェアウルフと切り結びます。
ゴブリン達の後退が完了すると、ウェアウルフの群れの中に残る自分達に殺到して来ますが、守りを意識する必要もなくなったので周りを気にせず思いっきりウェアウルフを斬り捨てていきます。
一部のウェアウルフは後方のゴブリン達に襲い掛かりましたが、完全に防御隊形を整えたうえロゼフの魔法により思い通りに攻めきれず撃退されています。
暫くするとウェアウルフの数もかなり減り出しましたので、アルチ達サンダーウルフに指示を出し包囲を縮めて一気にかたをつけ殲滅戦に打って出ます。
戦闘が始まって大体1時間以上は過ぎたのでしょうか、一応は大きな被害も無く、村を囲むウェアウルフの群れを全滅させる事は出来ましたが、この分だと先が思いやられます。
地面に散らばるウェアウルフの魔石をゾルス部隊のゴブリン達に回収を命じ、ゾルス、バルタ、ロゼフ、カウア、アルチを呼び今後の作戦を立て直しをします。
「まずは、どうやって力の差を埋めるかだよね、この分だとウェアウルフの群れとまともにぶつかったら一戦するだけで大損害だし」
そう言って話し出すと、ゾルスは申し訳なさそうにしています。
「申し訳ございません。我々としては訓練を行っておりましたのでここまで苦戦するとは思っておらず…」
「まあこれはゾルス達の責任と言う訳じゃないし、ウェアウルフとゴブリンだと、体格差に加え素早さも腕力も差があり過ぎるからね。実際オーガを相手にしてる方が楽だろうし」
「しかし先の戦いでゴブリン達では歯が立たないので何か対策を立てなければ、この後の戦いで全く役に立ちません」
そうロゼフが口を開きますが、作戦がある訳でもない為、眉間に皺を寄せています。
「まあね、とは言え4足獣の俊敏さに加え腕力もあるし、とりあえず今回はホブゴブリン以上で戦って普通のゴブリンは50~100単位で固まって防御隊形で囮になってもらうのが良いかな」
「確かに、通常のゴブリンでは全く歯が立ちませんので、集団で防御隊形を維持しつつ中から魔法や矢で牽制しながら囮になれば戦いが少しは有利になるかもしれませんな」
ロゼフが賛成の意思を示しましたが、全員が具体的な作戦を思いつかず、時間だけが過ぎていきます。
うん、村へ救援に来た味方だと伝えてないんだけど後でいいや、ここまで力の差があり過ぎると先に作戦を立て直して編成を組みなおさないと、この大量発生に対応できないもんね…。
それにしてもこの大量発生は厄介だ。
芋虫みたいにただ向かって来るだけならなんとでもなるけど、ここまでゴブリンと力の差があり過ぎるとな…。
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